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【ハロウィン小説企画】Halloween Panic【FANBOX試し読み】
※試し読みでは一部の文を変更しています
「ハロウィンパーティーに出ようぜ!」
森野浩樹は、クラスメイトの人吉卓郎にそう言った。体と椅子が倒れる音がした。
「いった……急になんだよ浩樹」
退屈な授業から開放された気の緩みからの思いがけぬ鶴の一声に、卓郎の体はうっかり後ろに仰け反ってしまっていた。
「大丈夫か!? ごめん人吉!」
倒れた卓郎に浩樹も続いて驚く。無意識に抱き起こした卓郎に「大丈夫だよ、一人で立てるから……」と掴んだ手を離して立ち上がる。その様子になにやら言いたげな浩樹だったが、些細なことなので胸に仕舞うことにした。
「で、ハロウィンパーティーの話だけど?」
席につき直した卓郎が話をはじめる。まあ、話を持ちかけたのは浩樹の方なのだが。浩樹はこほん、とひとつ咳払いをすると自分の目的を話しはじめた……
「ほら、この町毎年そこそこ大きいハロウィンパーティーやってんじゃん? 俺、今年こそはそこに仮装して出てみたいと思ってんだよねー」
(まあ、そんなことだろうと思った)
卓郎はそう思った。
たしかに、この町では毎年自由参加のハロウィンパーティーをやっているが、参加者は大体子供。よくてコスプレ好きの学生や衣装製作サークルなどが主である。高校生にもなって仮装パーティーもなぁ。と心では思っていた。
「でも、もう僕達も高校生なわけでしょ? いまさら仮装なんて恥ずかしくない?」
「そりゃ少しは恥ずかしいよ……」
「じゃあ、何で……」
「俺が小さい頃住んでたとこ、そんなお祭りに縁がなかったっていうか……強いて言えば憧れみたいなものかな……」
卓郎は、浩樹がこの地方の生まれでないとは知らなかったので、もう少し考えるべきだったと後悔した。
ただ、そんな卓郎を見て、(浩樹、そんなこと一言も言ってないんだもんな……)とも、そう思った。
確かに、卓郎が浩樹と知り合ったのは中学2年生の頃だったが、ここへ転校してきたなどということは一切話題にはなかったことだった。
(ま、浩樹にも言いたくないことはあるよな……しかし浩樹にそんな憧れがあったなんて思わなかった)
結果、卓郎はハロウィンパーティーに浩樹と参加することを決めた。自分も参加したのは小学生以来で、少し抵抗はあったが、友達のためだと我慢することにした。
「まあ、いいんじゃない? ちょうどその日予定ないし、僕も参加しようかな」
「ホントか!? やったぜー!」
浩樹は無邪気な子供のように歓喜の声をあげる。その喜びようを見て卓郎は頬を緩ませ失笑した。たまにはこういうことがあってもいいか、とも思えた。
「で、衣装は何にするの? もう10月まで時間ないよ。準備するならもっと早くないと……」
「それは今から決める!」
「浩樹らしいね……」
こうして、二人はハロウィンパーティーに参加するため、準備をはじめたのだった……
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
10月31日、ハロウィン当日――
21時48分、高上町大通り。
そこは怪物が闊歩する所となっていた。
怪物、といってもそれに扮した人間達なのだが。
「トリック・オア・トリート!」
そんな声が町中に響き渡る。
供物であるお菓子を渡し渡される、モンスター達の宴が、一夜だけの祭りが今年も執り行われているのだった。
「楽しいな! 人吉!」
吸血鬼に扮した森野浩樹がいっぱいに詰め込まれたお菓子の籠を携え満面の笑みを浮かべている。夢にまで見たパーティーを体験できたのが嬉しかったのか、浩樹は子供のように喜んでいた。
「まあね、久しぶりだけどまあ気分転換にはなったかな」
片や狼男に扮した人吉卓郎がお菓子の籠を漁りながらそう呟く。なんだかんだ、卓郎もこのパーティーを楽しんでいた。
(良かった。浩樹、喜んでる。子供っぽいって思ってたけど結構参加してみると悪くないな……)
足早に道を踏みしめる浩樹の後ろでそんなことを考えながら次のルートを計算する卓郎。
しかし卓郎は気がつかなかった。気づいていなかった。
「おい、早く! 次の家行こうぜ!」
浩樹の声が遠くなっている。
おーい、おーいと卓郎を呼ぶ声がするが卓郎は気づかない。
いつしか浩樹の声は聞こえなくなっていた。
「あれっ、浩樹? どこ行った?」
時計の針はすでに22時を指そうとしていた。町を歩く有象無象の波に卓郎は呑み込まれていく。
しかし、その有象無象の中に、人知れぬ闇が紛れ込んでいたのは、卓郎は愚か、この中の誰も気づきはしなかった――
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「あれっ?」
森野浩樹は気がついた。
いつのまにか、友人である人吉卓郎の姿がないことに。
それどころか、さっきまで障害物のごとく闊歩していた人間達が人っ子ひとり見当たらないことに。
「どこだここ? 何で誰もいないんだ? 道外れちゃったのか?」
浩樹は辺りを見回すが、やはりそこには人の気配はない。
「やべ、一度戻るか」
踵を返し、先程歩いてきた道を歩き直す浩樹。
そんな彼の後ろに一つの影がうごめいた。
大きく、黒く、毛むくじゃらの。
人ならざる影が。
「うっ!?」
ドン。
背後から強い衝撃を感じたと思うと、間髪入れず火花のような衝撃と顔面を伝わる鈍い痛みが浩樹を襲った。
倒れたのだ。しかし、転げたわけではない。後ろから、何者かに伸し掛られた。しかも体重をかけて、コンクリートに縛り付けるかのように。
「痛ってぇ……なっ、なんだ!?」
「この日はいい日だ。ヒト共が闇を避けるため烏滸がましくも我々の振りをする。だがそのお陰で我々が闇から顕れることができる……素晴らしい日だ」
浩樹は下半身に暖かく柔らかな感触がするのに気がついた。顔を流れる生暖かい風も。その風は血生臭かった。
地面に押さえつけられ背後を確認することはできない。しかし、間違いなく大人一人ほどの“何か”が自分の上に乗っているのは分かった。
それが余計に物言えぬ恐怖を駆り立てた。
「さぁて、今年はどれだけ集まるかな……っ!?」
「あがっ……!!?」
浩樹は、首筋に鋭い痛みを感じ悶絶した。この世のものとは思えないその痛みと感触は針のようでもあったが、より太くより鈍かった。
布を引き裂かれる音がする。浩樹の着ていたスーツが物凄い力により布切れにされた音だった。浩樹はなすすべもなく衣服を取り払われていく……
「やめろ……やめてっ、くれ……ひっ!?」
ズル、ズルという不気味な音がする。浩樹はこれは一体何の音だと思ったが、自分の体から大切な何かが奪われていくことで、それが何なのかを否が応でも理解させられることとなった。
奪われているのは、血。自らの体に流れる鮮血だった。
浩樹はこいつに、人ならざる悍ましき何かに、身体中の血を吸われているのだ。
自らの体の大事なものを失い死に近づく感覚。その感覚は浩樹を恐怖に陥れた。俺はこの姿すらわからない何かに殺されてしまうのか。浩樹の頭の中にそんな思考が駆け巡った。
[newpage]
寝そべる浩樹の体を抱き起こすと、――は茫然自失である浩樹の陰部を弄り出す。指で毛だらけの草叢に刺激を与える。と、勢いよく赤黒い肉棒が飛び出た。
それは粘液に塗れ血管を張り巡らせていた。指で弾くたびにビクンビクンと粘液を飛ばしながら小刻みに震えている。
「そうかそうか、そんなに溜め込んでいたか。お前は旺盛だが我慢も相当してきていたようだな。でもそんな奴ほど俺らにとっては好都合なんだよ……」
――は長い舌で浩樹の肉棒を軽く舐める。激しく震えたそれは大量の先走り汁を噴射させる。しかし肝心のものは一滴たりとも発射されなかった。根元を手で押さえ意図的に出ないようにしていたのだった。
「こんだけでイキかけるたぁ、感度も悪くないみたいだな。なら、もう始めるか……」
――は浩樹を仰向けに寝かすと、自らの尻を浩樹に向かって突き出す。そのままアナルを拡げ、天高く突き立っている浩樹の肉棒目掛けて突っ込んだ。
「んんっ!」
腸を刺激することで生まれた快感に――は甘い声を出す。仲間との度重なる性行為で拡張された彼のアナルは浩樹の肉棒をしっかりと咥え込む。彼にとっては最早朝飯前といっていいほどの技だった。
「あっ!」
肉棒を刺激する未知の感覚に触発され浩樹は手放した意識を覚醒させる。しかしその意識も快楽に呑み込まれようとしていた。
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