冬の花

  居間で一人、大聲で歌ふ。

  親が居る時にこれをすると、

  「働け」

  「誰の金で飯が食へてゐるの?」

  と言はれる。

  引きこもりのニートは、生きてるだけで刺される。

  幸せさうにしてゐると刺される。

  笑つてゐると刺される。

  くさびを打ち込まれる。

  だから、笑ふ時は心に闇を抱へてなければならない。

  幸せになつてはいけない、哀れな道化師。

  そんなの氣にするな。

  言葉なんてただの音だ。

  バカブロックだ。

  とは言つてもなのだ。

  飯が食へなくなる。

  住む場所もなく、冬の寒空の下、彷徨ふ事になる。

  実際的な脅しなのである。

  今日一日だけでも、笑つて暮らせるなら、

  明日は要らないのに。