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ある田舎町で神隠し事件が多発していた。
なんでも、神隠しに合うのは決まって男性であることに加え、独り身であることが共通点らしく、以上の条件から適正と思われる、妖退治を専門とする寺院の僧侶とその弟子が、地域の住民から調査の依頼を受け見回りに出動した。
「次はコイツにするかぁ……♪」
どこかから僧侶と弟子を発見し、にやりと気味の悪い笑いを浮かべた黒い影が呟いた。
神隠しは決まって夜、人気の無い路地や屋内で起こるらしい。僧侶とその弟子の坊主は被害があった場所を中心に見回りつつ、妖の類いが原因であると考え事態に備えていた。
「それにしても本当に妖なんているんですかねぇ。こんな片田舎の町ですから、娯楽を求めて外に出ていっただけじゃないんですか?綺麗な若い女性もいないですし… 」
「つべこべ言ってないで見回りに集中せんか!お前はいつまでもそうやって女人のことしか考えておらんから法力が身に付かんのじゃ!」
「でも玉光師匠〜、師匠もたまには女性の存在が恋しくなったりしないんですか〜?
俺は血筋で仕方なくこの道に入りましたけど、やっぱり煩悩を捨て去るなんて無理ですって〜」
「やかましいっ!儂は生まれてこの方この道一筋、一才の煩悩を捨て去り修行してきたんじゃ!お主も妖怪退治の名門の名を汚さぬよう、少しは態度をわきまえんか!」
玉光と呼ばれるその僧侶は、界隈では一二を争う実力者であり、多くの門下生を抱える流派の筆頭であった。
堅物なことで有名だが、自他共に認めるその法力は必ず妖怪を仕留めることで有名だった。
「シクシク……シクシク……ウッ…ウッ……」
引き続き2人が夜道をパトロールしていると、大人の女性らしき人影がしくしくと泣いているのを見つける。
「お嬢さん、大丈夫ですか?こんな夜道で1人でいると危ないですよぉ〜?」
「ウッウッ…ありがとうお優しいのね…
ウッ…… グフフフ… グヘヘヘヘヘ…♪」
坊主ながらに煩悩まみれの弟子がすぐさま声をかけようとしたその瞬間、女性の後ろ姿がムクムクと膨らみ、変化していた化け狸が現れる。
「ひええぇ!?バ、バ、バケモノ……!?」
「坊主!ワシを助けてくれるんじゃなかったのかァ?♪」
ニヤニヤと不気味な笑みを浮かべたその化け狸は、だらしない贅肉とゴワゴワの毛を蓄え、股の間には拳大を侑に上回る大きさの陰嚢を携え、そしてなんとも言えない芳ばしい臭気を放っておりいかにも狸親父というに相応しい風貌をしている。
「危ない!」
襲われそうになる弟子を助けるべく、
玉光が術を発動し、法力を込めた数珠で化け狸を捕縛する。
「今のうちにお前は逃げるんじゃ!こやつは儂がなんとかする!」
「ひっ…ひいぃぃ!!」
弟子は一目散に走り去り、事なきを得る。
「なんだァ?この数珠は… 身動きが取れねェ…!!」
「諦めろ、儂の法力を込めた数珠じゃ。この術から逃れられた妖はおらん。」
「やめてくれェ!何をする気……」
「もう遅い、破ァ!!!」
玉光が力を込めた瞬間、化け狸を縛っていた数珠が眩い光と共に爆発し、辺りは爆煙に包まれた。
「やったか……?」
僧侶が妖怪封印の成功を確認するため煙に歩み寄ったその瞬間、その中から倒したはずの化け狸が飛びかかり、玉光に組み付いた。
「ぐわっ!!」
「ゲヘヘヘヘァ…!!」
「クソッ何をす…!ンンッッッ!?!?」
玉光はあまりに瞬時の出来事に、何が起こったのか理解できなかった。
手足をがっちりと押さえつけられたのも束の間、ずにゅるると口内に化け狸の長い舌が侵入してきたのだ。
玉光の必死の抵抗も虚しく、粘膜から直接流し込まれる純度の高い妖気により、意識を混濁させられていく。
じゅる……じゅるる……じゅぷ………
身体の自由を奪われ、あまつさえ僧侶であるが故に人生で誰とも重ねることの無かった唇をも奪われた玉光は、この上ない屈辱を感じていた。
「ぷハァ〜……危ねえ危ねえ、なかなか良い攻撃だったぜェ…♪
しかしワシを仕留めるにはちと足らんかったようだがなァ…♪」
「な……貴様…何者じゃ………儂の法力を受けて……動けるはずが………」
「ンン?ワシの名は金兵衛、見ての通り只の助平な化け狸さァ…
中々のモンだろォ?ワシの舌使い… 僧侶のアンタでも興奮しちまう位だもんなァ…♪」
長い長い接吻が終わり得意気に話す金兵衛と玉光の口元からは、お互いの唾液がふんだんに混ざり合った粘度の高い橋が架かっている。
「…ッッッ!!儂がこのようなまやかしで興奮などする訳が無かろうッ!!」
激昂する玉光が法力を使う素振りを見せるやいなや、金兵衛はさっきまでとは見違える身のこなしで距離をとり言葉を続ける。
「ヘヘ……じゃァそのイキり勃ったモノはなんて説明するんだァ…?」
「!?…何を馬鹿な…………!!!」
玉光は自らの下腹部を見て驚愕した。
煩悩をひたすら抑えることにより獲得した強さが、自信が、一瞬にして崩れ去った音がした。玉光の陰茎は本人の意思に反し、妖怪狸の接吻を容易に受け入れたかの如く勃起し、我慢汁で法衣を濡らしていたのだ。
「そ…んな……儂は……こんな化け物に欲情しておるのか……?」
「そうさァ…このヨゴれた薄汚ネェ助平狸親父にお前さんは欲情しているのさ……♪
辛かったよなァ…… 煩悩を抑え修行修行の毎日…… でもそんな日々とも今日でオサラバさァ……」
妖気を込めた甘い言葉を浴びせながら、金兵衛は再度玉光に歩み寄る。
「何故なら……今日お前さんは…妖怪助平狸親父(ワシらの仲間)として生まれ変わるんだからなァ……♪」
「あぁ……ァ………!」
金兵衛の眼力により身動きが取れなくなった玉光は、その場にぺたんと力なく座り込んでしまった。
「今のお前さんに不必要な物、ぜ〜んぶ搾り取ってやるからなァ……♪」
そう言うと金兵衛は玉光の邪魔な法衣を無理矢理に破り捨てた後、股を開かせ一物をあらわにした。
「い……一体何をするつもりなんじゃ……」
「あぁン?まだ喋る気力が残ってるとは流石ワシの見込んだ坊さんだなァ…
そいつはなァ…こうするんだァ…♪ ア〜〜……」
パクッ
「〜〜ッッ!?!?!?!?」
ズニュル……ズチュッ……ヌリュッ……
生まれて初めて体験するえも言われぬ感覚に、玉光は悶えることしかできなかった。
金兵衛はその反応を楽しんでいるかのように様々な舌使いで一物を攻め立てていく。
「アアアッ……はああっ……こん…なッッことッ…でェッッ……」
「我慢しなくていいんだゼェ…… ワシに全部任せときなァ… しっかり気持ちよくしてやるからよ……♪
んでもって今までの記憶経験、全部ワシに吐き出そうな……♪ 純粋な化け狸になる為になァ……」
最初から金兵衛の狙いは玉光だった。
煩悩を徹底的に排除してきた清らかな身であるからこそ脆弱性を孕んでいることを金兵衛は見抜き、そしてそれを自らの妖気で汚し尽くすことに快感を見出していた。
ジュルルッッ…! ジュポッジュポッ!!
玉光が尺八を快感に感じ始めたのを感じ取った金兵衛は、さらに激しく、いやらしく陰茎を舐め回す。
「アァ………ア……力が……ぬ……抜けてゆく……」
玉光は快感を感じれば感じるほど、自らの法力が一物を通してこの妖怪狸に吸い取られているのを理解した。法力は自らの誇りであり、積み上げた経験、そして記憶そのものである。絶対に渡したくない物だった。しかし、頭では理解していても身体は反応するのをやめられなかった。
法力が抜けてゆくごとに、金兵衛の妖気が入れ替わるように流れ込んでくる。それに呼応するように玉光の身体には体毛が生え始め、少しずつその身を狸に堕としていった。
「グッ……ウゥ……ソ…んな……ワシッ…はぁッ………ハァハァ……… 化け狸になどォッ……」
「もう我慢するフリもする必要ないんだゼェ……欲望のままに射精しなァ……♪
今まで溜め込んでたモン、全部出しちまえェ!!」
必死に耐える玉光を上目遣いで見つめながら、金兵衛はラストスパートを掛ける。
その時はもう、すぐそこにまで来ていた。
「グゥゥッ………ッッアアああアあア!!!!」
ビュルルルッ!! ドクッドクッ!!
ドプッッ!!!
玉光は射精した。
それまで高潔を保っていた精神は崩壊し、留められていた狸化の進行が一気に進んでいく。修行によって鍛え上げられた身体は金兵衛と同じ、ゴワゴワとした毛とだらしない贅肉に覆われ、顔はミシミシと音を立てながら骨格ごと狸のそれへと変わっていく。金玉は拳大以上に膨らみ、妖気を蓄える器官へと変貌していった。
じゅぷ…じゅぷぷ……ジュロロォ……
金兵衛は勢いよく発射され未だに溢れ出続けるそれを、貪るように啜っている。
意識が朦朧とする中、玉光がいやらしく音を立てていた自らの下腹部を見ると、見覚えのある顔があった。
「ナ……オ…オマエ……ダレジャ……?」
「へへェ………♪」
そこには、精液まみれになった口内を見せつけるかのように恍惚な表情を浮かべているかつての玉光の姿があった。
しかし、全てを奪われてしまった当人にはその顔が自らのものであることすら思い出せない。
精液として放出された玉光の記憶や経験は、金兵衛の完璧な変化の材料として利用されてしまったのだ。
「じゃァ、ワシはもう行くでな。
可愛い愛弟子達を正しき道へ導かねばならんのでなァ…♪
お前さんも、しばらくすりゃあ立派な化け狸に生まれ変わってる事だろうよ。
じゃぁなァ……グヒヒ…♪」
玉光に化けた金兵衛はその毛皮を玉光の着ていた法衣に変化させ、その場を後にした。
奪った記憶と経験を基に玉光が奉仕していた寺院を特定し、手中に収めんとする為に──
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