第25話・『森に住む魔物』

  【草原地帯】

  ヴィラノスの反応をキャッチしたオルティオス部隊はある惑星に来ていた。

  先行部隊として奈雲とチェンバーが現地に到着していた。

  奈雲は、獣モードのチェンバーの背中に乗って草原地帯を移動していた。

  「奈雲 ヴィラノスの反応はこの近くなのか?」

  チェンバーは、奈雲にヴィラノスの反応について尋ねる。

  「……一応近くでヴィラノスの反応が出ているがあっちこっち移動していて正確な場所を特定するのは難しい」

  奈雲は、小型パソコンで調べながらチェンバーの質問に答える。

  「そうか……ん?」

  チェンバーは、何かを見付けて立ち止まる。

  「? どうしたんだ?」

  奈雲は、チェンバーが急に立ち止まった事に不思議がり尋ねる。

  「あれを見ろ」

  チェンバーは、目の前を示しながら言う。

  「あれ?」

  奈雲は、チェンバーに言われて目の前を見る。

  奈雲達の目の前に角の被り物を被った謎の集団が行進していた。

  「何だ あの角の被り物を被った謎の集団は?」

  奈雲は、チェンバーの背中から降りて集団を見ていた。

  謎の集団は、奈雲達に近付く。

  「君は旅人かい?」

  謎の集団のリーダー的な人は、奈雲に話掛ける。

  「そうですけど……この仮装集団は一体……」

  奈雲は、リーダー的の人に集団の事を尋ねる。

  「我々は『シカピョン』様の信者だ」

  謎の集団のリーダー的な人は、自分達はシカピョンの信者だと奈雲に教える。

  「『シカピョン』って?」

  チェンバーは、小声で奈雲にシカピョンの事を尋ねる。

  「えっと……確か体が大きく動物の鹿に似ていて二本足で立って歩いて千人力のパワーを持っていると言われている伝説の妖怪ですよね?」

  奈雲は、チェンバーに分かる様にシカピョンの事を信者達に尋ねる様に質問する。

  「左様、我々も最初は信じていませんでしたが最近この目で見たんです!」

  信者達のリーダー的の人は、奈雲の質問に答える様に言う。

  「この人達、大丈夫なのか?」

  チェンバーは、小声で奈雲に話掛ける。

  「詳しく聞かせてくれませんか?」

  奈雲は、信者達のリーダー的な人にシカピョンの詳しい話を聞く。

  「良いだろう 我々はこの先の村に住んでいるがある日、シカピョンが村に現れ我々にこう言ったのです」

  信者のリーダー的な人は、奈雲にシカピョンの詳しい事を話始める。

  《~回想~》

  〖オレが今から言う物を調達してこい! 断ればガラクタ共をぶっ壊す! 言っておくがガラクタっていうのはお前らの事だ!〗

  シカピョンと思われる怪物が村の近くの森から現れ住人達に命令する。

  《~回想終了~》

  「我々はシカピョンの命令に従わなければならない でないと……」

  信者のリーダー的な人は、シカピョンの事を話す。

  (あっ、別に神として崇めている訳じゃないんだ……)

  チェンバーは、信者達の様子を見て心の中で呟く。

  「因みにそのシカピョンは何を欲しがっているんだ?」

  奈雲は、シカピョンが欲しがっている物に付いて信者達に尋ねる。

  「大体は揃っているがまだ買えていない物も……」

  信者達のリーダー的な人は、奈雲達に買い物リストを見せる。

  だが、買い物リストは長い巻物に書いてあった。

  「長っ‼ 随分量が多いな……‼」

  奈雲は、買い物リストの長さを見て驚きながらリストの中身を見て何かに気付く。

  「えぇ、後は鉛が7キロに釘が441本 針金が35メートルそして発電機のみ 急いで調達しなければならない」

  信者達のリーダー的な人は、残り必要な物の事を言いながら買い物リストをしまいそのまま奈雲達と別れる。

  「……あの人達、シカピョンの偽物に振り回されているな」

  チェンバーは、信者達が居なくなった事を確認して奈雲に話掛ける。

  奈雲は、小型パソコンを開いて何かを調べ始める。

  「どうしたんだ?」

  チェンバーは、小型パソコンで調べ物をしている奈雲に話掛ける。

  「……もしかしたらシカピョンの正体はヴィラノスかもしれない」

  奈雲は、調べた結果をチェンバーに言う。

  「? 何故そう思うんだ?」

  チェンバーは、奈雲に理由を聞く。

  「彼らの買い物リストにある物の材料が書いてあったんだ」

  「ある物の材料?」

  チェンバーは、奈雲の話を聞いて首を傾げる。

  「詳しい事は後で説明する こちら奈雲」

  奈雲は、ヘッドセットを使ってすぐにコリウスに待機しているオルティオス達に連絡を入れる。

  【森の中】

  その後、オルティオス達は、転送ゲートを通って奈雲達と森の中で合流して話を聞いていた。

  「……成程、その話を聞いている限りシカピョンの正体がヴィラノスだという可能性が高いな」

  オルティオスは、奈雲の話を聞いて納得する。

  「そのシカピョンがヴィラノスだと言う確信は?」

  ネシリスは、オルティオスにシカピョンがヴィラノスだという確信について聞く。

  「その集団が集めている材料は奈雲が言う“ある物”を作る材料で間違いない」

  オルティオスは、ネシリスに確信がある理由を話す。

  「因みにその“ある物”って何だ?」

  チェンバーは、奈雲にある物について尋ねる。

  「『グランドブリッジ』 惑星と惑星を繋ぐゲートだ」

  奈雲は、チェンバーの質問に答える。

  「グランドブリッジ?」

  「何でそんな物を?」

  サイラス達は、奈雲の話を聞いて不思議がる。

  「恐らくそれを使ってこの惑星から脱出しようとしているんだろう」

  オルティオスは、ヴィラノスの考えを推測する。

  「だったら急いでヴィラノスの捕獲をしないと逃げられるぜ」

  サイラスは、急いでヴィラノスを捕獲しに行こうとする。

  「待て! その前に敵の情報だ 奈雲“鹿に似たヴィラノス”で検索してくれ」

  オルティオスは、サイラスを止めて奈雲に鹿に似たヴィラノスの事を調べさせる。

  「了解!」

  奈雲は、オルティオスの指示で小型パソコンを開いて囚人名簿を開く。

  「……あった! “ルボルト” 裏世界でギャングのボスをやっていて逮捕 キック系の技が得意でその威力で地響きを起こす」

  奈雲は、該当する鹿型ヴィラノス(ルボルト)の逮捕記録を読み上げる。

  「キック系か……少し厄介だな……」

  ソニックエースは、奈雲の話を聞いて考え込む。

  「! 彼らがまだ手に入れていない残りの部品は分かるか?」

  オルティオスは、奈雲達に信者達の買い物リストの事を尋ねる。

  「え? 確か……鉛が7キロ・釘が441本・針金が35メートル・発電機って言っていた」

  チェンバーは、信者達の買い物リストの内容を思い出す。

  「……発電機以外は簡単に手に入りそうだな」

  ソニックエースは、チェンバーの話を聞いて推理する。

  「奈雲 発電機が置いてある場所を特定するんだ」

  オルティオスは、奈雲に発電機が手に入る場所を検索させる。

  「了解!」

  奈雲は、オルティオスの指示で小型パソコンを開いて発電機がある場所を調べる。

  「……この近くに【発電所】がある」

  奈雲は、検索結果を報告する。

  「そこで待ち伏せだ」

  オルティオス達は、発電所へ向かう。

  【発電所付近】

  オルティオス達は、発電所の近くの茂みに隠れていた。

  【木の上】

  近くの木の上には、奈雲と獣モードのサイラスとコブラージャが居て発電所内の様子を見ていた。

  「どうだ?」

  ソニックエースは、小声で木の上に居る奈雲達に話掛ける。

  「……今の所異常無し」

  奈雲は、ヘッドセットの望遠機能を使い確認した後、ソニックエースに現状異常がない事を伝える。

  【地上】

  奈雲達が居る木の下には獣モードのオルティオス達と乗物モードのソニックエースが居た。

  「こちらも何も感じません」

  ランビュは、ヴィラノスの気配を感じなかった事を伝える。

  「どうします?」

  ネシリスは、オルティオスに話掛ける。

  「……見張りを含め5組に分かれて待ち伏せだな」

  オルティオスは、少し考えた後ソニックエース達に作戦を伝える。

  「じゃあ、ランビュは奈雲と一緒に此処に居てくれ」

  ソニックエースは、ランビュに奈雲と一緒に居る様に頼む。

  「分かりました」

  ランビュは、ソニックエースの指示に従う。

  オルティオス達は、それぞれペアを組んでルボルトを捜す。

  サイラスとフロックス組は、獣モードで発電所内を捜索していた。

  「……異常ナシ」

  サイラスは、建物の角を確認しながらフロックスに伝える。

  「本当に此処にルボルトが来るのか?」

  「まぁ、奈雲の調べた結果 近くで発電機がある場所は此処らしいからな」

  サイラスは、フロックスの所へやって来て言う。

  「そうか……! そういや、奈雲は人間だよな? 何でオレ達メガロスと一緒に居るんだ?」

  フラックスは、サイラスの話を聞いた後、奈雲がメガロスと一緒に居る事について疑問に思う。

  「う~ん……それについてはオイラ達も詳しく知らないんだ」

  サイラスは、フロックスの話を聞いて少し考えながら言う。

  「何で? 付き合い長いだろ?」

  フロックスは、サイラスの話を聞いて不思議がる。

  「否、オイラ達はお前と会う少し前にチームを組んだんだ」

  サイラスは、フロックスに奈雲との出会いの事を話す。

  「そうなんだ」

  「まぁ、オイラ達の中で一番付き合いが長いのはオルティオス・ランビュ・ソニックエースだと思うぜ」

  サイラスは、フロックスと会話をする。

  《こちらランビュ サイラス! フロックス! 今二人が居る場所の近くにヴィラノス反応が! 多分ルボルトです》

  サイラス達が話をしていると突然、ランビュから通信が入り近くにヴィラノスが居る事を聞かされる。

  「なんだって!」

  サイラスは、ランビュの話を聞いて驚く。

  《南の方から来る! 気を付けろ》

  奈雲は、ルボルトが来る方角をサイラス達に伝える。

  「南ってどっちだ」

  フロックスは、奈雲が言った方角が分からなく混乱する。

  「あっちだ!」

  サイラスは、フロックスにヴィラノスが来ると思われる方角を教える。

  すると、サイラスが言った方角から何かがやって来る。

  『‼』

  サイラス達は、突然現れた何かに一瞬硬直してしまう。

  ~その頃~

  オルティオス達は、サイラス達が居る場所へ向かっていた。

  「おわっ!」

  その時、ロボットモードのサイラスが飛んで来る。

  「うわっ!」

  ソニックエースは、サイラスが飛ばされて来た事に驚く。

  「‼ サイラス」

  オルティオスは、瞬時にロボットモードになって飛ばされて来たサイラスを受け止める。

  「ナイスキャッチ!」

  「あれ? オルティオス……」

  サイラスは、自分を受け止めてくれたオルティオスを見て一瞬困惑する。

  「大丈夫か?」

  「ああ、オイラは大丈夫だがフロックスが……」

  オルティオス達は、急いでフロックスの所へ向かう。

  オルティオス達が駆け付けるが既に遅くフロックスは、ヴィラノスにやられその場に倒れていた。

  「フロックス!」

  「おい! 大丈夫か?」

  ソニックエースとコブラージャは、倒れているフロックスに駆け寄る。

  「う~……」

  フロックスは、ソニックエース達の呼び掛けに目を覚ますが意識はまだはっきりしていなかった。

  「……遅かったか」

  オルティオスは、発電機が置いてある場所を見る。

  だが、発電機が1つ無くなっていた。

  「奈雲! ルボルトの反応は?」

  チェンバーは、奈雲にルボルトの反応について尋ねる。

  「ちょっと待ってくれ」

  奈雲は、小型パソコンを出してルボルトの現在地を調べる。

  「……あれ? オレ……」

  フロックスの意識がはっきりして来る。

  「大丈夫か?」

  「ああ……オレ サイラスを放り投げた後アイツの攻撃を受けて山向こうに飛ばされたんじゃ……」

  フロックスは、困惑しながらルボルトに襲われた時の事を思い出す。

  「否、お前は此処で倒れていたんだ」

  ソニックエースは、フロックスに倒れて居た場所を話す。

  「つーか、お前はルボルトに飛ばされたんじゃなく フロックスに投げ飛ばされたんだな」

  コブラージャは、サイラスが飛ばされて来た理由に突っ込む。

  「うるせぇ!」

  サイラスは、コブラージャに文句を言う。

  「‼ 反応は此処から東の方だ」

  奈雲は、検索結果をオルティオス達に報告する。

  「すぐに向かおう」

  「チェンバーとダリウスはフロックスを連れて先にコリウスに戻ってくれ」

  オルティオスは、チェンバーとダリウスにフロックスを連れてコリウスに戻る様に指示を出す。

  「分かった」

  チェンバーは、オルティオスの指示に従う。

  「行くぞ 兄弟」

  「ああ、悪いな……よっ!」

  フロックスは、鳥の様に手を広げて飛ぼうとする。

  『?』

  オルティオス達は、フロックスの行動を見て不思議がる。

  「あれ? 飛べない……オレいつから飛べなくなった?」

  フロックスは、オルティオス達に尋ねる。

  「否、ティラノサウルスは最初から飛べないぞ」

  奈雲は、フロックスにティラノサウルスは空を飛べないと説明する。

  「……こりゃ、可なり重症だな……」

  ソニックエースは、フロックスの行動を見て呟く。

  「……奈雲、お前も一緒に戻ってチェンバーと一緒にフロックスの治療を頼む」

  オルティオスは、呆れながら奈雲にもチェンバー達に同行する様に指示を出す。

  「分かった コリウスからフロックスの治療しながらサポートをするよ」

  奈雲は、オルティオスの指示に従う。

  「頼む」

  「ナビ 俺達だけコリウスに転送してくれ」

  チェンバーは、ダリウスと一緒にフロックスの肩を貸しながらナビに連絡する。

  《了解!》

  ナビは、チェンバーの指示に従い奈雲・チェンバー・ダリウス・フロックスをコリウスに転送する。

  残されたオルティオス達は、ルボルトが居ると思われる東の方へ向かって行く。

  【次回に続く】