ドラゴピンク&シュバルツ&怪人イヌイグルミミズクの大作戦っ!?
「ほら、ここが僕の家だよ!入って入って!」
「お、おじゃましま〜す…」
「おお!なかなか綺麗な家ではないか!邪魔するぞ!」
とある日の放課後、2人の男子中学生が友達の家に遊びに来ていた。
少し緊張しながら家に入る桃色の髪をした少年は、『陸宮 紅太』。
一見平凡な男子中学生だが、その正体は今話題の『ドラゴレンジャー』の一員にして唯一の男子メンバー、『ドラゴピンク』なのである。
もう1人ウキウキで家に入ってきたのは、見た目からして平凡とは程遠い、まるで人間とコウモリを合成させたかのような獣人。
彼の名前は『シュバルツ』。ドラゴレンジャーと敵対していた悪の組織『ダークネス・ウイング』の大首領であり、ドラゴレンジャーの変身システムを作り出した張本人でもあるのだ。
そんな2人は今では同じ男子中学生どうしすっかり仲良くなり、放課後はよく一緒に遊んでいるのだ。
しかしそんな彼等にとっても、クラスメイトの家に遊びに行くのは初めての体験であった。
「おおっ!これは仮面にゃいだーガッチャンコのベルトか!?もう持ってるとは羨ましいぞ…‼︎」
「すごい、ドンブラニャーズやキングオーニャーのロボも集めてるんだ…。…ん?」
興奮気味に友人の部屋を舐め回すように見ていたシュバルツと紅太だったが、ふとベッドの側に置かれたあるものに気がつく。
それはまるで、ドラゴレンジャーの一員である『ドラゴレッド』のような見た目をしたぬいぐるみだったのだ。
「綿貫(わたぬき)くん、これ…」
「うん。何故かは分からないけど、いつの間にか持ってたんだ。それ以来ドラゴレンジャーにハマっちゃってさ!…あ、ごめん。シュバルツ君の前でこんな話…」
「べっ、別に我が輩ドラゴレンジャーに負けたことなど気にしておらぬわ!いやあんな勝負で負けたとすら認めてないが!!!ともかく、そもそもドラゴレンジャーは我が輩が作ったものだしな!」
「えっ!?そうだったの!?じゃあシュバルツ君ってもしかしてドラゴレンジャーと知り合い!?」
「へー?綿貫くんもドラゴレンジャー好きなんだ?誰が1番好きなの?」
「そりゃもちろん…っ!?」
そんな時、急に綿貫が顔を赤らめうずくまった。
「ちょっ、ちょっと大丈夫!?どうしたの!?」
「あ…これには訳があって、その、今日はこのことについてシュバルツ君に相談したかったっていうか…」
「我が輩に相談…?まさか!?」
そう言いながらも、綿貫の身体はどんどん変わっていく。
肌が布のような質感の派手な模様のものに覆われ、翼や尻尾のようなパーツが生えていき、顔はぐぐぐっ!とマズルが伸びる。
そして…
「ムギュムギュ〜ッ☆イヌイグルミミズク!」
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明るい声で叫び、綿貫は人間に犬、ぬいぐるみ、ミミズクを合成させたかのような怪人へと姿を変えた。
「わっ…綿貫くんが怪人に!?でもどうして!?」
「うう…変身してるとこ人に見られるのは恥ずかしいムギュね…。ちょうどそのドラゴレッドぬいぐるみを手に入れた頃から、ふとした時にこの姿に変身するようになっちゃったムギュ…。」
綿貫だった怪人は表情の全く変わらないぬいぐるみのニタニタした笑みを浮かべたまま、恥ずかしそうに顔を真っ赤にした。
「…それは恐らく、我が輩が以前貴様を怪人にするために投げ入れた『怪人化コイン』の副作用だろうな…。初期に開発したコインだったが故に、副作用として後遺症が残ってしまったのかもしれん。すまない…。」
「べっ、別に怒ってないから大丈夫ムギュ!戻る時は全然5分くらいで戻っちゃうし!まあ、長い時は何時間か戻らない日もあるけど…。」
「あ、もしかして綿貫くんが最近ちょこちょこ授業抜け出してたのってこれが原因なんだね?てっきり道に落ちてるものを食べる癖でもついてトイレの回数が増えたのかと…」
「ぼっ、僕はそんなことしないムギュ‼︎っていうかクラスのみんなは僕のことどんな目で見てるムギュ!?」
「…ともかく。その身体はどうにかしないと後々面倒だな。よし、我が輩がひと肌脱いでやるとしよう!」
「ムギュッ!?それは凄く助かるムギュ‼︎恥ずかしい思いしながら怪人の姿になった甲斐があったムギュ…。この語尾も恥ずかしいし…。」
「あー…そうだよね。なんか分かる気がするな…。」
そう3人は話し合い、後日また集まることに決めたのだった。
[newpage]
《数日後》
「ククク…ようこそ!我が『ダークネス・ウイング』のアジトへ!!!」
「今は『ジャスティス・ウイング』だけどね。」
「うわ…なんて言うかその…趣がある…ね?」
数日後、3人はシュバルツのアジトである寂れたコンクリート部屋の中に集まっていた。
「オイ、なんだその微妙な反応は!言っておくがこの格安で借りてる部屋、我が輩の発明品のおかげで快適な温度・湿度・空調が保たれた自慢のアジトなのだぞ!?」
「そうなのかもしれないけど、なんか無骨なコンクリートのせいかちょっと雰囲気が重苦しいというか陰鬱というか…。」
「まあ元悪の組織だしね。この部屋電気暗いし。」
「きっ、貴様ら!そんなことよりさっさとやること始めるぞ!!!」
そう悪態をつく綿貫と紅太に青筋を立てながらも、シュバルツはゴソゴソと何かを取り出した。
「時に綿貫よ、貴様は自分の意思で怪人化したりはできるのか?意識すれば怪人になれるとか…」
「あー、やってみたことはあるけど変身できなかったな。あくまで勝手に変身しちゃう体質なみたいで…。」
「それじゃ…ほいっと。」
「うっ!?シュバルツ君、何投げ…てっ!?」
会話の途中でシュバルツが突如3枚のコインのようなものを投げ、それが身体の中に入っていった綿貫はその身体を怪人のものに変えていく。
「ムギュッ!?なっ、何するムギュ‼︎」
「まずは怪人となった貴様の身体を検査しないとな。調査のため、好き勝手に弄らせてもらうぞ。」
「あ、相変わらずそういうところはマッドサイエンティスト感あるよね、シュバルツ…。」
シュバルツによってあっという間に怪人にされてしまった綿貫は身体に聴診器のような物を当てられながら全身くまなくモフモフと弄られ、顔を真っ赤にする。
「ム、ムギュ…。あまりベタベタ触らないでムギュウ…。」
「ふむ、貴様の怪人態の構造は大方把握したが能力も見せてもらえるか?」
「わかったムギュ!あ、でも変化させても問題無さそうなものが…」
「そういう時のために紅太がおる!好きに使ってよいぞ♪」
「おお!紅太君、それは助かるムギュ!」
「えっ!?しゅ、シュバルツ!?ちょっと待って…うわぁぁぁっ!!??」
いきなり自分を実験台に使われて戸惑う紅太に、怪人が爆弾の形をしたぬいぐるみを飛ばす。
それをモロに喰らってしまった紅太は爆発した爆弾から放たれた綿に包まれ…
「ーーーーーーーッ!!??」
ピンクのドラゴンの形をしたぬいぐるみに姿を変えてしまった。
「(なっ、なにこれぇ!?どこも動かせないっ!?)」
「へえ?紅太、なかなか可愛いぬいぐるみになったムギュ!僕好みムギュ‼︎」
「ふむふむなるほど。こうして人間を動物のぬいぐるみにすることにできるのか。もういいぞ!元に戻して…」
「せっかくだからシュバルツ君もぬいぐるみにしてあげるムギュッ‼︎」
「なっ!?わっ、我が輩はなりたくなっ!?」
そう焦るシュバルツもぬいぐるみ爆弾を喰らってしまい…
「(ぐぅっ!?我が輩がこんな仕打ちをぉ…)」
「(自業自得だと思う。)」
可愛らしいコウモリのぬいぐるみにされてしまい、少しの間2人は綿貫にモフモフ遊ばれてしまうのだった。
「ごめん…つい1人で盛り上がっちゃって…」
「別にいいよ。悪いのシュバルツだし。」
「きっ、貴様ら…!まあいい!最後に過去の映像での解析を行うとするか!かつて怪人として暴れていた貴様の映像を観るとしよう!」
数分後、人間に戻った綿貫の前でシュバルツは大きなモニターを用意した。
「最初に怪人になった時の映像かぁ…。覚えてないけど、なんとなく恥ずかしくて嫌だなぁ…。」
綿貫は少し躊躇するが、そんな彼にお構いなく映像は始まる。
3人が見つめる大きなモニターには、洗脳され欲望のままに暴れまくり人間を次々にぬいぐるみにしていく怪人イヌイグルミミズクの姿が映っていた。
「うわぁ…、僕、こんな感じだったんだぁ…。うう、やっぱり恥ずかしい…。あっ‼︎」
恥ずかしがりながら映像を観ていた綿貫だが、突如何かに気がついたかのように声を上げる。
そんな映像の中では高校生くらいの少女がドラゴレッドに変身し、巨体ボディを活かしながら戦い怪人を押し潰していた。
「すご…!やっぱり僕、ドラゴレッドと戦ってたんだ!それにあの人がドラゴレッドの正体…‼︎もっとぽっちゃりした人かと思ってたけど、意外と普通体型だね!」
「う、うん、そうだね…」
映像を熱心に観ながらも、何故か気まずそうに答える紅太。
やがて巨大戦の後怪人はドラゴレッドにやられ、映像は終わった。
「はー!恥ずかしかったけど良いもの観れた!僕、ドラゴレッドが1番推しなんだよね!」
「そ、そうなんだ…」
「そうだ、折角だしこちらの映像も流すとするか!貴様ら、しっかりと目に焼き付けるがいい!!!」
そうシュバルツが言うと、パッ!と映像が切り替わり紅太が映しだされる。
「え、これ、まさか…」
何かを察したかのように顔を引き攣らせる紅太だったが、その嫌な予感が的中したかのように映像の中の紅太はでっぷりとしたドラゴン怪人へと姿を変え、人間を次々ラバー人形にしては暴れ回るのだった。
「わ〜、紅太君も怪人になったことあったんだ!うわっ、ブルーやイエローまでラバー人形に…。あっ、ドラゴレッド!」
「うう、僕あんなに暴れまくってたんだなぁ…」
今度は紅太が顔を真っ赤にする羽目になり、映像は続いていくのだった。
[newpage]
「ふう、ようやく終わった…。それでシュバルツ、怪人化の対策はできそう?」
「ふふふ!貴様らが映像を観てる間に完成させておいたぞ!ほれ!」
「ええっ!?早すぎない!?」
そうシュバルツが自信満々に掲げたそれは、まるで紅太達ドラゴレンジャーが変身に使っているものと似たような形のブレスレットとコインだった。
ただ異なる点はドラゴレンジャーのものとは違い犬のような銀の装飾が施されており、コインの絵柄も彼の怪人態を模したものになっている。
「こ、これって?」
「我が輩の新たな発明品、『怪人チェンジャー』だ!これを装着していれば自由自在に怪人に変身したり、人間に戻れる優れ物だ!これさえあれば、もう貴様が突然怪人になることなど無いだろう!」
「凄い…!凄いよシュバルツ君!ありがとう!」
そう感激しながら綿貫はシュバルツから受け取ったブレスレットを腕に巻き、愛おしそうに翳した。
「…ってあれ?そういえばこれ、いつも紅太君が付けてるブレスレットとちょっと似てるね。これもシュバルツ君が作ったの?」
「あー、それなんだけど…。まあ僕も綿貫くんが変身してる姿見ちゃったし、僕も見せなきゃ公平じゃないか。」
そうブツブツと呟き、紅太はポケットから取り出したコインを腕のブレスレットにセットする。
そして…
「ドラゴチェンジ!」
そう叫んでチェンジャーを操作すると、その姿が変化していく。
ぶよんっ!と腹が大きく出て腕や太ももがずしっ!と太さを増していきながら形状が変化し、ぐぐっ!と翼や太い尻尾が生える。
顔も人間のそれとはかけ離れた姿に変化していき、肌はピンクの分厚いビニールのようなものに変化していく。
そして…
「桃色にときめく萌え萌えハート!ドラゴピンク!!!」
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ずしんっ!!!
桃色のずっしり男の娘ドラゴン、ドラゴピンクれと姿を変えた。
「ええっ!?紅太君がドラゴピンク!?すごい!!!紅太君があのドラゴレンジャーの一員だったなんて!!!」
「まあね。凄く恥ずかしいからあまり正体は知られたくないんだけど、綿貫くんには特別ガル。」
憧れの眼差しを向ける綿貫の前で、紅太が変身したドラゴピンクは顔を赤らめて頭を掻いた。
「そんなことより綿貫、貴様も試しに変身してみたらどうだ?その変身ブレスに不調が無いかチェックしておきたいしな。」
「そ、そうだね!変身!!!」
そうシュバルツに言われてハッとし、綿貫は変身ブレスにコインを装填して操作する。
すると彼の身体は徐々に派手な布に包まれながら変化していき…
「ムギュムギュ〜ッ☆」
怪人イヌイグルミミズクとしての姿へと変わった。
「すごいムギュ!ほんとに思いのままに変身できたムギュ!!!」
「やったガルね、綿貫君。これでもう突然の怪人化に悩まされることは無くなりそうガル。」
「うん!でもこうして自由に変身できるとなると、この身体も良いものムギュね!新しい自分に生まれ変わったみたいムギュ‼︎」
「ふむ、なかなか気に入ったようだな!」
そう言いながらいつのまにかでっぷりドラゴンに変身したシュバルツも2人の会話に入ってきた。
目にはドラゴレンジャーのものとはまた違うバイザーが装着されている。
「えっ!?シュバルツ君もドラゴンになれたムギュ!?」
「うむ!これぞ我が輩のドラゴレンジャー司令官としての姿、その名も『ドラゴコマンダー』だ!!!」
「シュバルツ君、今はドラゴレンジャーの司令官もやってるムギュ!?凄いムギュ!!」
「まあ実際はゴロゴロしながら指令出してるだけだけどガル。」
「そっ、そんなことより!せっかく3人とも変身したのだ!この姿でしかできないような遊びをしようではないか!」
「あっ!じゃあ僕ドラゴレンジャーごっこしたいムギュ!もちろん僕が怪人役で!」
「よっ、よいのかそれで!?別に我が輩が怪人役やってもよいのだぞ!?」
「ごっこ…というか本物だけどガル…。」
そんな感じで3人は、しばらくドラゴレンジャーごっこをして遊んだ。
むぎゅうぅぅぅぅぅぅっ!!!
「ふ、2人のお腹にサンドイッチされて…幸せ、ムギュ…♡」
「な、なんか嬉しそうだな貴様…」
「ふう、それにしても結構ヒートアップしちゃったから汗かいたガル。シャワー浴びにうち来るガル?」
「む…このアジトにはシャワー無いしな。いいだろう!貴様の家に向かうとするか!」
「ムギュッ!?ドラゴレンジャーの家に行けるなんて楽しみムギュ!早速みんなで行くムギュー‼︎」
そう言い合いながらドラゴン2体のデカ腹から綿貫を解放し、人間に戻って3人は紅太の家へと向かった。
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「はー!シャワー気持ちよかったー!」
「3人で一緒に入るなんて恥ずかしくなかったの?風呂場キツキツだったし…」
「よいではないか!さてと、紅太の部屋はどんな感じかな?」
シャワーを済ませた3人は風呂場から出ると、紅太の部屋へと向かう。
ガチャッ!と音を立ててシュバルツがドアを開けると、その中には大量のドラゴレッドグッズで溢れる紅太の部屋が広がっていた。
「わー!凄い!ドラゴレッドグッズでいっぱいだー!紅太君もドラゴレッドが好きなの!?」
「おい、紅太貴様、これは…」
「え、えーっと、これはその…」
「ポスターやぬいぐるみもこんなに!あっ、ドラゴレッドが載ってるパッケージなんかもコレクションしてるんだね!?ドラゴレッドも紅太君の知り合い!?」
「そっ、それよりさ!もう一回ここで変身してみない!?さっき怪人やドラゴンの姿で過ごすの楽しかったしさ!」
「え?う、うん。そんなに慌ててどうしたの?別にいいけど…」
そう言いながら、2人はチェンジャーを操作する。
しかし…
「うわぁっ!?な、なんか僕の身体、ぬいぐるみみたいになってる!?」
「僕の身体はピンクのビニールみたいにっ!?こ、これって!?」
「まさか貴様ら…シャワー上がりにお互いのチェンジャーを間違えたのか!?」
紅太の身体はぬいぐるみのような怪人の姿に、綿貫の身体はピンクの風船ドラゴンのようなものに変化していく。
そして紅太は怪人イヌイグルミミズクに、綿貫はドラゴピンクへと変身してしまった。
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「ムギュッ!?ぼっ、僕が怪人になっちゃったムギュ!?こ、これは確かに恥ずかしいムギュ…‼︎」
「僕がドラゴピンクになっちゃったガル!?な、なんか女の子みたいだしでっぷりしてるし、思ってたより恥ずかしいかもしれないガル…。」
「はぁ…。お互いのチェンジャー間違えるとは、そそっかしいのだな貴様ら…。」
戸惑う2人に対して呆れるシュバルツ。
そんな時、部屋のドアがガチャリと開いた。
「紅太〜?友達来てるみたいだし、おやつ持ってき…たっ!?」
中に入ってきたのは、紅太の姉である女子高校生『陸宮 朱音』だ。
その姿は、先程の映像でドラゴレッドに変身していた少女そのものだ。
そんな彼女は、自身の弟の部屋に置かれた大量のドラゴレッドグッズに目を点にした。
「うっ、うわあぁぁぁぁぁぁっ!?」
「ちょっ、紅太っ!?」
姉に自身の部屋を見られたことで動転した紅太は、怪人になった身体で大量のぬいぐるみ爆弾を彼女目掛けて投げつける。[uploadedimage:16389657]
突然のことに朱音も避けられず、爆弾に当たってしまいぼふんっ!と赤いドラゴンのぬいぐるみに変わってしまった。
「ちょっ、紅太君!?それにさっきの人、映像でドラゴレッドに変身してた人で…えっ!?」
「ああ…コイツは紅太の姉で、ドラゴレッドの正体だ…」
「ええっ!?ドラゴレッドの正体って、こっ、紅太君のお姉さんだったガル!?あれ?じゃあ紅太君はお姉さんのグッズを部屋一面に…?」
「ちょっ!?あまりそういうことは言わないでほしいムギュ!!!」
紅太は2人を前に慌てふためき、暫く続いた問答の後でようやくぬいぐるみ化されていた朱音も元に戻されたのだった。
[newpage]
《さらに数日後》
「はぁ…この前は散々だったね…」
「そう?僕は結構楽しかったよ!悩みの種は解決したし、2人のドラゴレンジャーと知り合いになっちゃったし!」
夏も終わりかけのとある日、3人は大きな市民プールに遊びに来ていた。
「オイ、向こうに流れるプールがあるらしいぞ!我が輩今度は向こう行きたい!」
「あはは、シュバルツ君、プール初めてなんだって?楽しそうだね。」
「今までが引きこもって研究ばかりやってたみたいだしね。それもそれで楽しかったんだろうけどさ。ほら、さっき溺れかけたんだから浮き輪付けないと危ないよー。」
1人流れるプールに向かって駆け出すシュバルツを微笑ましそうに見つめながら、紅太達はゆっくりと歩き出した。
「時に紅太よ。浮き輪も悪くないが、他の小僧共が掴まってるシャチやカメの浮き輪も悪くないな?我が輩、ああいうので遊んでみたいぞ!」
「そんなこと言われても僕持ってないし。あれ結構高いんだよ?」
「あ〜、僕も持ってないな〜。昔家にあったみたいなんだけど多分捨てちゃったな。」
「ククク、こんなこともあろうかと!貴様のドラゴチェンジャーに新たな機能を追加しておいたぞ‼︎」
「えっ!?い、いつの間に!?」
そう言いながらバッ!と腕のドラゴチェンジャーを見る紅太。
そんな紅太の腕で、操作もしていないのに何故かドラゴチェンジャーが光りだした。
「なっ!?なんだよこれぇ!?勝手に!?」
「ま、まさか不調か!?まずい!!!」
3人が困惑する中、紅太の身体はぐんぐん膨らみビニールのような肌で覆われていく。
その質感は空気がパンパンに詰まったプールトイのように変化していき…
「ーーーーーーーーーッ!!??」[uploadedimage:16389651]
まるでドラゴピンクのような姿をした、人間のサイズほどの巨大なプールトイへと変化してしまった。
「ま、まさかチェンジャーが誤作動してしまうとは…。改良の余地ありだな…。」
「こっ、紅太君!?これじゃあチェンジャーを操作できなくて変身解除できないよね!?今戻して…」
「わー!すっげーおっきなドラゴン風船だー‼︎」
身動きが取れなくなってしまった紅太を前に困惑する2人の前で、1人の子供が目を輝かせながらプールトイと化した紅太に抱きつく。
それを皮切りに、子供達が次々に紅太に群がっては無防備な身体をむにむにと弄っていく。
「(うう…や、やめてほしいガル…恥ずかしいガルよぉ…)」
「う…うむ…わっ、我が輩もっ!」
「え!?ちょ、それなら僕もっ‼︎」
「(ちょっ!?シュバルツに綿貫君まで!?うう、揉まないでガルぅ…)」
紅太が恥ずかしがる中彼の身体はプールトイとして遊ばれ続けて、解放されるのはしばらく後になるのだった。