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病魔 番外編 白酒

  [chapter:見舞い客]

  カイト少年の事件が起きてから3日後。

  『げほっ…げほっ……あ“ぁ……くそ…』

  咳き込んで掠れた声を漏らしていたのは現在も病欠中のバルジ。

  熱が38℃台に下がった為、ユキから入浴許可が下りて、久しぶりにシャワーを浴びていた。

  『はぁ……久しぶりのシャワーだ。生き返る』

  (流石に3日も風呂無しとは不潔だ。熱があるとここまで不憫だとは思わなかった)

  『げほっ…げほっ…やれやれ……風邪とは本当に難儀だ。さて……長風呂は厳禁だったな』

  先日の事件でバルジはあの後みっちり医療指導を受けた為、指示内容には忠実に従っていた。

  早々にシャワー室から出ると、しっかり頭を乾かして新しい寝間着に着替えた。

  『ふぅ……サッパリした。さて……寝る前の薬を飲んで……あ…その前にアレか』

  テーブルに置いてあった薬の確認を済ませると、徐に冷蔵庫へ向かった。

  冷蔵庫の扉を開けると、気乗りがしないまま青いシートを一枚取り出した。

  『はぁ……正直、これはしたくないのだがな。していなくてもバレないか。……いや、命令はしっかり従わないといかんな』

  命令無視ができない状態にため息を吐くと、青のシートを手に持ったまま洗面所へ向かった。

  手にしているのは冷却ジェルシート、通称『冷ピッタ』。

  鏡の前に立つと、冷ピッタのフィルムを剥がして、垂れた前髪を上げてからおでこに貼付けた。

  『う“っ!!はぁ……これでいいか。それにしても…』

  冷たさに耐えて正面を向くと、おでこに青いシートが貼られている自信の顔に苦笑した。

  『……何度みてもダサい。これは絆創膏の方がマシだな。こんな恥ずかしいもの…一体誰が開発したのだ』

  得体の知れない不満を漏らすが、どうにもできない事である為、それ以上考える事を止めた。

  その後薬を服用したバルジは早々にベッドへ戻って休息に入った。

  『はぁ……今日で3日目か』

  (最短で3日で完治とはよく言ったものだ。一体どれだけ少数派の統計を採用しているのだ。まぁ…考えてもどうにもならん。今日も早めの就寝だな)

  瞼を閉じて就寝しようとすると、突然ドアのノック音がした。

  コンコン!

  『………ん?誰だ……こんな時間に』

  コンコン!

  (もしかして……ユキか?何か追加の薬だろうか)

  せっかく就寝しようとしていただけに不満があったが、渋々ベッドから立ち上がり、マスクをしてドアの方へ向かった。

  コンコン!

  『げほっ…げほっ……分かったから…少し待て』

  ひたすら鳴り響くノック音に呆れながらドアの開閉スイッチを押下した。

  扉が開くと想像していた訪問者とは違った。

  『………ん?ろ、ローレンス?』

  「久しぶりだな、バルジ」

  目の前にいたのはマスクをした恋仲のローレンス。

  ぶっきらぼうな顔を見てバルジは顔を顰めた。

  『……お前、こんな時間に何の用だ?』

  「こんな時間とは失礼だな。まだ20時だぞ。せっかくだから見舞いにきてやったのだろ」

  『見舞い?』

  私服姿で何かの袋を持っている姿をみて本当に見舞いであることが理解できた。

  『そうか。見舞いは嬉しいのだが、俺の近くにいたら感染するかもしれんぞ』

  心配そうに告げたことに対して、訪問者のローレンスはニヤリとして応えた。

  「それなら心配は要らん。今朝、予防ワクチンを接種してきたからな」

  『予防ワクチン?なんだそれは…』

  「医局の連中が開発した新型の風邪に対する免疫抗体ワクチンだ」

  『ほぅ…ようやく完成したのか。だったら俺も打った方がいいのか』

  「いや。これは健全な身体に打つから効果がある。既に感染して病魔に侵された身体では無意味だ」

  『はぁ……そうか。で?そんなワクチンを打ってまでしてわざわざ見舞いだけか?』

  ドアの壁に寄り掛かりながら疑惑の瞳を向けていると、ローレンスは少し口角を上げた。

  「ふん。風邪を引いても相変わらず察しがいいな。ご想像通りおまけ付きだ」

  『……おまけ?それはなんだ?』

  「実はこのワクチンはまだ治験不足でな。せっかくだから治験モニターを申請した」

  『………つまり、自ら医局のモルモットになったというわけか。変わり者だな…』

  「はぁ…お前な。もう少しマシな言い方はできんのか」

  『ふん。人を病原菌扱いしている奴に言われたくないな。要するに俺の側にしばらく居て効果があるか確認したいということだろ?』

  「ご名答だ。まぁ、久しぶりに顔を拝みにきてやったのだ。少し話をさせろ」

  和やかに告げてくる様子に少し呆れるが、バルジの心情は『今すぐ寝たい』の一点だった。

  『……悪いが、俺は今から寝るところだ。見舞いなら明日にしてくれ』

  「ほぅ…随分と淡泊な対応だな。だが俺にそんな態度を取っていいのか、バルジ」

  『げほっ…げほっ………なんだと』

  意地の悪い顔で告げられた事に眠気が襲っていたバルジは一気に顔を顰めた。

  「先日の事件といい、今日までのバックアップといい、色々をお前のカバーをしているのは俺なのだが」

  『それについては感謝している。だからこそ早々に回復するように尽力しているのではないか』

  「ふん。何か勘違いをしているようだが、ひたすら寝れば治るわけではないぞ」

  『それは……そうだろうが』

  「たまには人と話をする事も大切だ。だから見舞いをさせろ」

  『………』

  ローレンスからの追及に少し脳裏で考えて見るが、反対できる言葉が見つからなかった。

  『……はぁ。分かったよ。では……少しだけだぞ』

  「あぁ。ではお邪魔するぞ」

  『げほっ……どうぞ』

  少し気乗りがしないまま訪問者のローレンスを部屋に招き入れた。

  脱力した体は再びベッドへ戻り、ずっしりと腰掛けた。

  『げほっ…げほっ…来て貰って悪いが、おもてなしはできんからな』

  「別に接待の期待はしておらん。それよりも意外と綺麗だな」

  『げほっ…げほっ……は?』

  意外な言葉に乾いた声が漏れると、部屋を見渡しているローレンスがぼやいた。

  「いやな。高熱でぶっ倒れたからもっと散らかっていると想定をしていたが、意外と清掃されていると思ってな」

  『あ~そのことか。時よりユキが回診に来るからな。来るたびに清掃をしてくれている』

  「ほぅ。それでは完全にユキは母親だな」

  『げほっ…げほっ…放っとけ。ところで…先日負傷した怪我は大丈夫なのか?』

  「……ん?負傷?」

  『ほら、カイト少年に撃たれた足だ』

  「あ~これか。これならとっくの昔に完治している」

  『そうか。げほっ…げほっ…それにして子供相手に容赦ないな』

  「あのな!管理局内に侵入してきた相手に手を抜けるわけがないだろうが!」

  『あはは、それもそうだな。だが、いきなり発砲とは芸が無い。その上取り逃がすとはみっともないことだな』

  「お前……戦力外通告を受けていてよくそんなことが言えるな」

  『何を言う。結果的に事件の解決に貢献したではないか』

  「命令違反でな。病人が出しゃばりおって。大体、あの正当防衛とはどういう了見だ!」

  『なに、平和主義な大人としての対応をしただけだ。そんなに怒るな』

  「お前な……」

  呑気な話に呆れている最中、ローレンスはあることを思い出した。

  「あっ!そうだ、思わず忘れるところだった」

  『げほっ…げほっ……ん?今度は何だ?』

  呆れ顔で疑問の声を漏らしていると、ローレンスは手に持っていた紙袋からあるものを取り出した。

  目の前に出されたのは「白酒」と書かれた酒瓶。

  『……しろ…さけ?』

  「パイカルだ」

  『パイカル?』

  「あぁ。青の地球の確か…チュイナという国で作られていたという酒だ」

  『(ゴクン…ゴクン…)ほぅ。また珍しい酒を持ってきたものだな。グラスは好きに使っていいから勝手に飲んでくれ』

  軽く手を振って水を飲みながら話していると、呆れ顔でため息を吐いた。

  「はぁ…やれやれ。何も分かっておらんな」

  『……ん?どういうことだ』

  意外な言葉に首を傾げている中、ローレンスは勝手にグラスを取って戻ってきた。

  「この酒はお前にだぞ」

  『……は?』

  再びの意外な言葉に乾いた声が漏れると質問を投げかけた。

  『俺の酒って……俺は療養中だぞ』

  「承知している。これはな。風邪に効く酒でな。免疫細胞を活性化させる成分がある。実際に俺も風邪の時に飲んでみたがあっという間に回復したぞ」

  説明を聞いて再び酒瓶を見つめると、俄に信じられずにいた。

  『……ほぅ…これがね。だが今はユキから治療を受けているから…下手に薬と混ぜない方がいいのではないか?』

  「ふん。それはそれだ。まぁ、騙されたと思って一度飲んでみたらどうだ?」

  『し、しかしな……』

  疑心暗鬼でしばらく酒瓶を見つめていると、その様子に呆れたローレンスが行動を起こした。

  「………はぁ。やれやれ……疑い深い奴だな」

  『いや……別に信用していないわけではないぞ』

  「ほぅ……だったら、文句はでないな」

  『………は?』

  意味深な言葉に前を向くと、ローレンスはグラスに酒を注ぎ、マスクを外して飲酒を始める。

  (なんだ……結局自分が飲みたかっただけか)

  グラスで一気に飲んでいる姿を呆れながら傍観していると、事態は急変する。

  [newpage][chapter:白酒と性行為]

  酒を飲んだローレンスは徐に立ち上がりバルジの元へ向かった。

  『げほっ…げほっ……ん?どうした、ローレン……んんっ?!』

  側に来た瞬間、マスクを外し、顎を持って、ローレンスはいきなり口づけをした。

  「ん“ん”っ!!!」

  突然の行為に必死に抵抗するが、やはり身体に力が入らない。

  抵抗をしている最中、重なる口から徐々に先程の酒がバルジに流し込まれていく。

  『ん”っ……(ゴクン…)……ん“ん”っ…(ゴクン…)』

  口から漏れた酒が顎を伝って流れる中、口の中の酒がなくなったことでローレンスはようやく口を離した。

  『ぷはっ!!げほっ…げほっ…お、お前!これは一体どういう事だ!!!』

  「ふん。いつまで経っても飲む気配がなかったからな。実力行使しただけだ」

  『げほっ…げほっ…なんとも……身勝手なことだな』

  「そうか?で、どうだ?」

  『どうって……う“っ…!』

  項垂れていた頭を上げた瞬間、急激に頭がクラクラし始める。

  『う“っ……い、いかん……酒が……回った……おい…一体…度数は…何度だ』

  「度数はな……60℃だな」

  『なっ?!』

  酒瓶のラベルをみてしれっと告げた一言に、酒が回ってきているバルジの怒りは最高潮を迎えた。

  『ば、馬鹿者!そんな高度数の酒を病人に飲ます奴があるか!!!』

  「まぁまぁ、そう怒るな。怒ると血圧が上がるぞ」

  『げほっ…げほっ…だ、誰のせいだ!ふざけるのも大概にしろ!!!!』

  「やれやれ……だがその様子ではまだ酒が足りておらんようだな」

  『は?!』

  怒号を飛ばすバルジに対して淡々と会話をするローレンスは再び酒を口に含ませ始める。

  『お……おい。まさか……』

  不可解な行動にベッド上で身震いをしていると、予想通りにローレンスは再び口移しを始める。

  『ん“ん”っ……んぐっ……(ゴクン…ゴクン…)』

  2回目の口移しではもはや抵抗する気力すら起きず、流されるがままに受け入れてしまった。

  『んっ……ぷはっ……げほっ…げほっ…』

  「ふぅ……今度はヤケに素直に受け入れたな」

  『はぁ……はぁ……お前……』

  無責任な言葉を漏らす本人に呼吸を整えながら思わずギロっと睨んだ。

  「そんなに怒るな。それよりも……」

  『げほっ…げほっ………ん?んがっ?!』

  言葉に反応して振り向くと、ローレンスは顔を掴んで口へ指をねじ込ませ強制的に口を開かせた。

  「ほぅ……随分と喉が腫れているな。道理でずっと掠れ声だと思った。これでは食事も辛いだろ」

  『んが……がっ!!』

  「少し痩せたと思ったのはこれが理由か。お前、ちゃんとうがいをした方がいいぞ」

  『んががっ!!ぷはっ…大きなお世話だ!!!』

  指を引き抜かれた瞬間に再び怒りの怒号を飛ばすが、ローレンスは余裕な笑みを溢していた。

  「やれやれ……随分と気性が荒いな。あっ……ひょっとして欲求不満なのか?」

  『は?!何言っているのだ、お前は!!!』

  「そう言えば最近は全くしていなかったな。………よし、丁度いいから今やるか」

  『は?!?!お、お前…正気か!俺は病人だと言っているだ…げほっ…げほっ…』

  「それは何度も聞いた。だが、ストレスは身体に良くない。ここはスッキリした方がいいだろ」

  『げほっ…げほっ…馬鹿が……そんなの…身体にいいはずがないだろ!』

  「………いや。案外そうでもないぞ」

  『げほっ……なに?それはどういう意味だ』

  「以前、医学書を読んだことがあってな。ある論文では性行為をする事で免疫力が上がる事が期待できるらしいぞ」

  『は?!そ、そんなのは嘘だろ!』

  「本当だ。確か…免疫グロブリンAという免疫体だったかな。セックスをして睡眠をしっかり取る事で免疫が上がり、体調が良くなるという研究結果があるそうだ」

  (おいおい……一体何処の奴らの検査結果だ。病人に性行為をさせるなど、正気の沙汰じゃない)

  話を黙って聞いていたバルジだったが、依然として疑いの瞳を向けていた。

  『だがな。例えそうでも、デメリットがあるだろうが!』

  「デメリット?なんだ?」

  『お前に風邪をうつすデメリットだ!俺が床に伏せている現状でお前まで倒れたら誰が銀河鉄道を護るのだ!』

  再び鬼の形相で叫ぶ姿に、ローレンスはそっと微笑んで告げた。

  「ふん。なんだ、そのことか。それなら予防ワクチンを打っているから心配は要らん」

  『だ、だが、治験不足なのだろう。リスクがありすぎる!』

  「大丈夫だ。こう見えて日々免疫強化には尽力もしている。それに」

  『そ、それに……なんだ?』

  依然として不安な顔をしている姿にローレンスは近寄って頬に手を触れた。

  本当は…熱が出てからムラムラしているのではないか?」

  『は?そ、そんなことは……』

  「嘘をつくな。このいきり立っている物が証拠だ」

  『あ“っ!!』

  ローレンスは瞳を見つめながらそっと下半身でいきり立つ分身に触れると、バルジの全身に電気が走った。

  『ち、違う……これは…その…』

  「ふん。なにも隠す必要なないだろ。これもある意味で生存本能の一種だ。だが溜めておくと身体によくない。黙って俺に委ねておけ」

  『う“っ……どうなっても……俺は責任取らんからな』

  少し頬を赤くして必死に告げた言葉にローレンスはふと微笑んだ。

  「ふん。了解……」

  相互確認を済ませると、ローレンスはそのままバルジをベッドへ押し倒した。

  横になったバルジは先程の酒の影響で全身に熱を帯びていた。

  『はぁ……はぁ……あ…熱い』

  「先のパイカルが効いているのだろ。それにしてもいい香りがするな。シャワーを浴びたのか?」

  『あ?あぁ……熱が少し下がったからな』

  「ほぅ。ならば丁度良かったというわけだな」

  『ど、どこがだ!悪ふざけも大概に……あ“っ!』

  抗議の声を漏らしている最中、ローレンスは首元を舐めながら上着のボタンを一つずつ外していく。

  『んっ……あっ……や…めろ…んぁ…』

  「(ペロ…)随分と反応がいいな。舐められるのがそんなに気持ちいいか?」

  『ち、ちがっ……あっ…んっ…』

  未だに正直になれない本人に少し呆れた頃、ボタンを全て外し、胸元を開いた。

  そして胸板に立つ蕾を見ると、首から移動しそのまま舌で弄り始める。

  『うわっ!あっ……ちょっ……まて……あ“っ…』

  小さく立つ蕾を丁寧に舐め回しながら、片手でもう片方の蕾を摘まんだ。

  『あ“あ”っ!な…なにして……んぁっ……やめっ……あっ』

  「ふん。『続けてください』の間違いだろ。これだけ体が反応しているのに正直でないな」

  「うっ……うる…さっ…あっ…んんっ……くっ…そ…」

  (やれやれ……強情者が。だが病人に変わりない。あまり長引けばかえって逆効果。手短に済ませるか)

  ローレンスは短期決戦を決めると、一度体から離れた。

  『はぁ……はぁ……なんだ……急に』

  何かと思い顔を上げると、ローレンスはベッドサイドの棚からいつも使用しているローションを取り出した。

  『ま…まさか…挿入するつもりではないだろな』

  「そのまさかだ」

  衝撃的な発言にバルジは一気に声を上げた。

  『なっ?!何を考えているのだ。流石に中に入れたら確実に感染するだろ!』

  「安心しろ。ちゃんとゴムはつける。それにローションのも細工をするから問題ない」

  『さ、細工だと?一体どんな…』

  意味深な言葉に動向を眺めていると、その細工を知って思わず絶句した。

  『なっ?!』

  ローレンスは事もあろうに酒が少し残っているグラスにローションを流し始めた。

  そして指で丁寧に混ぜると、再びベッドへ戻ってきた。

  『お、おい……それは…どういうことだ』

  「……ん?どうって、パイカル入りのローションだが」

  『ば、馬鹿かお前!そんな酒入りのローションなど使っていいはずがないだろ!』

  「何を言う。酒は元々消毒作用がある。風邪への有効成分も含まれているから一石二鳥だろ」

  『ふ、ふざけるな!酒は酒だ。そんなものを腸内から取り入れたらどうなるかわからんだろが!』

  「………それはそうだな。だがもう作ってしまったからな。勿体ないしこのまま使うぞ」

  『は!?ちょ、ちょっと待て!うわっ!!』

  バルジからの反論を無視して、ローレンスはズボンに手を掛けて下までズリ降ろした。

  そしてグラスからローションを手のひらに移し、そっと閉ざされた蜜穴へ指を入れた。

  『う“っ……ぐぁっ…!』

  「かなりキツいな。ゆっくり解すから力を抜いていろ」

  『ぐぁっ……むり……言うなっ…あっ…』

  顔を逸らして悲痛な声を漏らしている姿に思わずクスッと笑った。

  (やれやれ……これは焦らすとまたどやされそうだ。さっさとポイントを攻めた方がいいな)

  体を気遣って指でポイントを探り始めた時、バルジの体に異変が起きた。

  『うっ……んっ……あっ……あつ……い…』

  「バルジ?」

  『はぁ……はぁ……ロー……レンス……なん…だか……からだが……焼けるように…あついっ…』

  顔を赤くしながら必死に熱の事を申告している姿に、思わず手を止めた。

  「……それは熱が上がったといいたいのか?」

  『はぁ……はぁ……わ…からない……あたまが……とけそうだっ……』

  (ヤケに苦しそうだな。そうか!ローションの酒が腸から吸収されたのか。なら、早く発散しないとまずいな)

  状況を読み取ったローレンスが再び指を動かした。

  『う“っ…やっ……もう……やめっ……あっ…あ“あ”あ“っ……!!』

  「……ん?」

  (なんだ?先程より随分と緩くなったな。まぁおかげで直ぐに見つけられたが…なぜ?)

  疑問に感じながら指を動かしていると、未だに熱がっている姿にその理由が判明した。

  『はぁ……あつっ……やけるっ……あっ……んぁっ…』

  (なるほど。熱に意識が持っていかれて力が抜けたのか。ならばもう解す必要もないな)

  状況をみてローレンスはそのまま指を引き抜いた。

  『あ“っ!!はぁ……はぁ……なんだ……急に』

  「お楽しみのところですまんな。今回は治療の一環だ。手短に済ませて貰うぞ」

  『はぁ……はぁ……本当に……勝手だな』

  「今更だろ。さてと……」

  バルジからの文句を受け流し、ローレンスは自身のズボンを脱ぎ捨てて、いきり立つ分身にゴムをつけ始めた。

  『はぁ……はぁ……本当に……やるのか』

  「……ん?なんだ、今ごろになって」

  『いや……本当に…お前は…大丈夫なのか?』

  意識朦朧の中でも自身の事を心配している恋人にローレンスは少し微笑んだ。

  「……ふん。全くお前という奴は…」

  ゴムをつけ終えたローレンスは分身に再びローションを塗って、未だに脱力して横たわるバルジの足を開き、蜜穴へ当てた。

  『あ…ぁ……ロー…レンス』

  「安心しろ。俺がお前の風邪を吹っ飛ばしてやる。だから……溺れるなよ!!」

  ジュボっ!!!

  『あ“あ”あ“っ――――!!!』

  「ぐっ……!」

  勢いよく挿入した瞬間、熱を帯びたバルジの体には快楽が駆け回り、全身で痙攣をしていた。

  震える体を抑えながらローレンスはローションの滑りを活用して一気にピストンを加速させる。

  パン! パン! パン! パン! パン!

  『あ“っ…あ”んっ♡…ま……ぐぁ……んっ♡…あっ…ああっ♡』

  「ハァ…ハァ…まずい……お前の…中が…熱すぎだ……焼き殺す…つもりか!」

  パン! パン! パン! パン! パン!

  『あんっ♡…そ…んっ…ふぁ……んんっ…む…り……あん♡』

  「ハァ…ハァ…悪いが……今日は…このまま一気にイカせる…からな」

  激しいピストンを続けている最中、されるがままのバルジも色々と限界を迎えようとしていた。

  (だ……めだ……これ以上…つづけたら……こわれる…)

  体の危機感が上がったバルジは残っていた力で右手を動かし咄嗟にローレンスの腕を掴んだ。

  パシン…

  「ハァ…ハァ…なんだ……こんな時にっ!」

  『あっ……ひゃっ…め…て……く…ふぇ……こ…われ…る…』

  呂律が回っていない言葉を理解したローレンスだったが、決してピストンを止めようとはしなかった。

  それどころかより密接にバルジを抱きしめると、耳元でそっと囁いた。

  「……大丈夫だ。俺が……お前の中にいるバイ菌どもをぶっ壊してやる」

  『なっ?!ろ……れん……あ“あ”あ“っ!!!』

  宣戦布告をしたローレンスは体を密接にしながらより奥へ突き始め最後のスパートを掛けた。

  パン! パン! パン! パン! パン!

  「ハァ…ハァ…そろそろ…イクぞ……バルジ!」

  『あ“っ…あ”っ…あ“っ…やめ…こわれる…ああん♡…こわれりゅ♡…んぁっ…』

  より激しさを増したピストンは厭らしい水音を漏らしながら二人を絶頂へと導いた。

  パン! パン! パン! パン! パン!

  「ハァ…ハァ…バルジ…バルジ…イクっ……ぐあっ!!!」

  『あ“っ…あ”っ…あ“っ…だめっ……イ…イク…イク…あ”あ“あ”あ“あ”ぁぁ!!!』

  どびゅぅぅぅ!!!

  最深部を突かれた瞬間、バルジの体は大きく痙攣を起こし、分身からは白濁が勢いよく放たれ腹の上に飛び散った。

  一方ローレンスはゴム内に射精をしたのち、ゆっくりと自身を引き抜いてふと息を吐いた。

  「ふぅ………どうやら射精はできたようだな、バルジ。………バルジ?」

  ゴムの処理をしながら声かけに反応がないことで振り向くと、未だに体が小刻みに痙攣をしている中、意識を飛ばしてしまっていた。

  「やれやれ……流石に意識は保てなかったか。まぁ、発熱で飲酒をしてよく耐えていた方か」

  ボソッとぼやいたことを当時者のバルジが聞くことはなかった。

  その後ローレンスは眠っているバルジの事後処理を行った。丁寧に体を拭き、着替えをさせて、冷ピッタを張り替え、布団を掛けて、温かくして横にさせた。

  「ふぅ……とりあえずこれでいいだろ。さて、明日の結果が楽しみだな」

  一通りの作業を終えたローレンスは酒瓶を袋に戻し、静かに部屋を後にした。

  [newpage][chapter:復活]

  翌朝。

  朝日に照らされて眠っていたバルジはゆっくり瞼を開いた。

  「うっ……朝……か」

  目が覚めるとゆっくり体を起こして大きく背伸びをした。

  「ぐぅぅぅぅ……はぁ…よく寝た」

  気持ちよさそうにしていると、ふと昨日の事がフラッシュバックした。

  (あ……そう言えば……昨日はとんでもない目にあったな。だが服は……着ている。ということはアイツが事後処理をしたのか。変なところが律儀な奴だな)

  「はぁ……やれやれ。何が治療の一環だ。これで熱が下がったら苦労しな………ん?」

  愚痴を吐きながらふと首を触ると、体の異変に気が付いた。

  「………熱く……ない……あれ?」

  首に触れた瞬間、熱がないことに気が付くと、脇の下なども確認をするが結果は同様だった。

  「………やはり熱くない。そ、そんな馬鹿な!」

  俄に信じられないため、近くに置いてあった体温計を手に取り、急いで計測を始めた。

  数秒後、脇に挟んだ体温計から終了のアラームが鳴ると、取り出して体温を確認する。

  「………36.6℃…だと」

  完全に平熱に下がっていることに、体温計を見つめながら信じられずにいた。

  「まさか……本当に下がるとは。一体……風邪とは…何なんだ……」

  未知なる病魔の不可解な現状に、いくら思考を巡らせても答えが出ないことに頭を抱えた。

  結局、その日は熱が上がることはなく、翌日からバルジは職場復帰を果たした。

  【おしまい】

  ※注意書き※

  ちょっと怠いかなぐらいの風邪でセックスをすると免疫機能が上がり早く治る→ホント

  少し微熱が出始めた風邪の時に、セックスの発汗作用によって微熱が下がるケースもある→ホント

  熱がある時はムラムラするためセックスするとリラックスできる→ホント

  但し、すべて軽い風邪の場合です。

  従ってこの話は完全にイレギュラーです。

  決してひどい風邪の時に真似をしないように・・・

  しっかり食べて寝るのが一番です!

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