002-032
徐々に降下して行くリレッタを待ち受けていた運命はダインによるお姫様抱っこだった、乳魔として屈辱的な行為では有ったがダインの打ち込んだ何かによって、リレッタの自由は完全に奪われてその敗北は明らかだ。
ダイン 「無駄だと思いますがまだ戦いますか、私の針はこれでも手加減してるんですよ、激痛で気絶させて勝利するよりも敗北を認めて欲しいですね」
リレッタ 「リッタ相手に手加減していたのですわね、完敗ですわ」
ダイン 「素直な女性は好きですよ、なら敗北の証に口付けを受け入れて下さい」
そう言って近付けて来たダインの唇をリレッタは拒む事は無かった、敗北を素直に受け入れられないほど、リレッタは愚鈍では無い。
そして受け入れたダインの口付けは始めから容赦無い、軽く唇が触れたかと思うと直ぐに舌が捩じ込まれて来てリレッタも面喰らってしまう、だが、乳魔の包容力を見せ付けるのもリレッタの矜持だ。
だが、ダインの行動はリレッタの予測を大きく上回っていた、絡み合わされたダインの舌にリレッタの舌は引き伸ばされて目一杯に伸ばされてしまう、その上でダインの舌はまだまだ長い様で、リレッタの喉奥深くまで潜り込んだと思えば、更に伸びてしまいには両の鼻の穴から一本づつ這い出てくる、そう、リレッタは想像していなかったがダインの舌は二股になっているのだ。
リレッタ思考 『いくら勝った方が何をしてもいいとはいっても予想外過ぎます、鼻を奥から犯すなんて変態過ぎますよ』
解剖学など進んでいないアーグルの医学知識ではダインの行いは全く理解不能である、脳が人間の思考を司っている事はなんと無くは分かってはいるが、全く未知の器官である為に触れる事は全くない、そうリレッタの未知の領域にダインが触れようとしているのだ。
そして訪れる鼻奥に感じる痛みは、身体に打ち込まれた何かに似てリレッタの頭へと這い上がって来る、理解出来ない恐怖に人を超越した乳魔のリレッタも身体を震わせるが、身体中に埋め込まれた針が動きを完全に封じこんでしまっている。
だが、頭はまだ比較的自由に動くようだが、舌が引き伸ばされている以上口を閉じて抵抗する事も出来ない。
リレッタ思考 『あ、頭の中に針が、これでティアス様もダインの人形になったというわけですか、ルゥ様、申し訳有りませんわ』
リレッタは頭の中で深くルゥに懺悔したが、その深い後悔の念もだんだんと薄れて来ている、ダインの針の侵攻が止まっているのは確かなのだが、思考全体が徐々に虚ろになって、既に自分が何者だったのかも解らなくなっている、ただ自分を抱いてくれている存在がとても大きなモノのなって、リレッタはそれに抱かれる事をとても幸福に感じながら意識を失った。
リレッタの陥落を見届けたティアスはザガルバを降りてダイン達の元へと駆け寄ると、変容したリレッタの姿をマジマジと見つめて言葉を漏らす。
ティアス 「確かにこの姿は魔王の伝承と通じるモノが有りますね、確か角の大きさが魔族としての強さを表している様です、リレッタの角も大きいとは思いますが魔王の壁画はもっと巨大でしたよ」
ダインは素早く舌を元に戻すと、ティアスとの会話を始める。
ダイン 「頭の飾りの大きさで強さを表すとは鳥の様ですね、ですがリレッタの強さは確かに本物だと思います」
ティアス 「ダイン様が圧倒してたと思いますけど」
ティアスの問いにダインは苦笑いしながら答える。
ダイン 「始めから私のペースに持ち込めましたからね、リレッタはなまじ賢いが為に私の攻撃の意図に嵌った訳です、私を罠に誘い込もうと森を戦いの舞台に選んだのが失敗なんですよ、正々堂々広間で戦っていたなら私の仕掛けなどは拡散していましたから」
ティアス 「ティアスにはよく解りませんでしたけど、リレッタが上空に逃げる様にダイン様が何かしてた訳ですか」
ダイン 「はい、まだ人間のティアスには解らなかったかも知れませんが辺りに私の魔力を散布していたんですよ、大した効果は無いモノだったんですがリレッタはソレを毒か何かと勘違いした様です、実際は無視して先に接近戦で挑んでくればリレッタが勝っていたでしょうね、まぁ化け物の戦いでは私が上手だった事ですね」
ティアス 「化け物だなんて、神の戦いの様でした」
ティアスは頬を赤らめながらダインを褒める、強い雄というだけで魅力的に映るモノなのだ。
ダイン 「しかし、乳魔という種族に私の堕液が何処まで効力を発揮するか解りませんのでリレッタにはまだ注意が必要です、打ち込んだ針も押し戻されて既に何本か抜けていますからね」
確かにリレッタの身体は意識を失っていても活発に活動しており、ダインの打ち込んだ針の周辺の腫れは引いて来て、針自体も押し出されている。
ティアス 「魔族は傷を受けても直ぐに直ったとの伝承でしたから、ですからマギガントの力で一気に絶命させて勝ったらしいです」
ダイン 「再生不可能な火力で倒す為の巨人なんですか、確かに人間の腕力で与える傷など、リレッタには効果が無さそうですね」
ティアス 「ですが、本当に魔王が現れたんでしょうか、ダイン様が魔王だという話でしたけど」
ダイン 「候補ですよ、リレッタの背後にいる人物、多分テガスのルーフィン、勇者リエルも魔王候補で有る可能性が高いです」
ティアス 「ダイン様を入れて魔王候補が三人もいるんですか?」
ダイン 「それ以上居る可能性も有ります、私も眷属のファービから聞いた話何ですが、特別な力に目覚めた者自体が魔王候補の様ですからまだまだ増えるかも知れませんね」
ティアス 「ダイン様の話を聴くとククジアの王選定戦など小さな物に感じますね、かつての魔王は大陸の人類が結集して戦った訳ですから」
ダイン 「私はなるべく人類とは共存したいと考えてますけどね、まぁ人類がこの世界の許容範囲を越えれば敵対すると思いますが、人類自体を滅ぼしてしまえば私の楽しみが無くなってしまいますから」
ダインの楽しみというのが、人間を遊魔に改造するという行為なのを理解しているティアスは素朴な疑問を口にする。
ティアス 「ですが、リレッタも遊魔の仲間に加えるんですよね、なら人間に拘る必要は無いんじゃ無いですか?」
ダイン 「人類は進歩の仕方によってはとても楽しいモノを生み出す可能性が有るんですよ、そして遊魔が影から上手く促してやればきっと私を退屈させない文化を育んでくれるでしょう」
ティアス 「ダイン様の理想はまだティアスには理解出来ないみたいです、早く遊魔に改造して欲しいです」
ダイン 「その為にはリレッタを詳しく調べる必要が有りそうですね、リレッタは処女のまま乳魔という魔族へと生まれ変わっているみたいですが、遊魔は私に処女を捧げる必要があるんですよ、でも処女を失ってしまうとこの世界では色々と不便な事が多いですから」
ティアス 「そうですよね、フェカトやポーカ学長がテガスから動かない事を不審に思っている人間は多いです、実際王宮ではダイン様が原因だと言われてますし」
ダインはその言葉に苦笑しながら応える。
ダイン 「当然ですよね、フェカトなどは天翔ける処女で色々と飛び回っていた様ですから、そんなフェカトがテガスに止まる事は不自然ですよね」
ティアス 「まぁフェカトに関してはダイン様との婚約が告げられてますから問題有りませんが、ポーカ学長を頼りに協定戦を起こす貴族は多いんですよね、テガスの黒騎士はその立場を狙って生み出された存在なんでしょうけど・・・」
ダイン 「扱いに困る人材ですよね、堕液が上手く作用してくれればいいんですけど、正直言って堕液だけでは不安なんですよね」
ティアス 「なら堕液が効いている内に対策を練る必要が有りますね、私の権限で特別な部屋を用意しますので、そこでリレッタを詳しく調べてみましょう」
ダイン 「堕液が効いている感覚は有りますから、直に目覚めるでしょう異形にも堕液は効いていましたから、ですが完璧を機するには眷属化なんですよね」
ティアス 「あ、リレッタの瞼が動いてますね、目覚める兆候でしょうか?」
ダインもリレッタの覚醒を感じていた、自らの一部を送り込んだダインの方がリレッタの状況に対して詳しく理解している、どうやら堕液の効果はちゃんと発揮されている様で、リレッタはダインに対して素直な女性に変化しているだろう。
そして、目を開くと直ぐに顔を眺めていたダインの頭を引き寄せて、忠誠の口付けを行う。
ティアス 「なるほど、こんな感じで変わっちゃうんですか、堕液が染み渡ると以前からダイン様を愛してた様に思えますから、自分では変化に気付けないんですよね、でも、他人の変化ならよく解りますよ、リレッタにダイン様への愛情なんて全く無かった筈なのに」
ティアスの言い方はリレッタの気に触るモノが有ったらしく、自分からより激しい口付けをして言葉では無く行動で自分の愛情を表現する。
ダインは基本、女性からの積極的な奉仕を好むのでさせたい様にさせているが、先に堕とされたティアスにはそれが不満で、ダインを背中から抱きしめて胸を必要以上に押し当てる事で存在を主張している。
その後も二人は競う様にダインに触れ合おうとしていたが、ダインの静止によってその行為は中断されてしまう、ダインとしては暗い森の中よりも部屋の中の方が落ち着けるからだ。
ダイン 「二人で盛り上がるのはいいと思いますが、そろそろ王宮に戻りましょう、流石に散歩にしては長過ぎる程の時間が掛かってますから」
ティアス 「そうですね、ダイン様はティアスのザガルバにお乗り下さい」
リレッタ 「それおかしく有りませんか、ティアス様にはティアス様のポナリアが有りますわ、ですからダイン様とリレッタでザガルバに乗るのが普通だと思います、ティアス様は朝もダイン様と二人で乗っていますし」
二人の争いが進行中なのを見てダインも少し戸惑ってしまう、完全に堕ちた遊魔ならば同族に対しての譲り合いが行われるものだが、堕液で堕としただけの状態ならばダインの求めている融和の精神が不完全なのだ。
ダイン 「私に天翔ける処女が使えるならば、二人をザガルバで解決なんですがそうも行きませんね、ですから私の裁定はティアスにポナリアに乗って貰いたいと思います、これはポナリアを考慮しての決定です、ティアスの為の機体なのに相次いで私やリレッタに扱われるのは可哀想ですから」
ティアスは不満そうな表情だが、ダインの考えが解らないわけでもない、同じ時を多く過ごす愛機に対して浮気の様に他の機体に乗った事はティアスにとっても心苦しく感じている。
ティアス 「解りました、確かにダイン様の言う通りです、この子は私のポナリアですからね、ダイン様とご一緒出来ないのは残念ですが、この子と一緒の時間もティアスには大切ですから」
リレッタ 「流石ダイン様ですわ、見事な御判断です、僭越ながらこのリッタがダイン様を王城へとお連れいたしますわ」
ダイン 「頼みますよ、ですが心変わりは勘弁して下さいね」
リレッタ 「もう、リッタがダイン様最優先なのは解ってくれてると思いますのに意地悪なお方ですわ」
ダイン 「リレッタの再生能力を見れば不安を感じるのは当然ですよ、もし単なる再生では無く状態の回復を伴っているのならば、元に戻る可能性が有りますから」
リレッタ 「そんな恐ろしい事を仰らないで下さいませ、今の幸福が奪われるなんてリッタ耐えられませんわ」
ティアス 「やっぱり、ティアスがザガルバの方がいいと思います、ダイン様に万が一が有れば生きて行けませんよ」
ダイン 「まぁ、それに関してはいい手が有るんですよ、ザガルバに乗ったまま私の尻尾を使えば最悪リレッタの自由は奪える筈ですから、これは魔の身体を持つモノには有効な手段です」
リレッタ 「ダイン様の尻尾ですか、リッタ、心が躍りますわ」
ダイン 「やはり、交尾をしていた様ですね、相手は勇者ルーフィンですね」
リレッタ 「正解ですわ、どこで解ったのですか?」
ダイン 「一人称をリッタと呼ぶじゃないですか、それはアーキアの世界の特徴ですからね、ですがアーキアには異形化の兆候など無かった、リエルは疑わしいですが、アーキアとの関係性を考えるとアーキア以外を先に眷属にするとは考え難いですから、となるとルーフィンが最有力候補になるんですよ、アーキア達とは殆ど接して無い様ですし」
リレッタ 「確かにそうですわ、リッタも意識してませんでしたけど、乳魔になってからリッタだと思います、でもティアス様もダイン様とご一緒の時はティアスと呼びますわよね」
ダイン 「それは私が牝を把握しやすい様にしているんですよ、声が似ている者達もいますので」
ティアス 「そうだったんですか、でもティアスはダイン様に名前を聴いて貰えるのは何だか嬉しいですよ」
ダイン 「そういう思考を植え付けてますから、小さな事で喜べるって良い事ですよね」
ティアス 「はい、でもダイン様に名前を呼んで貰えるのはもっと嬉しいですよ」
リレッタ 「リッタはリッタと呼んで貰える方がいいです、名前を省略するのは距離が近い証ですから」
ダイン 「アーキアの世界の風習ですね、面白いとは思いますが今更私達には導入出来ませんね、ですが別にリレッタをリッタと呼ぶのは問題有りませんね」
リレッタ 「なら今後はリッタでお願いしますわ」
ダイン 「ではリッタ、そろそろ王宮に戻ろうと思うのですがいいですね、ティアスもポナリアに乗って下さい」
ダインの言葉に従って帰り支度が始まる、ティアスは名残り惜しそうにポナリアの操縦席へと上がって行き、リレッタは先にダインを昇降機で上がらせて後に続くと思われたのだが、乳魔の飛行能力で操縦席まで飛び乗って来る、それは自分の能力をダインにアピールする為に行われている様で、ティアスへの対抗心の成せる結果だろう。
おまけ
魔族飛行能力 魔族にしてもマギガントの天翔ける処女にしても、基本的には浮遊能力で有る、大気以上に質量を軽くする事で浮遊している為に脚力を使ったジャンプでブーストが可能で有リ、上位マギガントでしか天翔ける処女が運用出来ないのは重量の問題が大きい。
ダインも既にアーグルにおける魔術浮遊の技術を獲得しており、実際、淫魔型遊魔は飛行する事が可能で有る。
対して、ザキトス系魔族では飛行能力よりも肉体強化を優先する傾向があり、一部の女性型の魔族のみが飛行可能だった様だ、その為、リレッタの浮遊能力は遊魔に劣っており大きな翼を羽ばたかせる事で推力を得ているが、強靭なザキトス系の翼は酷使しても疲労する事が無い為にリレッタが王都を任される様になった。