「ギアンサル……僕からも、いいかな」
そう聞くも、頭上の口からは何も答えず、眼下の観測者の瞳を捉える。その瞳からは僅かながら期待を孕んでいるようにも見えた。
偶然か必然か。自分も、彼の予想通りにその答えを伝える。
「僕は……決めたよ。これから先何があろうとも、キミと一緒なら地獄に堕ちようとも構わない。
宇宙の全てが敵になっても、キミを観測し続ける」
「……そうか」
「まあギアンサルから言わせれば、愛の告白にYESと答えるってことだね」
「……っ!誰がいつお前に愛の告白を説いたんだ!勝手な、解釈は……」
「聞いて、ギアンサル」
「僕は……ギアンサル、キミと一緒に居たいんだ。好きです……君と過ごしていくうちに
あなたの事が忘れられなくて……」
「……っ」
ギアンサルはただ、温もりを抱きしめたまま彼の言葉を聞き続ける。
だが目の前の竜は怖がっている。大切なものが出来る嬉しさと同じ、失う恐怖も同時に覚え始める。
既にギアンサル〈竜〉は、腕の中にいる存在が大切な存在になりつつあるのが自覚していた。
「オレもだ……。最初はただの世間知らずのアマちゃんオペレーターだと思ってたが、お前はヒーローはおろかヴィランにまでも何人も手篭めにしちまって、お前の周りを囲ってる。
そんなお前に、オレも惹かれちまったんだろうな……運、悪くよ……」
なんとか自分の理性を保とうと、いつもの嫌味や皮肉を言おうとしても、あんなことを言われた手前ではそう邪険にすることもできず……。
「……けど逆に言えば、こんなオレでも、誰かを愛していいって言う道標もあるってことだよな」
今日だけは……クリスマスという特別なこの時間だけは……。
彼にも、自分にも……素直になっていいのかもしれない。
“あの時”とは違う。自分の赴くままに行動しても、咎める者はいない。
受け入れてくれるのだ。戦う力も無くて、どこか放っておけない、バカでお人好しの愛する人に。
「……オレも、お前が好きだ……。これだけは……どんなに連中から否定されようが、絶対に消えねぇ……オレだけの気持ちだ……」
今度は彼も自分にも目を逸らさず、気持ちを伝えることができた。これほど気持ちの良い感覚なのか、今まで生きてきた中で何物にも変え難い瞬間だと。
竜は口にはしないが、目敏いこいつのことだ。きっと余計なモンまで感じとってしまうのだろうと。
「あんだけのこと言ったんだ。約束は当然、守ってもらうぜ。反故にしたら承知しねぇからな……」
「うん……分かってる……」
再び抱きしめ合う二人。12月25日の聖夜の下、身が震えるほどの寒さの風が吹く中、二人はただ何も言わず互いの体温を求め合う。
どんなものも変え難い温もりが、最後まで素直になれない竜と最後までそんな竜を観続けることを決めた観測者の理性を溶かしていく。
「ねぇギアンサル……」
「今度はなんだ」
「なんだか……エッチな気分になってきちゃった……」
「……バカが///少しは情緒ってモンを考えろよな……」
「へ〜ギアンサルでもそういうの気にするんだ」
「良い加減にしろよ///……俺の泊まっているホテルまで案内する。そこなら……お望みのモンを……な」
「ここでシちゃダメ?」
「……いいから行くぞ」
「は〜い」
[newpage]
二人はギアンサルが泊まっているホテルまで移動し、部屋へ着くと早速情事へ移るための準備を諸々済ませていく。
「……なんで日頃からゴムなんて持ち歩いているんだ……」
「いやぁこれも社会人のマナーといいますか……なんだったら、今から買いに行ってもよかったんだよ?」
「冗談じゃねぇぞ。そんな……今からエロいことするって思われたく……ねぇしよ……」
「ふふ。じゃあ着けてあげるね」
「お、おう……」
ベットの縁に座る竜の股下に跪いて、彼にはぴったり言わんばかりの人前では見せ辛いエッチな勝負下着をゆっくりと脱がしていく。
竜もどこか焦っているのか、緊張しているのか腰や太ももの動きがぎこちない。
普段冷静で、数時間前まで繰り広げた死闘を共に乗り切った彼とは何もかもが違った。
「ギアンサル、もしかして緊張してる?」
「んっ……仕方……ないだろ。そんな……きな…と……クスなんて……お前だってそうだろうが……///」
所々聞き取れなかったが、自分は耳聡く聞いてしまった。
要はなんだかんだ言って、彼もその気なんだろう。だって……。
ゴクリ……
思わず固唾を飲み込む光景。
薄暗闇の中で、数少なく強い存在感を放っているナニか。
ギアンサルの立派すぎる逸物。
思ったよりも大きくて、思ったよりは自分とそれほど変わらない初々しいピンク色。
それこそあまり使われていない、自慰すらもまともにしたことないモノ。
彼の心のどこかにある、理想のヒーロー像なのか、淫らな欲に流されず、節制をしたのが伺える。
「ハァ……ハァ……ハァ……」
上を見上げれば竜がもう限界だと訴えるように感覚の短い吐息を漏らす。
そんな彼の姿に観測者はついつい加虐心が湧いてしまい、まだまだお預けをしてもらおうと。
すぐに逸物をゴムを付けず、只今期待を想う逸物に顔をさらに近づけて臭いを嗅いでいく。
スゥ~~ ~ ~ ~
大きく深く、鼻だけで息を吸えば、彼の逸物から香る微かに残る饐えた匂いが体内に取り込まれる。
スンスンと鼻息が当たるたびにビクビクと艶かしく脈動する。我慢汁も鈴口からダラダラと垂れてきて逸物全体にまとわりついていく。
決して良い匂いではないものの、頭がこの匂いが彼由来のモノであると理解すると同時に、幸福感で満たされるのだ。
フレーメン反応と言ったか。今の自分は決して彼以外には見せられないほど滑稽なものになっているだろう。
「お前……思ってたよりも変態、なんだな……」
本人から言われて初めてそう実感する。記憶を失う前も、これほど臭いに執着していたのだろうか。
でも今は関係ない、竜にどれほど嘲られようがそれほど竜に恋をしてしまっている。強く求めてしまっている。
そして彼もそれは同じ。その証拠に鳴りを顰めていた蛇がその頭を現し始めた。
竜の逸物が徐々に上へ上へと向いて、逸物に血液が集まって体積を増やし、彼と自分とが初めて心が通じ合った気がした。
彼が自分の痴態に興奮して、自分と同じように愛し求め合っている。
「は、早く……付けてくれ……よ///」
慣れない性的快楽が断続的に襲っていたためだろうか、それは純粋な懇願に変わった。
見れば彼は若干涙目になり、こちらを顔を背ける。その姿に思わずイタズラ心に火がついた。
口を大きく明けて目の前の美味しそうな“バナナ”を口一杯に頬張った。
ハム、んちゅ……アム……ジュルル……
「はっ!?オイ!そんな……くぅっ……!」
竜は股下の想い人の行動に待ったをかけるも思ったように腕に力が入らず、いつものように力の差も離れている想い人を押し除けることが出来なかった。
ずっとスリットの奥に収まっていた竜の逸物は、事前に丹念に洗っていたとしても、染み付いたであろう濃い匂いは取れていなくて先程まで味わった匂いが一層強まっていく。
ひとしきり味わった後は肉棒をもっと奥まで口の中に挿れていく。地球人と獣人型宇宙人とでは二回り以上も体格差があってか、全て飲み込もうとすれば嗚咽反応も出るが、それを意に介さず、ただ黙って彼のために奉仕する。
「どう…?気持ちいい?」
「お前なぁ……ハァ……そんなこと……うぅ……っ!」
唾液を含ませながら逸物を離したり加え直したり。すると我慢汁がどんどん出てきて、口内で唾液と混ざり合って特製の潤滑油が出来上がる。
塩っぱくてエグ味の含んだ青臭い味、だが自分の見様見真似な奉仕で彼が気持ちよくなっているのだと考えるとその勢いは増していって……。
「ハァ……!オイ、離せ……そろそろ出しちまう……!だから……」
構わない。むしろ中に出して欲しい。頭に掴まれるものの首を横に振って、拒否の意を示す。
「っ!どうなっても……知らねぇからな……射精すぞ!溺れるなよっ……!」
「んんっ!!」
身構えていたにも関わらず、想像以上の衝撃と質量が口の中を一瞬で埋め尽くす。
我慢汁以上の青臭さが襲いかかるが、今の観測主に竜の子種を味わう余裕はない。
今まで我慢してきたであろう、自分の出すものとは似ても似つかない濃厚で半ば固形な白濁の子種が流れ込んでくる。
頑張って全て飲み込もうとするも10秒と待たずに口端から一部が溢れ落ちてしまう。
やがて流れの勢い余韻が薄れ、開くようになった口が発したのは。
「不味い……」
「ハハハ……そうか、オレの忠告を無視した報いだな」
「でも……ギアンサルのだから、むしろ美味しいよ」
「くっ!?……ああそうかよ!だったら徹底的に言う分からせてやる!」
「ええっ!急に何!?」
「はっ、お前だけイイ思いさせてやらねぇってこった。よくも俺を一方的に攻めて絶頂くれたな。
覚悟……しろよ……♡」
やっとこさ竜の逸物にコンドームを取り付け。今は自分がベットの上にうつ伏せになって、背後に臨戦体制になった竜が何故か
「イイ眺めだな。今凶悪なヴィランがヒーローオペレーターのお前のカワイイお尻をロックオンしたぜ」
「ぷっ。なんなのそれ」
「う、うるせぇよ。いいから黙ってこの俺の……雌になっちまえよ……///」
お互い何もかもが未体験の領域で、拙くて……後になったら苦くて思わず笑い飛ばしてしまう、思い出になるだろう。
それでも今宵が、初めて二人が一つになったかけがいのない記念日になるのだから。
「挿れるぞ……」
「うん……」
ゴムに包まれた竜の巨大な逸物が、ゆっくりと狙いを定めながら穴に挿入されていく。事前に広げていたが、それでも子供の腕ほどある竜の肉棒の存在は想像を大きく超えていた。
「あっ……!すっごい……おっきぃ……♡」
「はぁっ!あったけぇ……これが、セックス……♡!」
「ぎあんしゃるぅ……♡」
「わりぃ……もう……ガマンできね……!」
ローションの助けがあっても竜が早々に理性が削り取られ、半ば無理やりにどんどん逸物を中へ入れていく。
「あっ!あっ!あっ!すごい!ねぇ、気持ちいいよぉ〜!」
ヒーローオペレーターと要注意人物のヴィランであるのも忘れ、ケダモノのように乱れ合う。けれども、二人はこの瞬間を心待ちにしていた。この瞬間だけは二人を邪魔するルールは存在しない。
「はっ!ハァ、はっ!ハァ、観測主っ……!好きだぁ……愛してるっ……!」
「ぼ、僕も……おおっ!♡」
「あの無人島での一件で!お前に信じてるって言われてから、お前の存在が大きくなっていった!」
「最初はヒーローオペレーターなんざに恋をするなんて虫唾が走る思いだったが、お前にならいいと思ったんだ!」
「俺も……お前を信じていたんだ……。だからっ……だからぁ!」
「ん゛ん゛っ!んぅぅぅん゛っ!♡」
「……体制変えるぞ、こっち向け」
「へ?……ああっ……」
「……っと。へへへ、イイ眺めだ……♡今度は声、我慢するなよ」
パンパンパンパンパンパンパンパンパン!
「あっ♡ あっ♡ あっ♡あぅ♡ あぅ♡ あぅ♡」
「そうだっ……やれば、出来るじゃねぇか……ハハ……」
「その調子でもっとエロい声を聞かせてくれよ♡」
「お゛お゛っ!うんっ!ううんっ!」
パンパンパンパンパンパンパンパンパン!
「フーッ!フーッ!そろそろ、射精すぞ……♡俺達のガキ、孕んでくれるよな♡?」
「いいっ!いいよぉ♡
ぎあんしゃるとのこどもぉ〜っ♡!」
「イクッ♡イクぞ……!んん゛っ!!!♡」
「ああっ!ああ……ぁ……ん……♡」
「止まんねぇ、まだ……出る……ぜ……ぐぅ……♡」
「ぎあんしゃるのが〜すっごいいっぱい……♡あったかいい〜……♡」
「はは、は……」
「……もう、どこにも行かないでくれ……。ずっと、ずっと……俺だけを見てくれ……」
「……俺だけを……この広い宇宙の中でも……ずっと感じてくれ……」
「うん。うん……ん…………」
[newpage]
12月26日。色んな意味で賑わっていた聖夜は鳴りを顰め、仮設都市の住民は早朝から復興作業に勤しんでいた。
観測主はすっかりガタガタになってしまった体を動かして、宇宙港ターミナルまで足を運んだ。
「…………」
ある人物に会うために。起きたら端末に一言だけを残し、初めからいなかったように姿を消そうとする恋人に……。
「……追いついた」
「……なんでここが分かった?こっちは、俺のようなヴィランとかが秘密裏に使う専用のドックだ」
「分かるよ。……ずっと観測するって、約束したでしょ」
「……何も言わずに出て行こうとしたのは悪い。だが事情が変わったんだ。もうすぐ、ここにヒーロー協会の連中が調査しにくるって情報があった」
「昨日あれだけデケェカイブツが暴れたからな。向こうにとってもそう看過できねぇ事態だろうよ」
「だから、ヒーロー協会の人たちが来る前に?」
「そうだ。面倒ごとになるのは目に見えている。お前達は“体のいい言い訳”があるから平気だろうがな」
「俺は[[rb:超仮想空間 > Neoaxis ]]の一件で手配されちまったるし、今回に至ってはジャミングも着けずにライブにモロ映っちまったしな」
「じゃあ、これでお別れなの……?」
「……そうがっかりするな。念の為にお前の端末に俺との秘匿回線を組み込んでおいたし、離れてても通話ぐらいは……」
「……嫌だよ」
「……チッ……俺だって離れたくねぇよ。けどこれが現実だ」
「お前はヒーローオペレーターで、俺は善良な市民の敵のヴィランなんだ……」
「そんなの関係ないよ!そもそもギアンサルは元ヒーロー候補生だったんだ!」
「今回だってこの街の住民を少しでも助けたいって思って行動したんだから!」
「それで……」
お前は……つくづく甘ちゃんだな……。泣けてしまうくらいよ……。
「……俺がどれだけ頑固なのか、お前はよく知ってるだろ」
「それに……俺はもう戻れねぇ。世間知らずのお前の想像の及ばねぇほどにまで俺の心は深く、深く、堕ちているんだから……」
「…………」
「……それでも……観測主。お前は俺にとっては、ヒーローなんだからよ……」
「……っ!」
「元気でな。落ち着いたら連絡寄越す、じゃあな」
「うん……」
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ギアンサル さんからメッセージが 1 件届いています。
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二人の歩みは、まだ始まったばかりだ……。