「ある魔物の独白」
早いモノで、あれから、三年の歳月が流れた。
人間の魔物の関係は相変わらずと皆は言うが、私は前よりもいくらかマシになったと思っている。
あの一件以来、リュバンへの信頼が上がり彼らに仕事を頼む人間が増えた。
大きな街に行くと、彼ら以外の魔物も人間の生活に溶け込み始めているのが見えるはずだ。
退魔騎士の無差別攻撃もだいぶ少なくなったようで、新リュバン王のデボラはセワード共々嬉しそうにしていた。
一つ心残りなのは、ウールヴヘジンの解散だろうか?
自分と目指すところが違うとはいえ、あれほどの組織がなくなるのは残念でならない。
もっとも、セラが近々新たな施設を立ち上げると言っていたので、あまり心配はないだろう。
新しい施設の指導者には、ブラムとアゾットも加わっているから、あんな悲劇も二度と起きないだろう。
私の日常は、皆ほどは変わっていない。
いつも通り、スヴェートの作る美味しい食事に心満たされ村の人達の困りごとを解決する。
魔物退治の仕事は減ったが、その分医者としての仕事が増え毎日忙しい。
早く、マーガレットに仕事を覚えてもらい早々に引退したところだが、私の慌ただしくも温かい日常はもうしばらく続きそうだ。
【完】