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アブソルのわざわい

  

  私は今日も自分の縄張りに侵入者がいないかどうか、探し回っていた。この前のヘルガーのような悪漢が現れないことを願いたい。

  

  木がまばらになり原っぱへ出た時に、私のツノがピンと直立した。善からぬことが起きる兆候である。辺りをうかがうと、鮮やかな色の触手が飛んできた。

  

  「いっけーニンフィア!」

  

  く、苦しい。

  

  どうやら、ニンフィアの触手で私の体は縛り上げられているようだ。ニンフィアを操っているのは細身で長髪の少年、その隣に小太りで短髪の少年がいた。

  

  「兄ちゃんスッゲー。ホントに全身真っ白じゃん!」

  「アルビノのアブソルは高く売れるぞー。へへヘヘヘ」

  

  こんな人間に捕まってたまるものか。気絶したと見せかけるため、深く目を閉じて口を半開きに舌。

  

  「ニンフィア、もういいぞ。よぉし、このスーパーボールでゲットしてやる」

  

  ニンフィアの気配が消えた。人間が油断しているこの瞬間を逃がさない。

  

  私はすぐに起き上がり、鋭利なツノで兄の腹と弟の顔を切り裂いた。

  

  「うぐぅ……」

  「い”だっ!」

  

  兄はその場でうずくまり、弟は左目を押さえている。

  

  この隙に逃げるべきだが、私の“きりさく”攻撃は他のアブソルと一味違う。[[rb:敵 > ヒトり]]に目立つ格好のハンデの代わりに、[[rb:敵 > ヒト]]に“わざわい”をもたらす能力が与えられていたのだ。

  

  兄がシャツを上げて腹を見れば、傷の周りに山吹色の毛が生えている。彼はその異様さに悲鳴を上げる。

  

  「ひぃぃ!? 何じゃこりゃあ!」

  「何だよ兄ちゃん。うっせぇなぁ」

  

  弟は手を顔から離し、両目で兄を見る。その目は私と同じ赤の瞳で、白い部分も赤く染まりつつあった。

  

  「おわぁ! お前の目、あ、あ、赤、赤い!!」

  

  弟の目を指差す手にほんのり黒味が増している。

  

  「兄ちゃんの方こそ、目の周りが真っ黒けだし。おかしいじゃん」

  「何だって? うっ、ここにも生えてる……」

  

  兄は顔をしかめて目の周りを触っている。それは目の隈でなく、我々と同じく細長く密集した毛の束なのだ。

  

  弟の傷跡に沿って赤い毛が生えていく。その赤毛は左耳まで到達して、こんもりと耳全体を包んでいく。赤耳は徐々に尖っていき、ヤナッキーのごとく天に向かって突き出す形となった。

  

  「ええん、兄ちゃん、何だか胸が痛いよぉ」

  「俺もだ。何なんだよ、クソッ!」

  

  兄の胸からは白い突起がニョキッと現れる。その突起は私のツノほどでないが、人肌を傷つけるのに十分である。突起の周辺には血が付いていた。

  

  弟は兄の突起に恐る恐る手を近づけようとした。しかし、その前に自身の体の痛みでのたうちまわり始めた。

  

  「うわぁぁん。痛いよぉ!」

  

  涙混じりの弟を不憫に思ったであろう兄は、彼の服を脱がせて、どんな状態になっているか調べた。筋肉が付いた兄は木の実の皮をむくより早く、弟の服をひんむいた。

  

  服を裂けば、胸から腹にかけてイナズマ型の赤い筋が走っているのがわかる。その赤い筋は左目と同じ毛並みである。

  

  「この赤い毛は見たことあるぞ。ええと、うあああ!」

  

  今度は兄が苦しみ始める。あおむけになって倒れると、両手を天にかかげる。その黒い手の甲からは胸と同じ突起が生えだしていた。

  

  「うう、今度はおなかがかゆくなってきたよ」

  

  弟は右手で腹をポリポリとかきむしる。だが、かきむしっている間に指と指がくっついて、爪がストライクの鎌のように鋭く尖り出したため、腹を傷つけてしまう。鮮血が辺りに飛び散り、弟はうめき声を上げた。

  

  兄の方は服を脱ぎ捨てて、自身の体を見ている。腹回りが細くなり、“くびれ”が出来ている。上半身は山吹色の毛が生えていて、人の名残りはない。

  

  「俺、もしかして、ルカリオになってる?」

  

  肩周りに黒毛、腕には青毛が少しずつ生えだしている。彼は目を閉じてから首を横に振って、もう一度目を開いたが、ルカリオ化の進行は止まっていなかった。目には焦りの色が見える。

  

  兄弟がうろたえる様子を見ていると、私の腹の底から笑い声が出てきた。人間が我々と同じ姿になる過程を見るのは、何回見ても傑作だわい。

  

  「なっ、何がおかしい!」

  

  兄は怒って走り出したが、足のかかとが地に着かなくて転んでしまう。代わりに私が彼に近づいてあげる。

  

  「私の声が聞こえるということは、もう貴様は我々の仲間、いわゆる“ポケモン”になっているのだ」

  「くそぉ。何でこんな目に遭わなきゃいけねぇんだ!!」

  

  彼は歯ぎしりして私を睨む。耳が頭上に移り、黒い鼻が尖り始めている。原っぱに散乱したマスターボールからは主人の束縛から解放されたポケモン達が次々と飛び出して、各自の好きな場所へ移動し始める。

  

  「こうしなければ、私の身が危ういからな」

  「ぐうう、白アブソルにこんな力があったなんて……」

  「後悔しても、貴様がルカリオになることは誰にも止められない。弟の方を見よ」

  

  ルカリオが首だけ後ろへ回すと、変身を楽しむ弟の姿が見えた。弟は尻をついたまま、丸太の足や鎌の手を泳ぐように動かしている。

  

  「スッゲー。僕、ザングースになってるじゃん」

  

  彼の顔の右半分以外はザングース特有の白い剛毛に覆われている。腹はふっくらと前に突き出て、人の頃より太っている。

  

  ルカリオは鼻を震わせて黙っている。彼の青尻から黒の尾が出てきて左右に揺れ動く。

  

  ザングースはついに人の顔が消えて、丸い白顔に変わった。さらに三本の尾が飛び出て山脈のように連なる。彼は鋭い爪が刺さらないよう、手の平で頬や耳を触る。

  

  「おおう。この感じ、クセになるぅー」

  

  吊り目を細めて自分の体を堪能する。私としては不本意だが、それ以上に[[rb:兄 > ルカリオ]]の方が不満を抱いていたようだ。

  

  「目を覚ませヒカル!」

  

  彼はすっくと立ち上がり、弟の方へ突進する。さっきの不安定な歩行とは段違いの速さだ。

  

  しかし、兄の突進は弟の分厚い脂肪に阻まれた。ザングースはルカリオを抱き寄せて頭をなでる。

  

  「兄ちゃんの毛、めっちゃサラサラじゃん。後ろ髪も束になって残ってるんだ、いいね」

  「こら、やめい。力強過ぎんだよ、バカ」

  

  ザングースの頭上、ルカリオの襟足には、人の名残りの髪の毛が残っている。私の“わざわい”はポケモンにもよるが、大抵が髪の毛だけ残る。

  

  こうして、ルカリオとザングースになった兄弟は末永く幸せに暮らすことになりました。めでたしめでたい。

  

  いいや、ここで終わらない。変化はまだ途中なのだ。

  

  [newpage]

  

  

  「ところで貴様ら、股間が痒くなってないかい?」

  

  私が声をかけると、二頭は股間をまさぐり始める。

  

  「んん? 何かムズムズすんな」

  「なぁ兄ちゃん。僕らのチンポってどこ行ったの?」

  「毛の中にあんだろ。ええと、ええと、あったぞ!」

  

  ルカリオの股間から、木の実大の陰茎が現れた。赤黒い色でずんぐりした形だ。

  

  「あれぇー。人の時よりちっちゃいや」

  

  ザングースの方はルカリオとほぼ同じ大きさだが、ピンク色であちこちにトゲがついていた。

  

  「このかゆさ、どうにかなんねぇのか」

  「そのおチンコを手で持って揺さぶったら治るさ」

  

  私が教えた途端に、兄弟は陰茎を律儀に動かし始めた。それで治ったら世話はない。

  

  熱心に動かせば動かすほどに陰茎は大きくなり、バチュルの大きさになる。ルカリオは肉棒を見ながら悪態を吐く。

  

  「くそぉ。何だか先端がギンギンしてきたじゃねぇか。全然元に戻らねぇぞ」

  

  赤黒ペニスの下には丸いこぶが2つ付いていて、グラエナやヘルガーと同じ形状である。ザングースのトゲチンは先細りで、レパルダスやエ―フィの逸物と似ている。

  

  「どれどれ。痛みを和らげてやろう」

  

  私はルカリオの肉棒をくわえてあげる。彼はひゃあんと素っ頓狂な声を上げて反応する。舌で鈴口をなめまわして、彼の性欲を刺激する。

  

  「いいなぁー。アブソルさん、次は僕のチンポ食べて」

  

  ルカリオの目の焦点が定まらくなったのを見計らって、口をさっと離す。ザングースの肉棒をくわえるが、こっちの舌を痛めつけてくるので、中々上手くなめられない。

  

  それでも、[[rb:来 > きた]]るべき至福の時のために口中を血まみれにしながらもなめまわした。

  

  「うふっ。何か変な気分」

  

  二頭の肉棒は厚味を増して、上へ伸びていく。今やおなか辺りにまで伸びて、キャタピ―大の陰茎は正に「巨根」にふさわしい。

  

  「おい、アブソル! 余計に重たくなってきたじゃねぇか!?」

  

  ルカリオの巨根は血管が浮き出し、こぶがはち切れんばかりに膨らんでいる。相当の量が中に溜まっているようだ。

  

  「おしっこを飛ばす要領で中のものを出してみればいい」

  「それやったら、元の大きさに戻るんだな?」

  

  私はすまし顔で何も答えない。業を煮やしたルカリオは巨砲を私に向けて、たねマシンガンのごとく連射してきた。

  

  「おっひょー。いっぱい出るぞー」

  

  私の美しい顔がべっとりした白濁液で汚れてしまう。舌でふき取れば、臭味と旨味が混じる変わった風味である。

  

  ザングースの方も兄に続いて、どんどん放出している。原っぱに二本の濁り滝が降り注ぐ。

  

  [newpage]

  

  射精をし続けた結果、二頭の剛直はあごの近くまで伸びていた。睾丸もマスターボールほどに肥大していた。

  剛直が重いため、二頭は座って射精を行っている。ここまで巨大化しているのに、未だに小さくなることを信じているのだろうか。愚かな者どもだ。

  

  「兄ちゃん、まだまだ出るぅ……」

  

  ザングースはすでに変身後の快感が消えて、涙声で喋る。

  

  「むむむ、そうだ! さっきのアブソルがやったみたいに、自分の舌でなめたらしおれるかも」

  

  ルカリオは一心不乱に剛直の鈴口をなめ始めた。ザングースは涙をぬぐって、自らのものをなめ始める。

  

  「ウゲェ…、臭い」

  「我慢しろ!」

  

  

  二頭は白濁液で汚れながらも、表面をなめ回す。だが、二頭の剛直は天に向かってぐんぐん伸びていき、頭を越えて、二頭の身長を遥かに越える巨木となった。双球も巨木の成長に合わせて肥大化し、ビリリダマみたいに立派な大きさへと変わった。

  

  

  ここまで大きくなれば、足を大きく広げないと玉がこすれて痛いはずだ。二頭は自分の巨木を見上げたまま、白く染まった口を大きく広げている。

  

  「随分と立派な息子さんをお持ちのようだね。だが、親がちょっと貧弱に見えるね」

  

  私が独り言のようにつぶやけば、ルカリオが目ざとく反応した。

  

  「っおい! 変化はこれで終わりじゃ、あちぃ!」

  「ああ、はぁ、熱いよぉ」

  

  体中に熱が生じると、彼らの体はあちこちが太くなっていく。ルカリオのくびれはなくなり、ザングースの腹の模様が引き伸ばされて太くなる。腹は前に、尻は後ろに突き出て、体全体を丸く丸くしている。

  

  精液で汚れた体に汗が混じり、さらに臭いが強くなる。ルカリオの精悍な顔立ちは頬が膨らんで、カビゴンのようにあごや首の場所が不明なだらしない顔となってしまう。ザングースの手足は脂肪の肉塊となり、鋭い爪の先端だけが外にせり出している。

  

  腹はフワライドが何百体も入っているかと思うぐらい、爆発的に膨張し続ける。例えに出したカビゴンよりも遥かに太り、小高い丘と言われても気付かぬくらいになった。

  

  最早、二頭は私に抗う気も消え失せて、長く走り切った者のように荒い息をするだけだ。

  

  唯一動かせる尻尾と巨木の爆根を持つ肉塊は、今まで広々としていた原っぱを狭くさせてそびえ立っていた。

  

  これにて、私の“わざわい”は完成した。

  

  もし、私を捕まえたい者がいれば、超肥満体型のポケモンに変えてあげよう。

  

  [newpage]

  

  

  「エリナちゃん。君の好きな物がやって来たよ」

  

  私は[[rb:彼女 > グラエナ]]を木の上に招いて、例のアレを見せてあげた。

  

  「まぁ。いつもよりおデブちゃんじゃない? あの黄色と青いのがルカリオで、真っ白なのは…、ザングース?」

  「そうだよ。この前まではメスばかりだったが、今回は初めてのオスさ」

  

  彼女は目を見開いて、肉塊の隅々まで見渡す。口元を緩ませているから、今回は気に入ってくれたようだ。

  

  「さぁ、今回は特濃のミルクをプレゼントするよ」

  「ミルク? オスはおっぱいから出せないはずでしょ」

  「いいや、オスにもミルクはあるよ。なめろ!」

  

  私の指令により、子分のヘルガーとブラッキーは二頭の尻の中を舐め始める。尻穴は我々の頭が埋もれるぐらい開いているので、中から直接刺激することが可能だ。

  

  性感帯をいじくられた肉塊は森中を轟かせる奇声を発した。

  

  「「お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”ん!!」」

  プシュウウウウウウウウウウウウウウウウウ…

  

  巨木から白いマグマが噴き上げて、我々の森に白い雨を降り注ぐ。雨と違って、その物体は我々の体にへばりついて離れない。しかもマーイーカ臭い。それでも、彼女は舌を出してはねている。

  

  「うふふふ。オスのミルクって面白いわ!」

  

  喜ぶ彼女を見たら、彼女にだけは「わざわい」をもたらしたくないと強く思う。

  

  私は彼女のお尻の方に回って匂いを嗅ぐ。

  

  「次は私のミルクを体で受け止めてみないか?」

  

  愛の告白をしたが、彼女は全く聞いていなかった。尻尾をびゅんびゅん振って、声を弾ませる。

  

  「ミルクが出てるトコに行ってみるね!」

  

  彼女は私を振り切って地面に降り、肉塊の方へ走り去って行く。またもや私の恋は成就しなかった。

  

  「うぬぅ。かくなる上はふたなり肉塊ポケモンを作るほかないか」

  

  私は目を光らせて、新たな[[rb:生贄 > ニンゲン]]の到来を待つと決めた。

  

  (おわり)

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