「うう…夏休みの宿題、完璧に忘れてた…。」
セミの鳴き声がやかましく入ってくる部屋の中、一人の男の子は頭を抱えた。
彼の名前は『三橋 裕太(みつはし ゆうた)』。どこにでもいる平凡な小学5年生だ。
彼は世の中の男子小学生の例に漏れず、夏休み中ずっと遊び呆けていたため宿題を全くやっていなかったのだ。
そして気がつけば、夏休みもとっくに残り三日になってしまったのである。
「そうだ、自由研究のテーマ決めないと…何にしようかな…。」
夏休み前に配布された宿題一覧プリントを見てゲンナリする裕太。
しかしとある事を思い出したかのようにハッとすると、久しく開けてなかったランドセルの中を漁り始めた。
「あったあった、えーっと…『悪の組織なりきりセット』…?」
彼がランドセルの底から取り出したのは、少し禍々しいフォントでそう書かれている一つの箱だった。
一列に並んでビシッ!と敬礼する戦闘員や跪く狼怪人に虎怪人、そしてその中心にはいかにも組織の大首領のような格好をした少年…。そんなイラストが描かれている。
何故こんなものを彼が手にしているのか、それは夏休み前まで遡る。
友達の父親が働いている会社で作っているものを、『自由研究にどうか』と友達から貰っていたのだ。
「すっかり忘れてた…。まあいいや、時間ないしこれ使って自由研究仕上げるか…。」
そう呟いて、裕太は上蓋を外して箱を開ける。
すると中にはいくつものアイテムと取扱説明書が入っていた。
………………
《取扱説明書》
(内容物)
・怪人変化銃
・大首領ワッペン
・戦闘員化バックル
・怪人用ベルト
・スピーカー付き壁掛けエンブレム
(あそびかた)
①本説明書に記載してあるQRコードを読み込み、専用アプリをインストールします。この作業は必ず1番最初に行ってください。
②『大首領ワッペン』を、大首領役の服に装着します。このワッペンを装着しないと、怪人や戦闘員が命令を聞いてくれません。
③アプリから『洗脳モード』を選び、洗脳したい対象に見えるようにスマホを向けます。誤って自分が見てしまわないよう気をつけましょう。
④『怪人変化銃』のダイヤルを『マイナス』に切り替え、データを吸収したい生物、もしくは物体に向けてトリガーを引いて吸収します。この際吸収した生物や物体は、いつでも分離できるのでご安心ください。
⑤『怪人変化銃』のダイヤルをプラスに切り替え、怪人にしたい素体の人間に向かってトリガーを引き、吸収した生物・物質のデータを与えます。③の過程をこの直後に回しても構いませんが、まだ正気な怪人が反逆してこないよう注意してください。
⑥『怪人用ベルト』を巻いてあげれば、貴方の命令に忠実な怪人の完成です!人間に『戦闘員化バックル』を装着させれば、簡単に戦闘員になってくれます。怪人や戦闘員をどんどん増やし、悪の組織『ワルーイ団』の大首領として世界征服を目指しましょう!
注)この商品はジョークグッズであるため、過度な命令は聞いてくれません。また、ヒーローに『大首領ワッペン』を壊されると怪人達は人間に戻ります。ご了承ください。
………………
「…なんだこれ。変なの。」
一通り説明書に目を通すと、裕太は呆れたように呟いた。
「人間を怪人になんてできるわけないし、それにヒーローって…。そんなもんいるわけないじゃん、馬鹿馬鹿しいなぁ…。」
今時の小学生ですら騙されないような内容に裕太は愚痴を溢しながらも、早速スマホアプリをインストールしたりワッペンを装着したり、同梱されていた銃を手にしてダイヤルをガチャガチャと弄る。
その時だった。
「ニャー♪」
飼い猫の『クロ』が部屋に入ってきて、裕太に甘えだす。
それを愛しそうに撫でる裕太だったが、ある考えが頭に浮かんだ。
「そういえば、この銃を生物に撃てばデータが手に入るんだっけな…。まあ冗談だろうけど。」
そう言いながら物は試しと思いクロに銃を撃った…その時だった。
ビビビビビビビビッ!!!
「ウニャッ!?」
銃から放たれたビームにクロは驚いたような声を上げると、そのまま光と化して吸い込まれてしまった。
「えっ!?く、クロッ!?も、元に戻るって描いてあるけどどうすれば…!?」
突然の出来事に裕太の方も驚いてしまい銃をガチャガチャ弄りながら同様してしまう。
そうこうしていると、トントン、と部屋のドアを叩く音がして彼の姉が入ってきた。
「ねぇ裕太〜。アンタの漫画借りてってもいい?今遊びに来てる友達が読みたい…って!?」
しかし彼女が入ってきたタイミングは非常に悪く、ちょうど裕太がドアの方向に銃を向けていた時で…
ビビビビビビビビッ!!!
「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!?」
誤って銃のトリガーを押してしまった裕太の放つビームに直撃してしまったのだ!
すると彼女の服はビリッ!と身体からはクロのような黒い毛が徐々に生え出し、耳は変形しつつ頭頂部に移動して尻尾は生え、顔には低いマズルが形成され始めた。
こうして裕太が困惑する中変化は終わり…。
「にゃっ、にゃにこれぇっ!?」
姉だったものは、人間と黒猫…姉とクロが融合したような、グラマスな女性の体型をした黒猫怪人に生まれ変わってしまった。
「凄い…やっぱりこの銃本物だ…。」
「裕太、アンタの仕業ニャッ!?元に、元に戻してニャアッ!!」
「え〜っと、後はこのアプリを起動すればなんでも言うこと聞いてくれるんだっけ…。」
「私の話聞いてた…ニャッ!?」
突然の事態に泣き叫ぶ姉に対して裕太はアプリを起動したスマホを向け…
ポワワーーーーーン………
「ウニャッ!?ニャ、ニャア………」
洗脳波を放った。
その途端、姉だった怪人はスマホから目が離せなくなったかのように釘付けになってしまい、目が徐々にトロン…と垂れ下がる。
そして突如糸が切れたかのようにガックリと頭を下げたかと思うとすぐにパッ!と顔を上げ…
「ニャーッ!怪人黒猫女、洗脳完了しましたニャー‼︎」
にぱっ!と明るい笑顔で叫びながら、裕太に向かって敬礼した。
「凄い…ホントにお姉ちゃんが怪人になっちゃった…。」
「大首領様っ💕この黒猫女に、何なりとご命令をっ💕」
そう言いながら身も心も黒猫女と化した彼女は四つん這いになり、裕太の足元でスリスリと甘えてくる。
この甘えっぷりは、恐らく姉と融合したクロの性格が出ているのだろう。
「…お姉ちゃん、いつも僕に怒鳴ってばっかなのに、こんなクロみたいに甘えてくるなんて…嘘みたい…。」
裕太は困惑しつつもとりあえずクロにやってやったように頭や顎下を撫でてやると、黒猫女は気持ち良さそうにゴロゴロと声を出して喜ぶ。
しかしその時、突如黒猫女は耳をピクッとさせたかと思うと、バッ!と四つん這いのままに『フーッ!フーッ!』と息を荒げドアの方向を警戒し始めた。
それを合図にするかのように、誰かにコンコンとドアを叩かれた。
「ちょっと大丈夫かい?さっき変な声出して…ってきゃあっ!?」
変な声を上げたっきりなかなか帰ってこない姉を心配したのだろう、姉の友人が部屋を訪れたものの、それに気づいた黒猫女がシュバッ!と勢いよく飛びかかって彼女を羽交締めにした。
「ちょ、ちょっと何だこの化け物!?離してよ‼︎」
「うるさいからちょっと黙るニャ。アンタも大首領様に忠誠を誓う、私達の仲間に改造してやるニャ。」
「そっ、その声、まさか!?」
友人が怪人の声を聞き、何かに気づいた時だった。
ポワワーーーーーン…………
「あっ…あう………」
裕太が彼女に洗脳波を流し、その途端彼女はスマホに見惚れて動かなくなる。
そして裕太の姉同様にダラン…と頭を下げた後にパッ!と顔を上げ…
「大首領様っ!私はこれより、貴方様に忠誠を誓います!!!」
ビシッ!と敬礼して叫んだのだった。
「凄い…。僕より歳上のお姉さんが僕の思い通りになるんだ…。」
「さあっ!私を貴方様の組織の一員として相応しい姿にしてくださいませっ!」
「あっ、そうか。ええと…。」
そう言われて、裕太はキョロキョロと当たりを見渡し…
「確か物質でも怪人化できるみたいだしこれでいいか。えいっ!」
部屋の中にあったシャチフロートを吸収すると、その銃を洗脳したての彼女に向けて引き金を引いた!
「わっ、私を怪人にっ💕あ、ありがとうございましゅうぅぅぅぅぅぅっ!?」
すると彼女は感謝の意を述べながらビクビクと痙攣しつつシャチフロートと融合しながらその身体を変化させていき…。
「キュムッ!怪人シャチフロート女、改造完了致しましたキュムッ‼︎」
シャチフロートと女子高生が融合したかのような怪人『シャチフロート女』へと生まれ変わり、ビシッ!と黒猫女の隣で敬礼した。
「さあ大首領様、なんなりとご命令をニャッ!」
「どんな命令でも必ずや遂行致しますキュムッ!」
「そ、そんなこと言われても…何して貰えば…」
「もう大首領様っ💕悪の組織が怪人に命令することなんて決まってるのニャ💕」
「そうキュム💕さあ大首領様…💕」
両側からそう裕太に囁くと、怪人二人は邪悪にニヤリと口元を歪ませた。
[newpage]
「嫌っ!助けてぇ‼︎」
「ほらほら💕そんなに抵抗しちゃ駄目キュム💕」
「今に君も私達の仲間にしてやるニャッ💕」
夏休みも終わり間近の町の公園。
そこでは悲鳴が飛び交う中ネズミの姿を模した黒い全身タイツ戦闘員が人々を襲い、シャチフロート女はギュムギュムと音を立てながら一人の女の子を拘束し、黒猫女は彼女に『戦闘員化バックル』を片手に近づいていた。
そしてバックルを女の子の腰に装着すると、そのバックルからデロォ…と黒い液が溢れ出て…
「ひゃあっ!?」
彼女の身体全身を覆いだし、やがて頭まですっぽり覆い尽くしてしまった。
黒い棒立ちの人形と化してしまった彼女の頭頂部には丸い耳のようなものが形成され、お尻の上からはぴょこっ!と細い尻尾が生えたかと思うと…
「チュッ!」
一声鳴いて突如動き出したかと思うと、すぐさま怪人達の大暴れを後ろで見ていた裕太の前にタタッと駆け寄り
「チュチューッ!」
自身が裕太の操り人形となったことを示すかのようにその場でビシッ!と敬礼した。
「この子、僕の隣の席の女の子だよね…。あんなにキチッとしてた子だったのに、こんな風になっちゃうんだ…。」
「チュチュッ!大首領様、何なりとご命令を。」
「えっ、う、うん。じゃあ他の戦闘員達や怪人達と一緒に、人間を襲って戦闘員を増やしてもらえるかな?」
「チュチューッ!!!」
新たに生まれた女戦闘員はまたもやビシッ!と敬礼すると、仲間を増やすために怪人達が暴れ回ってる元へ駆け寄っていった。
「ふう、とりあえずこの様子を上手くまとめれば自由研究は完了かな。」
ベンチに座って怪人や戦闘員の暴れるさまを見ながら、裕太は息をついた。
「それにしてもこのなりきりセット、ほんと凄いな…。なんであの子、お父さんからの貰い物とはいえこんな凄いものを僕にくれたんだろう?」
そんなことを呟いてぼんやりと考えていた、その時だった。
「現れたな!悪の怪人め‼︎」
「え…?」
公園の入り口から突如元気な男の子の声がして、裕太はベンチから立ちあがり振り返る。
するとそこにいたのは…裕太に『悪の組織なりきりセット』をくれた彼だった。
散歩中だったのだろうか。可愛らしい柴犬を連れており、公園の時計の柱にリードをくくりつけた。
しかもその腰には、特撮ヒーローの変身ベルトのようなものが巻かれている。
裕太や怪人達があぜんとしていると彼は変身ポーズを決め…
「変身!」
叫びながらベルトを操作した。
するとベルトから光が放たれ彼の身体を包み込んでいき…
「熱血ヒーロー、ジャスティスフレイム見参‼︎」
光が収まると、そこには真っ赤なヒーロースーツに身を包んだ彼が決めポーズをとっていた。
「えっ!?ど、どうして君が!?」
「裕太!お前なんでこのセットすぐに使わなかったんだよ!?俺夏休み中ずっと『ヒーローなりきりセット』使う機会待ってたんだぞ!?」
「ど、どういうこと…?」
「この『ヒーローなりきりセット』でヒーローに変身しても敵がいなきゃ意味ないだろ!?だから『悪の組織なりきりセット』をお前に渡して悪事働いて貰おうと思ってたのに…使うの遅いんだよ!夏休み序盤は毎日楽しみに待ってたのに、もう完全に諦めてたぞ!?」
「しゅ、宿題あるの忘れてて…というか凄くヒーローにあるまじき言動だね…。」
「あ、悪の戯言に付き合ってる暇はない!さあ、お前達をやっつけてやる!!!」
そう叫んで、ヒーローに変身した彼は困惑する裕太に襲いかかってくる。
しかし、そんな裕太の前に怪人二人と戦闘員はバッ!と飛び出した。
「大首領様!ここは私達に任せるニャッ!」
「お姉ちゃん達がいじめてあげるキュム!」
そんなことを叫びながら、勢いよくヒーローに飛び掛かってきた…その数分後。
「ニャ…ニャフゥゥゥ💕」
「キュ、キュムゥゥゥ💕」
公園には傷ひとつ無く立つヒーローと、その場で倒れてビクンビクン痙攣している怪人や戦闘員達が転がっていた。
「さあ、最後は大首領だけだな!覚悟しろー‼︎」
「みんな一瞬で!?ぼ、僕丸腰なんだけど!?」
あまりにあっさりやられた怪人達に裕太は焦りながら辺りをキョロキョロ見渡す。
すると、自身の足元に戦闘中ヒーローが投げ捨てた剣を見つけた。
「そ、そうだ、この剣と融合して、僕も怪人になれば…!」
そう呟くと、裕太はヒーロー要素溢れる剣にビームを放ってデータを吸収し、それを自身に解放した。
しかし彼は気づいていなかった。
彼は剣だけでなく、たまたま剣にとまっていた雌の蜜蜂のデータも吸収し、自分に解放していたことに。
彼の身体はぐんぐん成長していく…だけでなく、胸がばいんっ💕💕と大きくなり、お尻もぷりっ💕💕と大きくなっていく。
まるで大人の女性のような身体つきになった彼の身体は黄色く染まっていき、首元や手首、足首に白い毛がふわっ💕と生えてくる。
お尻の上からは丸っこく大きな尻尾がずりゅんっ💕と蜜液を飛び散らしながら生え、生き物みたいにドクドクと脈動している黒と黄色のストライプの先に飛び出た針…のような剣先がキラリと光る。
額からは触覚が生えて手足は黒いブーツで覆われ、背中からは透明な羽根がふわっ、と飛び出す。
それだけでなく、その身体全体は取り込んだ剣に掘られていたような模様のついたアーマーで覆われ…
「怪人ソードクインビー、降臨!」
裕太…だった女怪人『ソードクインビー』は優雅にヒーローに立ちはだかった。
「なっ、なにこれぇっ!?」
ノリで名乗りを上げた後、ソードクインビーは困惑して声を上げた。
それもそのはず。ただの男子小学生だった自分が、大人の女性のような体型の女怪人へと変貌してしまったのだから。
「おっ、お前、なんなんだよそれぇ!?」
ヒーローの方も突如小学生男子が変化した女怪人に、目を逸らしながら戸惑っていた。
無理もない。目の前の彼…いや、彼女はグラマスな身体を持ち、甘い大人の色香をむわっ💕と漂わせた、小学生の目には明らかに悪いセクシーな女怪人だからだ。
「な、なんだかとんでもないことになっちゃったけど、これで戦える!僕…いいえ、私にかかってきなさい💕」
「な、なめやがってぇ…お前もギッタンギッタンにしてやる!」
目の行き場を失いながらも、ヒーローは必死にヒーローに殴りかかる。
しかし、その攻撃はいとも容易くいなされてしまった。
「なっ!?」
「さっきの威勢はどうしたの?今度はこっちからいくわねっ💕んっ💕」
そう言うと怪人は自身の胸を揉み、そこからタラリ…💕と粘度の高い密度を垂らす。
その光景にヒーローが思わず目を逸らした…その隙を怪人は見逃さなかった。
「蜜蜜トラップ!あんっ💕」
彼女はいっそう強く胸を揉み、圧を上げて胸の蜜をどぴゅっ💕とヒーローに向けて大量に放出した。
それをモロに喰らってしまったヒーローは、ねとぉ…💕と粘っこい大量の粘液で身体が上手く動かせなくなってしまった。
「く、くそぉ…こんなことでぇ…‼︎」
「もう終わり〜?それじゃあトドメね、幼いヒーロー君💕」
「お、幼いって俺達同い年…んぐっ!?」
そう艶かしく告げると、怪人は大きなお尻をぷりんっ💕とヒーローの前に突き出したかと思うと尻尾の剣で彼の胸を浅くぷすっ💕と突き刺し…そこから麻痺毒を打ち込んだ。
「どう?動けないでしょ?貴方はぁ…💕悪の怪人にぃ💕『完全敗北』、しちゃったの💕」
「あがっ…く、くそぉ…」
ヒーローの悔しがる顔に怪人はニンマリと笑みを浮かべて彼の連れていた犬に近づくと、
「あっ💕あはぁんっ💕」
ずりゅりゅうぅぅぅんっ💕
尻尾からぬちゃっ💕ぬちゃあぁぁぁっ💕と蜜を垂らしながら剣を引き抜いた。
鞘のように剣が収まっていた尻尾の先端にはぽっかりと穴が空いており、そこから濃厚な蜜が溢れる魅惑の蜜壺が覗いていた。
「ほぉらワンちゃん…💕おいでぇ…💕」
「ワ、ワウゥ…💕」
そう彼女が誘惑すると犬はその甘ったるい臭いに惹かれるように彼女の尻尾にフラフラと近づいていく。
「だ…駄目だポチ…戻れ…」
ヒーローがそう止めるも、犬は頭から蜜壺の中にぬめり…と徐々に入っていき…
ずちゅんっ💕
「ーーーーーーッ💕💕💕」
「あはっ💕入っちゃったねぇ💕ワンちゃん💕」
全身がすっぽりと入り尻尾の中でモゾモゾ幸せそうに動いているのを見て、怪人は舌を出して興奮した表情を見せた。
「そ、そんな…ポチ…」
「大丈夫💕ワンちゃんはいつでも元に戻れるし、それに…今からあの子は君と融合するんだから💕」
「ひっ!?」
すると怪人はヒーローの元へ近づき、くぱぁ💕と尻尾の先端を彼の顔の真上に近づける。
そこからたらり…と濃厚な蜜が垂れ、彼は思わず声を上げた。
「んふ💕君ぃ💕もしかして…さっき私に飲み込まれたワンちゃんが羨ましかったんじゃないのぉ?」
「何っ!?そ、そんなことっ!?」
そんなことを言いながらも、彼は自身の愛犬が飲み込まれたヒクヒクと動く尻尾の蜜壺をじっ…と見つめ、息を荒げていた。
「この尻尾、結構凄いのよぉ?普通は私の銃で怪人に改造してスマホで洗脳もしなきゃいけないから二度手間だけど、この尻尾でデータを吸収したいものと素体になる子を飲み込めば、この中で融合して洗脳までできちゃうんだから💕つまり君も…私みたいに怪人になれるの💕」
「あう…💕お、おれはそんなことぉ…💕」
「自分に正直になっちゃえ💕」
「あ…あぁ…💕」
そう耳元で妖しく囁かれ、耐えきれなくなったのか彼は蜜壺に手を伸ばす。
怪人はその瞬間を見逃さなかった。
「はい、堕ちた💕」
そう邪悪に微笑むと彼女は腰を動かし、ずにゅんっ💕と尻尾で彼の頭を飲み込んだ。
「〜〜〜〜〜〜ッ💕💕💕」
「あらあら、怪人に負けて情けない声出しちゃうなんて、ヒーロー失格ねぇ?ほら、私の手下である悪の怪人として生まれ変わりなさい💕」
そう言いながらも、怪人は彼の胸を、手を、腰を、脚を徐々に徐々に飲み込んでいく。
やがて彼の身体は、彼女の尻尾に全身覆われてしまうのだった。
「うふ💕ごちそうさま💕可愛く生まれ変わってね…『元』ヒーロー君💕」
そう言って、怪人は妖艶に舌舐めずりをした。
彼の入った大きな尻尾を揺らしながら、彼女は倒れている他の怪人達に向かって、まるで我が子に授乳する母親かのように蜜を与えて復活させると彼女達を引き連れてその場を去った。
モゾモゾ動く尻尾の中では、一人と一匹が融合し始め新たな怪人が生まれようとしていた…。
[newpage]
「ただいま〜って裕太ー?なんか靴多いけど、お友達でも着てるのー?」
その日の夕方。仕事から帰ってきた母親が玄関から声をかけると、飼ってる黒猫のクロを抱えた裕太の姉が2階から降りて出迎えた。
「ごめんね〜。今日は私と友達で小学生ズに勉強教えててさ〜。もう少ししたら『終わる』から♪」
「へー…アンタが裕太達に勉強教えてあげるなんて珍しいね。まあそろそろ日が暮れちゃうし、キリのいいところで帰らせてあげてね〜。」
そう言って夕飯の支度を始めるためキッチンへと向かう母親を見送り、彼女は裕太のいる部屋へと戻った。
「大首領様、様子はいかがですか?」
「んっ💕そろそろ産まれる…かもっ💕」
彼女が部屋に入るとそこにはシャチフロート女に戦闘員達、そして尻尾が激しくモゾモゾ動いている裕太…怪人ソードクインビーがいた。
男子小学生が好きそうな物が沢山飾ってあるいかにも男の子らしい彼の部屋は、大量の蜜でネバネバに汚され甘ったるい臭いがプンプン漂っている。
その部屋の様は、あたかもここが彼…彼女の『巣』であると言っているようにも見えた。
彼女が部屋のドアを閉めた…その時だった。
「あっ💕うっ、産まれるぅっ💕💕」
裕太だった怪人はビクンッ💕と身体をいっそう強く跳ねさせると、尻尾から蜜とともにみちみちっ💕と何か大きいものを出していく。
怪人や戦闘員達が見守る中彼女の『出産』は終わり…
「さぁ、貴方はどんな怪人なの?私に教えて💕」
そう囁くと、小学生ヒーローだった『彼女』は蜜塗れの身体でバッ!と立ちあがり…
「わんっ💕ボクは怪人柴犬女ですっ💕生み出してくださりありがとうございます、大首領様ぁ💕」
ビシッ!とその場で敬礼した。
その体型は小学生のそれであったものの胸やお尻は大人の女性のようにムチムチッ💕と膨らんでおり、身体中には明るい茶色の毛がふわっ💕と生えている。
くるんっ!と丸まった尻尾や大きな耳もぴょこぴょこ動いており、くりんとした丸い目の上には白い麻呂眉までついている。
全身はピッチリとしたスーツで覆われ、これは怪人化する際に着ていたヒーロースーツが反映されて装着されたもののようだ。
真っ黒く塗り潰されてしまいあたかもダークヒーローのようにされてしまったその見た目は、彼がヒーローから悪の女怪人に堕とされてしまったことを強調しているかのようだった。
裕太ほどではないが『彼女』もまた、元が人間の男子小学生だったとは到底思えない見た目に変貌していた。
「なるほど、どうやらあのワンちゃんは女の子だったみたいね💕それで貴女も私みたいに女の子に…ヒーローだったなんて嘘みたいなほど、とっても可愛いわよ💕」
「わーんっ💕ありがとうございます、大首領様ぁ💕大首領様もとっても可愛いですわんっ💕💕そのおっきなお尻で、ボクのことを椅子にして座ってくださいませぇ💕💕」
…どうやら彼…もとい彼女、戦闘で負けて裕太に好き勝手やられた影響かはたまた改造や洗脳の影響か、M気質に目覚めてしまったようである。
柴犬女が裕太の足元でスリスリ甘えるその光景を見て、裕太の姉は腰に巻いていたベルトのボタンを押す。
すると抱えていたクロが気持ちよさそうに彼女の身体に吸収され、彼女の身体も変化していき…怪人黒猫女へとその姿を変えた。
「ちょっと柴犬女?誕生したばっかで大首領様に甘え過ぎじゃニャい?アンタはヒーローとして大首領様の邪魔をしたのにさぁ?」
「だからこそだわんっ!ボクは愚かにも大首領様に楯突いたから、その分お側にいて道具みたいにいっぱい尽くさないと💕ねー、大首領様ぁ💕💕」
「ニャッ!?こ、この雌犬がっ!?」
「もう、貴女達喧嘩しないの💕ふぅ…」
そう言うと怪人ソードクインビーは自身のベルトを操作し、男子小学生である裕太の姿へと戻る。
それを見て、怪人や戦闘員達も次々と元の姿に戻り始めた。
「それじゃあみんな、暗くなっちゃうからもう解散!また明日ここに来るように!以上!」
「ねー大首領様〜。今日一緒にお風呂入ろうよ〜💕」
「だっ、駄目だよお姉ちゃん!それにこの姿では今まで通り『裕太』って呼んでよね!」
渋る怪人達をなんとか帰らせ、ようやく一人になった裕太は部屋で一人溜息をついた。
「なんだか本当に凄いもの手に入れちゃったなぁ…。僕なんか女の人になっちゃうし性格も変わってたし…。」
楽しんでいたとはいえ流石にドッと疲れが出た裕太は、夕飯まで少しだけ眠ることにし、蜜だらけのベッドで目を瞑るのだった。
[newpage]
8月31日。夏休み最終日。
「ごめんね〜。夏休み最後なのに私もお父さんも仕事入っちゃってさ〜」
「ううん。今日は友達来てくれるから大丈夫だよ。いってらっしゃい。」
仕事に出かけていく母親を、裕太は姉と一緒に玄関で見送る。
その数十分後、小学生達や姉の友人が徐々に裕太の家に集ってきた。
「それじゃあ大首領様、私達変身しちゃうねっ♪」
そう姉が言うのを皮切りに、彼等は腰に巻かれたベルトを操作して異形の姿へと変貌していく。
そして…
「ニャオーン!怪人黒猫女!」
「キュムーッ!怪人シャチフロート女!」
「わおーん!怪人柴犬女!」
「「「チューッ!!!」」」
その場には三体の女怪人と、数体の戦闘員が綺麗に整列していた。
「ニャンッ💕大首領様っ、今日はどんなご命令ですかニャ?」
「また人間を襲って怪人や戦闘員を生み出すのかい?私達に任せるキュム💕」
「ボクにもっ💕ボクにもわる〜いご命令、いっぱいしてくださいわんっ💕」
「あー…ごめん、張り切ってるとこ悪いんだけど…。」
そう言って裕太が取り出したのは、未だ白紙のままの宿題の山だった。
「これいくつかやってほしいんだけど…。」
そう怪人や戦闘員達に命令する裕太。
しかし、彼女達はふるふると首を横に振った。
「駄目ニャ。私達の洗脳プログラムでは、宿題を代わりにやってあげることは禁止されてるニャ。」
「そうそう。宿題は自分でやりなよ、大首領?」
「ボクなんかお盆前には終わらせちゃったよー?超適当に答えたけどね!」
「あ、そっか…確か聞いてくれない命令もあるんだっけ…。」
そう言いながら、裕太は説明書に書かれていた文章を思い出した。
一応自由研究用だし、教育上宜しくない命令はできないようになっているのだろうか。そんなことを考えている裕太の顔を、黒猫女が覗き込んできた。
「やってあげるのは駄目だけど、教えるだけなら全然構わないニャ〜♪私達に任せるニャ!」
「ほんと!?あ、ありがとう、お姉ちゃん!」
「大首領様〜?今の私はお姉ちゃんじゃニャくて、怪人なんだからちゃんと黒猫女って呼んで欲しいのニャ〜?」
こうして裕太は夏休み最後の1日で、怪人達と一緒に宿題を片付けようと早速取り掛かるのだった。
しかし…
「シャチフロート女〜💕飽きたから向こうでギュムギュムさせるニャ〜💕」
「仕方ないなぁ…💕ほら、私の風船ボディをギュムギュム堪能するキュムッ💕」
「わお〜ん…💕大首領様ぁ💕もっと、もっと椅子であるボクに体重乗っけてほしいわんっ💕」
「はぁ…。」
どの怪人もすぐに飽きて好き勝手始めてしまい、柴犬女に至っては机の高さに合わないのに椅子になりたがろうとするので勉強を教えるどころか裕太の邪魔にさえなっていた。
戦闘員達はキチッ!と整列しているものの、彼等はこの姿だと鳴き声以外ほとんど発することができないため勉強の教えようが無いのだ。
「隣の席の子、割と勉強できるし真面目だからきちんと教えてくれそうだけど戦闘員に改造しちゃったからなぁ…。そうだ!」
そう呟くと、彼は自身の腰に巻いていたベルトのボタンを押す。
するとどこからともなくあの蜜蜂が窓から入ってきて、部屋に置いてあった剣と共に裕太と融合する。
その途端徐々に身体がムチムチッ💕と肉付きながら変化していき…
「あっ…あうっ…あんっ💕」
声もまた、男子小学生の幼いものから艶かしい大人の女性のものへと徐々に変わっていく。
そして変化は終わり…
「あはぁっ💕怪人ソードクインビー、ここに降臨っ💕」
再び女怪人の姿へと変貌し、優雅な足取りで隣の席の女の子だった戦闘員に近づいた。
「光栄に思いなさい、戦闘員005号!今から貴女を私の尻尾で飲み込んで、怪人へと生まれ変わらせてあげる💕」
「チュッ!チュチューッ💕💕💕」
そう言うと怪人ソードクインビーは喜びの声をあげて敬礼する女の子戦闘員の身体を尻尾でずりゅんっ💕と飲み込む。
「はぁんっ💕さてと、この子と組み合わせる物は…これでいいかしら。」
そう言うと怪人は、飲み込まれた彼女が持ってきていた鞄から電卓を見つけて手に取る。
それは狐の形をした、なんとも可愛いらしいものだった。
「頭の良い子は電卓みたいな電子機器と組み合わせるのがピッタリ…ねっ💕」
そう呟きながら、部下の怪人達が見守る中尻尾の中に電卓をにゅるり💕と入れる。
すると尻尾の縞模様が淡く光だし、ドクン💕ドクン💕と少女と電卓を融合させていく。
そして…
「怪人完成っ💕んあっ💕」
ずりゅんっっっ💕💕💕
彼女が妖しく微笑んで尻尾に力を込めると、大量の蜜と共に少女怪人が穴からひねり出される。
そしてすぐさま立ち上がってビシッ!と敬礼し…
「ピコピコーン!怪人電卓女、改造完了致しましたコンッ!」
真面目そうな口調で自身が生まれ変わったことを宣言した。
そんな彼女の見た目は小学生体型の狐獣人、といった感じであるが全身は毛ではなく光沢のある素材で覆われており、ところどころに数字や記号の書かれたボタンがついていて機械的な印象を受ける。
また目元は電卓の液晶のようなバイザーで覆われており、まさしく狐モチーフの電卓怪人といった風貌だった。
「うふふっ💕…ふぅ。早速だけど電卓女、僕の宿題手伝ってくれないかな?」
「ピコピコンッ!了解致しました、大首領様っ💕」
再び裕太の姿に戻ってそう尋ねる裕太に、新たに誕生した少女怪人は快く答える。
こうして残っている宿題を終わらせるべく勉強を再開する…はずだった。
「ニャ〜💕大首領様、一緒にイチャイチャしようニャ〜💕💕」
「なっ、なんで今!?さっきまでシャチフロート女とイチャついてたじゃん!」
「猫は気まぐれだからね。それに、君が怪人生み出してるとこ見て興奮しちゃったんじゃないかな?私もだけどキュム…💕」
「わんっ💕ボクのことも踏んでほしいわんっ💕怪人態になった大首領様のブーツでココをぐりぐりって…💕💕」
「ピコピコン。error。私も欲望が抑えきれずに暴走しそうです。処理を希望しますコン…💕」
彼が怪人を産んでいるところを見た他の怪人達が、目をハートにしながら物欲しそうに裕太に身体を擦り付けてきた。
戦闘員達も、それを羨ましそうに見つめている。
「はぁ、みんな仕方ないなぁ…。んっ💕」
怪人達に纏わりつかれた裕太は呆れたように溜息をつき…ベルトを操作してムチムチッ💕と怪人態へ再度変身した。
「うふふふっ💕さぁ、みんなでこの夏最後の思い出を作りましょうね💕💕💕私の可愛い子供達💕💕💕」
「ウニャア…💕大首領様の身体、柔らかくて気持ちいいのニャ〜…💕💕」
「キュムッ💕怪人や戦闘員がもっと増えると更に凄いことになりそうだねぇ?今から増やしに行くかい?キュムゥ💕💕」
「わうっ💕ひ、ヒールで踏まれると気持ちいいですぅ…💕もっと、もっとボクの下の方強く踏んでくださいわんっ💕💕」
「ピコピコン…💕濃厚な雌の臭いと大首領様の甘い蜜の臭い…💕オーバーヒートしちゃいそうですコン💕💕」
「ほら、戦闘員ちゃん達もこっちにいらっしゃい💕みんなで濃密な、熱〜い時間を過ごしましょうね💕💕」
「「「チュチューッ💕」」」
こうして裕太をはじめとした怪人達は、蜜で部屋や身体を汚しながら暗くなるまでイチャつくのであった。
なお、結局宿題は終わらず裕太は放課後居残り学習する羽目になったことはまた別の話である。