とある一人暮らしの一室。
只シャワーの音だけが響く以外は比較的静かな空気に満ちている。
秦川釈美(はたかわ とくみ)がバスタオル一枚の姿で自室に戻ったのはシャワー音が止んでしばらくしてからの事であった。
黒いボブをタオルで拭いつつ、ふうっと一息つきながら釈美はゆったりとベッドに腰を下ろす。
「今日も一日お疲れさま―ってね」
そう一言つぶやく。
とりあえずもう眠りにつくまでやる事もない。
でも眠りにつくにはもうちょっと間があると思えてしまう。
さてどうしたものかと考え込む。
そう言う時は……。
釈美はふと周りを見回す。
普段通りの私室、カーテンに遮られた窓ガラスは特別仕立てのマジック式。
とりあえず外からのプライバシーは完璧……と思う。
と言う事でとばかりに彼女は部屋の明かりを消し、夜の薄明かりの中ベッドから立ち上がると巻いていたバスタオルに手をかける。
はらりとバスタオルはその身体を離れて床に落ち、その中から一糸まとわぬ姿の釈美が現れる。
それなりにしなやかな体つきで出る所、引き締まった所、形の良い所、柔らかい所はしっかり存在を示している。
そんな姿を姿見に映し、軽くポーズを取ってみたり、ゆっくりとターンをしてみたり。
そこから釈美はその裸の背中からベッドに飛び込んだ。
ベッドの質感が直接全員を包み込む感触が心地いい。
「はぁ……」
暗がりの中天井を見つめながら釈美はふと思いをはせる。
「ちょっとだけ……このままで……お散歩してみよう、かな?」
と。
釈美はそんな事を考えてしまう。
風呂上がりの一糸まとわぬ姿で行うその行為が色々と危険なことは百も承知ではあるしそう思う理性はある。
ただ、考えるだけならタダ、タダではある……。
[newpage]
と言いつつやってしまった。
釈美は裸のまま外に出てしまった。
幸いというか彼女以外に人の気配はなく、釈美は周りを軽く見まわしながらそのまま歩き出す。
もちろん恥ずかしさが無いわけではないが、それ以上に不思議な解放感が体の中にあふれてくる。
いわゆる「見られて辱められて……」なものとは違う、むしろ前向きな感情。
ただ裸になっているだけで誰もいない夜の中を歩いている、それだけの感情。
そしてこの姿で夜を歩いていたら普段は見えない、行けない所に行けるかも……。
そんな事が釈美の脳裏をよぎる。
歩いているうちに彼女の足は人の気配から遠ざかっていく。
昼間は人のにぎわう表通りから文字通りの裏道、人の通らない道を釈美は歩いてゆく。
まるで迷宮の様な裏道の通りを歩きながら。
恥ずかしさも恐れもない。ただ不思議な解放感と高揚感の導くまま。
文字通り裸の散歩者にして探究者がたどり着いた先、そこは―。
猫たちのたまり場。
今はほとんど見られなくなっていると言う猫たちの集いの場がそこにあった。
「わぁ……」
釈美は思わず歓喜の声を上げる。
こういう発見は日中に服を着ていてはできない。
まさに夜中の裸散歩だから見られる―と言う訳でもないだろうけどそれでも釈美は感慨にふけっていた。
これもまた「裸の交流」と言う訳でもないが釈美は邪魔しない様にそんな猫達のそばに近付いてそっと腰を下ろす。
ひんやりとした地面の感触が足とお尻に心地いい。
猫たちの声はさすがにわからないがそれでもそのやり取りに耳を傾ける甲斐はある。
そんな思いと共に釈美はしばしゆったりとしていた。
そんな時、猫達の声が急に高くなる。
「え?なに?どうしたの?」
思わず声を上げる釈美の目に入ったのは一様に自分を見つめる猫達の目。
歓迎か、敵対かはわからないが皆相応に自分を見つめている。
「え、ええと、その……」
思わず戸惑う釈美に猫達の声、そして目の光が迫っていく。
その声と目の光に迫られる中で釈美は怖さと同時に不思議な感覚を覚えていた。
(なに、この感じ……気持ちいいって言うか感じると言うか……)
そして猫達が一斉に声を上げた時、猫の目が一斉に光を放ち釈美の目を、そして全身を貫く。
「きゃあっ!」
釈美は手をかざす間もなくその身体をびくりと震わせる。
痺れるような感覚。貫かれるような感覚。そして……とろけていくような感覚が身体中に満ちていく中、ある姿が釈美の脳裏に浮かぶ。
(え、これって、これって……)
その姿が頭の中でいっぱいになっていく事に釈美は怖さよりもむしろ高揚感を感じていた。
(ああ……わたし……埋もれる……とろける……「変わっていく」……)
喜んでいる。
心が、頭の中が、そして身体が喜んでいる。
貫かれた所から今の自分―全裸の女性としての自分の身体が解けていく。溶けていく。
その中から別の姿の自分が現れていく。
自分が自分でなくなり、別の自分に作り変わっていく。
怖いはずなのに、恐ろしいはずなのに。
それが楽しい。嬉しい。
(ああ……わたし……かわる……かわっちゃう……)
自分の全てが別の存在に変わっていく中、釈美はただそれに身をゆだねる。
そして変わり切った自分と一つになっていく感覚に歓びを感じながら―。
「にゃぁぁぁんっ!」
と一声を上げた―。
所で釈美は目を覚ました。
「え……夢……?」
目を開ければ暗がりに包まれた自室の天井。
身体を見回せばまじりっけない人間としての姿。
全く変わりのない裸の自分がそこにいる。
「うぅ……」
軽くため息をつき、しばらく天井を見上げる。
しばらくそうしたのち、もう一度ため息とともに出た言葉は―。
「うーん、残念……かな?」
の一言。
裸になって夜の町を散歩し、猫の集まりに参加していたら猫達によって自分も猫の姿に変えられたと言う夢。
本当ならかなり怖い夢なのだが。
(完璧に猫の姿もいいし、猫獣人って言うのも良かったかな。さすがに裸猫耳とかはちょっと違うような……)
などと考えていた。
やれやれとため息をつきつつ、ふと壁に貼られている一枚の写真に目を止める。
夜の森。
月明かりだけに照らされ浮かび上がる森の風景は見る人を引き込んでしまう。
そんな森の写真を見ながら釈美は少しずつ頭を切り替えていく。
「こう言う所でお散歩も……いいかな」
町の中とは違いさすがにどこかわからない、ただ夜の森と言うだけの場所に軽はずみに行けるわけがない。
そう、考えるだけ、考えるだけなのだ……。
[newpage]
と言いつつ来てしまった。
どことも知らない森の中。
何も持たず、何も身につけない裸のままで釈美は森の中を歩いている。
木々の隙間を縫うように差し込む月の光。
時にはそれさえ届かぬ暗がりの中を歩く。
見回しても見回しても人の気配は全くない。
ただどこからか動物の鳴き声や鳥の羽音が聞こえるだけ。
それに合わせる様に息を漏らしながら歩く。
身体を、心をそれらに合わせ、一つにしていく様に。
姿は裸の人のまま、獣の様に、鳥の様に釈美は森の中を歩く。
歩を進めるたびに素肌に獣毛や羽毛が生えていくような錯覚を感じつつ。
釈美は月明かりにその肌を輝かせながら歩く。
歩を進めるたびに手が前足や翼に変わっていくような錯覚を感じつつ。
釈美はそのすらりとした手をのばして歩く。
歩を進めるたびに顔先が獣のマズルや鳥のくちばしに変わっていくような錯覚を感じつつ。
釈美はその形のいい口元から吐息をもらしつつ歩く。
木々を抜けるたびにその姿が様々な鳥や獣に変わっている様で、全く変わっていない裸の人の姿で歩いている様で。
幾重にも変化を繰り返す幻影をまといつつ釈美がたどりついた先、そこは……。
木々に囲まれた空間。
その周りには草むら、そして花園が広がっている。
月明かりに照らされ輝く草や花々がより幻想的な雰囲気を与えている。
「はぁ……」
その光景についため息が出る。
この夜の中、獣の様に、鳥の様に進んでいたからこそたどり着けた光景―と言う訳でもないだろうが、釈美はしみじみとしたものを感じながら草むらの中に入っていく。
草むらを素足、そして肌が触れる感覚が心地いい。
その歩みの中で咲き誇る花々を見るうちに釈美の中で何かがキュンと震えた。
「あ……」
釈美は何を思い立ったか、花園の一角に腰を下ろすと大きく両足を広げる。
花園の一角に新たな「花」を加えるかのように。
そんな中、木々をぬって風が吹く。
その風に揺られ、花々が静かに揺れながら光を飛ばしていく。
それは花粉だろうか。
「わぁ……」
その光景に釈美は感嘆の声を上げる。
夜の闇と月の光の中、渦を巻きながら宙に舞う花粉。
その光景は神秘的、幻想的と言える言葉がよく似合う。
花粉の渦は中心からどんどん広がり、花園や草むらを埋めつくすばかりに広がっていく。
もちろんそれを見ている釈美の身体もまた花粉の渦の中に消えていく。
どれだけの時間が経ったのか、光の渦はようやく収まり、しばしの沈黙の時間が辺りに流れる。
釈美もまたピクリともせずにその間近に座っていた。
その姿はまるで岩の様に、あるいは木の塊のように。
そんな釈美の身体に静かにヒビの様なものが入っていく。
それは少しずつその身体を網の様に覆いながら奥へ、奥へと突き進んでいった。
そして、その深さと広がりが頂点に達した時、釈美の身体の中から「釈美」は解き放たれる。
その姿を大きく変えて。
それは鮮やかな茎か、それとも確かな幹か。
生命にあふれたその姿は釈美の形を保ちながらも全く新たな姿を露わにする。
(ふぅ……)
吐息と共にかざした手から鮮やかな花が咲き、軽く重ねた足元からは確かな根が深く、広く地面に広がっていく。
(はぁ……)
身体を軽く反らし、顔を上げたその顔は幹とも茎ともつかない表面に覆われながらも釈美の顔の輪郭を微かに浮かび上がらせていた。
そう、それは花か、それとも木か。
釈美の姿を形どった植物―あるいは植物の精霊か。
夜の闇と月明かりの下、木々と草むら、そして花々に見守られながら新たな「植物」がそこに生える。
その変化は釈美の中にあふれる喜びを満たしていく。
(ああ……あぁ……あぁっ……!)
それが頂点に達した時、釈美の全身を彩る花々から風に乗って大量の花粉が空に舞った。
色鮮やかに渦巻きながら釈美の身体から放たれた花粉は輝きながら夜空に舞う。
新たな命、新たな花を咲かせるために……。
そこで釈美は目を覚まし暗がりに包まれた自室の天井を見上げる。
「……また夢か……」
そう言って真っ裸の肌触りとぬくもりを確かめる。
「悪くない感じだったけど……」
夜の森の中、月明かりを頼りに様々な獣や鳥になったかのような感覚でさまよったのち、たどり着いた花園で植物に化身する夢。
美しいようで見方によっては恐ろしさを感じる風景でもあろう。
ふと自分の奥―彼女自身に潜む「花」の辺りを軽く確かめる。
(これはこれで悪くないけど、ああ言う「花」だったらどんな感じかな)
「引き金」を引かない程度に軽く弄びながらふとそんな事を思う。
もちろん思い切り「引き金」を引いて「楽しむ」手もあるが今夜はちょっとそう言う気分じゃない。
ならどんな気分か……。
ふと部屋の片隅を見る。
昔風に言えば少女趣味と言う訳でもないが、ちょっとしたインテリアで縫いぐるみなども置いてあったりする。
色々な形のぬいぐるみ。
抱きしめればそれなりにふんわりもこもこするわけなのだが。
「こう言うのも―いいかな?」
ふと考えてしまう。
縫いぐるみ相手にそう言う事、さすがにちょっとはしたない。
少なくとも頭の中で楽しもう、楽しむ事にしよう……。
[newpage]
釈美がそう思って間もなく、彼女は部屋から消えた。
まるで煙の様に忽然と。
ただベッドの上には一体の縫いぐるみを残して。
可愛らしくアレンジされた虎のぬいぐるみが静寂の中ぴくりともせず横たわっている。
静かに、そして張りつめた空気に包まれて縫いぐるみはそこにある。
そんな中、不意に縫いぐるみの毛並みが軽く震える。
毛並みだけではない。
縫いぐるみの全身が震えていた。
ピクピクと、ふるふると。
一瞬、縫いぐるみの瞳がぱちりと瞬きした―様に見えた。
その瞳に一瞬人間―釈美の瞳が重なった―様にも見えた。
それにあわせるように突然縫いぐるみはぴょこんと起き上がり、ベッドの上に前後の足を突く。
「がおがおっ」
突然そんな鳴き声が縫いぐるみの口元から響く。
獣の様に荒々しくも小動物の様な愛らしさも感じさせる声。
そこから全身を大きく震わせると縫いぐるみはぴょこぴょことベッドの上を跳ね回る。
その仕草はどこか愛らしい。
「がおがおっ、がおっ」
時折どこかかわいらしい声で鳴きながら縫いぐるみはベッドを走り回っていたが、やはりそれに飽き足らず部屋の中を駆け回る。
テーブルの下を突き抜け、チェストに駆け上り、他のぬいぐるみがおいてある棚に飛び込む。
「がお~」
そう鳴いてしばし他のぬいぐるみとスキンシップを楽しんだ後は一気に駆け下り今度は鏡台へ。
「がおっ……がおっ……」
少し艶のある声で鳴きながらそのふわふわな全身を鏡越しに見つめながら悦に入る。
そんな仕草を繰り返す縫いぐるみは心地よい爽快感に浸っているようにも見える。
「がおっ」
一声鳴くと縫いぐるみはベッドの上に飛び込む。
「がお……がお……」
一通り走り回った余韻に浸っているのだろうか、縫いぐるみはしばらくそのままの姿勢で静かに震えていた。
「がおっがおっ、がおっがおっ……」
心地よさそうな声で鳴いている縫いぐるみ。
その身体に異変が起きる。
ふるふると震えていた縫いぐるみの生地が変わっていく。
ふんわりとした質感の内側から何かが張り詰める。
背中が、腰が、肩が、首が。
そこから前足、後足、腹部、さらには顔と質量が張り詰められながら膨らんでいく。
「がおぉ……がおぉ……」
鳴き声もさらに艶を増す感じで縫いぐるみは頭を動かす。
その無機質な瞳はどこかうるんでいるようにも見える。
そうこうしている間に縫いぐるみはパンパンにはち切れそうな位に質量を増し、今にもはじけ飛びそうな位になっている。
その全身は激しく震え、あちこちに飛び回らんとばかりに飛び回っている。
「がおぉ……がおぉ……がおぉぉぉ……」
縫いぐるみ自身の変化を受け止めながら何度も「鳴く」。
それは苦痛か、恐れか、それとも……。
そして、縫いぐるみは遂にその限界を迎える。
「がおぉっ!」
そう吠えた瞬間、縫いぐるみの背中がはじけ、そこから何かが現れる。
縫いぐるみと同じ色、同じような質感をした縫いぐるみより大きな何か。
それは大きく体をそらしながら現れ、何度もその身体を揺さぶりながら外気になじませていく。
「がおぉ……がおぉぉ……」
激しく、それでいて甘く艶のある声でそう鳴きながらそれはゆるやかに縫いぐるみの中からその大きすぎる質量を引き出していく。
その全身があらわになった時、縫いぐるみは静かにその背中を閉じ、何事もなかったかのようにベッドの上にちょこんと立っていた。
その姿はどこかぬいぐるみに似ていた。
同じような毛並みと色合い。
頭部にピンと立つ一対の耳にお尻から伸びる縞の入った尾。
それはまさに一頭の虎だった。
しかし、その姿は純粋な虎ともまた違う。
ベッドに垂直に腰を下ろしたその姿。
しなやかな臀部から程よく細い腰、背中にかけての形のいいライン。
形よく整った胸元は呼吸をするたびに幾度となく収縮を繰り返す。
そしてその頭部には黒いボブの髪が揺れる。
それは人間の女性を思わせる形。
人の形をした虎なのか、虎の形をした人なのか。
仮に後者として、素肌と素顔に虎の紋様を描いた姿なのか。
それとも素肌と素顔にぴっちりと合わせた虎の紋様柄のスーツを着ているのか。
わからない。見ただけではわからない。
そんな不思議な姿をしたその人影はそっと自らが宿っていた縫いぐるみを抱き上げるとそっと抱きしめ、その口元に軽く口づけをする。
縫いぐるみの触感と人影の「触感」が触れ合う感触が人影を震えさせる。
「……」
縫いぐるみを枕元にそっと置くと人影はそのまま軽くベッドに横たわる。
人の様な、獣の様なその姿がしなやかに、それでいて愛らしくころころと転がってみたり。
時には仰向けになって両手両足を縮めて愛らしいポーズを取ってみたりする仕草は可愛らしくもどこか艶がある。
一通りまったりと転がった人影はいったんうつ伏せになると手と膝をつき、静かに起き上がった。
それこそ獣が起き上がる様に。
「がお~ん」
ベッドに両手足を踏ん張らせながら獣らしく軽い声を上げ、身体をそらす姿はまさに獣。
しかしその身体の形、身体の動きは人間の女性。
美しくもあり、荒々しくもあり、そして艶やかな姿がそこにある。
そこから改めて身を起こすと静かにベッドを降り、床の上にそっと立つ。
虎の紋様に彩られたしなやかな両足で床を踏みしめつつ人影は静かに歩く。
時に軽やかにステップを踏みながら。
虎の紋様に彩られた両手両足を軽やかに動かし、虎の紋様に彩られた全身をひるがえしながら。
虎の紋様に彩られたその顔もどこか心地よい笑みを浮かべている。
そうして舞ううちに人影の中に熱いものが湧いてくる。
軽やかに熱く、荒々しく甘く。
そんな昂りがその虎と人の混じった「表面」いっぱいに満ち満ちる。
はち切れんばかりにあふれかえるその勢いは人影がこらえきれないくらいに膨れ上がっていく。
そして、人影はその胸元に手をかけると―。
「―っ!」
人とも、虎ともつかない声と共に全てを解き放った。
人とも、虎ともつかない素肌が解き放たれ……。
[newpage]
釈美は明るい日差しの中で目を覚ました。
「ん……朝……」
言うまでもなくここは彼女の自室。
そしてふと手をかざし、見回しながら確かめる自分の姿も変わる事ない自分の姿。
言うまでもなく風呂上がりのまま寝入ったので文字通りの真っ裸。
かなり恥ずかしいというかはしたないというかな格好で一晩過ごしていたようだ。
でも―悪くない。
夢かうつつか幻か。
いずれかは知らないがその中で思う存分「楽しめた」気がする。
むしろこの格好だったらこそ「楽しめた」かも知れないと思えてくる。
さて―今度はどんな風に「楽しめる」のか。
そんな思いをいだきつつ釈美はベッドから体を起こし、カーテンを開ける。
一気に朝の光があふれ、その遮るもの無き素肌を包み込む。
「んっ……あぁ……」
素肌を包み、身体の奥底まで射し込んでいく様なこの日射し、染み込んでいく様なこの暖かさが心地いい。
何かこの日射しを浴びるだけでシャワーの代わりになりそうな。
そしてまた「楽しめそうな」。
そんな気持ちに浸りつつ釈美はしばしその身を日射しにゆだねるのだった。
了
メインデータ(暫定?)
秦川釈美(はたかわ とくみ)
髪は黒いボブ、顔立ちは落ち着いた穏やか系。スタイルは相応に。
年齢は18~20代前半(シチュによる)
ライトな開放願望・変身願望あり。
また「変化した自分から元の自分の姿への変身」にも興味と関心を持っているらしい。
文字通り様々なシチュエーションでその身を開放したり変化したりする―かも知れない。