【森の中】
ある惑星の森の中で巨大ハリネズミ型ヴィラノスが走っていた。
その巨大ハリネズミ型ヴィラノスを追掛けオルティオス・サイラス・コブラージャ・マシャンタ・ネシリス・ランビュは、獣モードになって森の中を走っていた。
オルティオス達の後で乗物モードのソニックエースが奈雲を乗せて走行していた。
【車内】
ソニックエースの中で奈雲は、小型パソコンを開いて目の前の巨大ハリネズミ型ヴィラノスの事を調べていた。
「『シルエット検索』 あった! “グロオーサ” 奴の背中のトゲで傷害事件を起こして逮捕され そのトゲには様々な効果があり対策不能って書いてある」
奈雲は、巨大ハリネズミ型ヴィラノス(グロオーサ)の逮捕歴と背中のトゲの事についてヘッドセットを通してオルティオス達に伝える。
【木の上】
「つまり、どんな効果は刺さってみないと分からないって事か……」
サイラスは、木の枝を伝って追い掛けながら奈雲の通信を聞いてグロオーサのトゲの効果について呟く。
《そうだ》
奈雲は、通信機越しでサイラスの質問に答える。
【地上】
「トゲの効果は刺さってみてからのお楽しみ♪」
マシャンタは、走りながら呟く。
「そんなお楽しみ 嬉しくない!」
コブラージャは、走りながらマシャンタにツッコミを入れる。
すると突然、グロオーサはオルティオス達の方を向く。
「くらえ‼」
グロオーサは、背中のトゲをオルティオス達の方に向けて放つ。
「‼ 避けろ!」
オルティオスは、グロオーサの攻撃に気付いてソニックエース達に指示を出した後ロボットモードになり木の影に身を隠す。
ソニックエース達は、オルティオスの指示でロボットモードになり慌てて木の影や岩の陰に身を隠す。
すると、グロオーサのトゲは木や地面に突き刺さる。
『‼』
ソニックエース達は、自分が隠れている木や近くに刺さっているグロオーサのトゲを見て驚く。
「ヒェ~……」
「こんなトゲに刺されたら一溜りもありませんよ」
ランビュとネシリスは、自分の近くに刺さっているトゲを見て驚きながら呟く。
グロオーサは、再びその場から逃げ出す。
「待て!」
サイラスとコブラージャは、逃げ出したグロオーサを追掛ける。
「……この先は【荒野地帯】だ」
奈雲は、ソニックエースに抱えられながら小型パソコンを使いグロオーサの進路先を調べてオルティオス達に伝える。
「【荒野地帯】だと」
オルティオスは、奈雲の話を聞いて呟く。
【荒野地帯】
グロオーサが逃げた先は荒野地帯で隠れられる場所が少なかった。
「待てぇぇぇっ‼」
サイラスとコブラージャは、グロオーサを必死に追掛けていた。
「このっ‼」
グロオーサは、背中のトゲをサイラスとコブラージャに向けて放つ
「‼」
「しまった‼」
サイラスとコブラージャは、自分達に向かって飛んで来るトゲに驚き方向転換しようにも走る勢いで方向転換が出来ず焦る。
「危ないっ‼」
オルティオスは、間一髪サイラスとコブラージャの間に入り、2人を庇いグロオーサのトゲを受けてしまう。
『オルティオス‼』
サイラスとコブラージャ、そして後から来た奈雲達は、グロオーサのトゲを受けたオルティオスを見て驚く。
グロオーサは、そのまま立ち去る。
「‼ 待て!」
サイラスとコブラージャは、グロオーサを追掛け様とする。
だが、すぐにグロオーサを見失ってしまう。
「……何処へ行きやがった……」
サイラスは、周りを見てグロオーサを探そうとする。
だが、グロオーサの姿は何処にも無かった。
「……大丈夫だ 奴の居場所は特定出来る だが先にオルティオスの治療を……」
奈雲は、小型パソコンを使いグロオーサの居場所を突き止めるが追い掛ける前にオルティオスの治療を優先にする。
「ああ!」
サイラスとコブラージャは、慌ててオルティオスに近付く。
ランビュとネシリスがオルティオスの体を支える。
「オルティオス 大丈夫ですか?」
ランビュは、オルティオスの体を支えながら話掛ける。
「……」
オルティオスは、声が出ない程ダメージを受けていてランビュの問い掛けに答える事が出来なかった。
「オルティオス?」
ランビュは、オルティオスの様子を見て困惑する。
「もしかして声が出ないのですか?」
ネシリスは、オルティオスの様子を見て冷静に状況を理解する。
「このトゲには声を出させなくさせる効果があるの?」
マシャンタは、オルティオスの体に刺さっているトゲを見ながら効果について考える。
「それは分からないが 取敢えず、刺さっているトゲを抜くな」
ソニックエースは、オルティオスに体に刺さっているグロオーサのトゲを抜く事を伝える。
オルティオスは、ソニックエースに返事する様に無言で頷く。
「行くぞ」
ソニックエースは、オルティオスに声を掛けた後刺さったトゲを抜く。
オルティオスは、トゲを抜く痛みに耐えていた。
『イッ‼』
サイラス達は、オルティオスからトゲを抜く光景を見て痛がる。
「否、お前らの体にトゲ刺さってないのに何で痛がるんだ?」
奈雲は、サイラス達の反応を見て冷静なツッコミを入れる。
「だって、見ているとこっちも痛く感じて……」
「ああ、他人が注射している所を見て自分が痛がるあれか……」
奈雲は、マシャンタの話を聞いて目の前の光景を別の例えにしてサイラス達の心理に納得する。
「オルティオス 声出ますか?」
ランビュは、オルティオスに話掛ける。
「……大丈夫だ 先程より楽に……ん?」
オルティオスは、ランビュの質問に答えようとするが自分の声が女声になっていた事に気付く。
「え? 女声……」
「おいおいおい……」
サイラス達は、オルティオスの声が女声になっていた事に驚く。
「……このトゲには女声になる効果があるのか?」
ソニックエースは、今自分が持っているトゲを見ながら効果について考える。
「……奈雲 大至急トゲの効果を消す方法は無いか調べて下さい」
ネシリスは、奈雲にグロオーサのトゲの効果を消す方法を調べさせる。
「分かった」
奈雲は、ネシリスの指示で小型パソコンを使いグロオーサのトゲの効果を消す方法を探す。
「……どうだ?」
サイラスは、グロオーサのトゲについて調べている奈雲に恐る恐る話掛ける。
「……駄目だ 解毒プログラムも無い……時間が経てば元に戻るって書いてある」
奈雲は、グロオーサのトゲの効果について調べた結果を伝える。
「ちょっと待て! つまりトゲの効果が切れるまでこのままって事なのか?」
コブラージャは、奈雲の話を聞いて驚く。
「状況からしてそうなりますね」
ネシリスは、状況を整理する様に言う。
「……流石にこのままでは任務に支障が出てしまうな……」
オルティオスは、冷静に任務の事を考える。
「どうするんだな?」
マシャンタは、状況について尋ねる。
「……一先ず、これを使う?」
奈雲は、持って来たリュックからメガロスサイズのマスクタイプのボイスチェンジャーを取り出して操作する。
「それは……『ボイスチェンジャー』か?」
ソニックエースは、奈雲がリュックから取り出したボイスチェンジャーを見て不思議がる。
「今、本来のオルティオスの声に合わせたから」
奈雲は、オルティオスの声に調整したボイスチェンジャーを渡す。
オルティオスは、奈雲からボイスチェンジャーを受け取り装着する。
《あ~、あ~ どうだ?》
オルティオスは、ボイスチェンジャーを使いソニックエース達に話掛ける。
「おお~」
「いつものオルティオスの声なんだな~」
マシャンタは、ボイスチェンジャーから聞こえる声が普段のオルティオスの声だと言う。
「それにしても、声が変わっただけで済んで良かったな」
奈雲は、安心した様に呟く。
「どういう事だ?」
サイラスは、奈雲に言葉の意味を尋ねる。
「さっきグロオーサのトゲの効果について調べていたら声が変わる効果以外にも性格が変わったり性別が変わったり言葉遣いが変わったりと色々あるみたいで、もしも……」
奈雲は、ソニックエース達にグロオーサのトゲについて説明する。
「……奈雲 もういい……想像したらとんでもない事になった……」
コブラージャは、奈雲の説明を中断させる。
《変な事を想像するな それでグロオーサの居場所は?》
オルティオスは、コブラージャに軽くツッコミした後、奈雲にグロオーサの居場所を尋ねる。
「ちょっと待ってくれ……あっちだ」
奈雲は、小型パソコンを使いグロオーサの居場所を突き止め方向を示す。
《行くぞ》
オルティオス達は、グロオーサを捕獲しに向かうのだった。
【洞窟前】
オルティオス達は、グロオーサを追い掛けて洞窟の前までやって来る。
「あの洞窟の中からグロオーサの反応がある」
奈雲は、オルティオス達にグロオーサの反応がある場所を伝える。
「んじゃ、早速捕まえに行こうぜ」
サイラスは、グロオーサを捕まえに行こうとする。
《待て! あんな狭い洞窟ではグロオーサがトゲを放って来たらどうするつもりだ?》
オルティオスは、洞窟の中へ突撃しようとするサイラスを止める。
「あっ……アイツのトゲによってはヤバイのもあったな……」
サイラスは、先程のグロオーサのトゲについての話を思い出す。
「それにあの洞窟 奥の方は可なり複雑に枝分かれしているからグロオーサが更に奥に逃げ込まれたら大変だぞ」
奈雲は、小型パソコンでグロオーサが身を潜めている洞窟の事を調べて報告する。
「確かに それは不味いですね……」
ネシリスは、奈雲の話を聞いて考え込む。
「どうするんだな?」
「何とか奴が洞窟から出てくれば良いが……」
ソニックエースは、マシャンタの質問に答える様にグロオーサを洞窟から出す方法を考える。
「あっ、マシャンタ 『フリージングタイム』は?」
ネシリスは、マシャンタにフリージングタイムについて尋ねる。
「う~ん……今の段階だと数分位しか時間を止められないんだな……」
マシャンタは、考えながらネシリスの質問に答える。
《その技は切札だ 無暗に使うな》
オルティオスは、マシャンタにフリージングタイムについて指示する。
「分かったんだな」
マシャンタは、オルティオスの指示に従う。
「『フリージングタイム』が使えない以上 アイツが興味ある物で誘き出すしかないな……」
コブラージャは、一つの作戦を提案する。
「興味がある物とは?」
ランビュは、グロオーサの興味がある物について尋ねる。
「流石にそこまでは知らねぇよ」
コブラージャは、ランビュにツッコミを入れる。
「奈雲、囚人名簿にそれらしい事書いてないか?」
ソニックエースは、奈雲に囚人名簿に書いてないか尋ねる。
「ちょっと待ってくれ調べてみる……簡単な資料には『女好き』って書いてあるが……」
奈雲は、小型パソコンでグロオーサの詳しい事を調べ報告する。
《『女好き』か……》
オルティオスは、奈雲が調べた結果を呟く。
「‼ ちょっと待って下さい! まさか又 僕に女装させる気ですか!」
ランビュは、何かに気付いて作戦について焦りながら尋ねる。
「落ち着いて下さい ランビュ」
ネシリスは、ランビュを落ち着かせる。
「今回はグロオーサを洞窟から誘い出すだけだから態々そんな手の込んだ事しなくっても大丈夫だ」
ソニックエースは、ランビュに今回の作戦で必要な物を言う。
「そ、そうですか」
ランビュは、ソニックエースの話を聞いてホッとする。
《えっ! そんな!》
コリウスで待機中のナビは、通信機からソニックエースの話を聞いて驚く。
《こっちにランビュを女装させる気満々で準備していた奴が居たぞ》
コリウスで待機中のチェンバーは、通信機でオルティオス達にナビの行動を報告する。
「どんだけランビュを女装させれば気が済むんだ?」
「全くだ」
サイラスとコブラージャは、チェンバーの話を聞いてナビにツッコミを入れる。
「因みに作戦としては……」
奈雲は、オルティオス達に作戦を提案する。
オルティオス達は、奈雲の作戦の内容を聞く。
【洞窟の中】
グロオーサは、洞窟内で休んでいた。
すると、洞窟の出入口に女性ポイ足が出ていてグロオーサを誘惑する様な動きをしていた。
「ん?」
グロオーサは、洞窟の出入口から見える女性ポイ足に気付き誘いを受ける様に近付く。
女性ポイ足は、グロオーサが出て来る事に気付いて引っ込める。
グロオーサは、洞窟から顔を出す。
「はっ‼」
すると、コブラージャが鞭技で攻撃を仕掛ける。
「‼ おわっ‼」
グロオーサは、コブラージャの攻撃に気付いて慌てて洞窟から出て攻撃を避ける。
「なっ‼ お前ら!」
グロオーサは、オルティオス達が捕獲する構えで待機していた事に驚く。
「上手くいったな!」
サイラスは、グロオーサを洞窟から引き釣り出す作戦が成功した事に喜ぶ。
「ネシリス ナイスなんだな」
マシャンタは、女性ポイ足を出してグロオーサを誘き出したネシリスを褒める。
「……こんなの……私のキャラではない‼」
ネシリスは、作戦の内容について文句を言う様に叫ぶ。
「仕方ないだろ? ランビュは小柄で年下ポイし ネシリス以外の他のメンバーの足は女性ぽくなかったし……」
奈雲は、ネシリスに作戦について話す。
「女装しないだけマシですよ……」
前回女装をしたランビュは、ネシリスに軽いツッコミを入れる。
「おのれ~……くらえっ‼」
グロオーサは、オルティオス達に向けてトゲを放つ
「おわっ‼」
「どわっ‼」
サイラス達は、グロオーサのトゲを必死に避ける。
奈雲は、すぐ近くにある岩陰に隠れる。
オルティオスがトゲを避けた時、放たれたトゲがマスクタイプのボイスチェンジャーを掠りマスクが外れる。
「オルティオス‼」
ソニックエースは、放たれるトゲを避けながらトゲが掠ったオルティオスを見て驚く。
「大丈夫だ マスクに掠っただけで俺は無傷だ」
オルティオスは、女性声のままでソニックエースにトゲがマスクタイプのボイスチェンジャーに掠って自分は大丈夫だという事を伝える。
「良かった……」
ランビュは、オルティオスが無事について安心する。
「というより、声はまだ戻ってないんですね……」
ネシリスは、オルティオスの声を聞いてまだ声が戻っていない事を言う。
「テメェ! なんつー声出してんだ‼」
グロオーサは、女声を出しているオルティオスにツッコミを入れる。
「これはお前のトゲのせいだ」
ソニックエースは、グロオーサにツッコミを入れる。
「あ、オレのトゲか……」
グロオーサは、ソニックエースの話を聞いて納得する。
「シャシャシャーシャッ‼(お前のせいで大変だぞ‼)」
コブラージャは、一気に突っ込む勢いだが蛇語で喋っていた。
『?』
オルティオス達は、コブラージャの言葉を聞いて困惑する。
「何ふざけているんだよ!」
サイラスは、蛇語で話すコブラージャにツッコミを入れる。
「シャ?(あれ?)」
コブラージャは、自分が蛇語になっている事に不思議がる。
「俺、見ていたがアイツのトゲがコブラージャの腕に掠っていたぞ」
奈雲は、岩陰からコブラージャがグロオーサのトゲを掠った事をオルティオス達に伝える。
「シャー‼(マジッ‼)」
コブラージャは、奈雲の話を聞いて慌てて自分の腕を見る。
すると、奈雲が言った様にコブラージャの腕にトゲが掠った様な跡があった。
「奴のトゲ 掠ってもアウトの様だな」
ソニックエースは、グロオーサのトゲが掠ってもトゲの効果がある事に気付く。
サイラス達は、グロオーサに警戒しながら何気に自分の身体を見てトゲが掠った跡が無いか確認する。
「隙あり‼」
グロオーサは、再びトゲを放とうとする。
だが、グロオーサの腕に2・3発の麻酔針が刺さる。
「何っ‼」
グロオーサは、自分の腕に麻酔針が刺さった事に驚く。
麻酔針を撃ったのは岩陰に隠れた奈雲だった。
「この麻酔針は即効性だ」
奈雲は、撃った麻酔針について自慢げに言う。
「な、何だと……」
グロオーサは、奈雲の話を聞いてそのまま倒れ込む。
「ナイス 奈雲!」
マシャンタは、奈雲に親指立てながら言う。
「確保!」
ソニックエース達は、グロオーサを確保する。
「背中のトゲに触れない様に気を付けて下さい」
ランビュは、グロオーサを押さえ付けているソニックエース達に注意する。
「ナビ 収容ポッドを転送してくれ」
オルティオスは、ナビに収容ポッドの転送を頼む。
《了解》
ナビは、オルティオスの指示で収容ポッドを転送する準備をする。
コブラージャは、何処からか出したホワイトボードに「奈雲 これどうにかしてくれ」と書いて奈雲に見せる。
「う~ん……時間が経てば戻るらしいがコリウスに戻ってもっと詳しく調べてみるよ」
奈雲は、コブラージャにコリウスに戻ってから詳しく調べる事を伝える。
コブラージャは、ホワイトボードに「頼む!」と書いて再び奈雲に見せる。
「俺も何時までも女声でいる訳には……あっ」
オルティオスは、早く元の声に戻ってほしいと思っているが何時の間にか声が戻っていた。
「声、戻りましたね」
ネシリスは、グロオーサを転送されて来た収容ポッドに入れながらオルティオスの声が戻っている事に気付く。
「良かったぁ~」
サイラスは、オルティオスの声が戻った事にほっとする。
オルティオス自身も声が戻った事に安心していた。
その後、オルティオス達は、無事にコリウスに戻りグロオーサを本部に転送する。
暫くしてコブラージャが普通の言葉に戻る。
オルティオス部隊は、宇宙へ旅立って行くのだった。
【次回に続く】