続・ラーメン屋を営むコワモテで口下手な虎獣人のノンケパパが、時間停止アプリを手にした巨根猪獣人のおっちゃんに掘られた結果…
ワイが時間停止の力を手に入れてから、一週間が過ぎた。
あれからワイは毎日、閉店間際の麺屋キバトラに通い、チャーシュー大盛りラーメンを食べた後に牙虎くんの身体も貪っている。
「今日も来たで。牙虎くん」
「……い、いらっしゃいませ」
ワイはカウンター席に座り、すぐに時間停止アプリを起動した。
これは、ラーメンを注文する前から牙虎くんの身体を貪ろうと思っているワケではあらへん。ただ、確かめたい事があるだけや。
ワイは、調理場の前で動きを止めた牙虎くんのズボンに手をかけて一気に引き摺り下ろした。
「思った通りやな」
この一週間、ワイは時間停止中の牙虎くんの尻を毎日犯した。そして犯した後に時間停止を解除すると、彼は毎度射精しておった。
ワイが来店した後に、未知の快感に襲われて射精してしまうという事象が牙虎くんの脳に刷り込まれたのは間違いない。そのせいで……
「ワイを見ただけで勃起するようになったようやなあ。牙虎くん」
彼の少し皮を被ったちんぽは、はち切れんばかりに膨らんどった。条件反射ってやつやろな。ワイの調教が順調な証や。
「どれどれ」
ワイは牙虎くんの前で屈んだ後、帆前掛けをペロンとめくる。そして、ギリギリ鼻先が触れんとこまで勃起ちんぽに顔を近づけ、何度も深呼吸した。
「はぁ〜。牙虎くんの蒸れ蒸れちんぽの匂い、やらしすぎるわ」
汗の匂いが漂う子作り済みノンケチンポ。こんなん、やらしすぎて罪や。罰として、後で沢山しゃぶったる。
「でもひとまず、メシが先や」
ワイは牙虎くんの衣服を正した後にカウンター席に座り、時間停止を解除した。
「いつものを頼むで。店長」
「……はい」
牙虎くんがやや前屈みで、調理場に向かう。
勃起してるのをワイに悟られたくないんやろな。バレバレやけど。
ラーメンを食った後に気持ちよくしてやるから、もう少しだけ辛抱するんやで。牙虎くん。
そんな事を考えておったら……
「あっ! イノシシのおじちゃんだー!」
イレギュラー発生や。
店の奥から、めんこい虎獣人の男の子が飛び出してきおった。
「久しぶりやな。虎鉄くん」
[[rb:虎渡虎鉄 > こわたりこてつ]]くん。五歳になったばかりの、牙虎くんの息子や。
まさか、この子が店におったとはな。
「……虎鉄。もう遅い時間だから、奥で寝ていろと言っただろう」
牙虎くんは麺の湯切りをしながら、虎鉄くんに普段よりも優しい声色で話しかけた。
この声を聞いただけで、牙虎くんが虎鉄くんを大事に思っとるのが分かるわ。
「おひるねしたからねむくないもーん!」
虎鉄くんは満面の笑みを浮かべながら、ワイの膝の上にぴょんと飛び乗ってきた。無邪気やなあ。
「ほな、おっちゃんと一緒にワルいことをしよか?」
「ワルいこと? なにするのー!?」
「おっちゃんは今から君のパパが作ったラーメンを頂くんやけど、一人じゃ食べきれんから虎鉄くんにも少しわけたる。一緒に夜食を頂こうや」
「いいの!? 食べる食べるー!」
「おっしゃ。悪の組織、[[rb:夜食貪 > やしょくむさぼ]]り[[rb:隊結成 > たいけっせい]]や。息子さんを悪の道に引きずり込んで悪いなあ、牙虎くん」
「いや、こちらこそ申し訳ない……」
牙虎くんはぺこぺこと頭を下げながら、チャーシュー大盛りラーメンと小さなフォークとレンゲが乗った小皿をワイの前に置いた。
「お代は結構っす。虎鉄と仲良くしてくれて、ありがとうございます」
「いやいや、払うもんはきっちり払わせてもらうで。ワイは店長のラーメンに惚れ込んどるんや。価値があるもんにはしっかりと金を払わんとワイの気が済まん」
「ですが……」
「さあ、虎鉄くん! 麺が伸びない内に食うでー!」
「うん!」
話を強引に打ち切って、ワイは虎鉄くんと一緒に席を移動した。
椅子が高いカウンター席やと虎鉄くんは食べづらいやろうからな。この店には畳の[[rb:座敷 > ざしき]]席があるから、そっちでゆっくりと食おう。
§
「……でねー、今ポコカはこのコンボが強いんだよー!」
「ふむふむ。今はカードゲームがナウなヤングにバカウケなんやなー」
畳の上で[[rb:胡座 > あぐら]]をかいて[[rb:啜 > すす]]るラーメンは、また違った味わいがあってええな。虎鉄くんの話を聞くのも面白くて、時間があっちゅー間に過ぎるわ。
気がつけば、ラーメンの器は[[rb:空 > から]]になっとった。
「號さん。その、これを……」
ワイがラーメンを食べ終えたタイミングで、牙虎くんが[[rb:座卓 > ざたく]]の上に何かを置いた。
ワイと虎鉄くんの前に置かれたのは、小さな透明の器。その中には、白くてぷるぷるした物体が入っとった。
「これは……[[rb:杏仁豆腐 > きょうにんどうふ]]か?」
「……はい。試しに作ってみたものです。試作品なので、今度こそお代はいりませんからね」
「そういう事なら、遠慮なく頂くわ。サンキュな」
ワイは牙虎くんから差し出されたスプーンを受け取った後、杏仁豆腐をすくって口に運んだ。
うん、美味いわ。まろやかな牛乳と杏仁の風味がしっかりと溶け込んどる。
世の中にはアーモンド風味の杏仁豆腐もあるけれど、これはしっかりと[[rb:杏仁 > きょうにん]]──アンズの種の中にある白い実を粉にしたのを使っておるようやな。
まさか、牙虎くんはデザート作りまで上手かったとは。お嫁さんにしたいわ。
「あまくておいしーね!」
「せやな。甘くて、優しい味や」
虎鉄くんも幸せそうな顔で杏仁豆腐を頬張っとるな。癒されるわ。
「虎鉄。ゆっくり食べるんだぞ。喉に詰まらせたら、大変だ」
「はーい!」
ほんま、虎鉄くんはパパに愛されとるなあ。
……牙虎くんは、本当に良いパパや。酒とギャンブルに溺れた末にヤクザの手で海に沈められたワイの親父とは違い過ぎて別の生き物に思えるわ。
「ごっそさん。ほんま、美味かったわ」
「……本当ですか? 嬉しいっす」
空になった器を回収する牙虎くんの尻尾は、ぴこぴこと揺れていた。嬉しいという言葉に偽りは無いようや。尻尾は口ほどに物を言うっちゅーやつやな。
「……ところで店長。ここに虎鉄くんがおるっちゅー事は……」
「はい。虎白……いえ、俺の妻は、今夜友達の家に泊まるようで……」
「そか。ま、奥さんにも息抜きは必要やろうしな」
前に虎鉄くんが閉店間際のこの店におった時も同じ理由やった。
[[rb:虎渡虎白 > こわたりこはく]] ――牙虎くんの嫁さんは、時々友達の家に遊びに行って、その間は牙虎くんが一人で虎鉄くんの面倒を見る。夫婦間でそういう決まりになっておるようや。
「息抜きといえば、[[rb:號 > ごう]]さんは大丈夫ですか? 仕事も忙しそうなのに、最近は毎日この店に来て……」
「気にせんといて。体力だけは無駄に有り余っとるから」
昔から体力だけは[[rb:無尽蔵 > むじんぞう]]。[[rb:完徹 > かんてつ]]も三日くらいまでは平気。それがワイや。
「……確か、農業をされているんですよね」
「平日はそうやな。でも、体力が有り余っとるから週末はちょっとした副業もやっとるで」
「副業?」
「ま、ほぼ趣味みたいなもんや。店長に話すほどのものじゃあらへん」
あ。牙虎くんの尻尾が垂れおった。内緒にされたのがショックやったみたいやな。
でも、今は内緒や。ほら、秘密がある男ってかっこええやろ?
§
「うおっ、もうこんな時間やな」
ラーメンと杏仁豆腐を平らげた後、ワイはしばし虎鉄くんと会話を楽しんだ。そして気がつくと時刻は二十三時半。麺屋キバトラの閉店時間はとっくに過ぎておった。
虎鉄くんと話すのが楽しかったから居座り過ぎたわ。
「……號さん。今日は虎鉄と遊んでくれて、本当にありがとうございました」
「ありがとー!」
台拭きで座卓を拭きながら礼を言った牙虎くんに釣られて、虎鉄くんもワイに礼を言ってきた。ほんま、良い親子やなあ。
「こっちこそ、楽しかったで。ありがとな」
そして、ごめんな。
「結局のところ、クズから生まれたワイもクズなんよ」
時間停止アプリを起動した後で、ワイは呟く。
ワイの親父は欲望のままに生き、破滅した。そして今、ワイも欲望のままに生きている。
この先に破滅が待っているとしても、構わんわ。ワイはどこまでも堕ちて、牙虎くんを堕とす。絶対にな。
「ははっ、前々から思っとったんや。息子の目の前でノンケパパを犯したら、最高にアガるはずやってな」
座卓に手をついたまま動かなくなった牙虎くんのズボンとパンツ、そして帆前掛けを一気に剥ぎ取る。
「いけないパパさんやなあ。息子の前でちんぽを硬くするなんてけしからんわ」
――なあ、牙虎くん。ワイが近くにおるだけで、勃起してしまうようになったんやろ? もう君の欲望を満たしてあげられるのはワイだけや。奥さんではもう君の欲は満たされへん。
君の欲を満たせるのは、ワイだけ。ワイの欲を満たせるのも、君だけなんや――
「虎鉄くん、見えるか? 君はここから生まれたんやで」
ワイは牙虎くんの身体を抱え上げ、大きく開脚させた状態――いわゆるM字開脚の姿勢を取らせて頑丈な座卓の上に乗せた。
子供の[[rb:無垢 > むく]]な瞳の前に、父親の硬くなった[[rb:一物 > いちもつ]]が晒される。その硬くなった一物に、ワイは顔を近付けて……
「んっ、甘いもんを食べた後のちんぽの味は格別やな」
包皮に舌を捩じ込んでカリ首を舐めると、塩気を感じた。これは牙虎くんの汗、そして我慢汁の味や。
「はふっ、じゅる、ん……っ」
息子の前でしゃぶるパパのちんぽは、背徳の味やなあ。あかん事だと頭では理解しているのに、体は止まらへん。
「ぷはあっ。まだ、パパのミルクを[[rb:直飲 > じかの]]みできんのが残念やな」
時間停止中にいくらしゃぶっても、射精せえへんからな。
「気を取り直して、たまにはこっちも弄ったるか」
ぴっちりと身体に張り付く黒のTシャツに浮き出た牙虎くんの左右の乳首を、強く[[rb:摘 > つま]]む。すると、指先にコリっとした感触が伝わった。
「おやあ? 硬くしてるのはちんぽだけじゃなかったようやな」
ぴん、と立った乳頭をくりくりと弄る。恐らく、牙虎くんはここも性感帯やろ。だとすれば、アナルで感じて乳首も感じるやらしいパパさんやな。
ああ、時間停止を解除した時の牙虎くんの反応が楽しみやわ。
「……さて、ちんぽと乳首を堪能した後はメインディッシュを頂かんとな」
最近、常に持ち歩いている透明で小さな容器。ワイはそれをポケットから取り出した。
この容器の中に入っているのはローション。セックスをスムーズに行うための[[rb:必需品 > ひつじゅひん]]やな。
「またアナルをじっくり舐め解すのも悪く無いけど、今は即ハメしたい気分や。一気にぶち込むから覚悟してな? 牙虎くん」
バキバキになったワイ自身のちんぽ。そこにローションをたっぷりと垂らして、馴染ませる。
「どっこいしょ」
ワイも座卓に乗って、牙虎くんの身体を抱き抱えた。
この座卓、頑丈そうやしワイらが乗っても大丈夫やろ。これから激しくセックスしても耐えられるはずや。
「そんじゃ、虎鉄くん。保健の時間や。今から、子作りの方法を見せたるからな」
無垢な瞳の前で、牙虎くんを抱えたまま彼の尻穴にちんぽの先端を宛てがう。
「オラッ! 君のパパがママになるとこをよおく見るんや!」
ワイが腕の力を緩めると、重力に従って牙虎くんの身体はすとんと落ち、開発済みアナルにバキバキのちんぽが深々と突き刺さった。
「あ〜、ワイのちんぽの形に馴染んだ専用まんこ最高やわ〜」
牙虎くんの腰を掴み、上下に動かす。その動きに連動して牙虎くんの勃起ちんぽはぶるんぶるんと揺れ、ワイの唾液まじりの我慢汁を飛ばして座卓を汚した。
「なあ、牙虎くん。今、君は大事な大事な虎鉄くんの前でがっつりオナホみたいに扱われてるんやで? 父親の威厳を守るために抵抗しないでええんか?」
牙虎くんは、動かない。まあ、時間停止中だから当然やな。
……もし、この状況で時間停止を解除したらどうなるんやろ。
きっと、牙虎くんはワイのちんぽで直腸をごりごり抉られた状態で、勃起ちんぽを揺らしながら子種を撒き散らす。そして、それが虎鉄くんの身体に降り注ぐ。その時、この親子はどんな顔をするんやろ。
「……そんな事はせえへんけどな」
ここで全てを明らかにして破滅するのも悪くないと一瞬思った。けれど、ギリギリで踏みとどまる。
ここで破滅するのは勿体ないわ。だって、牙虎くんはもうすぐ堕ちて身も心もワイのものになるんやから。確実にな。
「堕ちたら、時間停止なしで毎日ハメハメしような? 牙虎くん」
ぐちゅ、ぬちゅ、ずぷ――
牙虎くんの身体を上下に動かす度に、結合部からやらしい音が鳴り響く。それはまるで、牙虎くんがワイのちんぽに堕とされていくまでのカウントダウンのようやと思った。
……カウントダウンを早めたい。そんな気持ちを抱きつつ、ワイは牙虎くんの身体をさらに激しく上下に動かした。
「ぐるるるる……っ!」
無意識に、唸り声が漏れる。
君が悪いんやで、牙虎くん。君が可愛くて、優しくて、やらしいせいで、ワイはただのケダモノに堕ちてしもうた。
ワイは君が欲しい。
ワイのちんぽを包んで離さない君のケツマンコが、欲しい。ワイを見ただけで勃起してしまうようになった君のちんぽが、欲しい。
――君が虎鉄くんに向けるような愛情が、欲しい。
その全てを、今すぐワイのものにしたい!
そんな欲望と願いを込めて牙虎くんの身体を強く突き上げた瞬間、ワイの射精欲は頂点に達した。
「イくで、牙虎くん! 虎鉄くんの目の前で、たっぷり赤ちゃんの素を注いだるからな! 孕めッ!」
――ぶぴゅっ! びゅるるるるっ!!
ワイは牙虎くんの身体をきつく抱きしめた状態で、限界を迎えた。
ああ。大量のどろどろとした子種が[[rb:輸精管 > ゆせいかん]]を通って、牙虎くんの腹の中に放たれていっとるのが感覚的に分かるわ。
「最後の一滴まで、飲み干してな……っ!」
放った子種を腸壁に塗りたくるように、ぐりぐりと腰を回して最後の一滴まで注ぎ込む。
妊娠すればええのに。そんなバカな事を考えながら。
§
「こんなもんやろ」
ちんぽを引き抜いた時に牙虎くんのアナルからごぼりと溢れ出た子種は拭き取ったし、衣服も正した。時間停止をする前のように、机を拭く姿勢も取らせる事ができた。
これなら、時間停止を解除しても問題なさそうや。
「そういや、ここ数日は時間停止を解除した後、君は歯を食いしばって座り込むのを[[rb:堪 > こら]]えとったな。射精したのも隠そうとしておった」
きっと、ワイに迷惑をかけたくないと思ったんやろな。健気やなあ。
「でも、今日は特に激しく攻め立てたからな。きっと、耐えられへん」
だから、気兼ねなく座り込んでええよ。
時間停止、解除や。
「うあっ……? あっ、う、ぐおおおおぉぉっ!?」
牙虎くんが全身をガクガクと震わせながら、座卓に突っ伏す。
「どうしたの!? とーちゃん!」
「ちか、づくなっ……! 父ちゃんは、大丈夫、だから……っ!」
心配して牙虎くんに駆け寄ろうとした虎鉄くんの手を、ワイは握って止めた。
白いおしっこをお漏らしするところは、虎鉄くんには見られたくないやろうからな。せめてもの情けや。
「虎鉄くん。一旦、奥の部屋に行ってくれんか?」
「え? でも……」
「っく……! 虎鉄、號さんの言う通りに、するんだ……っ!」
「う、うん……」
虎鉄くんは、店の奥――恐らくは牙虎くんの更衣室と休憩所を兼ねた部屋へと向かった。困惑している様子やったけど、当然やな。それでも素直にワイらの言う事を聞いてくれるんやから、やっぱあの子は良い子や。
「……大丈夫か、牙虎くん。立てるか?」
「すみ、ません……。俺、また迷惑を、かけて……っ」
「ええんや。気にせず、迷惑をかけてくれ。頼られた方が、ワイも嬉しいからな」
こんな言葉を口にできるなんて、我ながら恐ろしいわ。迷惑をかけているのはワイの方なのにな。
「……牙虎くん。その様子やと、腰が抜けて立てへんようやな」
「……はい」
「なら、ワイがおぶって家まで送るわ。確か、牙虎くんの家はこの店から近いんやろ?」
「そんな事を、號さんにさせる訳には……」
「言ったやろ。体力は有り余っとるって。君と虎鉄くんをおぶって歩くくらい余裕や」
牙虎くんはやっぱりワイに迷惑をかけたくないと思っているようで、中々首を縦に振らない。もう少し、押しを強くする必要がありそうやな。
「君たちを放って帰ったら気になって眠れそうにないわ〜。明日は睡眠不足でぶっ倒れるかもしれん〜。困ったわ〜」
「……すみません。お言葉に甘えます」
よっしゃ。作戦勝ちや。
「そうと決まれば、帰るで。虎鉄くんと一緒にな」
いやあ、良かった。牙虎くんが腰を抜かしてくれて。そのおかげで、確定したわ。
――今夜、彼が堕ちる事が。
[newpage]
[chapter:牙虎視点]
ここ一週間、身体が変だ。
ここ一週間は毎日、店を閉める直前にお客さん――號さんが来店している。そして彼がラーメンを注文し、食べ終えた頃、いつも俺の身体に異変が生じてしまう。
股間周りを、まさぐられるような感覚。尻に太い何かを入れられて激しく[[rb:擦 > こす]]られるような感覚。腹の中に熱い液体を大量に注がれるような感覚。それらが一気に襲いかかったように錯覚し、俺は無様に射精してしまうんだ。
俺は、どうしてしまったのだろうか。
異変が生じるのはいつも、號さんが来店した後だ。まさか、彼が俺に何かをしているのか?
……いや、彼を疑うのは良くないな。身体に異変が生じる前に、彼は俺に指一本触れていない。
きっと、俺が悪いんだ。体調管理ができていない俺が。
§
「今日も来たで。牙虎くん」
「……い、いらっしゃいませ」
閉店間際。今日も號さんは来店した。相変わらず、彼は人の良さそうな笑みを浮かべている。こんな人が、俺に害を与えるなんて思えない。少しでも疑った自分が恥ずかしいな。
……何でだ。何故、俺は號さんを見ただけで生殖器を硬くしてしまうんだ。興奮、しているのか? 彼を見ただけで……。
彼がラーメンを食べ終えた後、またあの異変が生じるのだろうか。体内を、めちゃくちゃにされてしまうようなあの感覚が、襲いかかるのだろうか。
「いつものを頼むで。店長」
「……はい」
一瞬、俺の股間に生暖かい風が当たったような気がした。これは、異変が生じる前兆だろうか。
今日だけは、何も起きてほしくない。店の奥に虎鉄が居るんだ。虎鉄の前で、無様な姿を晒すのだけは避けたい。
「あっ! イノシシのおじちゃんだー!」
何というタイミングだ。虎鉄の事を考えていたら、店の奥から虎鉄が飛び出してきた。
「久しぶりやな。虎鉄くん」
虎鉄の姿を見た號さんが、穏やかな声で挨拶をした。
「……虎鉄。もう遅い時間だから、奥で寝ていろと言っただろう」
店の奥には休憩所がある。そこに置いてある虎鉄布団の上でこの子は寝ていたはずだ。
「おひるねしたからねむくないもーん!」
虎鉄は笑みを浮かべながら、號さんの膝の上にぴょんと飛び乗った。
たった一度しか会っていないのに、この子は號さんにすっかり懐いているようだ。
「ほな、おっちゃんと一緒にワルいことをしよか?」
「ワルいこと? なにするのー!?」
「おっちゃんは今から君のパパが作ったラーメンを頂くんやけど、一人じゃ食べきれんから虎鉄くんにも少しわけたる。一緒に夜食を頂こうや」
「いいの!? 食べる食べるー!」
夜食か。夜遅い時間に食事を摂取すると、エネルギーが消費されにくい。肥満の原因になるし、確かに悪い事だ。
……だが、たまには良いだろう。虎鉄と號さんの笑顔を見たら、ダメだと言えない。
「おっしゃ。悪の組織、[[rb:夜食貪 > やしょくむさぼ]]り[[rb:隊結成 > たいけっせい]]や。息子さんを悪の道に引きずり込んで悪いなあ、牙虎くん」
「いや、こちらこそ申し訳ない……」
俺は、作り上げたばかりのチャーシュー大盛りラーメンに、虎鉄用のフォークとレンゲに小皿を添えて號さんに提供した。
「お代は結構っす。虎鉄と仲良くしてくれて、ありがとうございます」
俺の身体に異変が生じた後、號さんはいつも俺を気遣ってくれる。そのお礼もしたい。
「いやいや、払うもんはきっちり払わせてもらうで。ワイは店長のラーメンに惚れ込んどるんや。価値があるもんにはしっかりと金を払わんとワイの気が済まん」
「ですが……」
「さあ、虎鉄くん! 麺が伸びない内に食うでー!」
「うん!」
強引に話を打ち切られてしまった。
……何か、無いだろうか。少しでも彼に恩を返す方法は。
§
「號さん。その、これを……」
號さんかラーメンを食べ終えたのを見計らって、俺はデザートを提供した。勿論、虎鉄の分も。
「これは……[[rb:杏仁豆腐 > きょうにんどうふ]]か?」
「……はい。試しに作ってみたものです。試作品なので、今度こそお代はいりませんからね」
この店によく来るお客さんから、[[rb:甘味 > かんみ]]を提供してはどうかという声を度々頂いていた。
ラーメン屋で提供しても違和感がないデザートは何か。それを考えた結果、杏仁豆腐はどうだろうかと思い、最近の俺はひたすらに杏仁豆腐を作って練習していた。
試作品の提供という形なら、彼もお代を払うとは言わないだろう。
「そういう事なら、遠慮なく頂くわ。サンキュな」
そう言ってくれて良かった。あとは、彼らの口に合えば良いのだが……。
「あまくておいしーね!」
「せやな。甘くて、優しい味や」
喜んでくれるかどうか不安だったが、二人とも笑顔で食べてくれた。一安心だ。
§
「ごっそさん。ほんま、美味かったわ」
「……本当ですか? 嬉しいっす」
美味しいという言葉は、何よりも嬉しい。喜んでもらえて、本当に良かった。
「……ところで店長。ここに虎鉄くんがおるっちゅー事は……」
「はい。[[rb:虎白 > こはく]]……いえ、俺の妻は、今夜友達の家に泊まるようで……」
「そか。ま、奥さんにも息抜きは必要やろうしな」
普段、俺はこの店で働きっぱなしだから虎白ばかりに虎鉄の世話をさせてしまっている。號さんが言うように、たまには家庭から離れて息抜きする時間も必要だろう。
俺としても、もっと虎鉄と過ごす時間が欲しいしな。たまには父親らしい事をしなければ。
「息抜きといえば、號さんは大丈夫ですか? 仕事も忙しそうなのに、最近は毎日この店に来て……」
「気にせんといて。体力だけは無駄に有り余っとるから」
「……確か、農業をされているんですよね」
「平日はそうやな。でも、体力が有り余っとるから週末はちょっとした副業もやっとるで」
「副業?」
そんなに働いて大丈夫なのだろうか。確かに彼は頑強そうな見た目をしているが、働きすぎて倒れないか心配だ。
一体、どんな副業をしているのだろう。気になる。
「ま、ほぼ趣味みたいなもんや。店長に話すほどのものじゃあらへん」
秘密にされてしまった。
……何故だろう。彼に隠し事をされるのは、嫌だ。どうして俺はこんなに彼の事が気になるのだろう。
§
「うおっ、もうこんな時間やな」
時計を見ると、二十三時半を過ぎていた。閉店時間はとっくに過ぎている。それなのに、號さんは元気いっぱいの虎鉄に付き合ってくれた。感謝しないと。
「……號さん。今日は虎鉄と遊んでくれて、本当にありがとうございました」
「ありがとー!」
「こっちこそ、楽しかったで。ありがとな」
虎鉄も名残惜しそうだが、今日のところは號さんとさよならだ。帰ったら、虎鉄を寝かしつけないとな。
……くそっ。こんな時に、どうして俺の股間は硬くなっているんだ。號さんの近くに居るだけで、こうなってしまう。俺の身体はどうなっているんだ。
「うあっ……? あっ、う、ぐおおおおぉぉっ!?」
嘘だ。まさか、こんなタイミングで……!?
全身が、熱い。
硬くなった[[rb:一物 > いちもつ]]が温かいものに包まれて、激しく吸引されたような感覚。胸の突起を激しく摘まれて、刺激されたような感覚。そして、尻に太くて長いものを入れられて激しく出し入れされた後に、大量の液体を腹に流し込まれたかのような感覚。
それらが、一気に俺の身体を襲った。
ダメだ。虎鉄の前で、見苦しい姿を見せたくない。なのに、どうしてだ。どうして俺は、情けない声を出しながら射精しているんだ……!
「どうしたの!? とーちゃん!」
「ちか、づくなっ……! 父ちゃんは、大丈夫、だから……っ!」
頼むから来ないでくれ。虎鉄には見られたくない……! 座り込みながら、情けなく[[rb:吐精 > とせい]]してしまう俺の姿なんかを……!
「虎鉄くん。一旦、奥の部屋に行ってくれんか?」
「え? でも……」
気を利かせた號さんが虎鉄を止めてくれたようだ。
……彼がこの場に居てくれて、良かった。
「っく……! 虎鉄、號さんの言う通りに、するんだ……っ!」
「う、うん……」
虎鉄は、店の奥へと走っていった。
……ひとまず、助かったと思って良いのだろうか。
「……大丈夫か、牙虎くん。立てるか?」
「すみ、ません……。俺、また迷惑を、かけて……っ」
「ええんや。気にせず、迷惑をかけてくれ。頼られた方が、ワイも嬉しいからな」
どう考えても、號さんに気を遣わせてしまっている。気遣ってくれるのは嬉しいが、より自分が[[rb:惨 > みじ]]めに思えてしまう。何で、俺の身体はこんな風になってしまったのだろう。
「……牙虎くん。その様子やと、腰が抜けて立てへんようやな」
「……はい」
立たなければ。そう思うのに、足に力が入らない。
「なら、ワイがおぶって家まで送るわ。確か、牙虎くんの家はこの店から近いんやろ?」
「そんな事を、號さんにさせる訳には……」
「言ったやろ。体力は有り余っとるって。君と虎鉄くんをおぶって歩くくらい余裕や」
これ以上、彼に迷惑はかけたくない。
「君たちを放って帰ったら気になって眠れそうにないわ〜。明日は睡眠不足でぶっ倒れるかもしれん〜。困ったわ〜」
「……すみません。お言葉に甘えます」
迷惑はかけたくないが、今の俺にできる事はない。虎鉄のためにも、號さんに頼らなければ。
「そうと決まれば、帰るで。虎鉄くんと一緒にな」
「……よろしく、お願いします」
――何故だろう。今の俺にとって、この選択は最良だったはずだ。それなのに、何故こんなに胸騒ぎがする?
してはいけない選択をしてしまって、もう引き返せない。そんな、嫌な予感がした。
【続く】