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お墓で会った女の子

  ※蝉の鳴き声

  ねぇ、そこにはお兄さんにとってどんな人が眠ってるの?

  ※驚く

  あはは、お兄さんびっくりしすぎだよ。

  おもしろい。

  よいしょっと。

  えへへ、こんにちは。

  お兄さんお墓参り?

  そっか。ここの人は誰?

  ……へぇー、お兄さんのお母さんがいるんだ。

  どんな人だったの?

  ……料理上手のお母さんだったんだ。

  何が好きだったの?

  ……オムライス?へぇーそうなんだ。

  いいなぁー。私、お母さんの手料理って食べたことなかったよ。

  お母さんもお父さんもお仕事忙しくて、家で一人だったか。

  忙しいから、私が料理しようとしたけど、危ないからってやらせてもらえなくて。

  いつも前日に買ってきたお惣菜だったんだ。

  ……そっか。お兄さんは、あんまりいい息子ではなかったんだ。

  でもね、それに気づいたことはいいことだと私は思うよ。

  だって、それに気づけたってことは、これからお兄さんはいろんな人のいい人になれるんだから。

  きっと、お兄さんのお母さんはそれはとても嬉しいことだよ。

  ……そうだよ。それにね、さっきみたいに手を合わせて心の中で言葉を口にしても、死んだ人にはそれが聞こえるんだよ。

  だから、お兄さんの気持ちはきっと届いてるよ。

  そうだよ。

  大体、今の人たちはお墓参りなんてほとんど来ないんんだよ。

  こうやってきてるだけでも、お兄さんはいい人だよ。

  えへへ、お兄さんはいいこいいこ。

  ……ん?どうしたのお兄さん。そんなびっくりした顔して。

  ん?

  ……あ、私そろそろ行くね。

  今日は暑いから、お兄さんも早く涼しいところに行くんだよ。お水もちゃーんと飲んでね。

  それじゃあ、またねお兄さん!

  来年も、会えるといいね!

  【完】

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