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ある日僕の恋人が突然虎獣人になってしまって困っている件
事件はいつも唐突に起こる。
学ランをきちんと着たむっちりとした体格の少年、悠人。
彼はいつも登校時、恋人を迎えに行くのが日課だった。
いつものようにアパートの一室を訪ね、恋人の名を呼ぶ。
「こったろーくーん、迎えに来たよー」
ぱあっと明るい笑顔を見せ、悠人は恋人、虎太郎の名を呼んだ。
男同士で恋人だとか細かい事はこの際どうでもいい。
問題は、いつもはすぐに顔を出す彼氏が現れない事だ。
小首を傾げ、ポケットに入っていた合鍵でこっそり中へ侵入する。
以前、こっそり作った合鍵で侵入し、寝坊していた虎太郎に夜這いをしかけた。
その時は昼までよろしくやった後に登校というとんでもない事になった。
単位に響くので避けたいが、迸る本能を抑えておくわけにもいかない。
今日も虎太郎の可愛らしい寝顔を見たら自分の内側に眠る獣を押さえきれない。
きちんと鍵を閉め、玄関に靴があるのを確認してから足音を立てずに彼の寝室へ向かう。
音を立てないようにドアを開け、カーテンの閉まった薄暗い部屋を覗き込む。
寝息やいびきは聞こえず、暗い中にも相変わらず小汚い部屋が見えた。
ゴミ箱から溢れたティッシュや、彼の愛用しているVネックのエレキギター。
壁に貼ってあるツーショット写真や、机の上に雑多に積んである教科書、とエロ本。
そして、ベッドの上のめくれた布団と、大きな影。
何だ、起きていたのか、とガッカリしながら、悠人は気付かれないように忍び足で部屋へ入る。
「こったろーくーん!学校行く?それともエッチするー?」
背中に飛びつき、彼を力一杯抱き締める。
落ち着く彼の温もりと、彼の匂い、柔らかい体毛。
「………ん?」
顔を擦りつけ、悠人は眉をひそめた。
何度も裸で抱き合ったり舐めたりキスマークを付けたりしているが、虎太郎は毛深くはない。
だというのに、まるで犬や猫を撫でているような毛並みを、頬に感じている。
しかも、抱き締めている体が、いつも以上に大きい。
昨日の夕方にした時は普通の体型だったはずなので、おそらく夜に何かしらの方法で膨張を。
などと考え、アホらしい、と溜息を吐く。
もしかしたら虎太郎ではないのかもしれない、と恐る恐る顔を離し、ゆっくり離れていく。
大きな影は動こうとはせず、こちらを見る様子も無かった。
「誰だお前はー!」
勢いよくカーテンを明け、朝の日差しが部屋を明るくする。
生活観のある小汚い部屋が照らされ、ベッドの上の影も正体を現す。
筋肉のあるがっしりとした体型と、黄と黒の模様をした体毛に覆われた、尻尾を揺らす、猫のような顔の男。
何故男と分かったかというと、あぐらをかいたそれの股間に、立派なモノがあったからだ。
「虎獣人に知り合いなんていないんですけどー!?」
「朝からテンション高ぇよ悠人!」
いわゆる虎獣人を指差し叫ぶと、その虎獣人に名を呼ばれ、怒られた。
その反応に悠人は目をぱちくりさせ、首を傾げるのだった。
ベッドの上の虎獣人は、悠人の恋人、虎太郎だった。
「…虎太郎くんが目を覚ましたら虎になっていた、と」
「なんの前触れも無く、な」
「毒虫じゃなくってよかったねー」
「何の話だよ」
二人でベッドに腰掛け、肩を並べて談笑する。
とはいっても、虎太郎本人は苦笑いだったが。
悠人が満面の笑みでフランツ・カフカの説明を始めたので、虎太郎は彼の額を小突いた。
「…とりあえずこんな姿だと学校どころか外にも出られねぇよ……」
「大丈夫だよ、虎獣人って需要あるんだぜって虎太郎くん言ってたじゃない」
「お前本格的にバカだろ」
需要ではなく、現実的な話をしているというのに、悠人はマイペースに笑っていた。
思わず柔らかい両頬を引っ張って離してやると、へらへら笑いながら痛がっているようだった。
「そもそも、今重要なのは…虎太郎くんが本当に虎になった事であって」
「うるせーよ!」
いい加減にしろ、という意味合いも込め、虎太郎は悠人の頭にげんこつを一つ。
流石にそれは効いたらしく、悠人は頭を押さえてぶつぶつ文句を言っていた。
「ったく…元に戻らねえと…大体この手じゃギターが握れねぇよ…」
変わり果てた自分の手の平を見つめ、虎太郎は溜息を吐いた。
虎太郎の趣味でもあったギターが、握れはするが、演奏となると融通が利かない。
異変に気付いてまずしたことがそれだっただけにショックも大きかった。
すると、その手の平を見た悠人が手を握り、指で押し始めた。
「うわーもふもふ、肉球ふにふに」
「くっ、くすぐったいからやめろって……」
肉球独特の柔らかさを堪能する悠人だったが、触られる方からすると不思議な感覚だった。
今までに感じた事の無い刺激に思わず身震いしながら、何となく悠人を抱き寄せた。
堅さはあるが、ほどよく肉の付いた胸板に顔を埋め、悠人は顔を上げる。
「エッチするの!?」
「サカんな!俺は本気で困ってんだからな…少しは考えてくれてもいいだろ?」
「僕はこのままでもいいなー、虎太郎くんカッコイイよ?」
恋人の上目遣いと褒め言葉に思わず胸が高鳴ったが、今後の生活をするうえで虎獣人は本当にまずい。
仮にも学生なのだから、学校には行かなくてはいけない。
だが、一回りも大きくなった体には合う衣服が無く、しいて言えば下着と水着くらいしかまともに穿けない。
万が一学ランを着れたとしても、顔を隠すにはどうしたらいいものか。
「…ああもう……どうしたらいいんだよ…」
頭を抱えて目に涙を浮かべる虎太郎。
すると抱きついていた悠人が首に手を回し、口付けをした。
「…大丈夫だよ。何とかなるなる」
「悠人…」
「だから、エッチしようよ!」
「お前なあ!」
朝から獣より盛っている恋人に呆れながら、とりあえずベッドに押し倒す。
改めて学ランをきちんと着ている悠人は、可愛らしいと思った。
放り投げられた腕を掴み、覆い被さって口を重ねる。
「ん……むぅっ…は…ぁむ…んんっ…」
虎獣人との口付けに慣れないのか、どこか驚きながら舌を絡め合う悠人。
それは、虎となった身としても一緒だった。
何かの拍子に恋人を傷つけてしまわないかと、思わず怯えてしまう。
すると悠人の手が伸び、虎太郎の頭を優しく撫でた。
「…っ…だ、大丈夫……えへへ…本当に怖々触ってるのって、わかっちゃうね…」
「で、でも…虎になったから…牙とか爪とか気をつけないと…」
「その辺はまあどうにかなるでしょ。それより…学ラン汚すと大変だから…脱いでいいかな?」
「…本当なら脱がしてやりたいけどな」
ただ単に盛っているだけではなく、悠人なりに恋人を気遣っているようだった。
少しでも元気が出れば、というつもりなのだろうが、もう少しタイミングを弁えてほしい。
頬ずりをし、悠人は体を起こすと学ランのボタンを外し、一枚ずつ脱ぎ始める。
いつもは脱がしていたのだが、こうして目の前で脱がれるのもなかなか興奮した。
思わず虎太郎の体も反応してしまうのだった。
はらりとシャツがはだけ、露になるぽっちゃりとしたボディ。
ほんの少しベルトに乗った腹がまた可愛らしく見えた。
思わず虎太郎の手が伸び、彼の体に優しく触れる。
「ん……な、なんかいつもと違う…ふわふわで…でも力強くて…不思議…」
胸を揉む獣人の手の感触に、悠人は思わず感想を述べていた。
人の手とは違う刺激に驚きながらも、体は反応し、乳首を硬くさせる。
そこに虎太郎が舌を這わせると、悠人はいつもよりも甲高い声をあげ、背筋を反らせたのだった。
「んひぅぅっ!」
「…あ、も、もしかして…牙…刺さった?」
「ちっ…違う……舌……ぬるっとだけじゃなくって…ざらっとしてて…刺激が強すぎっ…んふぅっ!」
舌が触れる度、体が跳ねる。
どうやら獣人になって、舌も変わってしまったようだった。
これでは本当に普段興奮している獣人だな、と虎太郎は呆れつつも、どこか嬉しかった。
今までは妄想でしかなく、自慰の捌け口でしかなかった獣人に、自分がなっている。
本当は誰かが変身してしまい、それを抱くような形が望ましかった。
だが、現時点での結論は逆だ。
どうしてこうなったのかも、戻れる可能性も不明。
おまけにこれからどうやって生活をすればいいのやら。
分からないことだらけで絶望していたが、こんな姿になっても好きでいてくれる恋人が目の前に居る。
とりあえず、今は快楽に身を委ねて、難しいことは後で考える事にした。
[newpage]
まるで赤ん坊のように乳首をしゃぶりながら、虎太郎は恋人を脱がしていく。
ベルトを外し、一気に下半身を露にさせた。
そしてベッドの上には、乳首を虎の舌で弄ばれ、顔を紅潮させ荒く呼吸をした、ぽっちゃりの少年。
靴下以外は何も纏っていない恋人の悠人が横たわっている。
「っ……はぁ……はぁ……短時間で……乳首……開発されちゃったかも…」
「そ、そんなによかったのか?」
「よかったよぉ……これ…イッちゃうとこだった…」
それは決してお世辞ではない事を、悠人の股間が物語っていた。
硬くいきり立ったそれは、先端が半分顔を出し、ねっとりとした汁を多量に垂らし、淫靡に光っていた。
「スゴい我慢汁だな…悠人ってこんなに出すほうだったっけか?」
「それはっ…乳首が…よかったからだもん…」
耳まで真っ赤になった悠人の頬を撫で、虎太郎は鼻先をくっ付け合う。
そして優しく微笑むと、自らの硬くなったそれを握り、思わず変な声を上げた。
「んっ!?」
「…どうしたの?」
「……チンポ……デカくなってる…」
標準的な大きさだ、と、虎太郎はあくまでも思っていた。
だが、熱を帯びて硬くなった虎太郎自身は、片手では指がくっ付かず、大きくなった時点で全て顔を出していた。
体毛の感覚が変わっても、それなりに陰毛があったのがちょっと可笑しかった。
「…入るか?」
思わず苦笑いを浮かべ、虎太郎は悠人と顔を見合わせ、その大きなモノへ視線を落とす。
見違える程に大きく、男らしくなったそれは、憧れであり、見惚れるモノだった。
だが、これを挿入するとなると話は別だ。
悠人の入り口に一応当ててみるが、先端すら危うい気がしてきた。
「……いいよ、無理矢理突っ込んで」
「バカお前、裂けるぞ!?」
「……大丈夫だよ、裂けないから」
心配する虎太郎の目を真剣に見つめ、悠人はそう言うと柔らかく微笑んだ。
無理なのは分かっている。
彼なりに虎太郎を不安にさせまいと考えた結果、自分を犠牲にしようとしているのだろう。
しかし、それでは駄目だと虎太郎は首を横に振る。
体を重ねる以上、お互いが我慢しては、そこにあるのは単なる快楽のみ。
恋人同士ならば、そんな事はしたくないし、そんな気遣いは―――
「だって普段のアナニーではそれくらいの大きさのディルド使ってふぎぃぃぃぃーっ!?」
腹が立ったので、虎太郎は悠人の腰を掴み、思い切り貫いた。
いつも以上に悠人の中はきつく、吸い付いてくる感じがした。
大体七割程を挿入したところで虎太郎は悠人の頭を優しく撫で、少しむっとした表情で彼を見下ろした。
「…んで?ディルドとどっちがいい?」
「はっ…ま、待って…く…くるし……」
「あ、悪い……大丈夫か?」
「はぁ……はぁ……な、なんとか……思わずイッちゃうとこだったけど…へーき…」
思わず苛立ってしまったが、流石に一人でするにしても一気に押し込む事はしないはずだ。
抱き寄せ、舌を絡め、虎太郎はゆっくりと腰を動かす。
ただ前後のストロークを繰り返すだけでなく、奥まで挿入し腰を回すなど試してみる。
大きくなったおかげで刺激も変わり、悠人の体も揺さぶられる。
「あっ!あっ!な、なんか!声出ちゃうよっ!虎太郎くんっ!」
「ちくしょうっ…かわい、すぎんだろっ…!」
「やぁんっ!デカチン!すごすぎっ!虎太郎くんっ!こたろおくぅんっ!」
わなわなと体を震わせ、虎となった恋人の名を叫ぶ。
体が揺さぶられると悠人のモノも揺れ、だらだらと涎のように先から透明な汁を多量に垂らす。
それはいきなり白い液体となり、勢いよくふくよかな自分の腹に浴びせられていく。
「おおっ…トコロテンか?」
「わ、わかんないけどっ……きもち……よすぎっ……はぐっ!?ま、まっひぇぇぇっ!?」
「無理だっつの!こんな気持ちいいケツマン…早く射精したくて…仕方無いんだっ!」
絶頂を迎えた直後の虚脱感にぼんやりとする暇も無く、悠人の体に刺激が走る。
動きは先程と一緒のはずなのに、刺激がそれ以上に、中でどれくらいのモノが動いているかも分かる。
「あああっ!あっ!ああああーっ!やっ!やぁんっ!ぃや!やあぁぁぁーっ!」
結合部から全身を高速で駆け巡る刺激に、まともに喋る事も出来ない。
果てたはずの悠人自身もすっかり硬さを取り戻し、さらなる快楽を求めているように見えた。
「悪い悠人っ…!もう我慢できないから…激しくいくぞっ!」
腰を掴み、力強く腰を振る虎太郎。
結合部からはぐちゃぐちゃと音が立ち、ベッドが軋むと悠人も喘ぐ。
この時の姿は本当に獣が対象を食らっているように見えた。
「っ…悠人…ゆうとぉっ!イクイク…イク……っああっ!」
眉間にしわを寄せ、絞り出すように声を上げながら、虎太郎は天井を見上げ、腰を突きあげた。
どくん、と何度も悠人の中で脈打ち、快感を彼の体内に注ぎ込んでいく。
一気に腹の中が熱いモノで満たされていき、その刺激が悠人の快感を爆発させた。
「あっ!ああっ!んあああああぁぁぁーっ!」
体を反らせ、遠吠えのように悠人が叫ぶ。
大きく体をびくつかせながら、硬くなったモノから透明の汁を噴出していく。
そのシャワーを自分自身に浴びせ、ぐったりとベッドに沈んでいった。
終えた後の疲れと脱力で、虎太郎は結合部から自身を抜き、悠人に覆い被さっていた。
交わった時にかいた大量の汗と、色々な汁が混ざり合い、綺麗な体毛を汚していた。
しかし、今の二人にはそんな事はどうでもよかった。
「…僕も…獣人好きになったかも」
「でも、オナニーするなよ…?」
「しないよ…だって…こんなにカッコいい虎獣人とエッチ出来るんだもん…」
頬ずりをしてから、二人は口を重ねた。
例え見た目が変わっても、相手を好きだという気持ちは変わらないようだった。
「…虎太郎くん……大好きだよ」
「お、俺だって…悠人が……好きだからな…」
虎太郎は頭を撫で、恋人を優しく抱き締めた。
何があっても自分を好きでいてくれる彼を悲しませたりはしない。
その為なら何だってしようと、感じる温もりと匂いに心をときめかせながら、誓うのだった。
「…それで、学校とかどうしよっか」
「あっ!」
問題は、それ以前に虎獣人となった事に対してのこれからを、すっかり後回しにしていたわけで。
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