【RofF】ストーリー アカメ・ラピッドVSグラスウィード

  とある世界に有る建物にあるイベントが行われていた。

  イベントの名前は【RofF】

  イベントの内容は様々な種族が参加できる女子ボクシングイベント。

  そして今回も試合が行われる

  『レディース&ジェントルマン、さあ、始まりました!』

  観客から歓声が上がる

  『それでは選手の入場です。

  赤コーナー!

  兎の亜人のアカメ・ラピッド!』

  赤コーナーの花道から白髪のボサボサのロングヘア―、身長165cm位、身体は程よく鍛えらえているが胸は少し小さめの赤眼の兎の獣人のアカメ・ラピッドが出て来て落ち着いた様子で花道を歩いてリングに入る。

  続いて

  『続きまして青コーナ!

  雑草の精霊グラスウィード!』

  青コーナーの花道から明るい茶髪で少し癖毛があるロングヘア―で身長153cm位、身体は程よいスタイル良いで胸は少し大きめの雑草の精霊のグラスウィードが出て来た。

  アカメ・ラピッドが落ち着いているのに対してグラスウィードは緊張しているのか落着きが無い

  『女子ボクシング協会の情報では両選手とも今大会初登場。

  よって新人同士の対決になります』

  実況の解説を他所にお互いリングの中心に歩み寄り向かい合わせる。

  その間にレフェリーが入ってルールの説明を行う。

  「今回は【RofF】の適性審査でAランクのラピッド選手とCランクのグラスウィード選手の対決の為、試合を平等にする為にグラスウィードが試合形式を決める事が出来ます。

  そして試合形式は1ラウンド2分制の10ラウンドでフリーノックダウン制になります。

  此れに間違いはないですね?」

  「は、はい!」

  「大丈夫だ」

  2人が答えるとレフェリーは離れる。

  「よ、宜しくお願いします!!」

  グラスウィードが頭を下げる。

  それに対してラピッドはは無言のまま背を向けて軽く手を上げるだけ。

  その態度にグラスウィードはムッとする

  お互い自営のコーナーに行き【RofF】のスタッフからマウスピースを受け取ると口にくわえてリングの中心に戻り

  [カーン!!]

  「ファイッ!!」

  試合が始まった。

  お互いグローブタッチして構える

  グラスウィードは緊張のあまり目を瞑って

  (大丈夫…….私なら出来る……頑張ろう)

  自分に言い聞かせながら目を開くとラピッドが消えていた。

  「え⁉何処に⋯」

  慌てて周りを見ると

  「何処を見ているんだよ?

  こっちだ」

  下から声が聞こえて下を見るといつの間に姿勢を低くして低空アッパーの構えをして居たラピッドの姿があった。

  「へっ?」

  グラスウィードは一瞬の出来事だった為呆気に取られてしまって、ラピッドの低空アッパーを

  [バキッ!!!]

  顔の中心を捉えられてしまい

  「ぶべらぁ!!!」

  ラピッドのアッパーカットを諸に食らい思わず尻餅を着いて倒れる。

  そしてそのまま

  「ダウーン!!」

  レフェリーのダウン宣言を聞いてラピッドはニュートラルコーナーまで下がる。

  『おおっと!ラピッド選手開始早々グラスウィード選手からダウン取りました!!』

  一方グラスウィードはまだ何が起きたか分からず混乱していた。

  「スリー、フォー、ファイブ⋯」

  レフェリーのカウントする声を聞いて

  「ハァ!ダウンしたんだ!!

  急いで立たないと!」

  グラスウィードはカウント9で立ち上がり構える

  其れを見たレフェリーは

  「ボックス!!」

  再開させた。

  お互い距離を詰めて

  「さ、さっきは油断しましたけど今度はそうは行きません! 私のパンチで貴女を倒します。

  覚悟してくださいね」

  グラスウィードはそう言うが ラピッドは

  「ハッ」

  鼻で笑った。

  「試合中に対戦相手から目を離す素人相手に負けるかよ!」

  「素人なのは貴方も同じでしょう! 」

  グラスウィードは勢いよく飛び出してラピッドに向かってジャブを放つが

  「ほいと」

  簡単に避けられてグラスウィードの目の前に立ち直して

  「避けてみろよ」

  その言葉の直後に

  「え!?」

  グラスウィードの頬に殴られた感覚が襲う。

  何をされたのか理解できずに

  [パァン!パァン!]

  続けて二回もラピッドの拳を貰ってしまう。

  (なにされたんですか?)

  更に動揺して硬直してしまい

  「はい、また貰ったぞ」

  再びラピッドの右ストレートがグラスウィードの顔面を捉える。

  「ふぐぅ!!」

  グラスウィードは何とか踏ん張り耐えるが

  「もう一丁だ」

  ラピッドの左フックが

  [uploadedimage:15627038]

  「あがっ!?」

  グラスウィードの頬の下の顎にクリーンヒットして軽い脳震盪を起こす。

  軽い脳震盪を起こしたグラスウィードは立ってられずに倒れてしまう

  「此れがあたしとあんたの差だよ」

  ラピッドはグラスウィードに背を向けてニュートラルコーナーに向かいすれ違う様にレフェリーが近づいて

  「ダウン!」

  カウントを始めた

  『なんとラピッド選手短時間でグラスウィード選手から二回もダウンを取ってしまいました!

  大口を叩いただけあります』

  グラスウィードは実況の声やレフェリーのカウントを数える声を聞かず

  (じ、実力差が有りすぎる……..わ、私じゃ勝てる気がしない)

  グラスウィードは一時的にマイナス思考になっていたが

  (違う!ボクシングは最後まで立って居た方が勝つスポーツ!

  だから諦めたらそこで試合終了!!)

  グラスウィードは自分自身を奮い立たせて立ち上がる。

  「ボックス!!」

  [newpage]

  『さぁ、試合は只今第五ラウンド目に入っています。

  試合の流れは一向にラピッドが優勢です。

  グラスウィード選手はどう対応するのでしょうか?』

  グラスウィードは右ストレートを繰り出すが

  「⋯⋯」

  ラピッドはあっさりと紙一重で躱されてしまい

  [バキッ!]

  カウンターと言わんばかりの左フックを顔に食らって怯んで目を瞑る。

  其れに合わせてラピッドは右フック、左フックを繰り出してグラスウィードの顔を的確に打ち抜く。

  グラスウィードは倒れそうになるが踏ん張ろうと足に力を入れようとするが、ラピッドは大きく右腕を後ろに引く。

  其れを見ていたグラスウィードは危険を感じて咄嵯に足に力を入れるのを辞めて顔までガードを上げた。

  そして大きく後ろに引いたラピッドの右腕が

  [ドゴォ!!]

  強烈なボディブローになり、鈍く重い音が響きながら無防備のグラスウィードの腹部に炸裂した。

  「うげぇ!!」

  グラスウィードは思わず胃液が逆流しそうになりながらも必死に耐えようとするがラピッドは容赦なくお腹に肝臓部分に左フックを叩き込む。

  「!!?」

  グラスウィードは多々良を履みながら耐えながら後退して新鮮な空気を吸おうと瞬間にラピッドは一気に距離を詰めて右アッパーカットを無防備になっているグラスウィードのお腹に

  「おごっ!?」

  ねじ込む様に叩き込んだ。

  グラスウィードは痛みに耐え切れずに膝から崩れて今で我慢して居たのが決壊して口から

  「ゲホッ…….オェッ」

  マウスピースに胃液が吐き出された。

  其れを見ていたラピッドは

  「汚ねぇな」

  と吐き捨ててニュートラルコーナーに向かう

  レフェリーは

  「だ、ダウン」

  と少し戸惑いながら宣言してカウントを始める

  『グラスウィード選手、またもやダウンを取られました

  しかも、先ほどと違って容赦なく攻められて、此れは少し恥ずかしいですね』

  「シックス、セブン」

  セブンで足を震わせながらグラスウィードは立ち上がり構える

  其れを見たレフェリーは

  「まだやれる?」

  と聞くと

  「はぁ、はぁ、も、勿論

  わ、私は⋯まだ負けて⋯ませんから」

  「OK」

  マウスピースを口に入れて

  「ファイト!」

  レフェリーは再び試合を再開させるが

  [カァン‼]

  ゴングが鳴って第五ラウンドが終わりお互い自営のコーナーに戻った。

  ラピッドは一度もパンチを貰わずに一方的にグラスウィードを殴り続けた為、水分補給と汗拭きだけして後は試合再開するまで待つ

  一方グラスウィードは ラピッドから一方的に殴られ続けて体中が悲鳴を挙げていた。

  痣になって居る部分は氷袋でアイシングして冷やし、鼻血など出血している部分はワセリンで血を固めて止血して、固くなった筋肉を解すためにマッサージをするなど【RofF】スタッフは慣れた手付きで治療していく。

  グラスウィードは痛みを堪えてラピッドの方を見る。

  無傷のラピッドと傷と痣だらけの自分を比べて。

  (此処まで差があるなんて……)

  実力差を改めて痛感してしまい後ろ向きになってしまうが

  (でも……)

  グラスウィードは気持ちを切り替えて

  (だからと言って諦めるのは違う!

  私は他の子と違ってスタミナと打たれ強さは自信があるんだ!

  だから最後まで諦めずに戦う!!)

  決意を新たにした。

  ラピッドは

  (あぁぁああ、あの女しつこいんだよ!

  徹底的に実力差を見せたのにいい加減諦めろよ!!)

  グラスウィードの諦めの悪さに苛立ちを覚えて

  「チッ……」

  舌打ちをする。

  「やりたくなかったが仕方がない。

  やるか」

  ラピッドはそう呟く。

  そして

  [カァン‼]

  第六ラウンド目開始の合図が鳴る

  [newpage]

  「ボックス!!」

  第六ラウンド目が始まった

  (兎に角、徹底的に防御で固めて相手の反撃の隙を見つけないと)

  グラスウィードは前に出ようと瞬間

  「!?」

  ラピッドが突進と思えてしまうスピードで接近してきた。

  『ラピッド選手、突進と思えてしまうスピードでグラスウィードに接近してきた。

  此処で勝負を決めるつもりでしょうか?』

  ラピッドは接近しながら右腕を後方に伸ばして、グラスウィードはラピッドの予想外の動きに対応出来ずに硬直してしまいラピッドは後方に伸ばした右腕を勢いよく振り抜く。

  更に突進と同等スピードの勢いが乗った手首を捻って繰り出す打撃技、コークスクリューブローをグラスウィードの顔面に

  『ドゴォォオオ!!!!』

  第五ラウンド目に叩き込んだボディーブローよりも重い音が響く

  グラスウィードの顔の鼻から盛大に鼻血が吹き出し

  「あ、ぁ⋯ぅっ…….」

  殴られた衝撃で放心状態になって声にならないうめき声を出しながら無意識に後退して自営のコーナーに戻される。

  ラピッドは手を休めずに

  『ラッシュ!

  ラッシュ!

  怒涛のラッシュだ!』

  ラピッド顔、お腹にフックのラッシュを繰り出す。

  グラスウィードはただ

  「うっぼ!ぐふ!がぁは!」

  と悲鳴を挙げてサンドバック状態になって居た。

  ラピッドはある程度殴ると殴るのを辞めると

  グラスウィードは自営のコーナーにもたれ掛かがりながら

  「あ、ぅう⋯ぁぁあ⋯あ」

  ゆっくりと崩れ落ちる様に座り込む。

  「ダウン! 」

  レフェリーはカウントを始める。

  「ま、まだ…負けていない……私は……絶対に……諦めない」

  グラスウィード途切れ途切れの言葉を吐きながらリングのロープを使って立ち上がる。

  其れを見ていたラピッドは

  (あの女、しぶとすぎるんだよ!)

  グラスウィードの粘り強さに苛立って自営のコーナーを力任せに

  [ドン!]

  と殴る。

  グラスウィードは何とか立ち上がって構えるが足下はおぼつかない様子でもファイティングポーズを取る

  レフェリーは

  「ファィッ!!」

  試合を再開させる。

  ラピッドは先程と同じラピッドが突進と思えてしまうスピードで接近しながら右腕を後方に伸ばす

  其れに対してグラスウィードは

  (あれはさっきと同じ、幾ら私でもあれは何発も喰らえば立てなくなる。

  だからあれに合わせてカウンターで止める!!)

  接近するラピッドの動き見て顔に目掛けて右腕が動いて

  (今!!)

  タイミングを合わせてカウンターパンチを繰り出した。

  ラピッドはグラスウィードのカウンターパンチを首を傾げて躱す技術、スリッピングで避ける

  (大丈夫、避けられるのは想定済み。

  ラピッドさんの攻撃を少し遅らせて躱せ⋯あれ?)

  グラスウィード異変に気が付く、其れは自分の顔に目掛けて迫って来る白グローブが消えていたことに気が付いて

  (何処に?……)

  [ドゴォ!!]

  突然グラスウィードのお腹から鈍く重い音が響いて

  「がぁは!」

  思わず下を見ると

  (な⋯なんで!?)

  いつの間にかラピッドの白いグローブがグラスウィードのお腹を突き刺すように殴られている事に驚く。

  そして自然とグラスウィードの体は前屈みになりラピッドはグローブを抜くと胃酸が逆流して喉を焼く感覚に襲われる。

  その痛みに耐えながら飲み込もうとした瞬間

  「手伝おうか?」

  ラピッドがグラスウィードの目の前でしゃがみ込んで目を合わせながら話かけて来た。

  (試合中⋯話し⋯かけ⋯来て⋯どうゆう⋯つもり?

  それ⋯手伝うって⋯何の事?)

  グラスウィードはラピッドの謎の行動に疑問と疑惑が合わさり混乱する。

  グラスウィードが混乱している中、ラピッドは白いグローブを見せつけて

  (まさか!?)

  グラスウィードの記憶からラピッドのこの状態で打てる技を思い出す。

  直ぐに体を動かそうとするが

  (体が⋯上手く⋯動かない)

  グラスウィードは悔しさの余り歯を食いしばる。

  ラピッドは相手の目の前でしゃがみ、伸び上がるのと同時にパンチを放つ技、カエルパンチでグラスウィードの顔面を捉える。

  グラスウィードは顔を強制的に真上に上げられてふらつく。

  (兎に角、倒れて時間を稼いでインターバルに繋げるしかない)

  グラスウィード倒れようとするがラピッドは其れを防ぐようにグラスウィードの顔面ド真ん中に大振りの右フックが

  「ぐぶぅっ!!」

  グラスウィードの口から血が漏れ出す。

  グラスウィードの背中とグラスウィードの自営のコーナーがぶつかり合うと今度は左の大振りのフックがグラスウィード脇腹に

  「ごばぁあ!!」

  ラピッドの拳が深くめり込み、左側に崩れ落ちそうになるが今度は大振りの右フックが反対の脇腹を捉え

  [ドボォ!!]

  ラピッドの拳がめり込む音と共に唾液と鮮血が混ざった液体が吐き出される。

  ラピッドは更に追い打ちを通り越して死体蹴りと言わんばかりに大振りのフックがグラスウィードを連続で顔、体中にめり込ませる。

  グラスウィードはほぼ意識が無くただサンドバック状態になっていた。

  其れを見ていたレフェリーはヤバいと判断して止めようと動ことするが其れよりもラピッドが体を大きく捻って一気に戻す。

  その時に出来た遠心力を乗せた大振りの右フックに乗せてグラスウィードの頬を捉える。

  グラスウィードの口元からマウスピースが飛び出してリング外に飛んで行く。

  それに留まらず遠心力を乗った大振りの右フックはグラスウィードの足をリングから引きはがして宙に浮かしリングのロープの上を通り越してリングの真下に叩きつける。

  『グラスウィード場外ダウンだ!

  場外ダウンの場合、カウントは二十秒増えます』

  実況のアナウンスが響いて

  「ダウン!」

  レフェリーはカウント始める。

  ラピッドはリングから転落したグラスウィードを見えるニュートラルコーナーに寄りかかりながら見つめる

  (ベテランでもあれだけ打ち込めば立ち上がるのは難しいはずなのに)

  ラピッドが見つめる先にはリング縁を使って何とか立ち上がるグラスウィードの姿があった。

  (あいつどんな体力をしているんだ?)

  ラピッドはグラスウィードのタフネス驚きを通り越して恐怖を覚えた。

  グラスウィードはボロボロになった体に鞭を打ちながらリングのキャンバスマットに乗り上げてその反動を使ってロープの内側に入り込んで仰向けになる

  「ハァ ハァ ハァ⋯」

  呼吸が過呼吸になっており、

  「うぐっ!!」

  過呼吸で胃酸が逆流したのかお腹を押さえて呻き声を出す

  それでもグラスウィードは腕の力だけで身体を動かしてうつ伏せになる。

  そして腕をロープに賭けて

  「ハァ ハァ ハァ⋯まだ⋯や、れる」

  息も絶え絶えになりながらもロープにしがみついて立ち上がろうとする。

  其れを見ていたラピッドは

  (どんなけ負けず嫌いなんだよ)

  と内心思いそうしている間にもグラスウィードはふらふらながらも立ち上がりファイティングポーズを取ろうとするが足下がおぼつかない。

  其れを見ていたレフェリーは

  「自分の名前言える?大丈夫?」

  と確認で聞くと

  「ぐ、グラス⋯う、ウィードです。

  し、試合の続行でお、お願いします」

  途切れ途切れながらもグラスウィードは試合を続行させる為にレフェリーに訴える。

  レフェリーは

  「ファイッ!!」

  試合を再開させた。

  ラピッドは三回目のスピードを出しながら右腕を伸ばしながら接近して来る

  (大丈夫大丈夫、三回も見た動きだから落ち着いて対処できる。

  そうすれば勝てる。

  勝って⋯あれ?⋯如何して私、勝ちに拘っていたんだろう?)

  グラスウィードは今更自分が何の為に戦っているか分からなくなっていた。

  グラスウィードは必死に思い出そうとするとなぜかラピッドに殴られる部分を思い出してしまう。

  其れに合わさって何故か体が震えて

  「ハァ ハァ ハァ」

  呼吸が乱れて

  「い、イヤだ。

  こ、来ないでぇええ!」

  急にグラスウィードは怯えた始めて其れを見ていたラピッドは

  「!?」

  ラピッドはグラスウィードの異変に驚くが直ぐに冷静になって伸ばした右腕を右ストレートを繰り出したがわざとグラスウィードを外してグラスウィードの自営のコーナーを

  [ズガッ!]

  と殴る。

  殴った右腕をグラスウィードの肩に置き引き寄せてグラスウィードの耳元で

  「抱きな!」

  と囁いたグラスウィードはラピッドの言われるままにラピッドの身体を抱きしめる。

  『おっと?

  両選手クリンチをしましたが此れはラピッド選手が引き寄せた感じですかね?』

  実況者の声を無視して

  「んで如何した?

  急に泣き虫になって?」

  「わ、分からない。

  い、今まで目指して⋯居た物が急に見えなくなって⋯それで怖くなって⋯如何したら⋯いいのか分かんなく⋯なっちゃて」

  其れを聞いたラピッドは

  「やっと心が折れたか」

  と呟く同時にクリンチして居たグラスウィードを引きはがして

  「なら出直して来い、弱草」

  言いながら右フックを顎を殴る。

  今まで蓄積して居た疲労がダムの決壊の様に一気に溢れ出して足下がおぼつかなくなる。

  其のままグラスウィードは右フックで殴られた勢いで左に倒れる。

  誰が見ても決着がついたと思われたが、この時グラスウィードの頭と意識の中では色々と起きていた

  本来疲労した選手は殴られ意識を刈り取られて其のままノンレム睡眠が襲ってくるはずなのだが、グラスウィードの場合は違かった。

  グラスウィードは持ち前のタフネスでノンレム睡眠の一歩手前のレム睡眠に踏み留まった

  そしてラピッドに最後に言われた弱草の言葉に反応に示し記憶の棚から弱草に関する記憶を無意識に思い出してそれらが組み合わさって夢になってレム睡眠に入って居るグラスウィードは其のまま夢を見る。

  [newpage]

  意識が一緒んで途切れたグラスウィードが意識を取り戻すと丘の上にある木に吊るされているブランコに座っていた。

  「え⁉」

  グラスウィードは戸惑いながらも辺りを見渡す。

  (此処は何処だろう?

  でも見覚えがあるような気がする)

  グラスウィードはそう思うと

  「ーーー⋯⋯」

  「ーーー⋯⋯」

  誰かが言い争っている声が聞こえてグラスウィードは声が聞こえた方に行ってみるとそこには

  「嘘!?

  昔の私!?」

  幼少期のグラスウィードが居て

  「弱者のグラスウィード」

  「負け犬」

  「雑魚精霊」

  (あれって名前は忘れたけど昔の私をいじめて居た奴等だ!)

  昔のグラスウィードを虐めていた三人組でリーダー格の薔薇の妖精と取り巻きのサボテンの妖精とラフレシアの妖精が居た

  過去のグラスウィードは両手で服を握って我慢しているが薔薇の妖精が

  「何か言ったらどうなの?

  雑魚の雑草の妖精のグラスウィードさん」

  「私は雑魚の妖精じゃ無い!」

  過去のグラスウィードは走り出して薔薇の妖精に飛びかかかるが幼少期のグラスウィードと薔薇の妖精の間にサボテンの妖精とラフレシアの妖精が割って入って来て飛びかかている過去のグラスウィードにタックルでぶつかって防いで直ぐにグラスウィードを羽交い締めにする。

  過去のグラスウィードは

  「は、放して!!」

  暴れるがラフレシア妖精が過去のグラスウィードの目の前に立ってマスクを外して

  「はああぁぁ~」

  グラスウィードに吐息を掛けた。

  直ぐに過去のグラスウィードの顔が青くなって

  「く、臭ッさァああいぃいい!!

  ゲホッゴホォオエェエッ」

  と叫んで咳き込む。

  そうしている間にも薔薇の妖精はポシェットからある物を取り出す。

  其れはナックルダスターを二つ取り出して両手にはめて過去のグラスウィードに近づいて

  「ねぇ此れ見てよ」

  薔薇の妖精は両手に嵌めたナックルダスターを過去のグラスウィードに見せつけて

  「お父さんに護身用に欲しいと言ったら買ってくれたの。

  素敵でしょ?

  でも此れを殴る機会なんて来ないと思っていたんですけど丁度襲われたから使えるわ」

  最初から此れを狙っていたのかと思わせる様に黒く微笑む。

  過去のグラスウィードはヤバいと思ったのか

  「い、イヤだ。

  こ、来ないで!」

  再度振り解こうとしたが

  「はああぁぁ~」

  ラフレシア妖精が又吐息を吐いて

  「くさァああいィイ!!

  うぇえおぉおお!!」

  暴れるのを辞めて息を整えるが

  「しっかり抑えなさい」

  薔薇の妖精は右腕を大きく振り挙げながら過去のグラスウィードに近づき

  「!」

  サボテンの妖精は羽交い締めを強くして過去グラスウィードを動けなくする。

  そして薔薇の妖精が

  「それ!」

  ナックルダスターを嵌めた右手の右フックが

  「ぶ!」

  過去のグラスウィードの顔面にクリーンヒットした。

  「もう一発!」

  続けて左ストレートを放たれて

  「ぐっ」

  その後、夕方になるまでサンドバックの様に殴られボロボロになって糸が切れた操り人形の如く力なく伸びてサボテンの妖精はゴミを棄てるかのように其処ら辺に捨てて

  「なかなかの殴り心地でしたわ。

  又殴らせてもらいますわ

  雑魚の雑草さん」

  薔薇の妖精達はそう言って立ち去りその後、過去のグラスウィードは身体を起こして

  「ぐすっ」

  涙目になり

  「うぁああん!」

  と泣き始める。

  其のまま泣きながら家に帰える。

  其れを見ていたグラスウィードはもらい泣きしながら丘の上の木のブランコに座り漕ぎ始める

  「あの時の記憶か……」

  グラスウィード忘れたい記憶の一部で

  「虐められた日は大泣きしながら家に帰って、お母さんに慰めて貰って、次の日には笑顔で学校に行っていた。

  でも段々と虐めがエスカレートして行って、最終的には学校に行くのも怖くなって、私は不登校になって家に引き込まる様になった。

  母さんと父さんはそんな私に優しくしてくれた。

  時々父さんに色んなスポーツの観戦に連れてってもらって一緒に見に行った。

  その時に見たボクシングの試合が凄くカッコ良かった。

  だから自分もあんな風に強くなって弱いとか言われたくないからボクシングを始めた。

  最初は全然上手く行かなかった。

  だけど諦めずに練習して努力して自身がちょっとついて来て調子をこいて【RofF】にエントリーしたけどラピッドさんにボロボロにされたけどまだ負けていない!」

  グラスウィードはブランゴを漕ぐのを辞めて降りて

  「 絶対に勝つんだ!!」

  と叫びと同時にグラスウィードは夢から覚める。

  覚めたグラスウィードは自然と自分が置かれている状況を把握した。

  まだ自分は倒れ切れていない、相手は仕留めきったと油断している。

  今なら勝機がある。

  グラスウィードは足を動かしてバランスを取って一番足に力が居れやすい体勢を取り足に力を籠めて倒れるのを防いで次にしっかりとラピッドの顔を捉えてマウスピースをしっかりと歯を噛みしめて右腕を大きくループ円弧を描く。

  自然と背の高い相手にリーチしようとする、身長の低いボクサーに特に人気があるパンチ、右オーバーハンドを繰り出した。

  ラピッドはグラスウィードが倒れると確信して、完全に気を抜いていた為に防御が間に合わずグラスウィードの右オーバーハンドを諸に

  「がふッ」

  喰らってしまう。

  ラピッドはグラスウィードが放った一撃に驚きながらも直ぐに反撃してグラスウィードの左頬を捉えたが

  「ぐっ!

  ⋯効きません!」

  ラピッドの反撃の一撃をグラスウィードは耐え切ってラピッドの顎にアッパーカットを

  「がはぁ!」

  クリーンヒットのクリティカルしてラピッドは思わず仰向けに倒れた。

  「はぁ、はぁ、はあ、

  ……貴方が私に弱草と言ってくれたお陰で忘れかけていた大切な事を思い出せました」

  「ダウン!」

  レフェリーはダウン宣言して

  『Cランクの選手のグラスウィード選手がAランクのラピッド選手から初ダウンを奪取!』

  実況者は興奮気味に実況する

  グラスウィードはニュートラルコーナーに向かうが、表情は苦痛で歪みながらお腹を押さえてながらロープを頼りに歩く

  (たくさんパンチを貰ったせいで体中が痛い。

  それに出血もある。

  それでも最後まで戦う)

  一方ラピッドは

  (あぁぁああ、あん時余計な事を言わなければこんな事にはならなかったのにぃいいい!!)

  ラピッドは後悔するが

  (後悔先に立たず。

  だったら殴り倒すだけだ)

  カウント8で立ち上がりファイティングポーズを取る。

  「ファイ!」

  [newpage]

  『第九ラウンド目に入りました。

  試合展開はまだラピッド選手の優勢です。

  しかしグラスウィード選手は必死に食らいついています』

  実況の声を他所にラピッドはフリッカージャブを繰り出すがグラスウィードはガードして守りを固める。

  ラピッドはグラスウィードのガードの硬さに

  「チィ!」

  舌打ちをしてすぐさまガラ空きになっているお腹に左、右の順でフックを二回打ち込んで

  「ぐぇえ!

  うげェエ!!」

  グラスウィードは呻き声を上げるが

  「⋯まだ行ける!」

  倒れずに足はしっかりと地面を踏みしめて目線はしっかりとラピッドを捉える。

  そしてラピッドがパンチを繰り出して完全に拳を引っ込め前にラピッドのお腹にボディーアッパーを打ち込む。

  ラピッドは

  「ごほぉおお!? 」

  思わず口からマウスピースを吐き出しそうになるが歯を食いしばって一歩下がり右腕を大きく後ろに引く。

  其れはグラスウィード直ぐに両腕を顔の前に出して防御態勢を取っる。

  ラピッドはグラスウィードの防御を無視してて勢いよく右腕を振り戻す。

  その時に右手首を捻って右ストレートを咄嗟に右コークスクリュー・ブローに変える。

  グラスウィードの防御の隙間を狙って右手首を捻った回転の力を使って強引に抉じ開けて、ラピッドの右コークスクリュー・ブローがグラスウィードの顔面を捉えて

  「ぐっ⋯あぅ」

  グラスウィードは倒れそうになるが

  「⋯ま⋯だ⋯いける⋯!」

  グラスウィードは根性と意地だけで倒れるのを堪えて

  「う。ウォオオオォオ!!!」

  雄叫びを上げて返しのカウンター擬きの左ストレートをラピッドの顔の真ん中に叩き込んだ。

  「ぶへぁ!」

  ラピッドは鼻血を出しながら仰向けに倒れた。

  「ダウン!」

  レフェリーはダウン宣言してカウントを始める。

  グラスウィードロープを頼りにニュートラルコーナーに向かう

  『やはり、グラスウィード選手のファイトスタイルを変えて肉を切らせて骨を断つ戦法に変えて食らいつくことが出来ていますがグラスウィード選手もかなり疲労しています』

  実況者の声を聞きながらラピッドは

  (グラスウィード、相当無茶をして居る。

  現に意識を保ちながら立って居るのがやっとの状態なのにあたしに勝つ為に限界を超えてまで戦っている。

  そんな事をされたら血が滾うじゃないか)

  ラピッドは心の中でそう思いながら カウント9で立ち上がる。

  丁度

  [カァン!]

  第九ラウンド目の終了のゴングが鳴った。

  インターバルに入る為にラピッドは自力で自営のコーナー戻るがグラスウィードは色々とやっとの状態でノロノロと動くしか出来ない為に【RofF】のスタッフの手を借りながら戻って行きスツールに座り両者とも【RofF】のスタッフの手当を受ける。

  ラピッドは攻撃をあんまり受けて居ない為、氷袋のアイシング、マッサージ、出血した部分の止血処置は軽く済んで、グラスウィードを見て水分補給をしながら

  (相当、キツイパンチを喰らわせているのあいつの骨、強化骨格で出来ているのか?

  ⋯いや、殴った感触は普通の人間のそれだった。

  つまりはあいつ自身の肉体が頑丈なだけか)

  ラピッドはグラスウィードのタフさに驚く。

  一方グラスウィードはラピッドから徹底的に殴られて居る。

  其の為顔は腫れている部分を探すより腫れていない部分を探した方が難しいくらいにパンパンに膨れ上がり、口と鼻などは出血した血で充血している。

  お腹の痣は変色を繰り返していて紫色に変わっている。

  【RofF】のスタッフが一生懸命にアフタケア―をして居るなかグラスウィードは

  (あ⋯たま⋯が⋯ぼー、とす……る。

  ⋯そ⋯れに、みき⋯は、ぼ⋯んや⋯りして、ひ⋯だり、はみ⋯えな⋯い。

  それ⋯から、おな⋯か⋯ぐちゅ、ぐ⋯ちゅ⋯して、ぐる、しぃい!!)

  今にも途切れそうな思考で必死に繋ぎとめる

  その時に【RofF】のスタッフがミネラルウォーターが入って居るペットボトルにストローを入れてグラスウィードに差し出して

  「グラスウィードさん、飲めますか?」

  グラスウィードは差し出されたペットボトルに刺さっているストローを食われて弱弱しく吸って飲む。

  【RofF】のスタッフはタイミングを見計らってグラスウィードからペットボトルを離してストローを抜いてグラスウィード体にペットボトルのミネラルウォーターを半分かける。

  グラスウィードは水をかけられたことで少しだけ意識がハッキリする。

  【RofF】のスタッフは再度ペットボトルにストローを刺し込んでグラスウィードの口に近づける。

  グラスウィードはゆっくりとストローを噛み吸い上げて水を飲んでいく。

  グラスウィードは何とか途切れ途切れの意識を繋いで

  「あ、ありが、とう」

  グラスウィードは礼を言う。

  【RofF】のスタッフは

  「いえ、気にしないでください。

  残りラウンドは一つなので頑張ってくださいね」

  【RofF】のスタッフのエールを受けながらグラスウィードとラピッドは立ち上がってファイティングポーズを取りながら試合再開の合図を待つ。

  『いよいよ、最終の第十ラウンド目です!

  この試合、果たしてどちらが勝つのか!

  試合再開!』

  [カァン‼]

  最終ラウンドのゴングが鳴る。

  ラピッドは少し重たい足取りながらもリズムよくステップを踏み、グラスウィードはベタ足を踏みながら足を引きずりながら近づいて行く。

  ラピッドはフットワークを使いながら細かくジャブを入れて、グラスウィードは只管にガードを固めて耐え忍ぶ。

  (チッ、こいつ巻き戻しが速いジャブは頭はガードしてお腹はがら空きにする。

  其処に巻き戻しが襲い攻撃を撃ち込ませて相打ち覚悟で殴り返すつもりか)

  ラピッドは少し緩んで

  (そんなリスキーな事をされたら乗るしかねぇだろ

  お望み通りに打ち込んでやるよ)

  ラピッドは相打ち狙いでがら空きにしているお腹に右ボディーアッパー、左レバーブロー、再度の右ボディーアッパーが

  「うっ!

  くぅ!

  がぁ!」

  グラスウィードのお腹に連続で突き刺さる。

  更に

  「はああ!!」

  ラピッドは渾身の力を込めて左右のフックを打ち込む。

  「ごふぇ!

  がはぁ!」

  グラスウィードは口から唾液、胃液、血が混じった体液が口から漏れ出て足が崩れそうになる。

  ラピッドは地下ボクシングで培った経験でダウン確定と警戒を解いてしまう。

  グラスウィードは鼻血を垂らしながら歯を食いしばり今にも崩れかけていた足を自分の力で支えて、腰を落として構えて、拳を握り締めて、息を荒げて、。

  グラスウィードは最後の力を絞り出すように

  (ま、だ、まだ、終わ、らない、!!!)

  「がはぁあ!!!」

  グラスウィードはラピッドの顎にショートアッパーを叩き込んですぐさま

  「ぐほぉおおお!!!」

  ラピッドの顔面に今の状態のグラスウィードが出せる強烈なストレートパンチが入る。

  思わない反撃にラピッドは体制を崩して倒れてしまう

  「ダウン!」

  『グラスウィードの執念は実況者である私も恐怖を感じます』

  ラピッドはカウント9で立ち上がり

  「ファイ!」

  試合が再開する

  ラピッドは

  「チッ」

  舌打ちをして

  (生半可な攻撃じゃ倒せない上に反撃してくる。

  此奴は本当に厄介だ。

  なら、全力全開で倒すしかないか。

  あたしのトップスピードで)

  ラピッドは深呼吸をして一気にグラスウィードに詰め寄る。

  グラスウィードは頭はガードを上げて、お腹はガラ空きにして、ラピッドの攻撃を誘う。

  ラピッドは右腕を大きく後ろに引いた。

  グラスウィードはガードを上げて頭を少し下げた。

  ラピッドの右手から放たれた右コークスクリューブローはグラスウィードの防御をガラスを叩き割るように砕き、グラスウィードの顔面に

  「がばぁあ!?」

  めり込み、グラスウィードの後ろにあるグラスウィードの自営コーナーまで下げる

  グラスウィードは再度近づいくるラピッドは迎撃しようとするが其れよりも早くラピッドが来て

  「んぶふっ!!

  んぶふぅぅっ!!

  んぶふぇぇぇっ!!

  んぶふぅっ!!

  ぶふぇぇぇっ!!

  ぶぇぇぇっ!!

  かはっ!!

  はぁっ!!

  んぶふぅっ!!

  あぶっ!!

  ぶふぇぇっ!!

  ぶぇぇぇっ!!」

  グラスウィードの全身を滅多打ちにする。

  ラピッドはグラスウィードの反撃が出来ないように攻撃の手を緩めない。

  そしてグラスウィードの構えが解けだしそうになった時に大振りの構えを取って殴りかかる。

  其れに合わせてグラスウィードも大振りの構えを取って殴りかかる。

  二人の拳は同時のお互いの顔に

  「がぁっ!!」

  「がふぇぇ!!」

  クロスカウンターが決まる。

  グラスウィードは頬を殴られてラピッドは頬の下の部分を殴られる

  そしてクロスカウンターを制したのはラピッドだった。

  ラピッドはグラスウィードの顔を殴った勢いでそのまま後ろの自営のコーナーに叩きつける。

  グラスウィードは自営のコーナー叩きつけられた衝撃でリングマットの上でうつ伏せに倒れる。

  「ダウン!」

  ラピッドは自営のコーナーに行くが足取りがおぼつかない。

  ラピッドは 自営のコーナーに戻ってロープを両手で掴んで体を支える。

  (ヤバい、さっきのパンチで頭がクラクラしてきた)

  ラピッドはどうにか頭の微力な脳震盪を振り解こうと頭を振る。

  グラスウィードは殆ど意識が無くなっていいる状態で

  (⋯カ⋯タ⋯ナ⋯イ⋯ト⋯)

  根性、意地、本能の三つで身体を支えて立ち上がり無意識にファイティングポーズを取る。

  レフェリーは流石に心配して

  「名前言える?」

  確認を取る

  グラスウィードは此処で名前を言えないと試合を中断されて負けにさせられるのを本能で理解して残った理性を

  「⋯ぐらす⋯うぃ⋯ど⋯」

  辛うじて声を出して名乗る。

  ラピッドはグラスウィードの方を向いてファイティングポーズを取ってレフェリーは

  「ファイ!」

  試合再開を告げる。

  ラピッドはフラつきながらグラスウィードの方に近づいて行く。

  グラスウィード一歩も動かずにラピッドを待ち構える。

  そしてお互いの拳が届く距離になりグラスウィードは右フック方が僅かに速くラピッドの顔面にめり込む。

  「ぐうぅう!!!」

  ラピッドは口からマウスピースが出そうになるが首をパンチの方向に合わせて曲げて最小限に被害を抑える。

  そして遅れてラピッドの右アッパーカットをグラスウィードの顎にめり込ませる。

  「ぐぼぉおおおっ!!!」

  グラスウィードは無理矢理に上を向かせて唾液と血が混じった体液が付着したマウスピースを吹き出し体がよろけて仰向けに倒れて

  「ダウン!」

  カウントが始まる。

  ラピッドはニュートラルコーナーに向かい

  ラピッドは

  「はぁーはぁー」

  息を荒げながらニュートラルコーナーに体を預ける

  「5!6!」

  レフェリーはカウントをするが

  『グラスウィード選手、手足をバタつかせて起き上がる気配がありません』

  グラスウィードは起き上がる気配も無く

  「9!10!」

  10秒数えた後レフェリーが

  「ノックアウト!!」

  試合終了を宣言する。

  ラピッドはリングの中心に向かいレフェリーに右手を上げて勝利のアピールをして、ゴングが鳴らされる。

  『勝者、アカメ・ラピッド!』

  実況者の声で会場が

  『ワァ――!!』

  歓声が上がる。

  だかラピッドは其れを無視してある場所を見つめる

  【RofF】のスタッフが持って来た担架に運ばれるグラスウィードの姿があった。

  ラピッドはグラスウィードを見ていると

  「ラピッド選手、インタビューを宜しいでしょうか?」

  「………あぁ…」

  ラピッドはスタッフからマイクを向けられて

  「あたしとあいつの実力差は歴然だった。

  なのにあいつは諦めずに其れでも何度も立ち上がり、あたしを追い詰めた。

  其れだけで十分称賛に値するよ。

  だけど…… 最後に立っていたのはあたしだった。

  それだけだよ」

  そう言ってラピッドはリングを後にする。

  [newpage]

  ラピッドは【RofF】のイベント会場の医務室に到着して

  「はい、終わりました」

  医者の診断が終わって、ラピッドは背筋を伸ばして

  「ありがと!」

  礼を言った後、

  「あ!

  あたしの対戦相手グラスウィードて今何処にいるの? 」

  ラピッドはグラスウィードの事を医者に言うと

  「グラスウィード選手ならそのベッドで寝ています。

  処置は終わって居ますがまだ目を覚ましていないようですが命に別状はないですよ。

  それにしても凄いですね。

  あの状態から立ち上がるなんて、普通はありえない事なんですよ」

  「あぁ其れな。

  あたし意識を飛ばすつもりで殴ったんだけどな~」

  「兎に角私は他の選手の手当てがあるのでこれで失礼します」

  「おう! 」

  医者は他の選手の治療に向かう為部屋を出ていく。

  (さて、こいつが起きるまで待つとするかな?)

  ラピッドはベッドの近くにあった椅子に座ってグラスウィードの顔を見る。

  グラスウィードの顔に沢山のガーゼや絆創膏を貼ってあって痛々しい姿になっていた。

  (こうやって見ると少しやり過ぎた気がしてきた。

  起きたら謝るか)

  ラピッドがそう思っていたら

  グラスウィードが

  「うぐぅう!?」

  グラスウィードが目を覚まして

  「こ、此処は⋯?」

  起き上がろうとするが全身に

  「痛っ!!」

  痛みが走る。

  ラピッドはグラスウィードが目覚めた事に気付いて

  「おっ起きたのか。

  大丈夫か?」

  ラピッドはグラスウィードの身体を支えて

  「あんまり無理すんなって」

  「あ、ありがとう」

  話しやすい体制に直して

  「私が此処に居るっている事は⋯」

  「試合の事か?

  其れならあたしが勝ったぞ」

  「やっぱりそうなんですね」

  グラスウィードは下を向いて手に力を込めて

  「私、弱者や負け犬扱いされるのはもう耐えられなかった。

  だから強くなりたいからボクシングを始めてキツイ練習も頑張って少し背伸びして貴方に挑んで、必死に貴方に死に物狂いで喰らいついて行ったのに⋯」

  グラスウィードの手の甲に涙が零れて

  「結局、貴女には勝てなかった。

  何の為に頑張って来たのか分からなくなってきた」

  徐々に声が震え、涙もポロポロ流れ落ちていく。

  ラピッドはグラスウィードのその姿にイラついて

  「おい!」

  ラピッドは人差し指でグラスウィードの頬を軽く突いて

  「お前は自分が弱い事を分かった上で、あたしに立ち向かったんだろ。

  そんで私を追い詰めた。

  その時点であんたは其れなりに強いんだよ」

  「で、でも、同じ新人であるラピッドさんと私じゃ実力差が違いすぎます」

  「そんなもん、当たり前だ。

  一応聞くけどボクシングの試合は今日が始めてか?」

  「はい、そうです。

  でも、それってラピッドさんも一緒じゃないですか?」

  「そうだな。

  確かにあたしも初めてだな。

  だけどそれは表のリングの話だ。

  裏のリングの地下闘技場は非合法の賭け試合であたしは何度も戦い抜いてきたんだ。

  俗に言う経験の差があるって奴だな」

  「そ、そうだったんですね」

  「まぁ、ダウンも取ったんだし、かなり健闘したと思うぜ」

  「そう言われるとなんか心が少し軽くなりました」

  「そんでまだボクシングは続けんのかい? 」

  ラピッドはグラスウィードに尋ねる。

  「勿論続けますよ。

  まだまだ強くならないといけませんから」

  「そうか。

  そんでファイトスタイルは如何するつもりだ?

  まさかと思うけどさっきの試合みたいに殴られたら殴り返すとか言わねぇよな」

  「えっと、その、出来ればそうしたいのですが」

  「はぁ~、馬鹿か? 」

  ラピッドは再度人差し指でグラスウィードの頬を突っつくと

  「あう!」

  「いいか?

  あたしのパンチは並の選手のなら簡単に意識を飛ばすくらい威力を出していたんだぞ。

  つまり下手したら運が良くて後遺症が残り最悪死ぬ。

  其れを分かってるうえで言ってんのか?」

  「あ、い、いえ、その、そこまでとは思っていませんでした。

  ごめんなさい」

  「まぁ、今回は運が良かっただけどな」

  「はい、気を付けます」

  「其れでなんだけどもし良かったらあたしがカウンターと腹筋の仕方を教えてやる」

  「其れってつまり⋯」

  「あんたにピッタリなトレーニングメニューを作ってやろうって事だよ」

  「本当ですか!?」

  「あぁ、ただし条件がある。

  さっきも言ったがあたしは地下闘技場で戦っていたと言ったのは覚えているか?」

  「あ、はい」

  「戦っていた理由がクソ親父の借金返済の為なんだわ。

  家は差し押さえて住んで居た場所が借金返済中は借金取りが用意した借り部屋に住んでいて、いざ借金を返した途端に借り部屋を追い出されたんだよ。

  新しい住処が決まるまで借金返済で残った金でネットカフェや漫画喫茶を転々としていたんだ」

  「其れってまさか」

  「あぁ、グラスウィードの考えている通りだ。

  グラスウィードの家に居候させてくれ」

  「⋯⋯はぁ~」

  グラスウィードはため息を付いて

  「⋯⋯」

  少し考えて

  「分かりました。

  実家から離れてマンションに一人暮らしなんで、私の家に住み着いて下さい」

  「マジか! ありがとよ!」

  「但しちゃんと私を鍛えてくださいね」

  「任せときな」

  ラピッドとグラスウィードは握手した。

  後に頭に硬すぎる腕のガード、お腹は鉄と思わせる腹筋、バケモン級のスタミナの三つを駆使して相手をロープもしくはコーナーに追い詰めてラッシュで倒すグラスウィードのスタイルが完成。

  そして、グラスウィードとラピッドが女子ボクシング界の頂点で戦う日が来るかもしれない

  [newpage]

  最後までお読みいただき有り難う御座います。

  この作品の文章は私、[[jumpuri:ダイビングビードル > https://www.pixiv.net/users/35691491]]とイラストは[[jumpuri:トロピカルはんだごて > https://www.pixiv.net/users/10343113]]さんの合同作品です。

  もしこの作品を見て自分も【RofF】に参加したい方は此方の[[jumpuri:【人外×ボクサー企画】リング・オブ・フリークス【RofF】 >https://www.pixiv.net/artworks/107861091]]参加用紙に説明を見ながらオリキャラのデータを入れてpixivに投稿すればエントリーは完了です。

  そして文章に自信が無い方は私にメッセージを送って下さい。

  参加お待ちしております。