第10話・『ボスコットの研究所』

  【隠し通路】

  オルティオス達は、そのまま隠し扉を通って奥へ進む。

  「なっ!」

  「これは‼」

  オルティオス達は、隠し通路の奥の部屋を見て驚く。

  【研究所】

  オルティオス達が見た物は、不気味な研究所だった。

  研究所内の隅の方にボスコットの胴体が転がっていた。

  「こりゃホラー映画に出てきそうな研究所だな」

  「フランケンシュタインやゾンビとか死人関係の?」

  「そう」

  奈雲とソニックエースは、ホラー映画について語り始める。

  「止めて下さい! 僕ホラー苦手なんですから‼」

  ランビュは、怖がりながら奈雲とソニックエースに注意する。

  「あっ、悪い……」

  ソニックエースは、怖がっているランビュに謝る。

  「ボスコットみたいに怪しい研究をやっている奴ってこんな不気味な研究所が好きなんだな……」

  コブラージャは、目の前の研究所の雰囲気を見ながら呟く。

  「チェンバー! 居るなら返事をしろ!」

  オルティオスは、チェンバーに呼び掛ける。

  〔その声はオルティオス?〕

  すると、何処からかチェンバーの声が聞えて来る。

  「チェンバー?」

  「何処に居るんだ?」

  〔こっちだ! こっち!〕

  チェンバーは、オルティオス達に自分が居る場所に誘導する。

  「否、俺達はお前の姿が見えないから“こっち”って言われても解らないから!」

  奈雲は、チェンバーに冷静なツッコミを入れる。

  「せめて解りやすい目印を言ってくれ」

  コブラージャは、チェンバーに目印を聞く。

  〔えっと、ランビュの[[rb:後 > うしろ]]だ 尻が見える〕

  チェンバーは、解りやすい目印を言う。

  「って僕のお尻を見ないで下さい‼」

  ランビュは、慌てて手でお尻を隠しながらチェンバーに注意する。

  「ランビュの[[rb:後 > うしろ]]にはテーブルと沢山のカプセルがあるが……」

  ソニックエースは、ランビュの背後にあるテーブルの上に置いてある沢山のカプセルを少しずつどかす。

  すると、チェンバーの頭部が入ったカプセルを見付ける。

  〔……悪いドジを踏んじまった……〕

  チェンバーは、オルティオス達に謝る。

  『……』

  オルティオス達は、チェンバーの姿を見て言葉を失う。

  「大丈夫か?」

  〔これが大丈夫だと思うなら早く元に戻してくれ‼〕

  チェンバーは、コブラージャに文句を言う。

  「だよな……」

  「ちょっと待ってくれ」

  奈雲は、小型パソコンのコードをチェンバーの頭部が入っているカプセルに繋いで調べる。

  「……悪い知らせだ このカプセル一応 [[rb:生命維持装置 > せいめいいじそうち]]が付いているがそんなに長くは持たない仕組みだ 早く身体を取り返さないと不味いぞ」

  奈雲は、チェンバーの頭部が入っているカプセルを調べた結果を言う。

  チェンバーは、奈雲の話を聞いてショックを受ける。

  「けど、何でアイツはチェンバーを生かしているんだ?」

  コブラージャは、ボスコットの行動に疑問に思う。

  〔ああ、あのイカレタ先生は研究が失敗する事を恐れていたんだ その時は俺の脳のデータが必要らしいが……あんだけ自由に動ければ十分だ 俺はこのまま終わりだ〕

  チェンバーは、生かされている理由を話すと弱気になる。

  「弱音を吐くな! お前は俺の部隊の一員だ! 見捨てたりしない!」

  オルティオスは、チェンバー励ます様に言う。

  〔けど、こんな頭だけじゃ 何の役にも立てないぜ!〕

  チェンバーは、更に弱気になる。

  「お前は動きが素早い戦士じゃないだろ? それに自分の能力には自分が一番詳しいだろ?」

  オルティオスは、更にチェンバーを励ます様に言う。

  「それにボスコットから身体を取り返せば元に戻せる筈だ」

  奈雲は、近くのテーブルの上に乗りチェンバーを元に戻せる可能性がある事を伝える。

  「本当か?」

  コブラージャは、奈雲の話を聞いて喜ぶ。

  「ああ、奴の研究ノートを見れば解るが……」

  奈雲は、テーブルに置いてあったボスコットの研究ノートを見付けて考え込む。

  「ああ、研究結果が色々ごちゃごちゃ書いてあるから解読に時間が掛かるんだな」

  コブラージャは、奈雲が見付けた研究ノートの中身を見て納得する。

  ソニックエースは、転がっているボスコットの胴体を見付ける。

  「なぁ、一先ずチェンバーの頭部をボスコットの胴体にくっつける事は可能か?」

  ソニックエースは、自分の考えを提案する。

  「可能かもしれませんが先ずはこれを解読しない事には……」

  ランビュは、ボスコットの研究ノートを見ながら答える。

  「だったらランビュは此処で研究ノートの解読をしていてくれ その間俺達はチェンバーの胴体を取り返す」

  オルティオスは、ランビュに指示を出しチェンバーの頭部が入ったカプセルを運ぶ。

  「あの、こんな不気味な場所で一人で解読するのは流石に怖いです」

  ランビュは、少し怖がりながら言う。

  「ああ、じゃあ俺も残るよ」

  奈雲は、ランビュの話に納得して自分も残る事を言う。

  〔待って! 私が残るから奈雲は皆の援護をお願いします〕

  ナビは、自分が残るからオルティオス達の援護を奈雲にお願いする。

  「良いのか?」

  〔私は戦闘タイプではありませんから行っても皆の足手纏いになってしまいますから〕

  「解った 頼むぜ」

  奈雲は、ナビに頼みオルティオス達の後を追掛ける。

  【洞窟内】

  《~その頃~》

  ネシリス組は、ボスコットを探して広い空間に居た。

  「見付かりませんね……」

  「何処に居るんだ?」

  「こっちか?」

  ダリウスは、別の方へ向かう。

  「当りーッ‼」

  すると突然、ボスコットは、ダリウスに不意打ち攻撃を仕掛ける。

  「ぐわっ‼」

  ダリウスは、ボスコットの不意打ち攻撃を受け吹き飛ぶ。

  「ダリウス‼」

  ネシリスは、ダリウスが吹き飛ばされた事に驚く。

  「このっ‼」

  サイラスは、銃攻撃でボスコットを狙おうとする。

  「駄目です!」

  「チェンバーの身体に当たるんだな!」

  ネシリスとマシャンタは、サイラスを止めて注意する。

  「隙あリ!」

  ボスコットは、サイラス達に攻撃を仕掛ける。

  サイラス達は、ボスコットに吹き飛ばされる。

  「テメェー‼」

  ダリウスは、ボスコットに体当りを仕掛ける。

  「うぉぉぉっ‼」

  その拍子に坂道所帯の通路に滑り落ちてしまう。

  すると、行き違いでオルティオス達がやって来る。

  「奈雲 こっちであっているのか?」

  コブラージャは、ソニックエースの肩に乗っている奈雲に尋ねる。

  「間違いない! この近くだ」

  奈雲は、小型パソコンで位置を確認する。

  〔あっ! あそこ‼〕

  チェンバーは、何かに気付いてオルティオス達に教える。

  「え? 何処?」

  ソニックエースは、チェンバーの話を聞いて回りを見渡す。

  〔ああ、俺今指させなかった……奈雲的に言うと9時の方角だ〕

  チェンバーは、現状を思い出して方向を言う。

  オルティオス達は、チェンバー言った方向を見る。

  そこには、サイラス達が倒れていた。

  「なっ‼」

  「大丈夫か?」

  オルティオス達は、急いでサイラス達に駆け付ける。

  「頼む」

  オルティオスは、ソニックエースの肩から降りた奈雲にチェンバーの頭部が入ったカプセルを預ける。

  「ああ!」

  奈雲は、オルティオスからチェンバーの頭部が入ったカプセルを受け取る。

  「おい、しっかりしろ!」

  オルティオス達は、サイラス達に呼び掛ける。

  「オルティオス……」

  「ダリウスはどうしたんだ?」

  ソニックエースは、サイラス達にダリウスの事を尋ねる。

  「ボスコットに体当りしてあっちへ行っちゃったんだな」

  マシャンタは、意識をはっきりさせオルティオス達にダリウスの事を話す。

  サイラス達は、何気に奈雲が持っているカプセルを見る。

  〔よぉ……〕

  チェンバーは、サイラス達に声を掛ける。

  「うぉっ‼」

  「ひゃっ‼」

  サイラス達は、今のチェンバーを見て驚く。

  〔悪い……先に言っておけば良かったか?〕

  「いえ、大丈夫です」

  「ランビュとナビは?」

  ネシリスは、ランビュ達の事を尋ねる。

  「チェンバーを元に戻す為に奴の研究ノートを解読している」

  奈雲は、ランビュ達の事について話す。

  すると、奥の方から何かがぶつかる音が聞こえて来る。

  「今のは!」

  〔ダリウスの奴 まさか俺の身体を壊していないだろうな……〕

  チェンバーは、ダリウスの行動について悪い想像する。

  「俺達も行くぞ 奈雲はチェンバーの頭部と後から来てくれ」

  「解った!」

  オルティオス達は、急いでダリウスの所へ向かう。

  奈雲は、オルティオスの命令でジェットローラーを起動させてチェンバーの頭部が入ったカプセルを持って後から追掛ける。

  《~その頃~》

  ダリウスは、ボスコットと戦っていた。

  「このっ‼」

  「甘いわヨ!」

  ボスコットは、ダリウスの攻撃を軽やかにかわす。

  そこへオルティオス達がやって来る。

  「ダリウス!」

  「オルティオス」

  ダリウスは、オルティオス達が来た事に気付く。

  「おやおヤ 他の方々も集まりましたネ」

  「全員じゃないがな……」

  後から来た奈雲は、小声でツッコミを入れる。

  ダリウスは、隙を突いてボスコットを押さえ付けようとする。

  だが、ボスコットは思い切りダリウスを蹴り飛ばす。

  「ぐわっ‼」

  ダリウスは、ボスコットに蹴り飛ばされる。

  「全員、チェンバーの身体を出来るだけ傷付けるな」

  オルティオスは、ソニックエース達に指示を出す。

  『了解!』

  ソニックエース達は、オルティオスの指示に従い慎重に戦う。

  「大丈夫か? ダリウス」

  奈雲は、ダリウスに呼び掛ける。

  「ああ、何とか……」

  ダリウスは、意識をはっきりさせようとする。

  〔おい、ダリウス! 奴はお前を蹴る前に思い切っり足を後に上げていたぞ! よく相手を見るんだ!〕

  チェンバーは、ダリウスに注意する。

  「……」

  ダリウスは、奈雲が持っているカプセルに入っているチェンバーの頭部を見て言葉を失う。

  〔身体があれば俺も一緒に戦えるのに……〕

  チェンバーは、ボスコットと戦っているオルティオス達を見て悔しがる。

  「‼ チェンバー オルティオスが言った事を覚えているか? 「自分の身体は自分が一番知っている」って」

  奈雲は、チェンバーにオルティオスが言っていた事を伝える。

  〔だから?〕

  「予測するんだ ボスコットがこれからオルティオス達にどんな攻撃を仕掛けるのかを」

  奈雲は、チェンバーに作戦内容を言う。

  〔そうか…… ‼ ネシリス 蹴りが来るぞ 下がれ!〕

  チェンバーは、奈雲に言われて早速ネシリスに動きを伝える。

  ネシリスは、チェンバーの指示で後に下がる。

  すると、チェンバーの予想通りボスコットの蹴りが入る。

  「奈雲 奴の足元を狙え」

  「解ったぜ!」

  奈雲は、カプセルを置いてスコープ付きの銃でボスコットの足元を狙う。

  「おわッ!」

  ボスコットは、奈雲の銃攻撃にバランスを崩す。

  〔今だ‼〕

  オルティオス達は、ボスコットの顔面を攻撃する。

  すると、ボスコットはオルティオス達の攻撃で吹き飛び岩壁にぶつかりそのまま気絶する。

  「……やったぜ」

  サイラスは、ボスコットが気絶した事を確認して喜ぶ。

  「見事だ チェンバー」

  オルティオスは、チェンバーを褒める。

  【研究所】

  《~その後~》

  オルティオス達は、ボスコットの研究所に戻りランビュ達が解読した研究ノート通りにチェンバーを治す。

  少しすると治療の手を止める。

  「治ったのか?」

  ソニックエースは、ランビュに尋ねる。

  「これで良い筈です」

  すると、チェンバーは意識を取り戻す。

  「う……俺は……生きているのか?」

  「まだ配線が完全ではありませんが一命は取り留めました」

  ランビュは、現状をチェンバーに伝える。

  「そうか……良かった……」

  チェンバーは、ランビュの話を聞いて安心する。

  「因みにこっちはどうする? 首を付けておくか?」

  奈雲は、カプセルに入っているボスコットの頭部の事を尋ねる。

  「否、コリウスに戻る前に暴れる恐れがある ボスコットの首はコリウスに戻ってから付けるんだ」

  オルティオスは、奈雲の質問に答える。

  チェンバーは、台の上から降りるがバランスを崩し掛ける。

  「おっと! コリウスに戻るまで俺の肩を掴んでいろ」

  ソニックエースは、チェンバーの身体を支え自分の肩に掴むように言う。

  「悪いがそうさせてもらう」

  チェンバーは、ソニックエースの肩を掴む。

  ダリウスは、ボスコットの体を持ち上げる。

  〔それじゃあ早速転送するわ〕

  「頼む」

  ナビは、オルティオス達と自分をコリウスに転送する。

  【次回に続く】