友人執行官は結婚して欲しい

  「それでは、ごきげんよう」

  「あぁ」

  パタンと扉が閉まる、高級そうな部屋で男が1人ため息を吐きながら席につく、銀色の髪にマントのようなコートを羽織り全身を黒く染まっている

  その頭には耳、腰には尾が着いており、いわゆる獣人という種族だ

  「どうだ、アシュレイ」

  そして物陰からその様子を見ていた黒髪の男性が声をかけてきた、獣人の男性と同じだが色は正反対の白い服装をしており、杖を持っていた、眼鏡を少しあげながらゆっくりと物陰から出てきた彼には獣人らしい特徴がない

  恐らく人間だろう

  「…また同じような奴らだ、私の権力に目が眩んでいるような奴らだ、王族の側室になりたいと言う欲が見えている」

  アシュレイと呼ばれた獣人

  彼はアシュレイ・シルバーウルヴ、獣人大国カランドーサの王族にしてシルバーウルヴ家長男、つまり次期国王である

  クールで冷徹、それでいて民の味方であることから人気が高いが彼は今ある悩みを抱えている

  「何人目だ、もう30を超えたあたりから数えていないぞ」

  「どれもにたようなものしかいないのが問題だ、私の結婚相手に相応しいものはいない、今日のお見合いも退屈だった」

  彼の最大の悩み、それは結婚相手が居ないことだ

  アシュレイは次期国王、つまり伴侶を娶らねばならず、今は嫁探しをしているのだが…これを聞いた貴族たちがこぞって娘をよこしお見合いに次ぐお見合い、毎日のようにお見合いをしているが、アシュレイのお眼鏡にかなうものは未だにいない、化粧や高級なドレスを着て現れる姿など飽き飽きしており、アシュレイは嫌気が指している、毎日同じようなものを見ているゆえ仕方ないだろうが

  (早いとこ見つけて欲しいものだが)

  「執行官ゼナーク、散歩に行こう、濃い化粧の匂いで鼻がやられた」

  「その呼び方はやめろ」

  白い服を着た男性はゼナーク、アシュレイの友人でありカランドーサ国執行官

  執行官は貴族、王族など身分の高い者たちが不貞や不正などを働いた場合や、罪を犯した民を捌く権利があるいわゆる抑止力という立場の存在である

  ゼナークは執行官でありながらアシュレイの友人兼右腕のような存在である

  アシュレイの結婚は彼の悩みでもある、彼の父である国王からも何とかできないかと言われているのだがアシュレイは化粧やら高級なドレスやら金をかけて美しくあろうとするものが大嫌いであり、貴族の縁談は身だしなみを整えた時点でアウトという激ムズ状態である

  かといって町娘はどうかというとアシュレイ自体異性に興味が無いせいで綺麗な娘だったり仲良いものがいたりしてもそこで終わりなだけ、結婚は難儀しているのだ

  (可能性があるとしたら町娘にコイツのタイプがいればいいのだがな…)

  ゼナークはため息を吐きながらアシュレイのあとについて行き、街へと散歩にでかけた

  「やはりカランドーサの街はいいな」

  王宮は化粧臭い、金の匂いしかしないとアシュレイは嫌っており、度々抜け出しては街中を散歩するのが日課である

  結婚相手はいないわ王宮に居たくないわでアシュレイに振り回されるゼナークだが

  友人として付き合いが長い彼もアシュレイの気持ちは理解していた、彼も貴族が嫌いで、お見合い相手が毎度毎度濃い化粧をして化粧臭いのを嗅ぐ度に嫌な顔をしたくなる

  「さて、今日は3番街のベーカリーでもどうだ」

  「ああ、あそこのベーカリーは美味い、少し疲れたからコーヒーと合わせて飲みたいとこだな」

  と2人が歩いていると

  「先生ー!!」

  上空から声がした、振り向けば杖にのった少女がゼナーク目掛けて飛んできたのだ

  「先生ー!!キャッチしてー!!」

  「はぁ?!」

  すぐさま杖を投げ捨てゼナークは構えると少女はゼナークの前で杖から飛び降りて彼に体当たりするように抱きついた

  「うぉおおおおおお!!」

  「ゼナーク!大丈夫か!」

  「大丈夫だ…」

  ゼナークはプルプルと震えながら少女を下ろした

  「ごめん先生、制御間違えちゃった☆」

  「テヘっで済む話ではないだろうディーナ…」

  「ゼナーク、彼女は?」

  「ん?先生の知り合いですか?」

  長いツインテールの少女、耳と尻尾が生えており獣人であることは確か、年は18~20くらいに見える少女はアシュレイを見て首をかしげた

  「すまない、自己紹介がおくれた、私はアシュレイ・シルバーウルヴ、ウルヴ家の長男でゼナークの友人だ」

  「初めまして!ディーナ・マグノリアです!先生にはいつもお世話になってます!」

  敬礼するかのように笑顔で答えた彼女はアシュレイが王族だと知らない振る舞いをしていた

  「先生?」

  「彼女は王立魔術学院の生徒だ、訳あって私が面倒を見ている、ディーナ、私になにか用か」

  「あっ先生!ペペさんからの配達だよ!」

  とディーナはバッグから小包を出してゼナークに渡した

  「あぁ、例のか、ありがとう、所でディーナ、先程制御失敗していたようだが」

  「あー…先生見たら飛ばしすぎちゃって…」

  「君の魔術は集中力がいると言っただろう、また壁に顔面を打ち付けることになるぞ」

  「アハハ…ごめんなさい…」

  「まぁいい、他にも配達があるのか?」

  「うん!あと4件かな!じゃあ先生また明日ー!」

  彼女は杖を拾うとまたその場で飛び上がる

  「ぴょーん!」

  杖に座りながら飛ぶ姿はまさに魔女だった、ゼナークはまたぶつからないか大丈夫かと心配するさなか、隣にいたアシュレイが静かだった

  「アシュレイ?」

  彼は固まっていた、まるで信じられないものを見たかのような目でいつまでも飛び去ったディーナを見ていた

  3番街のベーカリー屋にて2人は茶をしばいていた、が、アシュレイがコーヒーとベーカリーが来ても手をつけずにいた

  「アシュレイ、どうした」

  「…ゼナーク、彼女…ディーナについて教えて欲しい」

  まさか友人が異性に興味を示すとは思わず、ゼナークは目を開いた、今日は雨が降るのだろうかと疑ったが雲一つない快晴だった

  「…どうした?いきなり」

  「彼女と出会ってから彼女の顔が頭から離れないんだ」

  まさかと思うが恐らくアシュレイは今まで見た事ない異性を見ただけだといい聞かせた、コーヒーを1杯のみ口を開く

  「ディーナ・マグノリア、王立魔術学院の生徒だ、訳あって私がいま面倒見てるのは言ったな」

  「あぁ」

  「彼女は風魔法の適性があるが重力魔法の適性もある、いわゆる金の卵だ、お前もしっているだろうが重力魔法を習得できるものは限られている、普段は彼女は風魔法と重力魔法を駆使し街中では配達をしているようでな、街中では魔女の宅急便と言われている」

  「お前がなぜ面倒を見ているんだ」

  「彼女は平民だ、王立魔術学院は貴族やその血筋のエリートばかりで平民が入るには金と技術がいる、しかし彼女は重力魔法の適性から貴重な人材として特別枠を手に入れて入学さたが、平民が重力魔法を使えることをねたんでいた貴族やエリートのせいでいじめにあっていたからな、見かねて別室登校で私がマンツーマンで面倒を見ている、私が担任ならば下手に手が出ないからな」

  ゼナーク、引いては執行官というのはこの国では畏怖される存在であり、執行官が家を尋ねるだけで恐れ、なにかしたかと焦る、特に貴族などは十中八九不正や不貞がバレた時に来るため目を合わせたくないだろう

  実際ディーナにいじめを働いていた生徒に関してゼナークから直々に公開制裁され、それ以来ディーナを見ていじめるものは居なくなった

  特に執行官ゼナークの名は恐れられている、公開制裁の際も、10対1であったにも関わらず、無傷で10人に勝利

  未熟さを徹底的に身に刻まれ、挫折させたあと1ヶ月の謹慎、及び家族、一族に対し罰金、及び地位の降格、さらには同じように加担していた生徒にも制裁を加え、たった一人いじめていただけなのに20人以上の生徒の家族と一族が制裁を受けた

  無論抗議の声もあるが

  「1人の人間を平民だからと見下しいじめて良いなどという上流階級の発想を持つ時点で貴様たちは国の汚点だと気づいていない、そんな奴らがのさばる国ならば滅んだ方がマシだ」

  と切り捨てた、そしてゼナークに撤回を求めた一家にゼナークは決闘で勝てたなら撤回すると言った

  しかし誰も決闘せず、大人しく制裁を受け入れた、それほどまでにこの執行官ゼナークというのは恐ろしい存在であるのだ

  「彼女は頭もいい、エリートぶるヤツらより遥かにいい、勤勉で努力家だがなにかをしたい訳では無いみたいだ、重力魔法も風魔法も普段している配達業をより効率よくするためと言っていたからな」

  「ならばなぜ王立魔術学院に来たんだ?」

  「重力魔法に関する勉強は王立魔術学院くらいでなければ出来ないからだ、街の学校では高等魔術は教えない、精々私生活で役に立つ魔術くらいだ、重力魔法は存在自体が高等魔術になる上独学では限界もある、だから来たとな」

  「…普段はどうしてる」

  「先程も言ったが勤勉だ、魔術訓練は私がマンツーマンでしている、執行官の業務との兼任だが阿呆な貴族を相手にするより楽しいぞ、なによりやらかしたりしてちょこまか飛んだり跳ねたりしている上に私の目の前で居眠りもしたことがあったりとな、ちなみにだが貴族や王族については縁がないからと知らぬ顔だ、だからお前を見てもなんとも思わなかった」

  「…」

  アシュレイはようやくコーヒーに1口付けた、異性に対しあれほど夢中になるのは初めてだ

  まさかとゼナークは頭の中に嫌な予感が走る

  「まさかお前」

  「…ゼナーク、明日また彼女にあわせてくれないか」

  「アシュレイお前!」

  彼があのアシュレイが1目みただけだと言うのにディーナに興味津々なのだ

  「安心しろ、気になるだけだ、まだ決まった訳ではない、お前の話を聞く限り面白そうな子だと思ってな」

  「…構わないが手を出すなよ」

  「承知した」

  ゼナークは不安になりながらもアシュレイが見学することを許可したが…彼が王立魔術学院に来るということはどういうことか知らないわけではない…

  しかしそんなことよりもアシュレイはディーナに会いたそうにしていたのだった

  「おはよう先生…」

  「おはよう、すまんな…騒がしくて」

  アシュレイを授業見学に連れてきたが案の定だった

  「アシュレイ様?!アシュレイ様よ!」

  「嘘!嫁探ししてるって聞いたけど学院に探しに?!」

  「嘘!私化粧手を抜いちゃった!」

  各々アシュレイに注目していた、アシュレイは見向きもせずディーナを見ていると知らず自分達が選ばれるかもしれないとウキウキである

  「先生…その」

  「場所を変えたいが…アシュレイが授業をみたいとな…外野は無視しなさい、奴らは君を見ていない」

  「はい…」

  「アシュレイ様ー!」

  黄色い声援のなかディーナの授業が始まる、ゼナークは重たそうな荷物を彼女の前に置く

  「前回は3kgだったな、今回は5kgだ、目標は3分維持…いいか?」

  「はい!」

  「始め」

  「うぅぅぅぅぅ!」

  ディーナが荷物に手を伸ばすとフワッと浮いた

  (ほう)

  「ぬぬぬぬ…」

  「いいぞ、集中だ…声援など気にするな」

  ディーナの集中力はすごかった、煩い声など入らず、5kgの荷物を持ち上げる

  重力魔法はただ軽くするだけではない、軽くしたものを維持し続けることで手を使わずとも荷物を運べる

  念動力やサイコキネシスを使える者もいるが重力の場合はサイコキネシスなどと違い敵に対し無条件で無力化できる点がある

  サイコキネシスの場合、浮かせようとしても対面の精神力は魔術で対抗される可能性があるが重力の場合対面ではなく場に干渉するため対面の効力を無視できる

  つまりサイコキネシスや対魔術用の道具などの運搬では念動力より重力の方が良いなどもあり、やり方によってはひとりで大軍を無力化できる可能性も秘めている

  しかし欠点もある

  「ぶはぁっ!」

  重力魔法は習得が難しい、加えてかなり訓練せねばならないため、慣れないうちは魔力を馬鹿みたいに使いすぐ疲れてしまうのだ

  「呼吸を整えるんだ、無理は禁物だ」

  「はい」

  「水分も取るように、先程の記録は2分15秒だ」

  重力魔法は荷物によって浮力が変わる、念動力より劣るのは重さによって力の加減が変わることだろう、落とすだけなら思い切り重くしたらいいだけだが、持ち上げるは逆に力がいる、反重力を起こすわけだから当然と言えば当然である

  「先生、私上達してる?」

  「3kgの荷物も運べただろう、なら次第に5kgもいけるはずだ、自分に自信を持つといい」

  「はい!」

  「重力魔法、初めて見たが見事なものだな」

  アシュレイが近づく、ふむふむとディーナに頷きながら近寄ってきた

  「あの…」

  「アシュレイ、あまり近づくな、お前の周りを見てからにしろ」

  「そういうな、改めて顔を見たかったんだ」

  アシュレイはディーナの顔を優しく両手で包み、顔を上げさせた、190近い身長な為、ディーナは自然と見上げる形でアシュレイと向き合う

  「…ディーナ・マグノリア、私は君に興味がある」

  「へ?」

  「「え」」

  周りがどよめいた、ゼナークはまずい雰囲気を感じ取る

  「おいアシュレイ、言葉を選べ!」

  「む?」

  「あの女が?」

  「平民の女がアシュレイ様に?」

  王立魔術学院は基本は貴族や高貴な身分のものばかり集まる、そこに平民が入ればいじめ、もしくはいびりの対象である

  貴族は基本平民を見下している、自分達より優れているなど言語道断た

  「今お前がしたことはディーナの立場を悪くするだけだ」

  「それはすまなかった…配慮不足だ…ディーナ、私は悪気がある訳じゃない」

  「いえ…わかってますから…」

  だが彼女はやはりいじめを受けていたからか学院の子らに目をつけられるのがいやらしく、周りの目を気にしていた

  「うう」

  「アシュレイどうするんだ、また彼女が居ずらくなったぞ、どう収集する気だ」

  「ふむ、どうしろと言われてもだな」

  「とりあえずあいつらに説明してこい、あくまで重力魔法の見学だとな」

  「わかった、ではまた、ディーナ」

  アシュレイを追い払い、ディーナの重力魔法を見たいからきただけだと説明したが、やはりそれだけではすまず茶をしたい、話をしたい嫁候補の話等で騒がしくなった

  「すまんな」

  「大丈夫です、むしろギャラリーがいなくなってよかった…」

  安心したディーナだったのだが、この時アシュレイの感情というのは予想外の方向に走っていたのだった

  「アシュレイ、どういうつもりだ」

  王宮に帰るとゼナークは半場怒りながらアシュレイを問い詰めた、ディーナを危うくまた地獄に突き落としかねなかったのだから当然だろう

  「すまなかった、しかし話を聞いて欲しい」

  「あぁ、30文字以内で応えろ」

  アシュレイは目を伏せたあと、ゆっくり開き、そして口を開いた

  「ディーナ・マグノリア…彼女に興味がある、今まで感じたことない感じるがする」

  「まさか嫁候補だといいたいのか」

  「かもしれない、あの子を見てそう感じた」

  歳も近いし問題は無い、だが問題がある、彼女との結婚が周りから認められないことだ、たしかにアシュレイに早く結婚して欲しいと思うゼナークだがよりにもよって茨どころか阿修羅の道を選ぶとは思わず頭を抱えた

  「彼らには私から説得しよう」

  「まて、それ以前に問題が山積みだ、まず、彼女はお前をまったくしらない、王族だとすら気づいてない、彼女は王家や貴族についてはまったく関わりがないからな」

  「なるほど、つまり私の立場を理解してもらう必要があるか?」

  「まず彼女は卒業後、宅配業をしようとしてる、このカランドーサで重力魔法を使い、周りの人達に配達するのを生きがいにしているんだ、お前に婚約を持ちかけられても断られるのが目に見えている」

  「なるほど、たしかに彼女の夢は尊重するべきだな…だが私としても諦めたくは無いのだ…ゼナーク」

  「お前がそこまで執着するとはな…次の問題だ、貴族の説得、これも難題だ、お前が平民である彼女といるのを許す気などない奴らばかりだぞ」

  実際学園の様子からして重力魔法を使えるという点でも目をつけられているのにさらにそこにアシュレイの婚約者なんて着いた暁には彼女は学園にはいられなくなるだろう

  「ならばどうするのだゼナーク」

  「いきなり婚約しろなど無理な話だ、ゆえに手段を講じる、貴族ならばはい婚約で終わりだが、平民と結婚ならば話が変わる、奴らがぐうの音も出ないようにするためにはお前とディーナが相思相愛でかつ、お前の隣にいる資格があるものにならねばならない、幸いにも彼女は重力魔法を使えるため価値ある人間として見られるは問題は無い、しかしだ、彼女がお前の隣にいてふさわしい存在にならねばならないという意識が必要だ」

  「つまり?」

  「ディーナを自力で惚れさせるしかない、ディーナがお前に心奪われれば可能かもしれない、つまりはお前のアプローチ次第ということだ」

  ゼナークが出した課題はディーナを振り向かせろだった、八方美人才色兼備なアシュレイならば貴族には簡単だろうがディーナは今のとこ印象マイナススタートである、そのためアシュレイが彼女を惚れさせるのはかなり大変だった

  「なるほど、わかった…ならばゼナーク、彼女と話す機会を設けてくれないか、まずは話をする必要がある」

  「それも自分でやるしかない、彼女は貴族嫌い、というより関わりたくないと思っている、王族だとバレたら避けられるだろう、それを乗り越えてお前は彼女を射止めるしかないんだ」

  聞いただけでも絶望的だった、アシュレイが歩もうとしているのはなにもかも、いやむしろ失った状態からスタートしているに等しい

  「かなり厳しい道だな…だが時間はあるだろう…少しずつ話をしていきたい」

  「…そうか」

  諦める姿勢がない友人を見て本気だと理解したゼナークだが彼が頭を抱える理由がもうひとつあった

  「ならばアシュレイ、最後の問題を提示する」

  「なんだ」

  「彼女と付き合うならば無論保護者に話をせねばなるまい、それに彼女には事情がある故この話をするならば先に保護者の耳に入れる必要がある、でないと大変なことになる」

  「どういうことだ?」

  「…ディーナの保護者はペペだ」

  ペペ、その名を聞いた瞬間アシュレイは固まった

  そして彼にとってのディーナ婚約までの修羅の道が今始まったのだった