3話 お嬢様と羊蹄ダブルピース

  ☆☆☆

  花山院華音ちゃんはぼくの許婚だ。

  はじめて会ったあの日、緊張した面持ちの両親がそう言っていた。

  そうして連れられてきた立派なお屋敷の中に庭園に居たのは、優しくて綺麗で頭も良くてスポーツ万能な女の子。

  きっと神様が気まぐれに創り出した理想の少女だったのだろう。

  長い黒髪を靡かせて、ちいさいぼくの手を引いて、目に映る全てが色鮮やかに彩られていると思わせてくれる女の子。

  ロクサーヌにだっておっかなびっくりだけど触れ合って一緒に笑い合える。

  『将来の結婚相手』なんてとんでもなく漠然とした名前のそれは、ぼくも彼女も成長するにつれてその存在をだんだんと意識していったのだろう。

  ぼくにとっての彼女はいつまでも大きく、頼れる姉の様な存在で、一緒に笑い合える友人のような関係だと思っていた。

  そんな関係は周りのだれからも求められていない事なんて、少しでも大きくなってくれば誰だって気が付く。

  それでも、ぼくにとってはこの関係性が居心地良くて、いつまでもこのままで居たいという想いだけは変わる事がなくて……。

  それに、ぼくは他人と違う所がある。

  だからこそ、彼女との関係は出来るだけ変えたくないと思っていたのだ。

  そんな他者との違いに気が付いたのはいつだっただろうか。

  身近な人類のパートナーである馬は、紀元前数千年前から存在しており、多くの民族にとって、馬は人生の友だ。

  自分よりもずっと小さな生き物であるヒトを背に乗せ、走り、荷を運び、時には闘い、共に生きていく。

  車の登場によって馬はその数をぐっと減らして、関わり合いのある人類も減ったが、ぼくはしあわせな部類だった。

  この美しく強い生き物は、自分と最も親しく、信頼しあえている生き物だと自負できるから。

  ロクサーヌはその中でも特別だった。

  白い毛並みはビロードのように滑らかで、少し灰色の混ざった青の瞳は優しさに溢れている。

  抱きしめると温かくて、寄り添いあうのがこんなに心地よい事を教えてくれた。

  彼女が喜んでくれるからぼくは嬉しいし、彼女もぼくが喜ぶことを嬉しく思ってくれていると信じられた。

  ロクサーヌは素敵な女性だ。

  初恋の相手でもある。

  ある日、厩舎の掃除中に発情した彼女にお尻を摺り付けられた事があった。

  悪戯だったのかもしれない。

  ぼくが馬だったら、その発情した尿の匂いを嗅いだら最後、その上に乗らざるを得ない。

  そういう抗えないものだと知識では知っていたし、見た事もあった。

  けれどぼくは違った。

  心臓が高鳴り、股間が熱くなっても、彼女と一つになることはできない。

  ぼくは怖かった。

  ぼくが本気で彼女を求めているという事が。

  それはつまり、ぼくが彼女への愛情だけではなく劣情も抱いていた事がばれてしまうからだ。

  それでもぼくは本能的に抗えなかったし、どうしようもなく昂ぶってしまったのも事実だった。

  ぼくは下半身を彼女に擦りつけながら情けない声で鳴き、ズボンに精を漏らしていた。

  その後フケが収まった彼女はいつもと変わらぬ優しさで慰めてくれた後、ぼくは厩舎を急いで出ていった。

  その夜、ぼくはその背徳的な行為の高揚感に包まれながら自分を責めた。

  ぼくは知ってしまったのだ。

  人間ではなく、人類のパートナーにしか劣情を抱けないのだと。

  そして、その許嫁への背信的な行為によってぼくは、より強く彼女を求めてしまったという事も。

  それからぼくは華音ちゃんに顔向けできないような想いに後ろ髪を引かれながらも、それを気取られないよう過ごしてきた。

  家柄の都合で互いの実家を行ったり来たりしつつも、段々その綻びが表出するかのようにぎくしゃくとした接し方になっていって……。

  ロクサーヌが亡くなったのは、数か月前。

  切っ掛けはわからない。心不全だった。

  朝、馬房から出てこなくて様子を見に行くと既に冷たくなっていた。

  彼女の寝顔はいつもの通りで、すぐにでも起きて来そうなのに、そうでない事を真っ先に理解してしまった自分の薄情さに反吐が出た。

  身体の半身がどこかに飛んで行ってしまったかのように空虚で、足元がおぼつかない。

  世界から色が失われてしまったかのような喪失感を抱えたまま数日を過ごしていく中で、ぼくがどれだけ彼女に依存していたのかを思い知ったのだ。

  ロクサーヌがいなくなった事でぽっかりと心に穴が空いたようで、その穴を埋めることができないまま日々を過ごすことしかできずにいたある日の事だった。

  彼女にそっくりな白馬を間近で見かけたのは。

  迷い馬だろうか。

  思わず駆け寄ろうとして逃げ出すように駆け出す彼女に、どこか見覚えがあって。

  ぼくがなんとなしにサリーと名付けたその馬は、もしかしたら彼女が蘇ったんじゃないかと思わされてしまった。

  深海の奥底まで沈んでいた意識が一気に浮上する感覚と共に、身体の中心が熱を帯びるかのようで、また生きていたいと願うような日々に戻してくれたサリーには感謝の念しかない。

  けれど、彼女と触れ合う内に少しずつ想いが募っていって……。

  それはつまり、サリーをロクサーヌの代わりにしようとしているんじゃないかと思い至った時、ぼくは吐き気にも似た感情に襲われた。

  ぼくがどんなにサリーの事を愛しても彼女は別の馬なのだ。

  もうこの世にはいないはずの存在。

  なのに、ぼくはずっと彼女を求めていた。

  それだと言うのに、たったの数か月で別の馬を愛してしまった自分がたまらなく嫌になって、サリーに申し訳なくなって……。

  それでも彼女に甲斐甲斐しく世話をする度に、どうしようもなく心が満たされてしまう。

  彼女は違う馬なのに……ぼくと結ばれないのに……。

  結ばれるべき華音ちゃんはあんなにぼくに優しく、暖かいと言うのに。

  愛してはいけない相手なのだという自制心も勿論あったけど、ぼくの心の奥底にある仄暗い欲望がサリーを求め続けた。

  そんな葛藤を抱えながらも日々を過ごしていると、今度はサリーにもロクサーヌと同じ様に発情期がやって来た。

  そしてあの日の再来と言うべき光景がぼくの目の前に広がった時、ぼくは理性を失っていた。

  ただ、ひたすらに彼女を求め続けた。

  何度も彼女の背に乗りながら精を放ち続け、愛おしさに狂わされて彼女の股を執拗に舐め、奉仕し続けた。

  そうしてサリーはぼくを受け入れてくれたのだ。

  嬉しさと気持ちよさで頭がどうにかなりそうだったけれど、この交尾が終われば彼女との関係は終わるのだと言い聞かせて堪えた。

  愛し合えない関係なのだという事を忘れないように、何度も自分に言い聞かせるようにした。

  そんな矢先だった。

  ぼくの目の前に居たのは、ぼくの見知った女性だった。

  まるでお伽噺によくある魔女の呪いによって姿を変えられたお姫様が最後、元に姿に戻れた時の様に美しい少女がそこにいた。

  名張さんの薬によって『なぜか』馬の姿になってしまったのだと言う華音ちゃんは、すべてを、ぼくの欲望のままになってしまった姿でぼくを受け入れてくれた。

  まるで御伽噺の中に迷い込んだかのような状況ではあったが、事実彼女の心と身体から繋がれた数日は、とても幸せだった。

  人の姿に戻った彼女は元の明るく快活な少女へと戻り、ぼくの良く知る『花山院華音』として笑いかけてくれたのだ。

  でも、その笑顔に胸が締め付けられるような痛みを覚えるのは変わらなかった。

  彼女も馬になって野を駆け地面に転がりながらも、ぼくとの逢瀬を楽しんでくれているのは彼女の目から、呼吸から、耳の動きから、全てでそれを感じ取ることが出来た。

  彼女も同じようにぼくを求めてくれて、ぼくらはヒトとウマの姿で繋がっていた時だけ本当の意味で通じ合えたのだ。

  そう思えば思うほど、人の姿に戻った彼女に申し訳なく思えてきて……。

  「それだったらぁ、まぁそう……いっそぶちょおには一生馬で居て貰うとかぁ、藤平くんが見る世界をお馬さんだけにするとかでしょおかねぇ~?」

  真っ暗い暗室の中、ぼくのそんな告解を聞いた名張さんの呑気な声が暗い空間の中に響いた。

  彼女は学内では治外法権の『お嬢様部』に身を置く傍ら、こうして生徒の相談を受け付けて色々やってくれているのだ。

  「……そうなってしまえば楽なのでしょうけれど、ぼくはそうはしたくないのですよね……」

  「贅沢ですよねぇ~……お金ぇ容姿ぃせぇかく、全てを持ったぶちょおが婚約者だってぇのに、更にわがまま言うなんてぇ~」

  呆れたようにそう言われてしまったけれど、反論も出来ないので黙り込んでしまうしかなかった。

  そんなぼくを慰めるかのように彼女は優しく言葉を続けてくれる。

  「そもそもぉ~本当に想い合ってるからぁ~大丈夫だなんて保証はぁどこにもないんですよぅ?」

  その言葉にざっくりと胸が抉られるかのような痛みが走る。

  「だってぇ~、どんなに愛していてもぉ、必ずしも想いが結ばれるなんて事は殆どないのにぃ~それが一応は獣姦プレイでうまく行っているんですからぁ、人間形態のぶちょおに目を瞑ってでも愛してあげる位の覚悟くらいぃ、持ってあげて下さいよぉ~」

  あまりにもドライな言葉に目の前が真っ暗になる。

  それは確かにそうだ。彼女が人間の時のままでも、『サリー』と同じように愛し合いたいと思うのは自然なことだ。

  つまりぼくはとんでもなく贅沢で、図々しい願いを口にしているという事になる。

  「い、いえ……決してそういう事を言っている訳ではなくてですね?ただその……結ばれるなら結ばれてみたいというか……」

  「勃たないんですねぇ?人間だと」

  「仰る通りです……」

  ぐうの音も出ない程の正論で心を叩かれてしまったぼくは、もはやそれを肯定するほかなかった。

  そんなぼくの情けない姿を見た名張さんはこれ見よがしに大きなため息を吐いたかと思うと、こう続けた。

  「ぶちょおが前にぃ、自慢してたんですよぉ。『薫くんはえっちなサイトのひとつも見ないで、私の事を真剣に想ってくれてるんだから!』ってぇ~。そりゃそうですよねぇ?動画サイトの動物の動画ばかりお気に入りに登録してぇ、挙句の果てにはそれを見ながら悶々とするような人間がぁ~あんな綺麗な人と付き合っててぇ、しかもヒトの姿では絶対に勃たないなんてぇ……刺殺されても文句言えないと思いませんかぁ~?」

  「も、もう勘弁してくださいぃ……」

  それはそうだが、今のぼくにとっては思い出したくない傷を抉る様な容赦のない言葉の暴力だ。

  一回も試していないけどこれはぼくの本能レベルで警戒している問題なのだ。

  一緒に湯浴みをしようとも、ベッドの中で密着しても恐らくそれはない。

  けっきょく、ぼくは異常者で、華音ちゃんはそんなぼくにあり得ないような献身を尽くしてくれているだけだ。

  ぼくの犯した過ちは、とうの昔に彼女を傷つけていたのだろう。

  そう思うと気分が鬱屈し、同時に猛烈な罪悪感が込み上げてくる。

  そんなぼくの様子を見た名張さんは肩を竦めたかと思うとこう続ける。

  「でぇ、今日はどのよぉな処方をご所望でぇ?」

  「やっぱり薬を使うしかないんですかね……」

  「獣姦の非合意交尾ならぁ、催淫剤を注射してぇ、発情を誘発して弛緩したお馬さんにぃ~」

  名張さんはそう言いかけながらカバンの中をゴソゴソと漁りだす。

  「いやいやそうじゃなくて!」

  「じゃあぶちょおの今週分のおくすりの量ふやしておきましょおか?2日はお馬さんになったままになるかとぉ~」

  「それはお願い……します。あっあとそれと……」

  「あとぉ~?まぁ、いいやぁ。でぇ、お望みは~?」

  ぼくはごくり、とつばを飲み込んだ後……ゆっくりと言葉を吐き出した。

  「ぼ、ぼくが……その、動物に変身するための薬なんてものはありますかね……?」

  ぼくがその言葉を絞り出した時、彼女は少しの間沈黙した後こう返してきた。

  「えっとぉ~それってぇ、自分で動物に変身したいって事ですかぁ~?」

  ちょっと息をついた後、名張さんは続ける。

  「動物に変身して、お馬さんになったぶちょおに乗っかりたいとかですかぁ?……『人間の』ぶちょおに、じゃあなくぅ?」

  「……はい」

  ぼくのあまりにも現実味のない馬鹿げた言葉を聞き、名張さんはまた深いため息をついた。

  「まあそのぉ……無いことはないですけどぉ~」

  そう言うと彼女はおもむろに引き出しから薬瓶を取り出すと机へとコトリと置いた。

  中身はどろりとした紫色の液体で満たされている。

  「これ、なんですか……?」

  「これはぁ~そのぉ、ヒトのDNAをいじくる薬をちょっと強めて作ったものでぇ~」

  そう言うと彼女はどこか思わせぶりな表情を浮かべた後……こう続けた。

  「ぶちょおに処方してるのが『藤平くんの理想とする異性のすがたになる薬』だとすればこれは『藤平くんの理想とする生き物のすがたになる薬』……ですかねぇ」

  「ど、どういう事ですか……?」

  ぼくが聞き直すと、彼女は頭をカリカリと掻いた後こう答えた。

  「そのまんまの意味なんですけどぉ~?なんの動物になるかは本人次第ですけどぉ、多少の時間ヒトの身体を脱ぎ捨てて、別の生物になる事を可能にしちゃう薬なんでぇ~」

  ぼくはそれを聞いた時、驚きのあまりに声も出せなくなっていた。

  そんなぼくを見て名張さんは楽し気に耳を動かしながらこう言う。

  「お代は一本でいいですよぉ~?ぶちょおにもいつもお世話になってますしぃ~、この薬、まだ誰にも実験出来ていないのでぇ~丁度良かったんですよぉ~」

  名張さんはニコニコしながらそう言ってくれる。

  ぼくは『本当にいいんですか?』と確認を取りながらも、その薬をポケットへ入れると、財布からお金を取り出して机に置いた。

  「ありがとうございます!効果も報告しますのでっ!」

  ぼくがそう言うと彼女はふんわりとした微笑みを浮かべながらこう返事をしてくれた。

  「まぁ、がんばってくださぁ~い……。私としてはぁ、面白いのでふたりのこと応援してますからぁ~……」

  その声を聞いてぼくは名張さんに向かって深く頭を下げた後、一目散に暗室から駆け出す。

  そして人目をはばかるようにして足早にその場から去って行った。

  ☆☆☆

  最近の華音ちゃんは、髪の毛を染めるのをやめたのか頭頂部が元の真っ黒い地毛に戻ってきていて。

  学校の生徒たちは口々に『華音さまが不良になられた』なんて噂している。

  むしろ今まで、金髪縦ロールにしてた事の方がよっぽどおかしいと思うんだけど。

  まあなんというか華音ちゃんは見た目や設定に言動その他が引っ張られるきらいはあるので、嘘でもないかも。

  それにしても、高等部の校舎はどうにも緊張してしまう。

  小等部から中等部へ、中等部から高等部へ、完全な別世界の空気感とでも言うのだろうか。

  視線を感じるだけで少しそわそわしてしまうし、肩身が狭く縮み上がってしまう。

  通りがかるぼくを見た高等部の先輩方は『かわいい~』とか『羊のぬいぐるみみたい~』とか『いやアレは子ヤギ的かわゆさじゃん?』とか言いながら手を振ってくれるが、それが余計に気恥ずかしさを加速させていた。

  早く目的地へと向かおう……と、歩調を早めた時だ。

  「あ~いたいた~!薫く~ん!」

  不意にかけられたその声に心臓が跳ね上がるような感覚を覚える。

  間違えるはずなんかない。華音ちゃんの声だったから。

  振り向けばそこにはやっぱり彼女の姿があり、いつも通りのふわふわとした笑顔を浮かべてこちらに手を振ってくれている。

  しばらくぶりに顔を見られた嬉しさとか、馬の姿では無い事に対する寂しさだとかが入り混じってしまって、返事をするのも忘れてじっと彼女を見つめてしまう。

  「ごめんね、下で待ってくれてても良かったのに」

  「そ、そうですよね!ご、ごめんなさい!」

  ぼくの考えを見透かしたかのようにそう言う華音ちゃんに慌てて返事を返す。

  そんなぼくを見た彼女はふふん、と得意げな笑顔を浮かべた後でこんな言葉を続けるのだった。

  「いいの。それより、お泊り……楽しみにしてたんだ?」

  その言葉に心臓が跳ね上がるような感覚を覚える。

  思わず顔を真っ赤に染めて黙り込んでいると、華音ちゃんは楽しそうに笑いながら言う。

  「良かった♪わたしもだよ。じゃあ行こうか!」

  そんな嬉しい誘いを受けてぼくがにやけていると、不意に彼女が耳元で囁くようにこう囁いてきた。

  「……今夜はたっぷり楽しもうね♡」

  その言葉に、ぞくりと全身に鳥肌が立つような感覚を覚えながら、ぼくは無言で何度も頷くのだった。

  ☆☆☆

  「えへへ……一緒にお風呂入るのも久しぶりだったね」

  「……そうですね」

  お屋敷の浴場はいつ入っても高級感にあふれていて、見ているだけで緊張した。

  湯船に肩まで浸かり、隣同士で寄り添う華音ちゃんの姿を見ていると流石にドキドキしてしまう。

  でもそんな緊張は束の間で、お湯の温かさと身体から力が抜けていく感覚にほっと一息吐く事になった。

  そうしてリラックスしているとふと視線を感じてそちらの方に視線を向けると、何やらニヤニヤしている彼女と目が合った。

  「ん~?」

  「……な、なんですか」

  ぼくの様子に気付いた彼女は悪戯っぽい表情を浮かべて微笑むと、ぼくの身体にしなだれかかってきて耳元で囁いてくる。

  なんだかいつもよりずっと積極的だ。

  「まだ緊張してる?」

  吐息が耳に触れ、ぞわりとした感覚が全身に走ると同時に心臓が早鐘を打つように鼓動を速める。

  そんなぼくを楽しそうに見つめながら彼女は続ける。

  「このままリラックスしよ?それでぇ……」

  少し溜めた後でこんな言葉を続けたのだ。

  「……わたしのお部屋で、ね?」

  それはもうどきどきしない筈もない。彼女に人間的な魅力を感じなかったことはない。

  だけれども、思春期の男子だったらこの場で我慢ができなくなるほど中心が硬くなっているのは間違いない筈なのに、そうはならなくて。

  それもまたぼくの中の人間としての本能が壊れていることを物語っているようで、なんとも情けない気持ちでいっぱいになってしまった。

  「……はい」

  そんな短い返事をするのがやっとだった。

  そんなぼくの様子に満足そうな表情を浮かべると彼女は「お~、よしよし」なんて言いながらぼくの頭を撫でてくれるのだった。

  ☆☆☆

  湯上がりの火照った身体に冷房の風が心地よい。

  バスローブ姿のぼくは華音ちゃんの部屋のベッドに横になってそんな感覚に浸っていた。

  ぼんやりとした思考でぼうっと天井を見つめながら彼女はツートーンになった髪を拭いている。

  ふと彼女がバスローブ姿のぼくの姿をまじまじと見つめている事に気付いてしまう。

  「す、すみません!すぐ着替えますっ!」

  慌てて上体を起こしてそう口にすると彼女はクスクスと笑った後でこう続けた。

  「そんなに急がなくても大丈夫だよ?もっとゆっくりしようよ」

  そう言ってぼくを窘めてくれる華音ちゃんの声が、なんだかいつもより艶っぽく包容的に感じられるのは気のせいじゃないと思う。

  それは彼女がぼくに対して特別な感情を抱いてくれているという事の証左でもある。

  やっぱりそれが、辛い。

  彼女は髪をかき分けながらタオルで拭いた後にドライヤーで乾かしていた。

  「こっちおいで?」

  不意にそんな言葉をかけられ、ぼくはベッドに座った後バスローブの腰紐を緩める。

  すると彼女はぼくの後ろに回り込んで髪を乾かしてくれ始めたのだ。

  「自分でできますよ!」と言おうとしたところで彼女の指がぼくの髪に触れ、その心地よさに言葉が詰まってしまう。

  耳に触れる温かい風も心地よくて、段々と眠気が襲ってくる始末で。

  それでもなんとか耐えていると背後にいる華音ちゃんがこんな提案をしてきた。

  「あのさ、せっかくだしマッサージもしてあげよっか?」

  その言葉を聞いたぼくは一瞬反応が遅れてしまう。

  そんなぼくを見た彼女はなんだかニヤニヤと笑みを浮かべていて……ああ、これは何か企んでいる顔だと察してしまう。

  それでもこの魅力的な提案を蹴る理由もないので頷いて返し、バスローブを下ろした。

  「じゃあまずはうつ伏せになってくれる?肩からやってくね」

  ぼくが言われるままにベッドの上に寝そべると華音ちゃんはぼくの背中の上に跨り、肩の辺りを指で揉みほぐし始める。

  華音ちゃんの手は温かくて柔らかく、それでいて力強かった。

  ただ揉まれているだけなのにその心地よさに自然と身体が脱力してしまう。

  「ふあぁ……きもちいいです……」

  そんな間抜けな声を漏らしてしまう程で、そんなぼくの様子を見た華音ちゃんはくすっと笑った後でこんな言葉を続ける。

  「乗馬で鍛えられてるのもあるけど、しなやかっていうか、しっかりしてるっていうか……薫くんの身体ってきれいだよね」

  「そ、そんなことないよ!華音ちゃんの方が綺麗だし……」

  そんなぼくの言葉を聞いた彼女はふふんと鼻を鳴らして得意げな表情を浮かべた後でこんな言葉を続ける。

  「薫くんにそんなこと言われるなんて~嬉しいなぁ?それじゃあ次はそろそろ……『お馬さんごっこ』しようか?」

  そんな言葉を聞いたぼくは慌ててベッドから起き上がると、困惑した表情を浮かべながらこう返す。

  「……あの、華音ちゃん。ぼく……今日はこれを……」

  そう言っておそるおそる取り出した薬を華音ちゃんに見せた瞬間だった。

  彼女は急ににんまりした表情を浮かべたかと思うと、ぼくのバスローブの胸ぐらを掴んでベッドに押し倒してこう言ったのだ。

  「な~にこれ?」

  「……あ、あのこれ。名張さんに頼んで貰ってきた、ぼ、ぼくが動物になる薬……です」

  顔も真っ赤、薬を持った手も小刻みに震える、それでもぼくは意を決してそう口にした。

  すると華音ちゃんは途端に笑顔になって言う。

  「ふ~ん♪これで動物さんになって、お馬さんになったわたしの上に乗っかりたいんだぁ?」

  「……はい」

  ぼくがそう言うと華音ちゃんはまた『ふ~ん♪』と楽し気に笑ってみせた。

  「良いよ、飲ませてあげるね?」

  彼女はそう言うと、ぼくの手の中の薬をひょいと摘み上げた。

  「わたしの方が慣れてるんだから、先に薫くんが飲むんだよ?いい?」

  「う、うん」

  ぼくがそう言うと、彼女は満足そうに頷いてみせる。

  「じゃあ、あ~ん♡」

  ぼくは華音ちゃんの言葉に従って口を開いた。そこに薬を持った彼女の指が近づいてきて、ぼくの舌にどろりとした液体が落としていく。

  ねばっこいそれを、なんとか嚥下する。

  「あ……」

  その瞬間だった。急に身体が熱を持ち始め、息が荒くなってしまう。

  自然と喉が鳴ってしまうのが止まらないし、思考も段々と鈍くなってしまっているような奇妙な感覚さえあった。

  ふと気が付けば肌に空気が擦れるだけで全身に電流のような刺激が走るようになっていて……ああなるほど、これが肉体が変化するという事なのか、と納得した。

  しかしこのぐにゃぐにゃと形を見失ってしまいそうな程頼りなくなった思考を繋ぎ止めるのには大変な労力を必要とした。

  「な、なんだか……か、からだが、あつい……」

  意識を自分のなりたい姿に寄せなければ、あっという間に溶けてしまいそうな程の強い衝動。

  (ぼくは……なにになりたかったんだっけ……)

  そんな思いが脳裏を過った瞬間だった。

  雄々しい牡馬だろうか、それとも美しい牝馬だろうか。

  確かに頭の中に思い描いていたイメージがあった筈なのに、それがまるで思い出せなかった。

  「あ……ああ……っ!」

  そんな喪失感から漏れたのはそんな悲鳴にも似た声だった。

  けれどもそれすら次第に頭の中で溶けてしまっていて、自分が本当にそんな声を上げたのかも分からなくなる。

  違う、違う。ぼくがなりたかったのは、ならなくてはならないのは。

  そのままの姿の彼女を愛せるようになる為に、彼女に受け入れて貰う為には。

  ぼくの姿に怯えさせないようにするには。

  ……彼女を満足させられるような身体にならなくてはいけなかったのに。

  そんな想いばかりが募っていく中で、華音ちゃんはこんな提案をしてきたのだった。

  「いいよ……♡そのまま動物さんになっちゃおうね♡」

  そんな声を聞いて、ぼくは全身がとろんと蕩けてしまったような感覚に襲われる。

  『かわいい~』『羊のぬいぐるみみたい~』『いやアレは子ヤギ的かわゆさじゃん?』

  そんな声が脳裏に響く。ああそうだ、ぼくは……。

  その感覚は酷く心地よくて、自然と瞳がとろんとしてきてしまう。

  ああ、これでようやく彼女を満足させられる身体になれるんだ……。

  「……わお♡」

  そんなぼくを見た彼女は目を丸くして驚いていた。

  ぼくは自分の身体を見下ろしてみる。

  そこに映る蹄はふたつに分かれていて、馬のようには見えないし、身体だってずっと小さい。

  とにかく四本足の状態で立ち上がろうにも、ベッドの上はふかふかしすぎていて身動きが取りにくかった。

  何とか立ち上がる事に成功したぼくは華音ちゃんの方を見やる。

  「か、かわいい!」

  そんなぼくの姿を見た彼女は興奮気味にそんな事を言ってきてくれる。

  それは人間の身体であれば耳まで真っ赤になってしまう程の恥ずかしい言葉ではあったのだが、今のぼくにとってはこれ以上ない誉め言葉だった。

  「よしよし♡いい子いい子♡」

  そう言って華音ちゃんは身を屈めて手を伸ばしてきたかと思うとぼくの頭を優しく撫でてくれるのだ。

  まるで自分が本物の動物の子供にでもなったような気分だった。

  (もっと……もっといっぱいさわってほしい……!)

  そんな想いで頭をぐりぐり押し付けるようにして彼女の手に甘えようとすると、彼女は一瞬驚いた表情を浮かべた後でこんな言葉を口にした。

  「甘えんぼさんだね♡……にしても、その身体……」

  そんな言葉を口にしながら華音ちゃんはぼくの身体を確かめるように触り始める。

  もこもことした体毛をくすぐる彼女の手の感触に思わず『めえ♡』という甘ったるい声が口から漏れてしまう。

  すると彼女は感心した様子でこんな事を口にしてきたのだった。

  「薫くん、てっきりお馬さんになりたいのかと思ってたんだけど……」

  彼女はしげしげとこちらを見つめてくるばかりでぼくはいったいどうしてしまったのかと不安になってしまう。

  そんなぼくの心を見透かしたかのように彼女はこんな言葉を続ける。

  「あ!ごめんね、見てみたかったよね。それじゃあ今から見せてあげるね♪」

  そう言って彼女はベッドに置きっぱなしにしていた手鏡をぼくの目の前に掲げた。

  そこに映った姿を見てぼくは驚愕の声を上げてしまっていた。

  (な、なにこれ……っ!)

  ぼくがそう口にしたのは当然だろう。鏡には馬とは似ても似つかないような動物の姿が映っていたからだ。

  もこもこの柔らかそうな白い毛並みに、耳は大きく垂れてつぶらな瞳とぷっくらとした鼻先、それに全体的にふっくらとしたフォルム。

  「め、めえ?」

  それが、ぼくの姿だった。

  困惑して動揺するぼくを見て華音ちゃんは笑顔を浮かべながらこう続ける。

  「かわいいでしょ?羊さんだよね♪」

  そんな言葉にぼくは納得するしかなかった。

  たしかに羊だ。

  おどおどと、不安そうにこちらを見上げている白い羊の姿がそこにあった。

  しかも股の間にだけ毛が生えていないような感触、今まで生きてきて一度も感じてこなかった重み。

  小さいナリにもあったはずのものがなくて、代わりに感じる感覚。

  おなかの奥に感じるほのかな温かさ、肢の間にあるぶらぶらと重たい脂肪の塊。

  それに気付いてしまった瞬間、ぼくの頭はパニック寸前になってしまっていた。

  (め、メスの羊に変身しちゃった!?)

  そんな思いと共に、ぼくは必死になってベッドから飛び降りようとする。

  ……が、そんなぼくの行動を華音ちゃんが止める方が早かった。

  「こーらっ♡」

  「めえぇ……っ!」

  そんな甘い声で窘められてしまい、ぼくはまたしても甘え声を出してしまう。

  あまりの恥ずかしさにそのまま固まってしまったぼくに対して彼女はこんな事を言った。

  「大丈夫だよ、薫くん。いきなりメスの羊さんに変わっちゃったんだもんね?分かるよ、わたしもはじめて変身しちゃったときはなにがなんだかわからなかったから♡」

  そんな言葉をかけてもらいながら頭を優しく撫でてもらうと、不思議と安心感を覚えていた。

  「よしよし♡薫くん、ほんとにかわいいね♡」

  そんな華音ちゃんの優しい声に安堵しつつ、ぼくはなんだかふわふわとした気分になってきてしまう。

  それから暫くの間彼女に抱き留めてもらったままされるがままになっているとふと彼女はこんな言葉を口にしたのだった。

  「羊さんになりたいなんて、ちょっと薫くんぽいかも♪ホントは、かっこいいお馬さんになって乱暴しちゃうぞ~♡っていう感じのつもりだったのかな?」

  「めえ……」

  ぼくは否定も肯定もせず、ただそんな鳴き声で返事をする。

  すると華音ちゃんはくすっと笑ってみせてからこんな言葉を続けた。

  「でも、ちゃんとわたし好みになってるし……ほんとに薫くんって最高だね♪薫くんなら女の子の羊さんでもぜんぜんOKだよ♡」

  華音ちゃんはそう言うと微笑みながらぼくを撫でてくれる。

  そんな何気ない彼女の一言にさえ心が躍ってしまうのは、ぼくが完全にメスとして彼女を見ているからだろうか。

  「めえ♡めえ♡」

  そんな甘え声を上げるぼくを華音ちゃんは優しく抱き上げてくれる。

  彼女の腕の中に抱かれているだけで幸せな気分になれたし、なんだか温かい気持ちになるような気がしていた。

  (あったかい……)

  そんな思考で埋め尽されてしまう。

  羊はとても温厚で優しく、臆病で従順な動物だ。

  変化や独立を嫌い、ずっと群れの中で暮らし続ける事を好む。

  人間を警戒する事はあれど、積極的に襲う事なんて絶対ない。

  そんな事をぼんやりと考えながらもぼくは華音ちゃんに抱かれるままになっていた。

  「ねぇ、薫くん♡」

  そんな彼女はぼくの身体を抱えたまま器用にベッドに横になると、こちらを覗き込んでからこんな言葉を口にした。

  「これからどうするの?このままここで一緒に暮らしちゃう?」

  そんな華音ちゃんの言葉にぼくはとても嬉しくなってしまって……甘えるような声で鳴いてしまう。

  「めえ~♡」

  そんなぼくの反応を見た彼女は、笑いながらこんな言葉を囁いてきたのだった。

  「ふふ、いいこいいこ♡たまにはわたしも、薫くんを可愛がりたいな~♡」

  そんな事を言われてしまってはもうぼくには何も出来なかった。ただじっと身体を縮こませて、彼女の手が触れるのを待つしかなかった。

  そうして華音ちゃんはそんなぼくを抱き締めてくれる。

  「か~わいいっ♡」

  そんな声と共にぼくの身体中を撫で回してくる彼女から与えられる甘い刺激にぼくは身悶えしてしまう。

  もこもこのウールに包まれたぼくの身体は、彼女の手の感触だけを感じていた。

  それだけでも興奮してしまいそうになるくらいだったのだけれど、それだけじゃなかった。

  (あ……なんか身体がむずむずする……)

  ふとお腹の下辺りに妙な違和感を覚え始めたのだ。

  そんなぼくの様子に気が付いたのか華音ちゃんはくすりと笑うと耳元に顔を近付けてからこんな言葉を囁いてくる。

  「どうしたの?そんなにもぞもぞして……」

  ぼくの身体を抱き寄せた彼女は優しく頭を撫でてくれる。その度に背筋からぞくぞくとしたものが這い上がってくるような感覚に襲われた。

  「め、めええええぇ……っ♡」

  そんな自分の声に驚いたぼくは思わず変な声が出てしまう。

  (うそ、メスの羊ってこんな声出すんだ……)

  まるで発情した雌犬のような声に自分自身でも驚いてしまう。

  そんなぼくの様子を見た華音ちゃんはクスクスと笑いながらこんな事を言ってきた。

  「もうそんなに我慢できないのかな?『オンナノコ』のカラダってスゴいんだよ?ほら、もうこんなになってる……」

  そう言って華音ちゃんはぼくの股の間に手を這わせてくる。

  すると水滴を湛えた濃い粘液が蜘蛛の糸の様に伸びて、そのままぷつりと切れてしまう。

  そして彼女の指が股から抜けた後には、粘液が糸を引いて垂れていったのだった。

  「あ……めえ~……」

  そんな声を上げながら、ぼくは未知の感覚に身を震わせていた。

  (これが……メスの羊になったぼくのおまんこなんだ……)

  自分の股間に現れた割れ目を見つめながらそんな事を考えるぼくに対して彼女はこんな言葉を口にしてきた。

  「薫くんは動物さんになるの初めてだから……『はじめての発情期のオンナノコ』がどんな感じなのか、わたしが教えてあげるね♡」

  その言葉と共にぼくは押し倒されてしまう。

  そのままベッドの上に寝転んだ華音ちゃんはぼくに覆い被さるような体勢になると、そのまま口付けてきたのだった。

  「んめぅ……っ!?」

  突然の出来事に驚きながらも、ぼくは反射的に目を瞑ってしまう。

  自分が言うのもなんだけど、動物になってしまった身体の感度は普段とは比べ物にならない程に高まってしまっているようだった。

  柔らかな唇が触れ合うだけでも頭の中が蕩けてしまいそうな程の快感に襲われるというのに、舌を絡ませ合うような激しいキスなどされたら……。

  (な、なにこれぇ……!口の中を舐められるのってこんなに気持ちいいんだ……!)

  そんな思考で埋め尽されてしまう程だった。

  「ふふ♡かおるちゃん、きもちい?」

  ちゅっとリップノイズを立てて顔を離した彼女はこんな言葉でぼくを見つめてくるものだから堪らず鳴き声で返事をする。

  「めえっ♡めええぇ~っ♡」

  完全に発情したメスの羊と化したぼくは、そんな彼女の言葉に身悶えしながら甘えた声で鳴く事しか出来なかった。

  そんなぼくを見て満足そうに微笑んだ華音ちゃんは、今度はフワフワの毛並みに手を這わせどんどん下へと手を滑らせていく。

  そしてそのまま彼女の手はぼくのお腹の下……毛が丸切り生えていない乳房の方へと伸びていった。

  「めえっ♡めえぇ~っ♡」

  そんなぼくの反応を楽しむかのように、華音ちゃんは指先で優しく乳輪の縁をなぞってくる。

  「羊さんて結構おっぱい大きくて張りもいいんだね♡なら、こうやって触ってあげると……」

  そう言いながら彼女はぼくの乳房を手のひらで包み込むようにして揉み始める。

  「めええぇ……っ♡めえぇぇ~~っ♡♡」

  その瞬間、ぼくの全身に電流のような衝撃が走った。

  (なにこれ……!おっぱいがすごく気持ちいい……ッ♡♡)

  そんな未知の感覚に、ぼくは身悶えしながら甘イキを繰り返してしまう。

  そんなぼくの様子を愉しげに見つめていた華音ちゃんは優しい声でこう囁いてくる。

  「ふふ♡感度もすっかり上がっちゃったみたいだね♡お馬さんになったわたしもおっぱい大きかったけど、薫ちゃんおっぱい好き?♡」

  彼女の言葉を否定しようと身体を捩らせるが、それは逆に自ら快感を享受しているかのような姿になってしまっただけだった。

  そんなぼくの反応を見た華音ちゃんはくすりと笑うと乳房への愛撫を再開する。

  「ほら、ここ好きでしょ?」

  そう言って指先で先端を弾かれると堪らず身体が跳ねてしまう。その反応を見た彼女はもう片方の胸にも手を這わせてくると爪を立てるようにして引っ掻いてきたのだった。

  「めえっ♡めええぇ~っ♡♡めえぇ~っ♡♡♡」

  あまりの快感に頭の中が真っ白になる。

  そんなぼくに対して彼女はこう言った。

  「ふふ、薫ちゃんかわいい♡いっぱい気持ちよくなってね♡」

  そして再び乳房への愛撫は激しさを増していった。

  指先で挟み込む様にして乳首を捏ねくり回される度に背筋をぞくぞくとしたものが這い上がってきて、遂には白い液体を噴き出してしまった。

  「めえぇ~っ♡♡め、めぇぇぇ~~ッ♡♡♡」

  恥ずかしい声を上げながら絶頂に達するぼくだったが、それでも彼女の愛撫は止まらない。それどころか更に激しさを増していく始末だ。

  まるで搾乳でもするかのように乳房全体を鷲掴みにして揉みしだいてくる彼女の手によってぼくは何度も何度も絶頂を迎えていた。

  「おいしい♡ほら、かおるちゃん♡羊さんのおっぱいおいしいよ~♡」

  そんな事を言いながら彼女はぼくの胸にしゃぶりついてくる。

  ちゅうっと強く吸われた瞬間、ぼくはまた絶頂へと押し上げられてしまう。

  (だめ……こんなの気持ちよすぎる……♡♡)

  そんな思考とは裏腹に身体はどんどん昂っていくばかりで、ついには乳首から母乳が勝手に溢れてきてしまう始末だった。

  「ふふ♡すっかりメスのカラダに慣れちゃったね、薫ちゃん♡」

  そんなぼくを見ながら華音ちゃんは楽しそうに笑っている。

  「めえぇぇ~っ♡♡♡」

  そんな声を上げながらぼくは彼女に縋り付くようにして身悶えていた。

  抵抗など一切出来ずに与えられる快楽に身を委ねるしかない今のぼくに出来ることといえば、ただただ啼きながら悶える事だけだった。

  「もっと気持ち良くしてあげるからね♡」

  そう囁くと彼女はぼくの股間に手を伸ばすと割れ目を指でなぞるように撫でてきた。

  その瞬間、電流のような衝撃が身体中を駆け巡って思わず悲鳴のような声を上げてしまう。しかし華音ちゃんは手を止めることなくゆっくりと指を動かしている。

  指先が蜜壷の入り口に触れる度にびくんと身体を震わせながら甘い声を上げていると、突然中に何かが入ってくるような感覚に襲われる。

  未通女であるはずのそこは既に充分すぎる程に濡れそぼっており、彼女の細い指先をすんなりと受け入れてしまっていた。

  そしてそのまま抜き差しするようにして動かされる度に響くくちゅくちゅという卑猥な音が鼓膜を刺激する度にぼくは羞恥心と共に得も言われぬ快楽を覚えてしまう。

  「め、めぇっ♡めえぇぇ~~♡♡♡」

  (すごいぃ……っ♡きもちいいよぉぉっ♡♡)

  あまりの気持ちよさに何も考えられなくなる程の悦楽に襲われていたぼくだったが、不意に指が引き抜かれたかと思うと今度は二本の指を揃えて突き立てられてしまう。

  そのままずぶずぶと奥まで侵入してきた指先が子宮口を押し上げた瞬間、ぼくの思考は完全にショートしてしまう。

  (あ、だめ……っ♡そこは赤ちゃんの部屋だから……♡♡)

  そんな考えが頭を過るも時すでに遅く、華音ちゃんは指先でそこをぐにっと押し潰すようにしてきたのだ。その瞬間、目の前が真っ白になる程の快感に襲われてしまいぼくは仰け反りながら絶叫に近い声を上げることしか出来なかった。

  それでもぼくの出来たばかりの女性器は物欲しそうに指を咥えて離したくないのか良く伸びて指に絡みつこうとする。

  「めっ♡めぇっ♡♡めえぇぇぇ~~ッ♡♡♡」

  (やばいぃ……っ♡これ気持ち良すぎるぅぅ~~ッ♡♡♡)

  そんなぼくの反応を楽しむかのように彼女はぐりぐりと子宮口を虐めてくる。その度に絶頂を迎えているのかと思う程の快感に襲われてしまい、ぼくは舌を突き出しながら悶えることしか出来なかった。

  「すごいね薫ちゃん♡この身体、すっかりハマっちゃったみたいだね♡」

  そう言いながら華音ちゃんは更に激しい責めを与えてくる。

  子宮口を指先で刺激されたかと思えば、今度は二本指で膣壁を引っ掻くようにして動かされる。

  時折中の充血して膨らんだ箇所を掠めるように触れられると目の前がチカチカするような錯覚に襲われる程だった。

  「め……ッ♡めぇぇ~~ッ♡♡♡」

  (だめぇ……これヤバイぃぃ……っ♡♡♡)

  そんなぼくの反応を見て楽しんでいるのか、華音ちゃんは執拗に同じ場所ばかりを攻め立ててきた。あまりの快感に気が狂いそうになる程の快楽を叩き付けられ絶頂の生殺与奪権を完全に彼女に握られてしまっているという絶望的な状況だったが、それすらも今の雌羊と化したぼくには興奮を煽る材料にしかならなかった。

  「め、ぇぇぇ~~ッ♡♡♡めえぇぇ~~ッ♡♡♡」

  (もうダメ……イク……イッちゃうぅぅ~~っ♡♡♡)

  ぼくの中にとどめを刺さんとするかの如く華音ちゃんは親指でクリトリスを刺激しながら中指で子宮口を撫で上げたのだ。その瞬間、ぼくの頭の中で何かが弾けるような感覚に襲われた。目の前が真っ白になる程の衝撃に身体を仰け反らせながら絶叫に近い声を上げてしまう。

  しかし、それだけでは終わらなかった。彼女はそのままぐりっと指を捻り、子宮口に指先を食い込ませてきたのである。その瞬間、まるで電流の様な甘い痺れが身体中を駆け巡り視界がチカチカと明滅し始めた。そして次の瞬間には頭の中で何かが弾けるような感覚と共にぼくは絶頂を迎えてしまっていたのだった。

  「め、めえぇ……ッ♡めええぇぇ~~♡♡♡」

  (なにこれぇ……♡♡きもちいいよぉ……っ♡♡♡)

  今まで感じた事のないタイプの快楽を容赦なく叩き込まれ、ぼくの頭の中は完全に蕩けてしまっていた。もはや何も考える事が出来ずただひたすらに甘い声を上げ続けることしか出来なくなっていたのだ。

  そんなぼくを見てくすりと笑うと華音ちゃんはぼくの耳元へ唇を寄せてきた。

  「ふふ♡気持ち良さそうだね、薫ちゃん♡」

  耳元で囁かれただけなのにゾクゾクとしたものが背中を駆け巡っていくようだった。それだけで身体が震えてしまう程の快感に襲われてしまい思わず身を捩らせてしまった程だった。

  しかし彼女はそんなぼくに構うことなく言葉を続ける。

  「あー、薫ちゃんばっか気持ち良くなってるよ~。わたしも気持ち良くなりたいなぁ……♡」

  そう言うと彼女はいつの間にか取り出していた小瓶を見せびらかすかの様にぼくに見せつけてくる。

  「薫ちゃん、名張さんからわたしの分の薬までちゃっかり貰ってきてるんだから……」

  そう言いながら華音ちゃんはぼくに見せつけるようにしてその小瓶を振って見せる。「ねえ、今これ飲んじゃったらわたしどうなるんだろうね♡雄羊になって薫ちゃんを襲っちゃうかもよ?」

  冗談めかした口調で言う彼女だったが、その瞳には本気の色が宿っていた。きっと本気なのだろうと本能的に感じ取ったぼくは慌てて彼女に謝罪と否定の言葉を口にするも鳴き声しか出て来ない。

  「め、めえぇぇ~~っ♡♡」

  だがそんな彼女の行動を止めるかのように華音ちゃんはぼくの耳元で甘く囁いてきた。

  「もう……薫ちゃんは優しいんだから……♡優しくされた分、しっかりお返ししてあげないとね♡」

  そう言うと彼女は小瓶の蓋を開けると一気に中身を呷ってしまった。暫くして彼女の身体から蒸気の様な物が吹き出し始める。

  「あは♪もう頭がボーッとしてきた……」

  そう言って笑う彼女の顔は普段の彼女からは想像もつかない程淫靡なものへと変わっていた。顔は紅潮し瞳は潤んでいて息遣いも荒いものになっていた。

  そんな姿を見た途端、ぼくの中の雌羊としての本能が疼き始めたのだ。

  (華音ちゃんに気持ちよくしてもらいたい……)

  そんな考えが頭を支配するとぼくは無意識のうちに彼女の足元に擦り寄ってしまっていた。

  華音ちゃんが逞しい牡になってぼくを滅茶苦茶にしてくれるのではないかと期待してしまう反面、あの優しい彼女が欲望のままに他者を虐げるなどあるはずがないという想いもあった。

  「もう薫ちゃんったら可愛いんだから♡」

  そんなぼくを見ながら彼女は微笑むとぼくの頭を撫でてくれた。それだけでも幸せな気分になれるのだが、それと同時に彼女の肉体に変化が現れ始めた事に気が付いた。

  華音ちゃんの脚は太く逞しくなり始めており、お尻には立派な尻尾が生えていた。更に身体中の筋肉が発達していって脚が伸び、指は一本の蹄のようになり始めていた。

  もとよりの彼女の美しい黒髪を思わせるたてがみは更に伸びてまるで黒潮の海のようで。

  一体どうなってしまったのかと呆然と見つめるぼくに彼女は優しく微笑んだ。

  「えへへ……どうかな?わたし、すっごいかっこよくなったと思わない?」

  そう言って笑う彼女の姿は、黒い牝馬そのものだった。

  彼女が身体を見回して少し意外そうに声を上げた。

  『あれ?オスじゃないみたい』

  ぼくの中で恐れがあったのか、それともぼく自身がメスに染まる事を認めたくなかっただけなのか。

  いずれにせよ今のぼくには関係ない事だった。

  ぼくはいつの間にか自ら彼女のものになりたいと思ってしまっていたのだから。

  そんなぼくの考えを読み取ったのか彼女は嬉しそうに微笑むとゆっくりとぼくに近付いてくる。

  「かおるちゃん……つがいに、なろ?」

  そう言うと彼女はぼくのお腹に鼻を擦り付けて来た。そんな何気ない行為ですら今のぼくにとっては快楽に変わり果ててしまっていたのだった。

  (あぅ……かのんちゃん、かっこいいよぉ……♡)

  その姿を見た瞬間、ぼくは完全に雌としてのスイッチが入ってしまっていたようだった。頭がぼんやりとして思考がまとまらない上に身体が熱を帯びてきているのが分かる。

  そんなぼくを見て満足そうに微笑むと華音ちゃんはぼくの身体を寄せてくれた。

  『わたしのおっぱいも張っちゃって辛いんだ、かおるちゃん……』

  そう言いながら彼女を見上げると張りのある真っ黒な乳房に静脈が浮き上がっていて、乳首もいつものよりも一回りほど大きくなっていた。

  それを見た瞬間、ぼくは無意識のうちに喉を鳴らしてしまっていた。

  (美味しそう……♡♡)

  そんなぼくの様子を見てくすりと笑う。

  『ふふ♡これだとホントに親子みたいだね。いっぱい飲んでいいよ♪』

  蹄で地面を搔きながらぼくの方へと近寄ってくると、そのままぼくの頭を掴んで自らの乳房へと押し当ててきたのだ。

  柔らかな乳房の感触が顔いっぱいに広がり、鼻腔には濃厚なミルクの香りが流れ込んでくる。それだけで脳髄まで蕩けてしまいそうな程の幸福感に包まれていくのを感じた。

  (すー……っ♡♡ふー……っ♡)

  そんな状況に耐え切れなくなったぼくは舌を出すと彼女の乳首を舐め回し始めてしまった。舌先で転がすようにして刺激を与える度にどんどん硬くなっていくのが分かった。それと同時に漏れ出る様にサラサラとした液体が溢れ出してくるのを感じ取る。

  「あんっ♡かおるちゃん、ちょっと激しすぎるよぉ……♡♡」

  (おいしいっ♡♡おいひいよぉっ♡♡♡)

  そんなぼくの様子を見て楽しそうに笑う彼女だったが、その瞳には情欲の色が見え隠れしているように感じられた。どうやら彼女も興奮しているらしい事を理解したぼくは嬉しくなって更に激しく吸い付いていく事にした。

  (かのんちゃんのみるく♡もっとほしいぃぃ~~ッ♡♡♡♡)

  まるで赤ちゃんが母親のおっぱいを飲むかのように必死になって吸っていると、彼女の乳首からはとめどなく母乳が溢れ出てきてしまう。そのあまりの甘さにぼくは夢中になって啜り続けた。

  『あはは♡そんなに飲みたいの?薫ちゃん赤ちゃんみたい♡』

  そう言いながらも彼女は唇ぼくの頭を撫でてくれていた。

  乳が張ってしまった家畜はともすれば他の動物にも乳を分け与える事がある様に、母性の強さの前には種の垣根など関係無いのかも知れない。

  もっとも、それはぼくを仔馬と間違えている訳では無く彼女が牝としてぼくを求めているからだという事は理解出来ていた。

  そしてぼくもそんな彼女に応えてあげたいと思ってしまうのだ。

  (んくっ♡こくっこくっ♡♡)

  『美味しい?かおるちゃん』

  (おいひい……♡♡ごくっ♡もっとぉ……♡♡)

  そんなぼくの想いを感じ取ったのか彼女はぼくの耳元で甘く囁いた。

  『薫ちゃんはわたしのおっぱい好き?』

  『うんっ♡すきっ♡♡♡だいすきっ♡ぼくだけのっ誰にもあげたことないミルク飲ませてっ♡♡』

  『うん、いいよ♡かおるちゃん専用ミルクだからね、好きなだけ飲んでね♡』

  そんな優しい言葉を聞きながらぼくは夢中で乳首にしゃぶりつき続けていた。まるでお乳を飲む仔馬のような気分になりながら彼女の乳首をしゃぶっていると、段々と母乳の量が増えてきているような気がしてくる。

  華音ちゃんも嘶き喘ぎ声を上げながら夢中でぼくを見下ろしながら身悶えているようだった。

  『ああぁ……っ♡♡薫ちゃんにミルクあげるのって、こんなに気持ち良かったんだね……♡♡』

  そうして暫くの間二人で快楽に浸っていると華音ちゃんは不意に身体を離してぼくの事を見下ろしてくる。その表情はとても慈愛に満ちたもので見ているだけで心が温かくなっていくような気がしていた。

  『薫ちゃんもまたおっぱい張ってきて苦しいよね……ごめんね、わたしばっかり楽しんじゃって』

  そう言うと彼女はぼくの股の間から下がる大きな乳房にまで頭を下げると、その乳首を口に含んで強く吸い上げたのだ。その瞬間ぼくの身体に今まで以上の快感が襲ってくるのを感じた。

  (めぇッ♡♡らめぇぇ~~っっ♡♡♡)

  あまりの刺激にぼくは大きく仰け反りながら絶叫してしまった。

  そんなぼくの様子を楽しむかのように彼女は更に強く乳首を吸い立ててきた。

  「めぇぇ~~ッ♡♡♡♡♡」

  一際大きな嬌声を上げながらぼくは絶頂を迎えてしまっていたようだった。だが、それでもまだ止まる事はなくむしろ激しさを増すばかりだった。

  (なにこれぇっ!?きもちよすぎてっおかしくなっちゃうぅぅ~~っっ♡♡♡♡)

  あまりの気持ち良さに我を忘れて悶えていると、突然華音ちゃんがぼくの股間に顔を近付けて来るのが見えた。何をするつもりなのだろうとぼんやり考えていると彼女はそのままぼくの中に舌を挿し入れてきたのである。

  (め……っ♡♡♡なにしてるのぉ……♡♡♡♡)

  突然の事に驚きながらもその感覚に身を委ねていると、不意に華音ちゃんの舌が引き抜かれるのを感じた。

  まるで長く太い舌でピストンされているような感覚に戸惑いながらもぼくは必死になって快感に耐えていた。

  そしてそのまま膣内を掻き回されると更なる快感が押し寄せてきたのだ。

  (はげし……っ♡♡しゅごいよぉぉ~~っっ♡♡♡♡)

  そんなぼくの反応を楽しむかのように華音ちゃんは更に激しく責め立ててきたのだった。

  まるで子宮口を突かれているかのような感覚にぼくは身悶え、それだけでもお乳がたぷたぷに溜まってしまう程に感じてしまっていた。

  「めぇぇ~~♡♡♡めぇぇっ♡♡♡」

  あまりの気持ちよさに頭が真っ白になり口からは涎が溢れ出して顔中が濡れてしまっているのが分かる。だがそれを恥ずかしいと思う余裕すら今のぼくには無かったのだ。

  (かのんちゃんっ♡♡♡すきっ♡♡♡♡だいしゅきぃ~~っっ♡♡♡♡♡)

  彼女のテクニックによって完全に骨抜きにされてしまったぼくは、ただただ喘ぐ事しか出来なかった。華音ちゃんはぼくの身体を全身で抑えつける様に乗りかかっており、身動きが取れなくなってしまう。そのまま何度も何度も絶頂させられ続けてしまっていたのだった。

  「め……めぇぇ……♡♡♡」

  ぐったりと倒れ込みそうになったぼくを大きなカラダで抱き留めてくれる彼女だったが、それでもなおぼくの舌は華音ちゃんの乳房にしゃぶりついたままだった。

  『あはぁ……♡♡♡かおるちゃんったらすごく甘えんぼさんだね……♡♡♡』

  そんなぼくの様子に満足そうに微笑むと再び乳首に吸い付いてくるぼくを優しく抱きしめてくれたのだ。彼女の鼓動を感じながら乳首をしゃぶっているだけで不思議と安心感を覚えてしまうのだった。

  そのまま床に脚を折りたたんでぼくに覆い被さると、乳房をぼくの口から離してそのままぼくの顔ごと抱え込んでくれる。

  ぼくは華音ちゃんの胸に顔を埋める形になっていた。汗ばんだ彼女の肌に密着しながらぼくは一心不乱に乳首にむしゃぶりついていく。そんなぼくを愛おしそうに見つめながら彼女は優しく頭を撫でてくれた。まるで母親が子供をあやすかの様な仕草だったが不思議と嫌な気持ちにはならなかったのだ。

  『かおるちゃん♡かわいいね……』

  そんな呟きを聞きながら、ぼくは更に強く吸い付き、微睡んでいった。

  それから暫くの間、ぼくは華音ちゃんのお乳を吸い続けながらその豊満な乳房に埋もれるようにして眠りに就いていたようだった。その間ずっと頭を撫でられていたので安心感に包まれていたのだが、ある時ふと気が付くと既に外は暗くなり始めていたのである。

  (あれ……?)

  どうやら意識を失っていたようで身体を起こすとそこはいつもの寝室の中だった。

  いつの間にか人間の姿に戻った華音ちゃんがぼくの事を抱きかかえるようにして横になっているのが見えたのだ。

  (あれ……?薬の効果はまだ切れない筈じゃ……?)

  不思議に思っていると、華音ちゃんはゆっくりと目を開いた。そうしてぼくの姿を認めると優しく微笑んでくれたのだ。

  「あれ、薫くん起きたの……?」

  そう言って身体を起こすと彼女はぼくを手招きする。言われるままに近付くと、そのままぼくを抱き寄せてきた。そしてぼくの背中を撫でながら話を始めたのだった。

  「こうしてこの姿で触れ合うのってどれ位ぶりかなぁ?グランピング行った時薫くんが寒がってたから一緒の寝袋に入って眠った時以来かなぁ……?」

  「うん……そうかも」

  ぼくは小さく返事をするとそのまま彼女に身体を預けた。そうして暫くの間無言で抱き合っていたのだが不意に華音ちゃんが口を開く。

  「ふふっ……甘えんぼさんだね、かおるくん♡」

  そう言うと彼女はぼくの頭を優しく撫でてくれた。そっか……そんなに自然と距離感が出来てしまってたんだな……。

  「ずっと前からすべすべでツルツル♪ずっとさわってたいなー」

  そう言って嬉しそうにお尻を撫でて笑う彼女だったが、不意に何かを思い出したかのように目を見開くと、ぼくをじっと見つめてきた。

  彼女の真っ黒な瞳がぼくの心を見透かすかのように覗き込んでくる。

  その瞳に見つめられているとドキドキと心臓が高鳴っていくのが分かる。

  が、不意に思い出したように口を開いた。

  「薫くんの瞳、緑色で綺麗……」

  そう言って彼女はぼくの瞳を覗き込んでくる。ぼくも彼女に倣って彼女の瞳を覗き込んでみると、そこに映っていたのは恥ずかしそうにしている自分の姿だった。

  細くて真っ白で、細い肩なんてそのまま折れてしまいそうにも見える程華奢で繊細そうな身体つき。

  コンプレックスに感じる事も無かったのは華音ちゃんのおかげだったのだと、改めて実感させられてしまう。

  そしてそんな考えを見透かされたかのように彼女はクスリと笑って見せるとぼくの顎の下を指先でくすぐるように撫でて来た。

  「薫くん、可愛い……♡」

  「んっ♡」

  ぞわぞわっ♡とした感覚に襲われ思わず声が出てしまった。そんな自分が今頃になってどうしようもなく情け無くなっていくのを感じる。

  「……ごめんなさい。いつまでも大人になれない子供で。華音ちゃんの優しさにつけ込んで、この不自由なカラダの性処理係みたいな真似までさせてしまって」

  絞り出すようにして謝罪の言葉を述べるぼくだった。

  名張さんの言う通りだ。こんなに魅力的で素晴らしいぼくの許嫁の想いを利用して。

  それでも、こんな出来損ないの自分にも優しくしてくれる華音ちゃんがとても愛おしくてならなかった。だからこそ、余計に罪悪感に苛まれてしまうのだ。

  「そんな事無いよ」

  彼女はそう言うとぼくを抱き寄せてくれた。暖かく柔らかな胸の谷間に顔を埋めさせられる形になって落ち着くけど、やっぱり……。

  「薫くんだからこそいいんだもん……薫くんの事、出会った初めての日からずうっとね、ずっとずっと好きだったんだから……。この世界で互いにこの感情を分かり合える筈の存在がこんなに可愛くて優しくて……健気で……。そんな薫くんを、わたしが愛さなくてどうするの?」

  耳元で囁かれる甘美な言葉に蕩けてしまいそうな程の多幸感を覚えると共に胸が締め付けられるような感覚に襲われていく。

  そんなぼくに愛おしそうな目を向けると華音ちゃんは続けた。

  「でもね、やっぱりちょっとだけ悔しいな」

  「え……?」

  予想外の返答に思わず固まってしまうぼくだったが、彼女は構わず話を続けていく。

  「そりゃ、お馬さんになってみて初めて薫くんの事、すごく分かれた気もするんだよ。ブラシの掛け方からハミをつける時に嫌がらない様にする方法とか、不安がらないよう気遣いながら優しく撫でてあげると喜ぶ場所とか……」

  そこで一度言葉を切ると、華音ちゃんはぼくを抱きしめる腕に力を込めた。まるでどこにも行かせないと言わんばかりに強く抱きしめられると彼女の鼓動が聞こえてくる様で緊張してしまう。

  「ロクサーヌともね、話せたんだ。『お馬さんのわたしは魅力的なんだからそのまま行っちゃいなさい!』って。ロクサーヌったらわたしの思ってた何倍も大人でお茶目だったんだ……。知ってた?薫くん」

  そう言って苦笑いを浮かべる彼女だったが、その瞳には寂しげな感情が満ち溢れているように感じられた。

  「それで、結ばれる事は出来たし、わたしもすごく嬉しかったよ。お馬さんになるのってすごく幸せで気持ち良くて……。でもね、それは同時に『花山院華音』が薫くんにとって近しい存在になってしまいすぎたせいで、『恋人のサリー』に決して成れない事を証明してしまった気がして……それがすごく悔しくもあったの。花山院として、華音個人としてもね」

  そこまで言うと彼女は改めてぼくの顔を見つめてきた。その真っ黒な瞳には涙が浮かんでいて今にも決壊しそうな様子であった。

  ああ、遂に彼女の一番繊細で壊れてしまいやすい部分を抉ってしまったのだ。と理解した瞬間、ぼくは自分の愚かさを呪いたくなった。

  「華音ちゃん……ごめん……ごめんなさい」

  こんなにも素晴らしい人を泣かせてしまった事に罪悪感で押し潰されそうになったぼくはひたすら謝罪の言葉を口にする事しか出来なかった。だが当の彼女は首を横に振ってぼくを慰めてくれるのだ。

  「違うんだよ、薫くん。謝らないといけないのは私の方なの」

  そう言って涙ながらに微笑む彼女は今にも消えてしまいそうな程に儚げだった。

  「わたし、親が勝手に決めた結婚でもこんなに幸せだから、薫くんともそんな関係を築けるんじゃないかなって勝手に思ってて……でもそれがちょっとでも違ったからって落ち込んでしまうような子供だったんだね、わたし」

  そこまで言うと彼女はそっと目を閉じて俯いてしまった。

  「華音ちゃん……」

  そんな彼女の名前を口に出すとぎゅっと抱きしめたい衝動に駆られてしまいそうになるもののその気持ちを必死に抑え込むとぼくは彼女を抱きしめる事に成功したのだ。豊満で、全てが柔らかくて、それでいて大きな乳房がぼくの胸元に押し付けられる感触に感動すら覚えてしまう。

  そんなぼくの様子に気が付いたのか、華音ちゃんはクスリと笑みを溢すとぼくの頭を撫でてくれた。

  「薫くんてば、あったかいね……♡」

  嬉しそうに呟きながら彼女はそのまま言葉を続ける。

  「わたしね、本当に久しぶりに負けん気が

  強くて意地っ張りな華音に戻った気がしたの。でもやっぱりわたしは臆病で怖がりで寂しがりやで、何よりも薫くんの事が大好きで仕方がないただの華音なんだよ」

  彼女はそう言うと顔を上げて微笑んだ。その笑顔はとても美しくて見惚れてしまう程だったけれど、どこか儚げで哀愁を漂わせている様にも感じられて胸が締め付けられる様な気持ちになった。

  そんなぼくの様子に気が付いたのか、彼女はぼくの頭を優しく撫でてくれると静かに語り始めた。

  「あの時、薫くんを選んだのはわたしだから。どんな形であれ、ね」

  「……うん」

  「でもそれはきっとあの瞬間も一緒だったんだよ。『サリー』になった華音として薫くんの前に現れたのも、その後の展開を望んだのもわたし自身なんだよ」

  そこまで言うと彼女は再び黙り込んでしまった。ぼくもそれ以上何かを言う事が出来ず黙ってしまう。

  そうしてしばらくの間沈黙が続いた後、不意に彼女が口を開いた。

  「責任感じてるんでしょ、薫くん」

  「う……」

  図星を突かれたぼくは言葉を詰まらせてしまった。そんなぼくの様子を見て彼女は悪戯っぽく微笑むと言葉を続けた。

  「それで?これからどうするつもりなの?」

  そう言って笑みを浮かべる彼女の表情はどこか妖艶な雰囲気を漂わせているように感じられたが、その目は真剣そのものでこちらを見つめているのが分かった。その瞳に見つめられるだけで緊張してしまうものの、目を逸らす事は出来なかった。

  (ど……どうしよう……)

  そんな風に考え込んでしまっていると不意に彼女がクスクス笑い始めてしまった。

  「いいよいいよ♪わたしも薫くんの趣味に理解を持てる世界でただ一人の存在になりたいだけだから。これ以上を望んだりしないよ」

  「か……華音ちゃん……」

  ぼくは申し訳なさそうに呟くと頭を下げた。すると彼女はそんなぼくの頭を撫でながら囁くように言ったのだ。

  「実はと言うと……薬、切れてないみたいなの……」

  「え!?」

  驚きのあまり声を上げてしまったぼくに構わず、手をとって彼女の中心に導かれた。

  触れると熱く火照り、強い粘液と粘りのある別な液体が混ざりあってねっとりとした感触のそこが、ぼくの指先に噛み付くように絡みついて来たのだ。

  「ひゃあっ♡」

  喘ぎ声のような声を上げてしまったのは、ぼくの方だった。そんなぼくの反応をみて嬉しそうな甘い声を漏らす華音ちゃんだったが、その瞳には妖しい光が灯っているように見えた。

  「これからはね、わたし達にしか出来ないコトをしていこうよ」

  そう言って妖艶に微笑む彼女を見ていると自然と身体の奥が熱を帯びてくるような感覚に襲われた。それを感じ取ったのか彼女は嬉しそうに笑いながら脚を開き始め、遂には秘所まで晒してきたのである。

  真っ黒な黒曜石を思わせる光沢のある無毛のそこは、先程までの愛撫で濡れそぼりテラテラと光っていて馬の如き高い体温で湯気が上がりそうなほどになっていた。

  そして、彼女のそこはねっとりと糸を引いており、しきりにウィンキングして真っ赤な秘部を露わにしていた。

  白っぽい強い臭気を放つ尿がその度に彼女の秘所から零れては、シーツの上に滴り落ちていった。

  その臭いを嗅いでいると頭がクラクラしてくるような気がしてならないのだが不思議と不快感は無く、寧ろ心地良く感じられる程だった。

  その美しい火陰の下にはまた真っ黒でぷっくりとした肛門が皺の一本一本までくっきり分かる程に晒しながらヒクヒクと痙攣し、存在感を放っていた。

  その光景を見ていると思わず喉が鳴ってしまっていた。しかし、同時に興奮を覚えてしまうのも確かであった。

  (あ……また……)

  秘所から溢れ出る臭いを嗅ぐ度に下腹部に熱が溜まっていくのが分かると同時に頭がぼーっとしていくような浮遊感に見舞われていくような感覚に襲われる。

  人間の筈の華音ちゃんの身体でただ一つ、そこだけが馬のそれのまま、ぼくの前に差し出されている。その事実に頭がおかしくなりそうになっていくのを感じた。

  「どうしたの……?薫くん」

  甘い声で問いかけられて我に返るぼくだったが、身体の疼きは増すばかりでどうしようもなかった。

  そんなぼくの様子に気が付いたのか彼女はクスリと笑みを溢すと、ゆっくりと手をぼくの方に向かって伸ばしてきた。そのまま優しく抱き寄せられると耳元で囁かれたのだった。

  「いいよ……我慢しなくて……♡」

  甘く蕩けてしまいそうな声音でそう言われるともう限界だった。そのまま彼女に抱き着くと、彼女の秘部に顔を押し付けると夢中になって舐め回し始める。

  「あんっ♡……ふふっ、そんなに我慢できないんだぁ♡」

  そんなぼくの様子を楽しそうな様子で見つめていた華音ちゃんだったが、暫くすると身体をビクビク震わせ始めた。そして一際大きな嬌声を上げると共に絶頂を迎えたようだった。

  「ああっ!!ああぁぁんっ!!」

  それと同時にぼくの口の中に濃厚な蜜が大量に流れ込んできた。あまりの量の多さに驚いたものの吐き出すことはせずに全て飲みこむようにするけれども、あまりの匂いと量の多さに苦しくなって噎せてしまいそうになってしまう。

  「あっ……んふっ……♡ごめんね薫くん、苦しくなかった?」

  そう言うと華音ちゃんはぼくの顔を離して上体を起こしたかと思うと再び秘所を見せつけて来た。そこは先程よりも更に濡れそぼっており、湯気まで立ち上っていた。むわっと来る熱気と臭気に頭がクラクラするけれどそれもまた心地よいものに変換され、求めようとしてしまう。

  指でそこを割り開くようにすると、更に濃い臭気が漂ってきて、ぼくの頭がおかしくなりそうだった。

  この奥の子宮まで馬のそれかと想像しながら見つめていると、自然と腕が伸びていってしまっていた。そして、そのまま指先を入れてしまうと一気に根元まで挿入してしまう。

  「あっ!ああぁぁっ!!」

  その瞬間に華音ちゃんの全身に電流が走ったかのように激しく痙攣すると同時に一際大きな声が上がった。それと同時に秘所からは大量の液体が噴き出してきてぼくの顔を濡らしていったのである。

  (すごい……)

  その感触だけでぼくは興奮してしまい、指を動かして彼女の秘所をくちゅくちゅと弄り始める。

  次第にはぼくの小さな拳まで飲み込んでしまう程にまで解れてきており、今では手首まで呑み干そうとしている状態になっていた。

  「はぁ……ん♡かおりゅくんの手首まで……入っちゃったぁ♡」

  恍惚とした表情を浮かべながらそう呟く華音ちゃんの表情はとても淫靡なものになっていて、ぼくの理性は限界に達しようとしていた。

  そんなぼくの状態を知ってか知らずか、彼女はぼくを抱き寄せると馬らしい長くて大きな舌で口の周りをベロリと舐め回してきた。まるでマーキングでもされているかのような感覚にゾクゾクしたものが背中を走る感覚を覚えつつも懸命に堪える事しか出来なかった。

  腕をそのまま突き入れ、奥の子宮口まで到達したぼくの小さな拳に彼女は吸い付くようにキスをしてきたかと思うと、そのままずぷずぷと呑み込み始めていく。

  「あっ!ああっ!ああぁぁんっ!!」

  ぼくの小さな拳を飲み込みながら声を上げ続ける華音ちゃんだったが、時折ビクンッ!!と身体を大きく仰け反らせながら絶頂を迎えている様子だった。その度に秘所から溢れ出る蜜の量も増えていき、ぼくの腕をどんどん飲み込んでいったのだった。

  やがて肘の辺りまで呑み込まれたところで華音ちゃんの秘所の動きが止まった。

  「あ……んふ……♡わたしのうまんこ、薫くんの腕を食べちゃったね♡」

  そう言いながら彼女は自分の下腹部を優しく撫でていた。拳の入っているあたりを愛おしそうに撫でている姿はまるで子供をあやしているかのようにも見えて微笑ましく思ってしまう反面、その姿があまりにも淫靡で艶めかしくてぼくの興奮は高まるばかりだった。

  「か……華音ちゃん……」

  そんな彼女がたまらなく愛おしく思えたぼくは彼女を呼ぶとキスをしていった。舌を絡ませ合い唾液を交換していく度に彼女の蜜が流れ込んできて頭がくらくらしてくるようだった。それと同時に身体中が熱くなり、下腹部の疼きが増していくのを感じたのだ。

  (なんか……すごくムラムラしてきてる)

  彼女からする発情した牝馬のフレグランスのせいなのか、それとも別の要因があるのか今のぼくには判断がつかなかった。しかしそんな事がどうでも良くなるくらい彼女に欲情していっている事だけは分かった。

  そんなぼくの様子に気が付いたのか、華音ちゃんはクスリと笑みを浮かべるとぼくを押し倒してきたかと思うと馬そのものの勢いでぼくの腕を膣内の動きで排除して見せた。

  「うわっ!?」

  驚きの声を上げるぼくを余所に華音ちゃんは馬乗りになると、ぼくの顔の上に自分の秘所を見せつけるようにして跨ってきた。そこは既にぐっしょりと濡れており、湯気が立ち上っている様子からしても相当興奮している事が窺えた。

  (や……やばい……すごく興奮するんだけど……)

  そんなぼくの内心など知らないかのように彼女は腰を下ろして来て、遂にはぼくの顔に密着させたまま動かなくなってしまったのである。

  「薫くん、ここまで可愛らしいだなんて罪深いんだからぁ♡」

  恍惚とした表情で囁く彼女はぼくの少し大きくなった皮かむりの仮性包茎ペニスに息を吹き掛けた。

  「あっ!?んふっ♡」

  思わず声が出てしまう程の強い刺激に襲われる。

  華音ちゃんのニオイで発情してしまったせいでいつもよりも敏感になってしまっているのかもしれない。

  彼女は再びベッドに寝転んで犬の服従のポーズを取ったかと思うとぼくに語りかけてきた。

  「このポーズ……わかるよね♡」

  分からないわけがない。でも、顔が向き合いすぎて……。

  「ほら♡ちゃんと出来たらご褒美に子宮をぐりぐりしてキス♡あげようかな」

  ごくっと唾を飲み込む音が大きく響く。身体が疼くせいで耐えられそうにない。華音ちゃんは早くしろと言わんばかりに腰を振っておねだりをしてきた。

  怖かった。ここまで来て怖気付く自分が情けなかった。でも、彼女の為なら、華音ちゃんの為に、ぼくは勇気を振り絞って真っ赤な粘膜をしきりに見せつけてくるそこに狙いを定めるように小さな肉棒を突っ込んだ。

  暖かく、ぬるぬるとした感触に包まれながら突き進むように腰を動かし始める。

  「ふふっ♡可愛い♡」

  そう言いながらぼくの頭を撫でる彼女の表情は慈愛に満ちたもので、ぼくは蕩けてしまうような感覚に襲われていた。

  だと言うのに硬くて今にも弾けてしまいそうだったそこは、徐々におとなしくなっていた。

  こんなに気持ちいいのに、どうして……。

  彼女の乳房にぽたぽたと水滴が落ちてくる。

  「薫くん……泣いてるの?」

  「ごめん……なさ……」

  あまりの情けなさに涙が出てきてしまったようだ。

  そんなぼくを宥めるように、彼女は優しく頭を撫でながら語りかけてくれた。

  「大丈夫よ」

  そう言うとぼくの涙を舐め取るようにキスをしてくれたのだ。彼女の舌使いはまるでご馳走でも味わうかのような仕草で、それが更に惨めさを増幅させるようで余計に涙が溢れてしまった。

  「泣かないで、よしよし♡」

  そう言いながら華音ちゃんは身体を繋げたままぼくを抱き寄せてくれると、そのままキスをしてくれた。舌を絡ませ合い唾液を交換していく度に彼女の秘所がきつく締め付けてくるのが分かる。

  「んふっ♡んっ……んん……♡」

  長い口付けの後、唇を離すとつぅっと糸を引いた。それをぺろりと舐め取る彼女の表情は艶めかしくもありとても美しかった。

  そんな表情を見ていると何故か鼓動が激しくなって行くのが分かった。自分でも理解が追いつかないまま、彼女の顔を見つめているとクスクス笑われてしまった。

  「薫くんが、こんなに勇気を出して頑張ってくれたんだもん。わたし今すっごく嬉しい♡」

  そう言うと彼女はぼくを抱き締めたまま腰を動かし始めたのである。まるで子供をあやすかのような動きではあったけれど、彼女の動きに合わせてぼくの肉棒が肉襞を掻き分けていく感触が余りにも心地よくてすぐに腰が砕けそうになる程だった。

  小さい萎んだままのそこが、柔らかい肉に押し潰されるような感覚に陥る。しかしそれだけではなく膣内が蠢くようにぼくを絞り上げながら蠢いているためすぐにでも果ててしまいそうだったのだ。

  「あっ♡ああぁぁっ♡華音ちゃん気持ちいいよぉ……♡♡」

  ぼくは思わず声を上げてしまい、無意識のうちに腰を振ってしまっていた。そんなぼくを見下ろしながら彼女は妖艶な笑みを浮かべていた。

  「可愛いね♡もっと乱れていいよ♡」

  そう言うと更に強く締め上げてきたのだ。その刺激に耐えられるはずもなく呆気なく果ててしまいそうになると華音ちゃんは動きを急に止めてしまったのである。

  行き場を失った快感がぐるぐると身体中を駆け巡り頭がおかしくなりそうだった。どうしてなんで?あと少しだったのに……という絶望感に苛まれていると華音ちゃんが話しかけてきた。

  「ねぇ、薫くん。もっと気持ちよくなりたい?」

  その言葉を聞いた瞬間、心臓が跳ねるような感覚を覚えた。まさかとは思うけれど、期待してしまう自分がいた。

  そんなぼくの様子に気が付いたのか彼女はクスクスと笑いながら続けて言ってきたのだった。

  「ふふっ♡安心して良いよ?お望み通り子宮でチューってしてあげるから♡」

  そう言うと彼女はぼくの小さな肉棒が入ったままの状態で身体をひっくり返し四つん這いになったかと思うとゆっくりと腰を振り始めたのである。その動きに合わせて肉襞が絡みつくように蠕動し、ぼくの身体も自然と動いてしまう。

  「薫くんの為に準備したんだよ♡」

  そう言いながら徐々に速度を上げていく彼女。それに伴い子宮口が開いてきて亀頭の先端に吸い付いてくるような感覚を覚えた時には既に遅かった。そのまま吸い込まれるようにして挿入されていくと柔らかな襞に包まれてしまい動けなくなってしまう程だった。そしてそのままちゅぽっと音を立てて呑み込まれてしまうのだった。その瞬間、全身が震える程の快感に襲われたぼくは無意識のうちに精液を放ってしまっていた。

  「ああんっ♡出てるぅ♡♡♡」

  ビクビクと震えるぼくを抱きしめるようにしながら華音ちゃんも絶頂を迎えたようで、甘い声を上げながら身体を押し付けてくる。その間も彼女の膣壁はまるで生き物のように蠢きながらぼくのペニスを刺激し続けていた。そのせいでぼくは射精が止まらずにいる状態だったのだ。ようやく収まった時には既に意識を失いかけていたほどだった。

  そんなぼくを優しくベッドに寝かせると、彼女は蕩けるような笑みで「ご褒美♡」と言いながらぼくの小さな唇にキスをしたのだった。

  ☆☆☆

  「それでぇ……ぶちょおアレからの進展はどおですかぁ……?」

  名張ぺとらは華音から受け取ったサンプルをしげしげ見つめながら尋ねる。

  「上々……と言いたい所だったんだけど、薫くん『オンナノコ』の才能もあったのかしら……お尻の方に興味を持ち始めちゃって……今は開発中と言うか……」

  華音は苦笑いを浮かべながら答える。その脳裏には四つん這いで小さい真っ白なお尻を突き出しながら『おねだり』する許嫁のそんな痴態を思い出して身震いしてしまうのだが、同時に幸せな気分に浸っていたのである。

  そんな華音の様子を見ながら名張ぺとらは呆れたように溜息をついた後、ぼそりと呟いたのであった。

  「なんか……どんどん深みにハマってますねぇ……」

  その言葉を聞いた瞬間、ハッと我に返ったように顔を上げると真っ赤な顔のまま反論する。

  「ち、違います!これはあくまでマンネリ解消と言うか……そのお……」

  必死に否定する華音だったが、ぺとらはクスクスと笑いながら華音をからかい続けるのであった。

  「まあ、羊とお馬さん、美少年の精液。面白い薬が色々作れそうですしぃ、いくらでも研究してあげますよ♪」

  そう言うと華音の肩を叩きながら部屋を出て行くのであった。

  そんな名張ぺとらに内心感謝しながらも「もうっ」と悪態をつくと再び作業に戻るために華音は筆を握り直すのであった。