僕の姫始め

  「なぁ、今年最初のエッチはもうやったか?」

  ここは竜の里。

  竜の里とは名ばかりで住んでいるのは竜族だけではなく、獣族なども移住してきて多種族が住まう里。

  その里にある広場の片隅で僕らは輪を作って談笑していた。

  その輪にいるポケモンは僕、キバゴと……同じ竜の里出身のタツベイ、外から来た リオルくん と ゾロアくん の4人。みんな友達でよくこうして集まっては遊んでいる。

  輪の中心となって第一声を発したのはゾロアくんだった。

  それに続いてタツベイが話し出す。

  「オイラはまだかな……でも、今週中にはやってくれるって、言ってくれたんだ」

  嬉しそうな顔でタツベイは予定があることを告げた。

  次にゾロアくんはリオルくんに話を振る。

  「リオルは……もうしたよな?モテるんだし」

  「まぁ…………一応」

  リオルくんもしたんだ……。僕は自分だけがまだしていなく、予定も無くて焦燥感に駆られる。

  でも……僕は女の子を前にすると…………

  「キバゴは…………その性格じゃ……まだだろ?」

  うっ…………性格が知れ渡っているせいで決めつけられている。

  僕は女の子を前にすると口数も少なくなり、動きもぎこちなくなって…………まともに会話すら出来なくなってしまう。

  女の子に対してだけ極度な恥ずかしがり屋……といったところだ。

  この性格を直さない限り、女の子とするなんて……多分、一生無理なのかな。

  新年、という事もありみんな忙しいのか家の用事で帰って行った。

  僕も解散したあと帰路へ着いていた。

  溜息を1つ、2つ吐きながら。

  すると後ろから聞き慣れた声が聞こえる。

  「キバゴ〜!」

  見覚えのある友達が走ってきている。リオルくんだ。

  「リオルくん……?どうしたの?」

  「えへへ、一緒に帰ろうかなって思って……」

  リオルくんは笑顔を作って僕に話しかける。

  ただ、一緒に帰ろう というだけじゃない気がする。

  リオルくんの顔を見て僕はそう思った。

  「みんな、凄いよね。もう……パートナー見付けて。リオルくんだって…………」

  「……そのこと……なんだけど」

  なんだろう……何やらリオルくんは含みのある言い方をしている。

  「ぼく、実はまだ……やってないんだ。…………好きな人、いるけど……まだ想いも伝えられてなくて」

  好きな人?リオルくんにそんな人、いたんだ……。誰なんだろう?

  僕より先に行くリオルくんに少しショックを受けつつ、リオルくんが言う『好きな人』に興味も湧いてきた。

  好奇心には勝てず、僕は尋ねてみる。

  「リオルくんの好きな人って……?」

  僕がそう聞くとリオルくんは優しく微笑み、僕の顔を見てくる。

  なんだろう……なんだか、嫌な予感も……

  「キバゴ……ぼく、今から変なこと……言うかもしれないけど、聞いてくれる?」

  僕は小さく頷く。

  神妙な面持ちでリオルくんは言ってくる。

  僕は唾を1つ飲み込んでリオルくんの言葉に耳を傾ける。

  「ぼく……初めて会った時から「こんな子がいるんだ」って思って……それからは毎日、会うのが楽しみだったから……」

  リオルくんは急に僕の両肩を掴んで、真剣な眼差しで僕を見つめてくる。

  こんなリオルくんは……見た事がないかも。

  「キバゴ…………ぼく、キバゴが好きだ」

  「……は……はあぁ⤴︎︎︎??」

  唐突すぎる告白で僕は間の抜けた声を上げてしまう。

  少し予感はしていた。でもいざ目の当たりにすると……

  「冗談……だよね?男同士で……友達で…………」

  「冗談なんかじゃない。ぼくは本気で………その証拠、見せてあげる」

  リオルくんはそう言うと僕の顔に顔を近付けてくる。

  そして僕の口元に口を重ねてきた。

  突然リオルくんの顔が近くに見えて驚いたけど、そのキスは優しくて……力も思考も何もかもが無くなっていくような……そんな感覚。

  キスは秒も掛からずに終わり、リオルくんが口を離すと再び僕らは顔を見合わせる。

  「いきなり……ごめん。でも、ぼく……本気だから」

  「……僕、キスなんて……初めてだから…………こんな時どうすればいいのか……」

  僕は口を抑えて俯き、戸惑っていた。

  リオルくんに……キス……された…………

  その事で頭がいっぱいだった。

  「男同士で……変だとは思うけどでも……ぼく、キバゴと…………キバゴと、エッチ、したい!」

  いきなりの告白で僕の思考回路はプツリと停止した。

  知らずに頷いており、話が先へと進んでしまっていた。

  「ここじゃ人目に付くかもだから…………少し移動しよっか」

  リオルくんは僕の手を引き、何処かへと歩いていく。

  どこへ連れていかれるんだろう?僕は胸を高鳴らせながら足を動かした。

  「ここなら……大丈夫かな」

  リオルくんが連れてきた場所、そこは昔僕達4人が秘密基地と言って作った場所。

  けもの道の途中の草を踏み付けて折り、丸く広場にしている。

  昔置いたガラクタが辺りにまだ散らばっていて懐かしい。

  この状況を見るに、他の人は入ってきていないだろう。

  「ここ、ぼくもたまに来るけど……ずっとこのままの状態だから……きっと誰も来ないよ」

  早速!といった風にリオルくんは僕の顔を見る。

  でも僕はそういう知識が無い。……どうするんだろう。

  「……大丈夫、ぼくがリードするから……力抜いて」

  ……顔色でバレたのかな。

  その言葉で僕は入っていた力を抜いて少しリラックスができた。

  「じゃあまず……痛くない方がいいよね…………ぼくのこれ……舐めてもらおうかな」

  リオルくんは自分の下腹部を指す。

  そこには赤みがかったピンク色の突起部が顔を出していた。

  これを…………舐めるのか……

  少し躊躇いがあるけど、何故だかそれから目が離せない。

  鼻を劈くような悪臭がするが、むしろそれが高揚感を沸き立たせる。

  そして恐る恐る僕はそれを咥えてみる。

  口に含んだ瞬間、リオルくんは震えて変な声を出していた。

  「ん……くっ、キバゴ……ホントに初めて……?……なかなか、上手いよ……」

  気持ちよさそうな声を上げているから続けて大丈夫かな?

  僕はそのままピンクのそれを上から下まで舐めていく。

  次第にリオルくんの息遣いは荒くなっていき、体も震えてきている。

  僕の頭を抱え込んで必死に身を委ねていた。

  「キバゴ……ぼく、そろそろ出るっ」

  掴む手に力が入るとソレから白っぽい液体を噴出させた。

  突然で驚いた僕は液体を口に含んだまま咳き込んでしまった。

  「げほっ、ごほっ……これ……なに……?」

  「あ〜、えっと……それは…………」

  リオルくんは口をもごもごさせる。

  言いにくいことなのかな……?

  「お……男が気持ち良くなったら……出るもの……なんだ」

  少し塩っぱくてネバネバしてる……変な味で変なにおい……

  ねっとりしていて飲みづらいのだけどできる限り飲み込んでみた。

  「ごめんね、気持ち悪かったでしょ?」

  「ん……ちょっとビックリしてヌルヌルするけど……大丈夫」

  「続き……していい……かな」

  僕は頷く。

  苦しい、と思うより先に次は何をするんだろう?という期待感が上回っていた。

  するとリオルくんは両手で僕の両肩を掴み、押し倒してきた。

  僕も気付かなかったけど……僕のモノも見た事ないくらいに大きくなっていた。

  「へぇ……キバゴも、ぼくのを舐めて……期待してたのかな」

  「あ、あまり見ないでよ……恥ずかしい…………」

  あられもない姿を見られている事が恥ずかしく、リオルくんの顔から目を逸らした。

  するとリオルくんの口から「かわいい……」と一言小さく漏れ出ていた。

  「それじゃ…………そろそろいいかな……」

  リオルくんは自分のモノを僕の肛門へと当てる。

  その瞬間、何をするのかすぐに僕は悟った。それと同時に目をギュッと瞑る。

  「キバゴ……力抜いて……」

  そしてリオルくんは少しずつ僕の中へとソレを侵入させてくる。

  入れる度に僕のモノがピクピク反応して……また恥ずかしい……

  「すご……初めて入れたけど…………超気持ちいい……」

  リオルくんは更に奥まで入れていき、最奥部まで到達してきた。

  その時僕の敏感な部分かもしれない所へ当たったようで……

  「あっ……ダメっ…………そこ、はっ!」

  と無意識に声が出てしまう。

  それを聞いたリオルくんはニッと笑みを浮かべる。

  まるで小悪魔のような……いたずらっ子のような笑みを。

  「へぇ……ここがポイントなんだ。……じゃあ、もう1回」

  僕の敏感な部分を覚えたらしいリオルくんはその部分をまた刺激してくる。

  「あぅ……!ま、またそこ……ばっか…………」

  「キバゴ……動く……よ」

  リオルくんは僕を優しく包み込むように背中に手を回して抱き締めると少しずつスピードを上げながら腰を動かしていく。

  その度に敏感な部分に当たって……気持ちいい…………

  「キバゴ、すごいよ……これぇ」

  リオルくんは無我夢中で腰を振り続けている。

  その間僕はただ喘ぐ事しかできなかった。

  次第にリオルくんの動きは早くなっていき激しくなっていき、お互いに絶頂に達した。

  僕の中にすごい勢いでリオルくんの精液が入ってくる。

  僕も同時にイってしまったようで、その精液は僕の顔へと掛かっていた。

  「キバゴ、お尻で……イったんだね。顔にも掛かって…………舐めとってあげる」

  そう言うとリオルくんは徐に僕の顔を舐め始める。

  少しくすぐったくて、リオルくんの匂いがする…………

  粗方舐め終えるとリオルくんは満足そうな笑みで僕の顔を見つめてる。

  「ねぇ、キバゴ……ぼくの、どうだった?気持ち……良かった?」

  「うん、とっても」

  その言葉を聞くとリオルくんは嬉しそうな笑顔をしていた。

  その顔を見ていると僕も嬉しくなるような気がする。

  すると、リオルくんはペタリと座り込み、足を開いている。

  「ぼくだけ入れてるのもなんだから……キバゴも…………ぼくの中に、入れてみない?」

  リオルくんは肛門を強調するように手で軽く開いてみせる。

  僕は固唾を1つ飲み込み、リオルくんに覆い被さるように立ってみる。

  やり方は……さっきリオルくんがしてた事の見様見真似だけど…………

  僕のモノはリオルくんのより小さく、気持ち良くさせられるか不安だけど……その旨をリオルくんに伝えたら「大丈夫」と言ってくれた。

  僕は穴に向けて入れてみるが……外れてしまい上に逸れてしまった。

  「あ……あれ?い、意外と難しい……」

  次も試して見たが、今度は横に逸れてしまう。

  そんな僕の姿を見て面白かったのか、リオルはクスクスと笑っていた。

  僕は気恥ずかしくなり、顔を赤らめながら何度もトライしてみる。

  「キバゴ、焦らないで。手で持って……ゆっくり」

  手で持って、ゆっくり…………僕はリオルくんのアドバイス通りに試してみる。

  すると穴に見事命中し、先端部分を少し挿入できた。

  ほんの少しだけどすごく気持ちいい……これ、もう少し奥へ入れたら……もっと気持ちいいのかな。

  僕はまた少し奥へと入れていく。

  リオルくんの中は温かく、キュッと締め付けてきて更に気持ちいい……

  もっと気持ち良くなりたい そう思いながら無心で入れ続けているといつの間にか僕のモノは全てスッポリと入っていた。

  やはりと言うべきか……全部入れても奥までは届かなかった。

  「いいよ、キバゴ…………そのまま動いて」

  僕が全て挿入しきった事を見越してか、リオルくんからそんな提案があった。

  僕は小さく頷くと少しずつ腰を前後に動かし始める。

  1往復する度に何か言葉にしづらいものが込み上げてくる。

  「リオル、くん……リオルくん……っ!」

  僕はリオルくんの名前を何度も呼びながら無我夢中にピストン運動を続けていた。

  今思えばこの時の僕はただの獣に戻ったかのように……

  リオルくんの喘ぎ声も心地よく感じ、安らいでいられた。

  次第に込み上げるものが大きくなっていく。

  これが……この感覚が…………

  「リオルくん……そろそろ……出そうっ」

  「……ん、いいよ……出して」

  その言葉を合図に僕はリオルくんの中で果てた。

  しかし、その量はリオルくんのものより遥かに少ない。

  これでは最後まで気持ち良くさせられてないような気がして、申し訳ない気持ちになっていた。

  僕の落ち込みようを見てリオルくんは慰めてくれるけど、初めてがこんなのじゃ腑に落ちない。

  もう1回!といきたいけれど、初めてだったからか体力もそれ程無く……疲れて動けなくなってしまっていた。

  肩で息をするようになっていて、足に力が入らなくなっている。

  「ね、キバゴ……気持ち良かった……ね」

  「うん…………とっても」

  それから僕らは暫くの休憩に入っていた。

  このままの状態だと家まで着けそうにもないかも。

  数分後、ある程度呼吸が整ってきた。

  僕らは背中合わせで座り込んで会話をしていた。

  「これで新年の初エッチ、自慢できるね。ただ……ぼくとした事……黙っててほしいんだ」

  「え、どうして?」

  「だって……男同士って…………なんか変だと思うし、それに…………恥ずかしい」

  リオルくんは顔を赤らめているようだった。

  といってもここからでは後ろ姿しか見えないけど耳がほんのり赤く染まっている。

  「…………ん、わかった。それで……あの、リオルくん」

  「それからもう1つ」

  僕の言葉を遮るように声を張り上げてリオルくんは言う。

  「ぼくのこと、呼び捨てで読んで欲しいなって……くん付けだと煩わしいし、できるだけキバゴと近付きたいから……」

  「…………わかった、じゃあ……これからはリオルって呼ぶようにする!」

  慣れるまでには時間が掛かるかもしれないし、つい癖で くん 付けで呼んでしまうかもしれない。

  でもできるだけリオルって呼ぶようにする。僕はそう心に誓った。

  「それで…………キバゴは?何か話があったんじゃ……」

  「あー、まぁ……リオルと同じ……かな。僕も呼び捨てで呼びたいなって……」

  「ふふっ、なにそれ」

  僕の返答を聞いた瞬間、リオルは笑う。

  それにつられて僕も一緒に笑う。

  緊張の枷が外れたかのように、新年初笑い。

  この楽しい時がずっと続きますように。僕はそう思った。

  それから数日後。

  僕ら4人はまた広場に集まっていた。

  話題は…………前回の続きだ。

  この前はみんな忙しくて会話も中断されたからかな。

  みんなが集まったことを確認するとゾロアくんはタツベイに話を切り出す。

  「なぁタツベイ。この前予定があるって言ってたけど……どうだったんだ?」

  「…………すっごく良かった!あんな気持ちいいこと……オイラ初めてだったなぁ」

  タツベイの顔がなんだかキラキラしている。

  それほどだったんだ……

  続いてゾロアくんは僕とリオルに話を振る。

  「なぁ、お前らはもうしたのか?さすがにキバゴは……」

  「一応はした……でいいのかな」

  ゾロアくんの言葉を遮るように僕は言う。

  するとゾロアくんは驚きの表情を浮かべていた。

  ……え、そんなに意外なのかな?

  それより僕は気になっていることをゾロアくんに投げ掛けてみた。

  「ところでゾロアくんは前から他人のことばかり聞いてるけど……ゾロアくん自身はどうだったの?」

  「……っ!も、もちろん、しししてるに決まってるっ!」

  何か動揺してる……?これって、もしかして……

  「もしかして……」

  言いかけた時、リオルが後ろから肩を叩いてきて首を横に振っている。

  「キバゴ、ダメ。それは言わぬが花……てヤツだと思う。きっと」

  言われて僕はハッとして口を塞ぐ。

  確かに見てみるとゾロアくんは落ち込んでしまってる。

  悪いこと……聞いちゃったかな。

  「……今日はもう解散……で、いいよな」

  すごい落ち込みようだ。何か声を掛けたいけど言葉が見つからない。

  気分が沈んだままゾロアくんはその場から去っていく。

  ゾロアくんが見えなくなると、次はタツベイが立ち上がった。

  「じゃ、オイラもそろそろ。この後、彼女とご飯の約束、してるんだ」

  「そっか。じゃ、また」

  僕らは軽く小さめに手を振る。

  そして僕らは2人になり、広場は静まり返る。

  気まずいような、安心するような、不思議な感覚。

  その静寂を先に打ち破ったのはリオルだった。

  「じゃあ……ぼくらも帰ろっか」

  「う、うん……!」

  なぜだろう。なぜか僕はよそよそしく返事をしていて、動きもぎこちない。

  リオルを……あの時の事を意識してるせいなのかな。

  「あはは、そんなに緊張しなくていいよ。……ぼくもね、あの時のこと想像すると恥ずかしくなったり火照ってきたりするけど……でもあの時の事があったからキバゴとこうしてもっと仲良くなれたのだから…………ぼくにとってとても大切な一時だったと思う」

  ……大人だなあ。リオルのしっかりとした言葉を聞いて僕はそう思った。

  そのリオルにつられて「ぼ、僕も……同じだよ」と応えるとリオルは優しそうな笑みを浮かべていた。

  その表情は男の子なのに色気さえ感じさせる。

  「そろそろ、行こっか」

  「そうだ……その前に1つ、いいかな」

  僕のその一言で帰ろうとするリオルを呼び止める。

  「この前からいろいろあり過ぎて……言えなかったこと、今……言うね」

  僕は1つ深呼吸をする。

  ずっと言いたかったこと…………それはもちろん、あの言葉。

  「リオル……今年も、よろしくね」

  「……ぷっ、あははは!何だろうって思ったら、新年の挨拶だったんだ。あはは」

  リオルに笑われた。若干マジメな顔して挨拶したつもりだったのに……ちょっとショック!

  「こちらこそ、よろしく!さ、行こ!」

  リオルは僕に手を差し出してきた。

  その手をぼくは握り、手を繋ぎながら広場から去っていく。

  もう、昔のような関係にはなれないかもしれない。

  でも今はそれ以上の関係になれるような気がする。

  僕はこれから先に何が起こるんだろうという高揚感で気持ちが高ぶっていた。

  まだまだ今年は始まったばかり。

  今年もいい年になりますように。