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[[jumpuri:第一話 > http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3580615]]
目を覚ますと、いつかと同じ、ピンク色の部屋だった。
「気に入ってくれたみたいね」
その言葉に、反射的に「あ、はい」と答えようとしたが、どういう訳か、言葉が出なかった。
言葉が出ないことに驚き、どうにかそれを実現しようと、頭に声という声を思い描いたが、自分の呼吸すら意識するのが難しくなる。
分からないのだ。言葉を出すと言う事が、どういう事だったのか、全く、自分の脳みその中から消えてしまって、分からなくなっているのだ。
「ねぇ、さっきの続きをしたいんでしょ?」
声色は明らかに違うが、しかし、それは、あのモデルのような彼女であった。
車の中とは打って変わって、高圧的な命令口調である。
僕は戸惑いながらも――むしろ、殆ど無意識なうちに首を縦に振っていた。
「ダメよ」
背の高い彼女から見下されて、僕は身体を硬直した。
それは犬に対する"待て"のようなものだった。
視界が狭い分、僕は自分がずっと小さな存在だと圧迫されているのだ。
「私の許可なしに、一人で気持ちよくなるなんて許さないんだから」
これに対しても、僕は不満の声を出そうにも、それとも、彼女の断定を否定しようにも、身振り手振りを行うしか方法はない。
しかし、先からの硬直は思考以外を置いてけぼりにして、控えめな動き、手を前について、すがるように彼女を見上げるしか、何も出来る事はなかった。
彼女は、僕のその姿勢に満足したようで、微笑みながら続ける。
「そうね、折角こうして一緒になれたのだから、私のを慰めてくれるかしら?」
慰めると言えば、つまり彼女の男性器を処理することに違いない。
僕は、その彼女の秘部を拝めるのだと、頭より先に股間が喜ぶのを感じる。
長身の彼女は、足を肩幅に開き、両手で自らのスカートをたくし上げる。
ストッキングとショーツが、その両足の交わる地点が、荒々しく隆起しているのが見て取れる。
僕は思うがままに、それに見入っていたが、その思考とは別に、自らの右手を伸ばすところであった。
「勝手に触っていいと思っているの?」
逸物の所有者は、厳しく僕の行動を諫めているが、その鋭い美貌を一瞥してまた向かい直すと、それは一段とたくましさを増しているのに気付いた。
彼女がじらすつもりなら、僕もじらそうか?
邪悪な感情抱き、引っ込めた手を、自分、そして大きな目の彼女の膝に置くと、ここで、自分の股間の重大さに再び気付かされることになった。
ほんの少し前に咎められたというのに、この右手は、じりじりと腿の内側に向かって滑り落ちていく。布の擦れる音が、そして微細な振動が、その興奮を高めていく。
目の前の彼女は、それをすぐに察知して、「何度言えば分かるのかしら? 貴方は、私が許すまでオナニー出来ないのよ」と脅す。
何を脅す理由があるのか、実のところよく分からないが、しかし、今このまま拘束が解かれないままでいれば、僕は二度と自分で自分を気持ちよく出来なくなるのではないか? と本気で思えるほど、彼女の事が恐ろしくあったのだ。
僕は、手をベッドの上に引っ込めると、彼女の方を見つめ返した。
「そんなにオナニーしたいの?」
躊躇わずに頷く。
「私のも触りたいでしょ?」
強く頷く。
「私が射精した後でいいかしら?」
形振り構わず頷く。
そうして、僕は、眼前の大きな膨らみを、静かに、穏やかになで始める。
ただでさえ大きなそれは、触るにつれ、硬度を更に増していく。
太さも長さも僕の二倍以上ある。
形を確かめるように、そしてそれらをこの布で包み込むように鍛えていく。
「ぎこちないけどまあいいわ。ストッキングとショーツを下げてくれるかしら?」
そこからは、殆ど自動的だ。
二つの布を手前に引っ張りつつ、下部へ引き下げると、その太いものは、あらん限りの力で天を突き刺している。
その大きさの割に、色は可愛いピンク色で、何処か犬のペニスを連想させるものだった。
僕は、それをどうしていいのかよく分からなかった。
しかし、その先端から、自分を基準にすると異常なほどのカウパー腺液が染み出してきている。
それをローション代わりに、先端部を優しくこねくり回す。
「いいわ。いい調子だわ」
その声に、"女王様"の顔を伺う。
「可愛いわよ。可愛いわよ」
愉悦の表情で訴えかけている。
気をよくして、その歪んだ笑顔を見つめながら、手を激しく動かした刹那、「あ!」の一言で、視界が濁るのを感じた。
面の中が、精液の、あの美人で力強い彼女の精液の匂いで一杯になる。
僕は、その衝撃で、自分も射精してしまったのではないか? と思えるほどに、のけぞり後方に倒れた。
そこまで来ると、自制は利かない。
僕が、否、僕の外側の彼女が、自分のスカートをどうにかするのももどかしく、兎に角、股間を一心不乱にまさぐりだした。
「見せて、そのだらしない格好を」
僕は、もう、向かいの彼女の事なんか、全然考えていない。
僕は、僕と僕の外側の彼女のために、その体内に精液をぶちまけることだけを考えていた。
これは、実質一人で二人の性交を行っているようなものだ。外野なんてどうだっていい。
その瞬間、僕は目を見開いて、正面を見据えていた。
モデルのような彼女、そして彼は、僕の身体が痙攣していくままにさせている。
全てが開放されていく中、お向かいの必死な形相の美女が、自分の手で自分のピンク色のペニスをしごいている。
彼女だって同じじゃないか。
僕の主人と言えるこの人は、僕の隣に座り込み、息が落ち着くのを待っていた。
隣の彼女による、二度にわたるぶっかけに、僕の外側の彼女は、どろどろの状態にあっただろう。
主人は、僕をベッドから降りるように促し、床に座り込ませた所で「顔を押さえて」と命令した。
どういう手を使ったのか、面の後部は外れ、タイツは頭の上から背中まで引き裂かれた。
「私は、中身の貴方には興味がないの。
でも、食事の世話ぐらいはしてあげるわ。
冷蔵庫の中のモノを飲みなさい。感謝して飲むのよ。
身体を洗って、用便を済ましたら、新しいものに着替えて。
きちんと整ってから隣の部屋に入るのよ」
酷い言い様だが、しかし、この偉大な彼女に関しては、それが正当な主張であるように思えた。
もう、自分が飼い慣らされている事に気付く。
主人が部屋から去ると、僕は脱衣室へ向かい、言われたとおりにする。
きっと、この繰り返しが今後も延々と続くのだろう。
鏡の前に立ち、草臥れた男の姿を見るにつけ、虚しさと悲しさがわき起こる。
冷蔵庫の中には、大豆色をした液体が、プラスチックボトルの中に入っている。
恐らく、"生きていくのに必要な栄養素が全て入っている"の触れ込みで話題になっている、完全栄養食品だろう。
味は最低の二歩ぐらい手前だ。慣れればなんとかなりそうだ。
満腹感はないが、空腹は消えた。
食事の貧しさは、僕に一層の疑問を感じさせる。
何故、自分は彼女に立ち向かおうとしないのか? こんなプラスチックの面ひとつで、何故、ここまで無様な姿をさらさなければならないのか?
疑問が頭の中を循環して、循環している間中、身体や歯を洗う手を休めない。
ここは何処であるのか? 僕の家族は、僕の心配をしていないのか? 彼女は、この生活をどのようにして成り立たせているのだろう? 協力者はいるのか? 面やタイツはどうやって作ったのか? そもそも、今は何時なのだろうか?
然るべき疑問は、実はあちこちにあるはずなのだけど、それらに関しては、一向に顧慮する事はなかった。その影すら感じない。
今の感情は怒りだろうか? 戸惑いだろうか? 分からない。
しかし、僕は、その後も、惑うことなくタイツに身体を通し、下着を着て、服を着て、面を被った。
鏡は面を被った後にだけ見るようにしよう。
着替えが終わると、その決意しか残らず、他の感情は全て放置されて、脱衣室に残った。
扉を開く前に、髪の毛の具合をチェックすると、鏡の中にいる美少女の愛おしさに、再び心が奪われる。
あの続きをしたい! ショーツの中に手を突っ込んで、彼女と一緒に、鏡の中の彼女と一緒にイきたい!
強い衝動に駆らる。我慢する彼女。その姿も可愛い。
可愛い、可愛い、可愛い、可愛い、可愛い!
何故、こんなにも愛おしいのだろう。胸が苦しいのだろう。
しかし、恐ろしい女主人に見つかれば――恐らく隠しカメラで監視しているだろう彼女に見つかれば、どんな仕置きに遭うか分からない。
でも、我慢できない! 愛したい、彼女を思う存分愛したい。
迷う彼女と、それを襲う僕の自我が、鏡の向こうとこちらでせめぎ合い、両手でこの身体を抱きしめ、まさぐり、そして、拒否し、押さえ込み、受け容れ、一緒に溶けていく。
このドレスも、生地が素晴らしく、それが擦れ合う感触がタイツを通して、皮膚に染み入ってくるようだ。
彼女は恥じらうように、スカートの裾を上げると、僕の意識がそれをサポートしつつ、太腿を露わにさせる。
ガーターベルトに挟まれた太腿の肉は、もはや自分のモノなのか、作られた物なのか区別が付かないほどになっている。否、それはあくまでも彼女のものだ。
僕は僕の外側の彼女と向き合い、その溢れる笑顔に酔いしれながら、指先を可憐なショーツの中に差し込む。
もう、既に出来上がっている僕と彼女を繋ぐ硬い紐帯は、指先の刺激だけで、もう噴き出しそうなぐらいに振動している。
もう少し我慢して! 一緒にいこう!
僕は彼女に語りかけながら――お互いに声は出ないが、彼女の嬌声はしっかりと耳に入っている――一緒に、その快楽に身を委ねている。
彼女は僕を激しく責め立て、僕も彼女を責め立てる。
我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、そして、その末に、お互いが絶頂に至る。
全身が震える。震える。もう立っていられない。
僕と彼女は、その余韻を抱き合いながら味わう。
しっとりと味わう。
一生離れたくない。
僕の悦びは、主人の一言で破られる。
「堪え性のない人形ね」
恐る恐る見返した彼女は、存外笑顔であった。
「いいわ。お仕置きをしてあげるから」
隣の部屋では、防犯用の刺股の先を直角に曲げて、持ち手部分を土台に固定したようなものが用意されていた。
そして、横にはプラスチック製のパーツが転がっている。それは、円筒を半分に割ったようなもので、大小様々な大きさと形をしている。
「人形は人形らしく、ずっと大人しくしていれば良いのよ」
彼女に促されるまま、僕は服を脱ぎ、そのパーツが身体に装着させるがままにしていた。
胴体に、胸に、足に、腕に。
全てが組み合わされたとき、僕は一切の身動きが取れなくなってしまった。
分かっている。あのパーツがそう言うモノであるのは分かっていた。
拒否なんて出来ない。僕の外側の彼女が、僕をそうさせてくれない。
土台に載せられ、それが箱に仕舞われ、梱包材によって隙間なく埋められ、蓋が閉められる。
僕を閉じ込めた木箱は、横に寝かされ、運び出された。
揺れる。上下に揺れる。運ばれている。
揺れ方や向きを変えたときの姿勢の違いから、どんな方向に運ばれているのか想像しようとしたが、それは無理な相談だった。
しかし、この全てに身を任せて、視界も何も閉ざされた中で運ばれるという感覚は、僕と彼女を優雅な気持ちにさせた。
僕の愛する彼女は、もうすっかり人形になっていて、股間のうずきを感じつつも、それを触れることも適わぬ不自由さに、身を窶し、興奮し、もう、その状況と言うだけで、独りでにイケそうな気がした。
往来に出た音がする。
地面に下ろされる衝撃を感じる。
ああ、僕と彼女は、一緒に"モノ"として扱われている。
運送やらしき男の声がする。
街の雑踏が少し和らいだと思えば、トラックの扉が閉まる音。
走行音と揺れが、僕を眠りに誘う。
「ねぇ、一緒に寝ましょう?」
彼女が寄り添ってくれている。
フラッシュの光に目を覚ませば、そこは大規模なフィギュア即売会だった。
行き交うカメコが彼女の姿をカメラに収めていく。
一眼レフにコンパクトカメラ、スマホ、ガラケー。ありとあらゆるレンズが向けられる。
レイヤーさんが隣に並んで撮っている。
抱きつかれているのは分かるが、感触がないのが惜しい。
顔が近い。顔を突き合わせ、おでこをくっつけた状態で撮る女性もいる。
スカートを捲ってはしゃぐ女の子。
無遠慮に胸を触り、大きさを比較する仕草で記念写真をする子。
こういう時、男よりも女の方が、ずっと彼女との正しい遊び方を心得ているように感じる。
もっと触って、もっと見て、もっと撮って!
しかし、そうした気分が高まると、どうしても、自分の目で彼女の姿を確認したくて仕方なくなる。
もどかしい。
見たい。見せて欲しい! お願いだ!
この拷問が、主人の言うお仕置きである事に気付くのは、会場が閉じる頃になってからだった。
僕と彼女は、再び梱包されて運び出される。
空腹を感じつつも、また一眠りして、開放されるのを待つのだ。
運ばれている感覚は、やはり優雅なものだ。
彼女が丁寧に扱われ、大切に運ばれるというのは、実に愉快で、自分の価値を認めてもらっているようで、素晴らしく楽しいものであった。
部屋に運び込まれ、開梱されると僕のために、僕が彼女を眺められるように、大きな姿見が用意されていた。
「見たかったんでしょ?」
主人は、その顔を人形の頭部に接近させ、その人形に語りかけた。
人形は、アニメの世界に出てくるような、女子高生、或いは女子中学生の制服で、スカートの丈が短い以外は、自然な感じの可愛さがある、"よい衣装"を着ていた。
右手を腰に、左手を膝に置いて、突き出した左足、少し曲げた右足によって、背筋を伸ばした前傾姿勢を取っている。
顔はしっかりと正面を見据えているので、後ろから見たら、おしりを突き出しているようにも見えるに違いない。
明るい笑顔で、しかし、ちょこっとだけエロティックに。
イベント中にされた、様々な行為が、どれほど際どいものであるのか、今になって気付く。そして、それがこの鏡の前で行われていたら、どんなに興奮できただろう。酷く残念で、気持ちが沈む。
これが罰なのか。
女主人は、鏡を視界から外すと、また、謎の操作により、臀部のパーツを外した。
「何も抵抗できないまま、私にかき回されるのよ」
もう一度、耳元で囁くと、鏡を元の位置に戻して、彼女は僕の外側の美少女の背後に立った。
彼女の下半身を隠すのは、マキシ丈のスカートだけなのは間違いない。
いきり立った竿が、柔らかなドレープの一カ所から突き出ていたからだ。
それから、その硬いものを、スカートに包みながら、悦楽の表情で擦る姿を、僕と僕の彼女に見せつけた。
この後、彼女がどうするのか分かっている。
柔らかな僕の彼女のおしりをなで上げ、もみし抱き、暫くこのまま遊ぶのかな? と油断させたところで、女主人はひと思いに、この動かぬ人形に、自らの逸物を突き立てたのだ。
痛い! 頭の中が真っ白になった。
何をされたのか頭で理解できていても、情動的に理解する事は殆ど不可能なほど、僕は強いショックを味わった。
「ねぇ、ちゃんと見ている? 見てよ! 私に犯されているのよ。
私、人形を犯しているわ。
ねぇ。ねぇ」
女主人は興奮して、あの凜々しさや賢さは立ち所に蒸発している。
ただ腰を振っている大柄の女がそこにいる。
彼女は、射精を必死に我慢しているのは明らかであった。歯を食いしばって、それでも腰の動きは止まらない。
閉じた顎から唇だけを開いて、「シーハー」と猛烈な勢いで呼吸を荒らしている。
何度も何度も繰り返されると、次第に冷静になってくる。
目の前の姿見を静かに見つめる事が出来た。
髪を振り乱す主人は、狂気じみていて、そしてその狂気がこの身に注入されるのだと考えると、肛門にある熱は、次第に自分自身のものに置き換わるようになっていった。
熱くなる。中がじんわり熱くなる。
僕の彼女が犯されている。
悦びの表情を湛えながら、自分からおしりを差し出している。
主人の刻むリズムが、自分の中のリズムに同調するようになると、自分からそれを迎えに行きたくなってくる。
でも、人形だ。僕と彼女は人形だ。
無抵抗に犯されるだけの存在だ。
「ああ、来て! 中に出して!」
僕の外側の彼女が叫んでいる。
「出ちゃう! 出ちゃうよ! まだずっとこうしていたいのに! 出ちゃう!」
女主人は、僕の内なる声に呼応するように、誰にも憚られることのない声を上げる。
「出すよ!」
その一言で、人形の前と後ろで、二つの竿が脈打つことになる。
殆ど同時だ。
女主人は、その場にへたり込み、息が切れ切れに、人形の足にすがりついた。
「一緒にイけたかな?」
初めて車に乗ったときの、あの甘い、可愛い声が戻ってきた。
「気持ちよかったよ。
気持ちよかったでしょ?
私を裏切らないでね。
ずっと貴方を愛し続けるから。可愛がるから。
ねぇ、お願いよ。ねぇ」
その懇願は、か細くあったが、しかし、この耳にはしっかり届いていた。
気が付けば、人形の股の間から、精液が滴るのが分かる。
そして、それが、足にしがみつく彼女の頭に、一滴、二滴と落ちていく。
何滴か続いたところで、主人は、人形の彼女のおしりを舐め始めた。
蜜をなめるように、舌を伸ばし、肛門をまさぐっていく。
じゅるじゅると汚い音を立てながら、自分の出した精液を綺麗に洗っていくのだ。
「ああ。
ああん」
何に突き動かされているのか、それをやめそうな気配がない。
気持ちの良いことは良かった。
しかし、それはあまりにも地味であった。
第一、背後で行われていることだから、僕の彼女がどのように遊ばれているか分からないのは、不機嫌な感じにさせる。
「はぁ。あぁ」
女主人は、己の精液の味を堪能したのか、立ち上がると、再び人形を犯し始めた。
もはや、何の感情も湧かない。しかし、快感だけが肛門を通して、内部にこみ上げてくる。
僕と彼女の、萎えていた逸物は、再び元気を取り戻すこととなる。
この女主人にしても、また、この人形にしても、どれほど吐精できるのだろうか?
あの飲料に秘密があるに違いないが、そんなことはどうだっていい。
また、機械的に犯され、そして、このタイツの中が、また精液でぐちょぐちょになるのだと覚悟し、主人の快楽に身を任せるばかりだった。
二回目の攻撃は、それでもまだ、自分の身に起きた現象として楽しむ事が出来た。
これが三回、四回と続いていくうちに、自分自身が外在化され、彼女がただ、性欲処理のための人形として、ケツを突き出し、それを受け容れているという事実を、非常に醒めた目線で見つめるだけの状態になっていった。
五回目に至っても、主人は嬌声を漏らし、このプレイを楽しんでいた。
自分も、その外側の彼女も、もう、飽き飽きしていたが、しかし、主人の射精を肛門で受け止めると、やはり、反射的に射精してしまい、一定の快楽を得ていたのは事実だ。
ひょっとして、長身の彼女も、やめることは出来ないのではないか?
そのように気付いた頃、立ち上がった女主人がよろめくのに気付く。
そして、人形に寄りかかり、こう呟く。
「ご褒美に、着替えた後、静かに休むことを許可するわ。
オナニーも好きにして良いわよ」
開放された。
相変わらず、パーツや面、タイツを割く方法は、僕に見せないように注意されていた。尤も、それを知ったところで、僕は、もう、自力でそれを脱ぐことはないだろう。
女主人が部屋から去ると、僕は自分の姿を、自分に見せないように身長に部屋を移動し、そして、シャワーを浴びた。
栄養食を再び飲み込み、もう一度入念にシャワーを浴びる。
脱衣室では、綺麗になった面が用意されていて、タイツも新品が置いてある。
自分の顔を見なくて済んだお陰か、嫌な連想や疑問を抱かずに、素直に着替える事が出来た。
オナニーをしたいのは山々だったが、体力は限界に近い。
取り敢えず、部屋を移動し、寝室にある大きな姿見をベッドの前に移動させると、布団の中に潜り込んだ。
面は長時間着けていると息苦しく感じるが、しかし、それこそが脳の判断を鈍らせて、純粋に快楽だけを求めるように仕向けているように思えてくる。
部屋は減灯され、間もなく僕と彼女は眠りに落ちた。
僕は、甘い香りの吐息に目を覚ます。
その香り、そしてかすかに漏れ出る喘ぎに、それが我が主人である事に気付く。
視界が限られているので、状況は殆ど掴めなかったが、身体が密着している事や、温もりがタイツの中にまで染み込んでくる。
これが人に抱かれるという感覚なのだろうか? 僕は今まで女性……かどうかは別として、人に抱きしめられた事がない。あるとすれば、赤ん坊の頃まで遡らなければならないだろう。
事実上、初めて人の温もりを知ったような気がする。
女主人と僕(そして彼女)とは、大きな体格差があるため、彼女の抱擁は、当初寄り添っているだけだったものが、次第に頭を撫でるように、そして包み込むように推移した。
あれほど没入的であった長身の彼女は、こんな時ぐらい、何か良い言葉でも掛けてくれればいいものなのに、ただひたすら吐息を漏らしながら、味わうように、確かめるように、頭から胸を撫で回し続けた。
当然のように、彼女の股間は逞しく、僕の太腿にこすりつけられていた。
身体が前後する度に、竿が抵抗を持ってこすれているのを見ると、下半身は露出されているに違いない。
どうせなら、その突起に、自分のものを押し付けたい。
昨晩、自慰を好きにして良いと言われたのだから、彼女を道具にしたって文句はあるまい。
僕のペニスは、彼女のどの部位によって励起させられたのかは分からないが――正直なことを言うと、太腿にこすりつけられている見事な逸物が原因だ――兎に角、タイツの締め上げが気持ちよくなるほどに出来上がっていた。
僕(と外なる彼女)は、仰向けの姿勢から、主人の側へ身を起こし、手をその背中の方へと回した。
あとは体重を掛けていけば、押さえ込めるのではないか?
「あら、生意気ね」
言葉の内容の割に、我が主人の声は、明るく浮かれていた。
「私のにこすりつけたいのね? 嬉しいわ」
そして、僕を両手で抱きかかえるようしたまま、僕のグラインドに身を任せて、なまめかしい喘ぎを、憚ることなく吐き続けた。
「もっとこすりつけて。ねぇ、もっと強くしていいのよ」
と言うのだけど、自分の一番気持ちいいように動かすのにも一苦労する有様だから、その期待に応えるのは難しい。
この時の興奮は、物理的な刺激云々ではなく、彼女のペニスに自分のペニスを擦り付けているのだという"状況"が、胸の奥の不定型な何かを、過激なほどにかき混ぜているのだ。
僕の心の中で蠢いている何かは、彼女にも具わっているに違いない。
僕の気分の高揚が、前後の動きをより早めていく。当然、ぶつかり合う精度はガタ落ちがが、それ自体はさして重要ではない。
相手方の喘ぎとよがりとのテンションが、僕の腰に呼応するように高まっていく。
「イキそう! イキそう!
ねぇ、イクね。イクわよ!」
イクなら同時が良い! 一緒にしたい!
ああ、この日本の竿が絡み合い、溶け合ったらどんなに素晴らしいことか!
脳裏にその光景がはっきりと浮かんだ瞬間、僕の中と外にどろどろとした粘液が広がる。
「あぁ! あっ! あー」
主人は雄叫びと言える程の声を上げ、まるで声帯が変形してしまうのではないかという程、肉食獣のような叫びを間断なく続けた。
お互いに、腰が細かく振動して、それがまた刺激となって、射精が一向に止まる気配を見せない。
訳も分からず、お互いに強く抱きしめ、私は女主人の胸と顎の間に顔を埋めて静止した。
[[jumpuri:第三話 > http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3675603]]
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