地固め編 第四十二話 化けたロリ種族

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  予想以上に雄々しく変化した耳長達の魔進化も遂に終焉を迎え、ダインは新たに眷属に加わった牝達を横一列に並べて鑑賞していた。

  三人の中央に位置するフィセーリアの変化は特に顕著で、耳長素体時の4、5倍のボリュームが有る。

  ダイン 「やはりフィセーリアだけが突出して大きくなってますね、魔力にも倍以上の開きが有りますし、魔進化方法はフォティーヌと変わりが余り無い筈ですが、差異はやはり純潔なのでしょうか」

  フィセーリア 「交わるダイン様の魔力を大量に頂きましたから、それが原因だと思います」

  ダイン 「いや、今までもフィセーリア同様の魔進化を遂げた娘はいますが、これ程の変化は有りませんでした、それに私は魔族型を意識していましたが、角、翼、尻尾はドラゴンの物ですよね、耳長と魔龍には何か繋がりが有るんでしょうか?」

  フォティーヌ 「言伝えでは、耳長の祖先は龍だったというのが有ります、両者の間に余りにも共通点が無いので、古代の妄想だと言われてましたが、今の私達の姿を見ると全くの的外れでも無さそうですよね」

  フィリッカ 「より強い魔力で龍化に違いが有る様ですけど」

  ダイン 「となるとやはり魔龍の方も調べるべきですね、私が調べれば何か解ると思います、そもそも魔龍とは混沌大陸に元々生息していたんですか?」

  フィセーリア 「東方ではそう言われてますね、中央大陸、ダイン様の言う混沌大陸から落ち延びる時に若い世代の耳長のみが逃げ延びたのです、ですから私達もそれ程詳しくは有りません、ですが、力を付けた魔龍が世界を滅ぼすと言う伝承はあるんですよ」

  ダイン 「力を付けた魔龍ですか、ですが危惧する状況はザキトスの魔獣が原因なのですよね」

  フィセーリア 「実際に確かめたわけでは有りませんが、そういう事だと思います、私達の居た頃のはそういう話は無かったので」

  ダイン 「魔獣の方も調べた方が良さそうですね、こちらはルーフィンが何か知ってそうですが」

  ダインは今日得られた情報で既に次を考えていた、だが、状況としてはティアスの選定戦の祝勝会が直ぐにでも開始される時刻であった。

  そして、状況を確認しに来た七実がビグ・ユーマの艦橋に踏み込むと、ダインが呑気に新しい眷属の鑑賞会を行っている。

  七実は一瞥して、新しい遊魔達の姿に驚きを見せたが、今はそれどころでは無い、選定戦最大の功労者と言えるユーマ王抜きには祝勝会を始めるわけには行かないのだ。

  七実 「まだ、そんな格好で、ダイン様が着飾らない事は周知されていますが、流石にその姿は駄目ですよね、早く服を着て下さい、耳長さん達も元に戻れますよね?」

  ダイン 「そう言えば、確かめていなかったですね、戻れ無ければ一大事になってしまいます」

  流石のダインも狼狽してしまっている、想定外の姿など耳長には今までの遊魔の常識が通用しない様なのだ。

  フォティーヌ 「意図的に魔力を止めるわけですね、多分大丈夫だと思います」

  フィセーリア 「はい、お腹に魔力を溜める訓練には慣れてますから」

  フィセーリアの言葉通りに三人の耳長遊魔達は腹に魔力を集中させると、肥大化した遊魔部位は徐々に小さくなって、最終的には黒い黒子となってしまう。

  ダイン 「上出来ですね、その位置の黒子が気付かれる事は無いでしょうか?」

  フィリッカ 「お風呂に入ればバレちゃうかも、でも、母船じゃないとお風呂なんてないし」

  七実 「もう、戻ったなら早く服を着て下さい、三人はこの衣装でいいんですよね」

  七実はちゃんと畳まれて置かれている三人の耳長衣装を見て言ったのだが、どの道、この衣装を着る以外の選択肢など無いだろう。

  ダイン 「派手さは有りませんが堅実で良い服ですよね、もっとも三人はどんな服を着ても映えるとは思いますが」

  フィセーリア 「耳長の衣装は森に紛れるというのが前提何です、森の植物から繊維を作って森の色で染める、だから大抵緑か茶色なんです」

  七実 「どっちもダイン様の好きな色ですよね、塗ったプラモも緑か茶色が多かったし」

  ダイン 「アニメ向きの奇抜な色は嫌いなんですよ、森林に紛れる緑や、砂漠とか荒野のデザートイエローとかが良いじゃ無いですか」

  七実 「それ、女の子が着るには地味な色じゃ無いですか?」

  ダイン 「私の前で着飾る意味なんて有りませんよ、脱げば同じですし」

  七実 「女の子の努力を真っ向否定してますね、少しでも可愛く見られたいものですよ」

  ダイン 「ナナもジャージでプラモ作ってたじゃ無いですか」

  七実 「女の子が作業着なんて持って無いですから、余り成長もしてませんでしたし」

  ダイン 「そう言えばあのジャージ、中をもじった刺繍がしてましたね、胸のところに黒い塗料をこぼした跡も付いていましたし」

  七実 「もう着ない服の再利用です、もうこの話はここまでです、ダイン様以外はもう服着てますよ」

  七実に急かされてダインも服を着始める、とは云うもののダインの服は一国の王とは思えない程飾り気などない物で、デザイン自体も地球の軍服を参考にしたとても動きやすい服なのだ。

  七実 「何かその肩のところとかに、偉い将軍みたいにキラキラしたの付ければ良いじゃ無いですか、そういう軍服も有りますよね」

  ダイン 「貴族趣味的なヤツですよね、ああいう装飾は全くの無駄だと思うんですが、それに私が着ても飾りに負けてしまいますね」

  七実 「言いたい事は分かりますけど箔って大事ですよ、ダイン様がそれなりに着飾ってくれないと皆んなオシャレを遠慮しちゃいますし、ダイン様だって自分の牝は他人から魅力的に見られた方が嬉しいですよね」

  ダイン 「いや、他人には見せない美しさの方が好きですね、万人に認められようとするから不幸を背負うんですよ」

  フィセーリア 「その言葉、正に真理ですね、私は見本となる様に努力して来ましたが、今はダイン様だけに認めて貰えればそれで幸せですから」

  七実は、ダインの援軍が現れた事にちょっと不愉快になる、遊魔個人としてはダインに愛される事が最重要だが、もはやユーマ勢力はダインだけではなく周りも意識する必要があるのだ。

  七実 「耳長の家族にはユーマの現状を認識して貰う必要が有りますね、でもダイン様との会談でこの衣装を着て来る文化の人達に解って貰えるでしょうか」

  耳長衣装に目を向けた七実は、耳長の衣装感覚がダインに近いものだと感じ取っていた、ダインには有効的に機能した様だが、人類圏の会合でこの耳長衣装で出席したなら、使用人と間違われてもおかしくないほど地味でもある。

  七実思考 『まぁ、今から現実を見せればいいだけかも、ですが耳長ってだけで見た目に関係無く引っ張りだこになりそうですね』

  ダイン 「まぁ今回の宴はティアスが主役ですから、脇役は大人しくしておきましょう」

  七実 「主役以上に興味惹かれちゃってますけど、まぁティアスも気合い入れてましたから、見ものですね」

  ダイン 「なら、ティアスの晴れ姿を見に行きましょうか、ティアスの美を衣装がどれだけ引き立てられるか見ものですね」

  女体美を求めるダインのファッションへの評価は低い、衣服自体を防寒や防具の一種、または汚点隠しと考えているから、実用性を追求しているのだ、だからこそ着飾ったティアスの姿に興味は覚えているが、自身の美が反映された裸の遊魔ティアスには絶対に勝らないという確信もある。

  そうして、一応の身なりを整えたダイン一行が地上に降りても、警備の人員以外の人影はない、ユーマ技術の象徴とも言える浮遊母艦は、常に情報を狙われている為に不要に人間を近付けない事を必要としている。

  ダイン自身も警備の騎士達に感謝の言葉を述べて会場に向かう、警備の騎士達はダインに従う様に続く耳長達を見て驚きを隠せなかったが、ダインなら優位な交渉も可能だと思い至って、改めてユーマの凄さを実感している。

  七実 「警備の騎士も驚いていましたね、このまま会場に向かいましょう、耳長もユーマに付いた事を示せば、要らぬ誘いを断り易いでしょうから」

  フィセーリア 「良い考えだと思います、正直言ってユーマ以外の人間の国には興味なんて有りませんから、クガトとは交流も有りましたけど、お互いを利用する関係ですし」

  ダイン 「そうだったんですか、かなりクガトの内情を知っている筈の味方からは何も聞いていませんが」

  フォティーヌ 「魔術を研究している直系の子孫は全く表には出ていない様ですから、耳長とクガトの交流と言っても残っていたのは魔術通話ぐらいでしたよ」

  ダイン 「それでよく耳長の選定戦の参加を認めましたね」

  フィセーリア 「クガト直系にはザキトス戦役の資料が残っているんですよ、クフィカールが人間のマギガントよりも優れている事は知っていた様で、リボルト王子以外の戦いを任されました、あと決定後に交流を行って、王子のムゥディも耳長の技師が手を加えてます」

  ダイン 「つまり、かなり以前から計画していたという事ですか」

  フィセーリア 「人類圏との表だった交流は有りませんが、密偵は潜んでいるんですよ、でも密偵は耳長じゃ有りませんよ」

  ダイン 「ユーマの諜報能力もまだまだですね、私の知らない事ばかりです」

  七実 「国作りに比重を傾けてましたからね、ですが今回の勝利でようやく他にも手が回りそうです」

  ダイン 「まだまだ人材が不足してますけどね」

  七実 「仕官の申し出は多いんですけど正直間者ばかりでしょうね、増やすにも人間の教育には時間が掛かるんですよ」

  ダイン 「人材面はティアスの勝利でユーマにも色々と恩恵が有るでしょう、やり方はティアスに任せますが、ククジアの協力が有れば耳長の求める浮遊母艦の建造も捗る筈です、乗り手は確保出来ましたしね」

  フィセーリア 「確かに浮遊母艦はユーマの人間じゃないと扱えませんよね、今なら十分な資格を得たと思いますけど」

  ダイン 「魔鋼さえ有れば直ぐにでも建造は可能ですよ、私としては次も考えてますが」

  七実 「思い付くのはいいですけど、準備が大変ですよどうせ大型化させるつもりでしょうけど、大きくするには設備も大きくないと」

  ダイン 「そうなんですよ、ですが輸送能力の向上には大型化なんですよね」

  七実 「数を作ればいいじゃないですか、まぁ魔鋼を節約したタイプも作らないと駄目でしょうが」

  ダイン 「普及型のスカイベアーはただの輸送船になりそうですね、そもそもビグ・ユーマでも兵器としてお遊びレベルですから」

  フィセーリア 「そうでしょうか、アレに負けた私は可能性を感じていますが、魔龍にも対抗出来そうですが」

  ダイン 「魔龍の実物を見ていないので何とも言えませんが、ビグ・ユーマの人型形態はそれ程早くは動けませんよ、生物の動きに追従するのは難しいでしょう」

  七実 「でも、ダイン様がやる気を出せば出来るんじゃ無いですか、想定外の事態にも何かしらの対抗策があるのが遊魔ですし、魔龍の話を聞いて何か考えてますよね」

  ダイン 「確かに考えはしてますが、先ずは情報ですね、それには先遣隊の派遣が現実的ですね、まぁ、今は宴を満喫しますか、本格的な対抗策はテガスでやりましょう」

  七実 「そうですよね、日本の料理も用意してますので、耳長の皆さんも存分に楽しんで下さい、席は対戦相手と同じにしているんですよ」

  フィセーリア 「という事は私とフォティーヌはダイン様と同じ席なんですね」

  七実 「そこは流石に違います、ダイン様とティアス様は今回の主役でも有りますし、仲が良いところを示す必要があるので二人は別なんです、でも、代わりにユーマの料理長を加えてますので、色々聞いてみて下さい」

  フィリッカ 「それは有難い配慮ですね、耳長は食を重視してますから」

  フォティーヌ 「でもフィリッカは別の席ですよ」

  フィリッカ 「そうでした、でも、勇者リエルも異世界から来たんですよね?」

  七実 「はい、でもリエルもアーキアも料理はしないんですよ、私達の世界と比べると美味しく無い様で」

  フィセーリア 「そうなんですか、でも文化によって尖り方って変わりますからね」

  ダイン 「そうですね、アーグル人類圏は人々の平等に力を入れていると思います、人類法は私が見ても優れていると思いますから」

  七実 「まぁ、そこに優れていても美味しい物は少ないんですけど、食文化に優れていたナナ達は自分の世界の料理を再現して行く事で、食生活を豊かにしたんですよ」

  フィリッカ 「そこまで言われると料理が益々楽しみになりますね、美味しいとの話は聞いてますけど、実際食べてどう感じるかが重要ですよね」

  ダイン 「耳長の味覚が人間と同じならば大丈夫でしょう、草食とかいう事は有りませんよね」

  フィセーリア 「耳長は皆んなお肉が好きなんですよ、煮込み料理が多いですね」

  ダイン 「それはちょっと意外ですね、樹上暮らしの森の民なら植物食が多いと想像していました」

  フィセーリア 「耳長はダイン様のイメージのエルフとはかなり違いますよ、そこは折々知って貰いたいと思います」

  軽く雑談をしている内に、ダイン達は宴の会場に到着していた。

  駐屯地として決まった後から、造成して建設された建物ではあったが、その出来栄えは上位貴族の邸宅にも負けない大きさで、アーグルでは見慣れない外観をしている、これは建設をユーマが担当したせいで、ダインは衣食住全てに異世界の技術を応用し始めている。

  そしてアーグル各国は他国に遅れを取らぬ様にユーマ共栄国との親交を深めようと躍起になっていた。

  おまけ

  ダインの私見パラメーター フィセーリア・クルトフェルス

  耳長フィセーリア           遊魔フィセーリア

  淫     37           淫      325

  技    475           技     1070

  体     85           体      620

  魔  27000           魔   175000

  ダインの能力で魔進化したフィセーリアではあったが、その遊魔としての能力は創造主のダインの思惑から大きく外れるモノとなっていた。

  ダインの一番の予想外は、魔族型を意識して魔進化させた姿が魔龍型と言える存在へと変質してしまった事だ、これは同時に生み出した耳長遊魔三人共に共通している事から、耳長特有の性質だと考えられる。

  だが、ダインの意図した魔族型と耳長独自の魔龍型はそれほど大きく異なるモノでは無かった為に、魔龍型の耳長遊魔もダインの意図した女体美を十分に再現した姿となっている。

  外見面変化も予定とは外れていたが、最大の想定外はその内包する魔力である、魔力十七万はダインすら凌駕する値で有り、魔力量の大きさがフィセーリアをより魔龍に近い姿へと変質させたとダインは想定しており、まだまだ耳長種族の探究は始まったばかりで有る。

  遊魔付与の魔法生物以外の裸体はそれほど変化しておらず、慎ましい胸はほぼ変わっていない事から、淫の数値は余り上昇していない。

  だが、身体能力自体は大幅に向上しており、特に素早さに重点を置いた技量も想定を超えたモノとなっている。