シュテルンビルトにヒーローズカフェ&ヒーローズバーができた。
カフェ&バーをプロデュースしているのは言わずと知れた、HeroTVで御馴染の敏腕プロデューサー・アニエス・ジュベールだった。
そう。HeroTV視聴率の為ならなんでもやる女・アニエスさんがプロデュースしたお店。当然ながらHeroTVでは流されることのなかったレア映像なんかが店内には流され、ヒーローたちのサービスショットや、ヒーローズカフェのためだけのヒーローたちからのメッセージが店内放送されている。更には歴代のヒーローたちの素顔に近いお宝映像も流れているため、シュテルンビルト市民なら、否、オリエンタルタウンの人間でも一度は行ってみたいカフェ&バー。
当然、レジェンド好きの虎徹も行きたい場所だが、オープンして一週間以上経つが虎徹とて行ったことがない。ヒーローであるのに、他のヒーローたちも誰も行ったことがない。
何故なら、ヒーローカフェ&バーに行くためには高倍率の抽選を勝ち抜き……表現がおかしい気がするが、勝ち抜くという表現がピッタリな抽選に選ばれ、初めてカフェ&バーに行くことができる。一般シュテルンビルト市民は泣く泣く行くことを諦めた者、外見だけで満足して帰ってきたものが後を絶たない。そして、ヒーローたちも例外ではない。
敏腕プロデュース・アニエスがおっしゃるには……
「いいわよ。特別に席を設けてあげても。ちゃんとにサービスしてきてくれるならね」
つまりお仕事。
普通に楽しみたいのに、お仕事がらみ……ヒーローとしてカフェ&バーに行けば、一般シュテルンビルト市民が黙って見守っていてくれるだけのはずがない。いや、シュテルンビルト市民は黙って見守っててくれるかもしれないが、プロデューサー・アニエス様がそれだけで済ますはずがない。
泣く泣く虎徹も、他のヒーローたちも、一般シュテルンビルト市民に混じって抽選に申し込むのだが、シュテルンビルト市民だけではなく、全国からカフェ&バーに申し込まれている現状、当たるはずがない。非常に高倍率である。更に、現在はバーナビーの誕生日祭と称され、特製ケーキが用意され、特製POPや特製コースターが配布され、高倍率が更に跳ね上がっている。だが、POPもコースターもあっと言う間になくなった。
期間中にカフェ&バーに行け、POPやコースターを手に入れた市民はまさに勝ち組!
抽選に漏れたもの、期間中に行けなかった物、期間中に行けるがPOPやコースターの配布に間に合わなかった者……勝ち組がそんな負け組ネクストに襲われる事件が多発しているとかなんとか……当然、アニエスさんの耳に入ったが最後、HeroTVが大々的に取り上げられるため、アニエスさんの前では誰もが口をつぐむ。だから、公式配布のノベルティが少なくとも、アニエスさんの高笑いに泣くしかないのである。これもそれも全てヒーローズカフェ&バー存続の為である。
まぁ、そんな中、運よくバーナビー誕生日用コースターを手に入れた幸運なヒーローもいるわけで……
「お父さん、それ、頂戴っ!」
「やだっ!」
トレーニングセンターで電話越しに言い争う親子が二人……。
「お父さんには本物がいるでしょ! だから、バーナビー誕生日のコースターくらい娘に上げようって気はないの!!」
「絶対にやだっ! これはバニーちゃんからパパが貰ったもんだもんっ! 楓にはまだ早いって」
「早いって何がっ! カフェ&バーの抽選に全然当たらないんだから、コースターくらいいいでしょっ! お父さんには本物のバーナビーが傍にいるんだからっ!」
「残念っ! 今、本物はここにはいません」
「……え?」
「インタビューで別行動中」
「……。お~と~~~さぁぁぁんっ!」
トレーニングセンターで、他のヒーローたちがいるというのに、本気で低レベルの言い争いをする親子。
他のヒーローたちが見て見ぬふり、聞き耳立ててても聞いてないふりをしてくれているのは優しさだろう。
「パパだって、カフェ&バーの抽選外れまくってるんだから、コースターくらい貰いたいじゃん」
「"パパ”なんてきもいっ! それにお父さんには本物がいるのに、何言ってんのよっ!」
「その本物からもらったもんだもん。大切にしなきゃ、な?」
この親子、所詮兎廃なり。
End.
バニ誕コースターが欲しいというのは、管理人の叫びです。
今日、キャラクロ行ってきます……POPは諦めてたけど、コースターは欲しかったorz 間に合わないことわかってましたけど……orz
どなたか……コピーでいいのでください(泣)