ハロウィンの魔法の悪戯

  時は10月31日。

  青年・葉月拓翔はハロウィンで賑わう帰り道を歩いて景色を楽しんでいたが、そこに黒と黄色の可愛らしい魔女の衣装に身を包んだ魔力生命体の少女・彗月流可がやってきて、葉月を驚かせた。

  「わーっ!!」

  「うわっ!?脅かさないでよ…」

  驚く葉月を見ながら、流可はにやにやと笑った。

  「葉月くん、ハッピーハロウィン」

  「いきなりどうしたの…」

  「今日はハロウィンだから、葉月くんに悪戯しようかと思って」

  「俺に対しての悪戯は毎回やってるでしょ?」

  「今回はちょっと違うよ、えいっ」

  流可はステッキに自身の魔力を込めて、葉月の頭を軽くつついた。

  流可は特定のものに魔力を与えて、他人を変身させることができる。

  「うわぁっ!?」

  すると、葉月の鼻と口の間に6本の白く細い髭が生えたのをトリガーに身体がシュンシュンと縮み始め、瞳孔が縦に伸び始めて目の色も黄色く染まり始めた。

  それだけじゃなく、耳が尖りながら頭頂部に移動し、お尻からは長く伸びた尻尾が生え、手足からは肉球が生まれ、葉月の全身を黒い毛が体を包みながら身体は服の中に消えていった。

  そして服の山がモゾモゾと動くと黒猫となった葉月が姿を表し、自分の身体の様子を確認した。

  「にゃにゃ…んにゃ!?(流可ったら、俺に何したの…えぇっ!?)」

  葉月は自分の姿が変わったことに気づき、驚いた。

  「にゃにゃ…(俺…猫になってるの?)」

  「ご名答。可愛くなってるねぇ」

  流可はにやにや笑みを浮かべながら黒猫と化した葉月の頭を撫でた。

  「んにゃ…(き…気持ちいい…)」

  流可は黒猫の姿の葉月を撫で、葉月は喉を鳴らしながらうっとりしてつい声をあげてしまった。

  「さあ、これから私の楽しみに付き合ってもらうよ。あと、眼鏡と落ちてた服や鞄は私が回収したから」

  「にゃ…(わわっ…)」

  流可はどこからともなく箒を取り出すと、その箒に魔力を流し込み、葉月を乗せて上空に飛び上がった。[newpage]

  流可は黒猫と化した葉月と共に箒に乗って空を飛んでいた。

  「んにゃ…」

  「どう?すごいでしょ?」

  流可は上から見る都会の夜景を葉月に見せた。

  「にゃにゃ…(綺麗なんだけど、落ちそうでちょっと怖い…)」

  葉月は箒から落ちないように、流可の膝上に座っていた。

  「よーし、じゃああの公園で降りようかなぁ。しっかり捕まっててね」

  流可は箒で大きな公園に向かって進み、公園のステージに降りると公園で葉月を降ろし、ステージの淵に座った。

  「は〜…やっぱり空を飛ぶのは疲れるねぇ」

  「んにゃ…(俺も疲れた…)」

  「一息ついた後は、私からもう一度魔法をかけてあげる」

  流可は葉月を撫でた後立ち上がり、ステッキを使って黒猫姿の葉月の頭を軽く叩いた。

  すると、黒猫姿の葉月が人型を形成しながら大きくなると同時に全身の毛は抜け落ちていき、手足は肉球が無くなりながらすべすべとした人間のものへと戻っていき、顔も人間のものへと戻っていった。

  だが、変化はここから始まったばかりだ。

  葉月の身体は猫耳と尻尾はそのままに頭髪はさらさらとした質感のショートヘアになり、胸とお尻を小さいながらも可愛らしく膨らませ、小柄な人間の少女の身体を形成した。

  それに加えて、身体には細くなったお腹を見せるトップスにショートパンツという衣装が着せられ、両手には黒い手袋が付けられた。

  変化が終わると、葉月はお腹と足を大胆に露出させた黒い衣装を着た、幼さとあどけなさを感じる少女となった。

  しかし、頭から生えた猫耳とお尻から生えた尻尾が完全な人間ではないことを表している。

  「流可、一体俺に何したの…って、あれ?声が…それに眼鏡かけてないのに周りがよく見える?」

  少女の姿になったことで、葉月の口から出る声は透き通るような可愛らしいものとなっていた。

  猫耳少女になったことで、視力も強化されていた。

  「俺女の子になってる!?しかも寒い…」

  葉月は露出度が高い服を着ていたので、近づいてくる寒さにより一瞬凍えた。

  「おぉ〜、可愛いじゃん。じゃあ、それなら遊んでみよう」

  流可はスマホで葉月の写真を撮った後、帽子についたリボンをぴょこぴょこと動かした。

  「なに勝手に撮ってるの…んにゃ!」

  葉月は猫耳少女になって猫の習性が残っているのか、帽子に付いたリボン目掛けて流可の頭に飛びついた。

  「身体が勝手に!?」

  「うわぁっ!元気な子だなぁ」

  流可は葉月が猫の本能に引っ張られる様子を見て可愛らしく感じた。

  「次はこうやって遊ぼうかなぁ」

  流可はどこからともなく猫じゃらしを取り出し、葉月の目の前で揺らした。

  「ほら、こっちだよー」

  「あ、あれは…って、俺は猫じゃないんだから!」

  葉月はまた本能に振り回されて、猫じゃらしを反射的に追いかけた。

  「こっちだよー。ふふふふふ」

  「待てー!…っていつまで続けるの!?」

  流可はしばらく箒で空を飛びながら猫じゃらしに興味を示す葉月の様子を楽しんでいた。

  「もう疲れたよ〜!」

  「まだまだ終わらないよ?」

  本能に振り回されて猫じゃらしを追いかけてしまう葉月の様子は可愛らしく、流可は笑みを浮かべていた。

  猫耳少女の姿になり、本能に振り回されて猫じゃらしを追いかけ続けた葉月はへとへとになってベンチに腰掛けていた。

  「も…もう疲れたよ…」

  「疲れを癒すために、このまま街に出るかい?」

  遊びをひと段落させた流可もベンチに座り、提案した。

  「賑わってる様子は好きだけど、ちょっと恥ずかしい…」

  「じゃあ行こう!」

  「えっ…うわぁぁぁ!?」

  葉月は恥ずかしがりながらも、流可に引っ張られてハロウィンの賑やかな街へ出発した。

  [newpage]

  流可と猫耳少女の姿の葉月の着いた夜の街中は様々な人々で賑わっており、一部の人は仮装を楽しんでいた。

  「この賑わい、すごく好きだよ」

  「でっしょ〜?私もすっごく気に入ってるんだ」

  葉月と流可は街の賑わいに心を躍らせ、街を歩き回った。

  「わあ、可愛い女の子だ!」

  「この耳と尻尾も仮装?すごくリアルだけど」

  街の中では、猫耳少女姿の葉月が可愛らしく注目され、流可も満足そうだった。

  「うぅ…俺、こんな恰好で歩くなんて…」

  猫耳と尻が生えた上、お腹と足を露出させた格好は葉月にとってはかなり恥ずかしい。

  「大丈夫、大丈夫!ハロウィンだし、みんな楽しんでるよ!」

  「そう…だよね」

  葉月は流可に励まされて少し納得し、恥ずかしがりながらもこの状況を楽しんだ。

  「さて、この街中を楽しむよ〜!」

  「う…うん、そうだよね!」

  「あっ!あれとか面白そうじゃないかな」

  流可は葉月を連れて浮いている三角帽子のようなスポットにたどり着いた。

  「この場所、魔法をかけたら何かが起こるんだって!面白そう!」

  「何か嫌な予感しかしないんだけど…」

  流可はこのスポットに手をかざすと、そのスポットから光が放たれた。

  すると葉月の身長が伸びて元に戻ると共に、髪がツンツンと尖り、小ぶりな胸とお尻の膨らみは小さくなっていき、顔立ちも男の子らしいものとなっていった。

  その一方で、流可の方は葉月と同様身長が伸び、胸とお尻の膨らみが小さくなりながら引き締まり、髪も短くなると、顔立ちも端正な少年のものへと変わっていった。

  「わわっ…男の子に戻った」

  「なるほど〜。ここでは性別が変わっちゃうんだねぇ」

  猫耳少女の姿の葉月は猫耳少年のものとなったが、葉月はお腹と足を大胆に露出するこの格好は男性でも恥ずかしいと思っていた。

  すると、葉月と流可の服が光に包まれると、葉月の服とショートパンツの丈が伸びてタンクトップ状のトップスと短パンになり、流可のショートパンツも丈が伸びて男性用の服となり、お互いの服が現在の性別に適応された。

  「葉月くん、意外とかっこいいの似合うじゃん」

  「に…似合ってる…?ありがと」

  流可はどことなくパンキッシュな雰囲気を漂わせる葉月の格好を気に入り、興味を示して言った。

  「そうだ!せっかくだから、写真撮ろうよ」

  流可はスマホを取り出すと、葉月と2人で写真を撮影した。

  「じゃ、次のスポットに行ってみようよ」

  流可はそう言うと葉月に手を差し伸ばした。

  爽やかで凛々しい青年の姿になっているためか、どことなく頼もしさを感じさせる。

  「うん、そうだね」

  葉月は流可の手を取り、次のスポットに向かった。

  [newpage]

  葉月と流可は次のスポットに辿り着いた。

  すると、先程の変化が巻き戻されるかのように2人が変化し、流可は少女の姿に、葉月は猫耳少女の姿になり、格好も男性になる前のものになっていた。

  「あっ、戻った」

  「また女の子になってる…寒い…」

  流可と葉月は少女姿に戻ったことを確認した。

  流可は自分の服を再度確認したが、葉月は服の布面積が戻ったことで肌寒さにより軽く身震いした。

  「どうやら別のスポットに来る、もしくは一定時間経つと元に戻るみたいだねぇ」

  流可は目の前にある三角帽子型のスポットを指して言った。

  「次はどんな変化が起きるかなぁ」

  流可は好奇心でスポットに手をかざした。

  すると、葉月の身長が縮み始めると同時に胸とお尻はさらに小さくなって完全に平たくなると、ほっそりとした腰回りから括れが無くなり初め、顔立ちはより子供っぽい幼さが現れる。

  流可は逆に身長が伸びて、胸と尻が少し膨らむと顔立ちもかっこよさを感じさせる大人の女性らしいものへと変わった。

  どちらも服も身体のサイズに合わさった後変化が終わり、葉月は5〜7歳くらいの猫耳幼女に、流可は10代後半〜20歳くらいの大人の姿になった。

  「わわっ…ちっちゃくなった」

  「私は大人になってるねぇ」

  二人は現在の身体を確かめて、変わっているということを感じた。

  その中で、流可はあることを思いついた。

  「はい、これ」

  「あ…あれは!」

  流可が猫じゃらしを取り出して葉月の目の前で振り、葉月は猫の習性に引っ張られて猫じゃらしを追いかけるが、子供になって流可に届かなくなったのでぴょんぴょんと跳ねていた。

  「可愛いねぇ。ふふふふふ」

  流可は必死に猫じゃらしに手を伸ばすために跳ねる葉月の様子を見て和んだ。

  「ふざけないでよ!」

  「ごめんごめん。面白くてつい」

  流可はしゃがんでから幼くなった葉月の頭をぽんぽん、と撫でた。

  「なんだかねむたくなっちゃった…だっこして?」

  幼い少女の姿になって眠たくなったのか、葉月は幼くなったことで、普段以上に流可に甘えた。

  「こんなに小さくなっちゃって、仕方ないなぁ」

  頼られることに喜びを感じた流可は葉月を抱き上げて、次のスポットに歩いて行った。

  幼い少女の姿の葉月は、流可の腕の中で幸せそうな寝顔を浮かべながら眠っていた。

  [newpage]流可は猫耳幼女姿になって腕の中で眠っている葉月を連れて、次のスポットにやってきた。

  流可は手をかざすと、光と共に葉月と流可の変化が巻き戻り、元の姿になった(葉月は猫耳少女の姿のままだが)。

  「ん?俺、戻ってる?」

  葉月は目を覚ますと、目を擦りながら言った。

  しかし、変化はここから始まった。

  葉月と流可の身体が極端に小さくなり、人形と同じくらいの大きさになった。

  「わわっ、みんな大きくなってる」

  「私達が小さくなったんだよ。今度は文字通り、ね」

  「いろんな人がいるから、踏まれそうで怖い…」

  「大丈夫、一緒に飛ぼう」

  流可は箒を取り出すと、その箒に魔力を流し込んで自身と葉月を乗せた。

  「さあ、次のスポットに行くよ」

  「うん、わかった」

  縮小した流可は箒に葉月を乗せて、そのまま上空を飛んだ。

  人形と同じくらいの流可達からすると、いつものような街もかなり大きく感じ、通っている人達も巨人のように思えた。

  「わわっ、いつも見る景色と違う…」

  「小さくなってから見る景色も面白いねぇ。見方が違うから、障害物に気をつけて」

  葉月は箒から落ちないように気をつけて、小さくなった自分たちから見て大きな都会の景色を感じながら次のスポットに向かった。

  [newpage]

  次のスポットに来た流可は箒に乗ったまま、スポットに手をかざすと、光と共に二人の大きさが元に戻り、人間大になって止まった。

  「あっ、戻った」

  「次の変化は何かなぁ」

  すると、葉月は服以外の自分の色が抜けていき、透明になるという変化が起きた。

  「えっ!?何が起きてるの!?」

  流可の方は…何も変わらなかった。

  流可は葉月の身体を見て、葉月の変化を何となく察した。

  「葉月くん、君…」

  「えっ…俺、透明になってる?」

  今の葉月の様子は服以外は透明になっており、猫耳少女の姿の服が浮いているように見える。

  「へぇ〜、面白いじゃん」

  流可はにやにやしながらトップスと短パンの間の空間を触り、軽く撫でた。

  「わひゃっ!?」

  その空間は葉月のお腹だったため、葉月は少しくすぐったくてびっくりした。

  「浮いてるように見えるけど、浮いてない…面白いねぇ」

  「何が面白いんだよ!」

  にやにやと笑う流可に対し、葉月は怒鳴った。

  すると、流可の全身が薄れていき、葉月の透明化が段々と解除されていった。

  流可の方は葉月とは違い、トレードマークのリボンや服まで透明になっているが。

  「あれ?私もなんだか…」

  「あれ?色が戻ってくる」

  「これって、透明化は時間差で入れ替わるやつ?」

  「多分そうみたい…ひゃ!何するの!?」

  流可は葉月の背を指で軽くなぞり、葉月は驚いた。

  「透明になったから、葉月くんに思いっきり悪戯したいと思って」

  透明化していて姿は見えないが、流可はにやにや笑っているのだろう。

  「やめてよー!」

  その後も葉月は流可に悪戯を受けながら、時には自分が、時には流可が透明になりつつ次のスポットまで進んだ。

  [newpage]

  葉月は透明化した流可を見失っている最中に、新しいスポットに到着した。

  そのスポットの中は、1つのスタジオのようになっていた。

  「あれ?流可…どこ?」

  「ここだよ」

  「うわっ!?」

  すると、葉月のすぐ後ろから流可が葉月に声をかけ、葉月は驚いた。

  しかも、流可の格好は猫耳少女の葉月と同じ格好で、頭には猫の耳と尻尾を生やしていた。

  「葉月くんとお揃い〜」

  「流可!?どうしたの」

  「ここに触れるといろんな格好になるんだ。葉月くんもやる?」

  「何だか面白そうだね、やってみるよ」

  流可はにやにやしながら提案し、葉月はそれを了承して2人でスポットに手をかざした。

  すると、葉月の露出度の高い衣装が丈を伸ばしながら変化し、立派な燕尾服になった。

  流可の葉月とお揃いの格好も、形状を変えて黒と紫を基調とした不思議で妖しげなドレスになった。

  それと同時に、周囲も城内の大広間のような、煌びやかな場所に変化した。

  「わわっ…これは…執事風?」

  葉月は景色と今の格好を見て驚いた。

  その格好は猫耳少女姿のまま執事服を身につけており、中性的な見た目も相まって可愛らしい少年のようにも見えた。

  「へぇ…私はお嬢様っぽい感じだなぁ。こういうの着るのもなんか新鮮…」

  流可は魔女風のドレス姿になり、少しもじもじしながら言った。

  「せっかくだから、葉月くん私にエスコートしてくれないかな」

  「わ…わかった」

  葉月は頭を下げた後、流可に手を差し伸べ、流可は葉月の手を取り合い、しばらくの間踊った。

  しかし、踊っている最中、葉月と流可の格好が光と共に変化を始めた。

  葉月の執事服のズボンは広がって上部分と一体化しつつ形状を変化させ、流可のドレスは上と下が分かれて形状を変化させた。

  それに加え、葉月の衣装は姫を連想させるピンク色のドレスへと変わり、流可の衣装は王子を連想させる青色のコートへと変わり、その様子は二人の格好のイメージが逆転したように思えた。

  そして2人は踊り終えると、2人の格好が変わっていることに気づいた。

  「流可、君の格好…」

  「葉月君、君も…」

  葉月は姫のような自分のドレスを見て、少しもじもじした様子だった。

  「次は私がエスコートする番だねぇ」

  流可は葉月がやったように、葉月に手を差し伸ばした。

  その様子は流可の端正な姿も相まって、様になっていた。

  「うん、喜んで」

  葉月は不慣れで戸惑いながらも、流可の手を取り、2人で踊りを再開した。

  そして2人は踊り終えると、鐘の鳴る音と共に2人の服も変化を始めた。

  葉月のドレスと流可のコートを主体とした衣装が形を変えて、ミニスカートと黒色のベストが特徴的なアイドル服へと変化し、頭には小さな三角帽子が現れた。

  「わわっ、今度は…」

  「私達、なんだかアイドルみたいだねぇ」

  「なんだか恥ずかしい…」

  アイドルのようになった格好に対して流可は新鮮味を持ち、葉月は少し恥じらった。

  すると、周囲からポップな音楽が鳴り始めた。

  これは動画などで配信をしているアイドル『スイート・エリザ』の曲で、流可と葉月は思わず踊らずにはいられなくなった。

  「さ、踊るよ」

  「踊る必要あるの?」

  「つい踊りたくなっちゃって」

  「確かに、そんな気もする」

  流可と葉月はその後は曲に合わせて踊り、このスポットで楽しい時を過ごした。

  [newpage]

  2人が魔法のスポットを楽しんでから数時間後、流可は猫耳少女の姿の葉月を箒に乗せて深夜の夜空を飛び、家に帰っていた。

  「とても楽しかったねぇ」

  「うん、恥ずかしかったけど…悪くなかったかも」

  流可は楽しかった出来事を思い浮かべて微笑み、葉月も照れ笑いした。

  「もう一回、猫に戻してもいいけど?」

  流可はそう冗談を言うと、葉月は

  「それは勘弁して!」

  と反応し、夜空の中、二人で笑い合った。[newpage]

  賑わう深夜の街中を、2人の魔女が見ていた。

  片方は褐色金髪で豊満な肉体の色々なところを見せつけるような格好をした大人の女性で、もう片方は紫髪で動きやすいゴシック調の格好をした幼い少女だった。

  「どうかな?あたしの魔法で作り出した魔法のスポットは。ここに来た人間達に魔法をかけて悪戯しちゃうよ!」

  「へぇ…変化の魔女として女の子を変えて散々な目に合わせるのもいいけど、たまにはこういうのも悪くないわね」

  「やった〜!ありがとう!」

  変化の魔女と名乗った女性は微笑みながら言うと、少女は大きく喜んだ。

  「エリザちゃん可愛いわね。アレコレ変化させて可愛がりたいわ」

  「ひゃ!?し、師匠!?」

  変化の魔女は恍惚の笑みを浮かべ、エリザと呼ばれた少女は悪魔の角、翼、尻尾をぴょこん、と生やして驚いた。

  「帰ったら私からも思いっきり悪戯してあげるわね。せっかくエリザちゃんの誕生日だしね♪」

  「師匠…悪戯は程々にしてよ…」

  変化の魔女は妖しく微笑むと、エリザは引きつった笑みを浮かべた。

  「あ、そうだ。エリザちゃん」

  「何?」

  「誕生日プレゼントに、これあげる」

  変化の魔女はそう言うと、懐から小さな箱を取り出してエリザに渡した。

  その中身は紫色の宝石が目を引く指輪だった。

  「師匠、これって……」

  「ふふ…私だと思って大切にしてね♪」

  変化の魔女は微笑みながら言ったが、エリザは顔を真っ赤にした。

  「もう、師匠ったら!」

  2人のやりとりは深夜の街の中でひっそりと行われたのだった。