[chapter:不思議なプール]
『ピンポーン』
夏の暑い日のこと。インターホンが鳴り、僕、[[rb:天馬 > てんま]]は家の扉を開けた。
天馬「…はい?」
扉の向こうにいたのはさやこさんだった。今回は彼女だけでなく、一組の男女を連れてきている。
さやこ「ヤッホー天馬さん。遊びに来たよ!」
「あなたが天馬さんですね。初めまして、プリンセスさやみです」
「あんたが天馬か。俺はヴィム。ヴィムって呼んでくれ」
さやこさんに続いて、彼女が連れてきた男女がそれぞれ名乗る。
天馬「ようこそ、さやこさん!それからさやみさんにヴィムさん、初めまして!」
ヴィム「ヴィムでいいよ……」
さやこ「ヴィムは、あまり君やさん付け、様付け呼ばれされるの苦手みたいなんだ……」
僕の言葉に男性が応え、さやこさんが説明する。
天馬「そうなんだ…じゃあヴィム、よろしく!」
ヴィム「ああ。……そういえば、ケモヒーローズのみんなは?」
天馬「さやこさんが来たって連絡したら、来るって言ってたよ」
プリさや「あら、そうなんですか……じゃあ、皆さんが来るまで待ちましょう」
ヴィムの問いに僕が応え、さやみさんが言った。
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五分後、ケモヒーローズのみんなが家にやってきた。
真也「天馬さん、さやこさん、久しぶり~!」
ヴィム「[[rb:真也 > しんや]]、久しぶりじゃねーか!あんたらも久しぶり」
ライカ「ああ」
本太「うん!」
真琴「また会えたわね」
愛「久しぶり~!」
僕とさやこさんに挨拶した真也くんにヴィムが言い、彼の言葉に他のケモヒーローズのみんなが応える。
プリさや「あなたが井成さん、ライカさん、[[rb:原堤 > はらつつみ]]さん、[[rb:川井 > かわい]]さん、[[rb:笛莉田 > ふえりだ]]さんですね。初めまして。私はプリンセスさやみです」
真也「おう!よろしく!」
ライカ「Nice to meet you.」
本太「初めまして!」
真琴「よろしくね」
愛「初めまして!」
続いてさやみさんの挨拶に、真也くんたちが応える。[newpage]
プリさや「うわさは聞いていますよ。なんでも、動物の姿に変身できる力を持つヒーローと……」
真也「へぇ、良く知ってるな~!」
ライカ「アンビリーバボー…」
さやみさんの言葉に、真也くんとライカくんが驚いたように言う。
ヴィム「まあ、俺たちが帰ってきた後、プリンセスさやみにこっそりと話してたんだよな……」
本太「へぇー、そうだったんだ~…」
ヴィムの説明に、[[rb:本太 > もとた]]くんが納得したように言った。
ヴィム「そういや、さやこ……それって……水着?」
ヴィムがさやこさんの持っているものに気づいて[[rb:訊 > き]]く。
さやこ「あ、そうだった。今日はみんなでプールに行こう!と思って準備してたの!」
天馬「へぇ、プールか、いいね!最近暑くて涼みたいと思ってたんだよ♪」
真也「えぇ~?俺泳げないけど大丈夫かな~…?」
本太「僕も~…」
ヴィムに応えるさやこさんに、僕が楽しそうに言い、真也くんと本太くんが心配そうに言った。
さやこ「大丈夫!カナヅチの2人でも、泳げるプールってたくさんあるの!」
プリさや「カ……カナヅチは言い過ぎじゃないかな?」
二人に答えるさやこさんに、さやみさんが言いにくそうに言った。
さやこ「だから、早く行こう!『どこでもドア』!」
真也「そっか!よーし、行こうぜ!」
本太「まあ泳げないのは事実だしね」
お腹のポケットからドアを出したさやこさんに真也くんと本太くんが言い、僕たちはそのドアをくぐってそのプールへと向かった。
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プールに到着し数十分後、着替え終わったみんながプールサイドに集まる。
天馬「お待たせ!準備できたよ~!」
さやこ「うーん!ひっさびさの水着!!!」
真也くんたちはそれぞれのカラーの水着、さやこさんは赤地にピンクのハートが二つ斜めに並んだ水着を着ていた。
プリさや「皆さん、お似合いです」
天馬「ありがとう!」
僕らの水着姿をほめてくれたワンピース水着姿のさやみさんに、僕はお礼を言った。
そんな中、さやこさんがある方向を見てつぶやく。
さやこ「……?『誰でも泳げるようになるプール』?」
さやこさんが見ている方向を見ると、確かに彼女の目の前にそう書かれた看板がある。
真也「…おっ、もしかしてここがさっき言ってたとこか?」
さやこ「……みたいだね」
真也「よーし、早速泳ごうぜ!」
真也くんが喜び勇んで言い、僕たちは看板が指し示す『誰でも泳げるようになるプール』へ向かって行った。
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しばらくして、みんなが『誰でも泳げるようになるプール』に入った。しかし…。
天馬「?ヴィムとさやみさんは入らないの?」
二人が入らなかったことに気づき、僕は二人に訊いた。
プリさや「いや……細かい注意書きまで読まないといけないのよ…………じゃないと……」
さやみさんがそうつぶやいた時だった…。
天馬「…?えっ!?」
僕がふと手を見ると、その手に変化が起き始めていた…五本あった手の指が三本に減り、指と指の間には水かきができていった…足にも同じ変化が起き、お尻からは尻尾が生え、全身に青い毛が生えそろうのが見えた…どちらかと言うと、水生生物のものに近い質感の毛だ。しばらくして水面を見ると、頭の毛が四本の尖った突起となり、嘴を持った顔…ポケモンのゴルダックの顔が映っていた。
天馬「…グゥ!?」
びっくりしている僕の口から、鳴き声が出た。
ヴィム「おいおい……お前らも変化していってるぞ」
真也「え…うわぁ!?」
ラッシュガード姿のヴィムが言うと、真也くんの腕にヒレが生え、見る見るうちにフローゼルになっていった。
ライカ「What!?」
本太「うわぁ!?」
真琴・愛「きゃあ!?」
他のみんなも姿が変わっていき、ライカくんはインテレオンに、本太くんはビーダルに、[[rb:真琴 > まこと]]さんはフタチマルに、[[rb:愛 > あい]]ちゃんはシャワーズに、それぞれ変化していった…。
さやこ「じゃ……じゃあ私は……」
最後に残ったさやこさんも見る見るうちにアシレーヌになってしまい、やれやれ顔だ……。
天馬「(誰でも泳げるようにって、こういうこと…?💦)」
真也「(まあ、確かに泳げるようにはなったけどさ…💦)」
ゴルダックになってしまった僕とフローゼルになってしまった真也くんが、鳴き声で言った。[newpage]
プリさや「しかし、細かい注意書きによると……『ただし、水ポケモンになってしまいます。気を付けてください。』って書かれてた」
ライカ「(アンビリーバボー…💦)」
真琴「(今言われてもねぇ…💦)」
本太「(まあ、気づかなかった僕らも僕らだけど…💦)」
水ポケモンになってしまったライカくんと真琴さんと本太くんが、落ち込んだように鳴き声を出した。
ヴィム「プール終わったら、元に戻す薬を飲ませてやるから……」
天馬「(ありがとう…💦)」
慰めるように言ったヴィムに、僕は鳴き声でお礼を言った。
さやこ「キュルル~。ルル、ルルゥ~!(せっかくだから、別のところで泳ごう!)」
プリさや「『誰でも泳げるようになるプール』はやめてね。ポケモンになりたくないよ……」
アシレーヌのさやこさんの提案に、さやみさんが念を押すように言った。
天馬「(ちょっと待って、さやこさん、その姿じゃ歩きにくくない?)」
その時、僕がさやこさんに言う。人魚のような身体のアシレーヌでは、歩きづらいのではないかと思ったのだ。
さやこ「(?どうするの?)」
天馬「(僕らは今ポケモンなんだよね?なら、その能力も使えるんじゃないかってさ…例えば…)」
僕がそう言い、さやこさんの足元…と言っていいのだろうか…に両手を向け、力を込める…すると、さやこさんの身体がふわりと宙に浮かび上がった!それを見て、みんなから「おお~!」という歓声が上がる。
天馬「(ゴルダックは超能力が使えたよね?だからこうやってプールまで
運んであげようと思ってさ)」
さやこ「(いいね!)」
僕の提案に、さやこさんが賛成する。
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天馬「(ここならどうかな?)」
しばらくして、僕らは流れるプールにやってきた。
プリさや「……大丈夫よ!」
ヴィム「こっちは安全だし、変身しないぜ」
僕の意見に、さやみさんとヴィムが賛成する。
天馬「(よし…じゃあ、行こうか!)」
この後、僕らはみんなでプールではしゃぎまくった。
一時は驚いたけど、いい夏の思い出ができた。
ね、みんな!