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巨デブ相撲黒豹部員が高校を卒業するまでの話

  ◇◇◇

  「なあなあ、豪田ちゃん」

  とある高校の相撲部。その相撲場の中で、黒豹は部室へ戻っていく他の部員から離れて、まわし姿のまま顧問教師に話しかけていた。

  この一年で150kgを突破した黒豹は、そのでっぷりと付いた腹肉を揺らしながら、気付けば体重だけでなく身長も越してしまった恩師を見下ろす。そんな黒豹に豪田は物怖じ一つ見せずに、汗をタオルで拭いながら「おう、どうした?」と気さくな返事をしていた。

  「んー、この前のインターハイあったじゃん? 俺が準優勝した奴」

  「ああ。そういえば、テレビのインタビューの打診が来てたぞ。それか?」

  「いや、知らねえけど、は? マジで……っ?」

  と黒豹は、その言葉に全身の体温が上がっていくのを感じていた。

  まわし姿がテレビで流される。いや、もしかしたら、一日密着取材とかで、練習風景やら着替えやらシャワーやらを撮られるのかもしれない。自分のこの巨漢な体を不特定多数の目に晒す事になるなんて。

  そう考えただけで、黒豹はまわしの中で、その肉に埋もれた若い肉茎を膨らませるのだが。

  「って、いやいや。そうじゃなくて!」

  まわしの中で勃起し始めた己の欲望を抑えながら、黒豹は息を整えるように数回息を吐いた。それから、真剣な眼差しを豪田に向ける。

  「準優勝したけど、実際、マグレ勝ちが続いたみたいな所あるだろ?」

  「そうか? 実力を上手く発揮できる運なら、マグレとは言わないだろうと思うが」

  「結構、土俵際のバクチ当たりで勝ったりしてたんだよ」

  と、黒豹はその試合を思い出しながら口を尖らせた。

  インターハイともなると、当然実力者揃いだ。技術もそうだが、体の出来上がり方が地方試合の比じゃない。ましてや成長途上の高校生なんて、一年の違いを如実に感じる試合ばかりだった。

  初戦の苦戦から、追い詰められてばかりだった黒豹は正直焦りを覚えていた。

  「俺だって、相撲だって勝敗なんてもんは運次第だとは分かってるけどさ」

  「安定して勝ちに行けるようになりたいってか?」

  「……おう」

  豪田は、難しい顔をしながら仁王立ちする黒豹の両肩に手を置いた。微動だにしない彼の体を肩から胸、腹へと両手で圧縮するように挟み込んでいく。

  汗と土に塗れた黒い毛並みから、思春期特有の青い雄臭さが溢れてくるのを、嫌な顔ひとつせず受け止めながら、ぱん、と黒豹のまわしの腰を平手で打って、何か納得するように唸りながら頷いた。

  「肉付いたなあ、お前」

  「なんだよ、豪田ちゃん。いきなり褒めんなって」

  変化を認める言葉に黒豹は思わずニヤけてしまう。相撲を始めてから芽生えた体のデカさへの承認欲求を、不意打ちされて頬肉が緩む。

  「……負けにくくするってんなら、更に肉をつけるって手はあるな。安直だけどよ」

  「そりゃそうだろうけどさ。……そういえば、豪田ちゃん、俺に肉付けろって最近言わないよな」

  「当たり前だ。成長期なんて骨の成長が終わってねえだろ。脂肪つけるにも筋肉つけるにも、慎重にしなきゃ一生物の怪我を負うことになる」

  じっとりとした目で睨まれて、黒豹は思わず息を呑む。特に意識していなかったが、確かに大凡三倍の体重に急激に変化した黒豹は、いつ故障してもおかしくはないような状況だったのかもしれない。

  じゃあ、体重を増やすという案は却下なのか。そんな事を考えていた黒豹に、豪田は頭を振った。

  「まあ、元々骨は丈夫だったからな。暫く様子を見てたが、動きが極端に鈍る事もなさそうだからな。馴染みのスポーツトレーナーがいるから、相談しながらウェイトを上げてくのは良いかもしれん」

  「お、いいのか?」

  「選択肢としてな。重さが増えればどうしても、動きに鈍さは出てくる。そうすりゃ半年前のお前みたいに、上手く転がそうとする奴が増えてくる。太れば強いってわけじゃないんだからな」

  「分かってるって、任せろ!」

  だぷん、と揺れる胸を張る黒豹は激励を嬉しそうに受け止めると、のっしのっしと跳ねるように相撲場を後にする。そんな背中を不安そうに見つめながら、「やはりもう少し慎重にするべきだったか」と豪田は苦い顔を浮かべるのだった。

  ◇◇◇

  それから黒豹は、豪田の旧友だというスポーツトレーナーのジムに通いながら、ゆっくりと体重を増やすように動き始めていた。

  「じゃあ、副全部脱いで寝台に横になってくれる? あ、パンツもね」

  と豪田監督の連れ添いの下、初めてスポーツトレーナーに会いにいった時の第一声がそれだった。しかめ面の豪田が何も言わないので、そういうものかと全裸になって寝台に横になった黒豹は、豪田と同年代のスポーツトレーナーにそのままじっくりと撫でられる。

  太ってから性欲が強靭になっている黒豹だ。初対面の誰かの前で裸を晒している上に、そんな愛撫のような触診をされてしまっては、むくむくと起き上がる欲を無視することは出来なかった。

  「お、元気だねえ。いい子いい子」

  「ちょ、ッ……っ豪田ちゃん!」

  「おおい、いい加減にしろよ」

  情けなくも起き上がったペニスをからかうように撫でられる。恥ずかしさに爆発しそうになりながら豪田に助けを求めた黒豹は、本当にコイツ大丈夫だろうかと疑ったものだが、そこからの指示は的確なものだったと、それから数ヶ月経って分かった。

  インターハイでの好成績のお陰で他校との練習試合も多くなった、そんな中、未来の脅威である小兵との試合も多く入れ始めた頃。

  「最近、ちょっと小さくなったか?」

  練習終わり、いつも通り部室前で全裸に腰タオル一枚で涼んでいた黒豹にそんな声が掛けられた。

  「お、そうか?」

  「え、先輩痩せたんすか」

  と同級生の猫が黒豹の体をじっと見ながら首を傾げていた。そんな声に、後輩の虎が食いついてきては、黒豹の体をじっと見つめるも、しかし、特に違いは分からないようで訝しげな表情を浮かべていた。

  「痩せたっていうか、体重増やすための準備で筋肉つけるメニューに置き換えてんだよ」

  「ああ、9ヶ月計画とか言ってた奴?」

  「そうそう」

  黒豹は、猫の言葉に頷いた。

  トレーナーが目標を180kgと定めた黒豹に大前提として提示したのは、まずは、体の筋肉を脂肪に置き換えていくということだった。

  脂肪を増やすだけでは、体への負担が増えるだけ。だからこそ、まずは体重を削ってでも筋力を付け、そこに脂肪を増やしていく。じっくりと、少しずつ体重を増やしていくのが『9ヶ月計画』だ。

  「つっても、別に体重そんなに落ちてねえけどな」

  「あ、そうなの?」

  150kgを少し割りはしたが、ほぼ誤差のようなものだ。水を多めに飲んだ日には150kgを超えもしたりする。それでも体が痩せたように見えるのは単純に脂肪がより重い筋肉に置き換わっているからなのだろう。

  それでも、部内でも最重量だ。

  どっしりと構えた俵のような両足は、その体重を支えてずしりと筋肉が張り詰めている。膨らんだ風船のような胴回りや、巨大な饅頭を詰めたような胸も、少し前に比べれば確かに垂れ下がっている印象が少し薄らいでいるが、反面、その膨らみは大きくなっている。

  まるで空気の抜けかけていた風船に空気を入れ直したようなハリのある膨らみ。

  思えば、少し動きやすくなったような気がする。とはいえ。

  「まあ、困ったこともあるっちゃあるんだけどな……」

  「……?」

  黒豹は涼しくなりはじめた風に火照った肌を冷やしながら、苦笑した。

  ◇◇◇

  そんなこんなで部活に充実している黒豹だったが、その私生活――青春という面ではどうだったかというと。

  「……おせえよ」

  「ごめんごめん、結構長引いちゃって」

  日も落ちかけて暗くなった相撲場で、まわし姿の黒豹は扉を開けて入ってきた細身の獅子獣人を睨みつけた。制服を着ている獅子は相好を崩しながらそんな黒豹に歩み寄って、その自身の数倍はある胴体に抱きついていた。

  その体格差は、大人にハグをする子供というより、大木に手を回す観光客、のようなちぐはぐさがある。だが、二人はそんなことは気にしないようだった。

  獅子が黒豹の汗ばんだ被毛に鼻先を突っ込んで大きく息を吸う。

  「……ッ」

  「ぁ、あ……いい臭い」

  まだ部活後にシャワーは浴びていない。相撲部員達と取組もして相当臭いが籠もっているだろう胸肉の谷間に鼻を埋める獅子は、それでも、恍惚な声を上げる。

  黒豹は、自分のそんな汗臭い香りを嗅がれているということへの羞恥に胸をはち切れんばかりに高鳴らせながらも、それと同時にまわしを突き破らんばかりに興奮もしていた。

  すん、すんと小刻みに臭いを吸い取られる度、ゾクゾクとした悦楽が脊髄を貫いていくのだ。

  この獅子獣人は、黒豹の恋人だ。

  元々黒豹の性処理相手としてとある事件からの付き合いだったのだが、性的嗜好以外にも趣味が合っていつしか恋人の関係になっていたのだ。

  こうして、部員が返った後の土俵で待ち合わせして、こうしていちゃいちゃと肌を重ね合う事も珍しいことではなかった。

  「ん、っ……ぉ……ッ!」

  黒豹が短く吠えた。獅子が黒豹の膨らんだ胸の先端にぷっくりと突き出る乳首を、コリコリと舌先で弄んだのだ。敏感な先端への刺激に、黒豹は思わず内股になって獅子の体を強く締め付ける。

  強烈な圧迫感に捉えられた獅子は思わず、黒豹の体を押し返すように両手を突くがびくともしない。乳房を口に含んだまま深く押し付けられて息が出来ない。黒豹が気付いていないわけはないだろう、獅子の頭上から詰り責めるような声色が下りてくる。

  「お前のせいで最近また乳首デカくなってきたんだからな」

  と言い切ってから数秒、その締め付けが続いたかと思えば、満足したように黒豹は獅子の体を手放していた。

  「……ッンん……ぷ、ぁっ!」

  「おっと、悪ぃ悪ぃ……苦しかったか?」

  「ぁ……うん……、でも……」

  ニヤニヤと笑う黒豹。

  そんな彼の問いかけに、それ以上に心地良かった。と圧迫に火照った頬を赤らめる。そのまま身を離した獅子に、一瞬名残惜しそうな顔をした黒豹だったが、気を取り直したように土俵の中へと足を踏み入れる。

  薄暗い中で、ぽっかり穴が空いたような黒い毛並みの黒豹は、その豊かな肉体を揺らす。獅子は、目の前の黒豹の肉体を見て生唾を飲んだ。何度見ても飽きないどころか、見慣れても見惚れてしまうその肉体がそこにある。

  部活後の黒豹の体からは大量の汗の名残を感じた。湿った被毛に土が纏わりついて独特の臭気を放っている。その雄臭さ――力士臭さといったら。

  まさに、それだけで飯を三杯は平らげてしまえそうな程だ。

  「何してんだよ、来いよ」

  「うん、今日もかっこいいなって」

  呼ぶ声に頷きながらカバンを置きながら獅子は、ふと気になった事を尋ねてみた。

  「でも、ずっとまわしで待ってたの?」

  「あ? 俺の臭えまわし嗅ぎながら腰振るのが好きな変態野郎の為に、締め直してやったんだよ」

  「ぅ、……まあ、そうだけど……ッ!?」

  あんまりな物言いに苦笑しながら土俵へと入り込んだ獅子は、黒豹に招かれるまま彼の前に跪いた。目の前には、黒豹の何十日と洗うことなく部活の汗を吸い込んでいるまわし。

  離れていても、鼻の奥を貫くような臭いが漂う。黒豹は獅子の後頭部を鷲掴むと、ゆっくりとその臭いが最も濃い部分、前袋に獅子の鼻を埋めていく。

  前袋にマズルが触れた瞬間、獅子は体をびくんと跳ねさせて、ひゅご、とまるで気道が異常動作を起こしたような声を発していた。だが、黒豹はその手を離しはしない。彼が、拒んでいる訳ではないと理解しているのだ。

  「おう、どうだ変態。これがいいんだろ?」

  「ふ、ぐ……ぁ……か、ぅ……ッ!」

  ぐりぐりと押し付けてやれば、獅子はびくびくと尻尾を跳ねさせながら、それでももっともっとと強請るようにまわしの臭いを吸い込んでいく。やがて、獅子の両手が勝手に動いて黒豹のまわしの前袋を左右に引っ張るようにしながら揉みしだき始めた。

  「ったく、情けねえな……俺のまわし嗅ぐだけか?」

  「ん……、ぁ、ごめん」

  黒豹は、その淫らな行動を詰るように鼻で笑う。前袋から顔を離した獅子は、とろんと蕩けた目を潤ませながらゆっくりと、締め込んでいるまわしを解いていく。

  始めこそ、どう締められているのかも分からなかったまわしだが、もう目を瞑っていても解くことが出来る程度には手に馴染んだ動作になっていた。薄暗い土俵だろうと、その手は難なく黒豹のまわしを外す。するり、と前袋が緩み、その中で熟成されていた臭いが、むわっと飛散した、その時。

  黒豹が獅子の肩に手を置いた。

  「え、わ……っ?」

  「は、お前の負けだな」

  獅子の肩を軽く押せば、まるで達磨が転がるように簡単に獅子の背中は土俵の土を付けられる。そして、獅子が見上げる視界には、黒豹の巨体が自分の体を跨ぐように立っているのが見えていた。

  黒豹はにやりと笑いながら、緩んでいたまわしを解いていく。黒豹の太い体は細く鍛えられた獅子の体が枝切れのようにすら見える。黒豹の太ももの太さが、獅子の腰周りの太さに匹敵するといえば分かりやすいだろうか。

  そんな力士のまわしだ。黒豹が身に着けていればそうは思わないが、その布を実際に手に取ればこんなに大きな布なのかと錯視めいた感想を抱くだろうその布。その奥には、薄暗闇にキラキラと光を反射させる先走りの糸を引く、黒豹のペニスが聳え立っていた。

  「あ……」

  「なに物欲しそうな面してんだよ」

  獅子は、ゴクリとつばを呑む。

  鍋を二つ被せたような豊満な胸丘。今にもはち切れんばかりの腹。その下のぷっくりと膨らんだ鼠径部のデルタゾーンを突き上げるような黒豹の剛直は、ひくひくと震えながら先走りの糸を獅子へと垂らしている。

  大振りな男根は、しかし、半ば肉に埋もれて先端まで皮に包まれている。その皮の先端から滲み出すように先走りが淫猥に溢れていた。

  そんな黒豹の媚態に魅せられた獅子の呆けた顔の上に、黒豹は解いたまわしを垂らした。

  「……ぁ、ぉ……ッ!?」

  瞬間、思考を奪い去るようなまわしに吸着した濃厚な汗と脂の香りが獅子を強打した。

  もはや、それは臭いではなく、物理的な破壊力を持っているのではないのかと思うほどに獅子の嗅覚を破壊しながら、脳をぐちゃぐちゃにシェイクする。新陳代謝も激しい男子高校生だ、相撲の稽古でかく汗の量も相当なもの。そんな凝縮された濃密な雄臭を叩き込まれ、獅子はそれだけで絶頂してしまいそうな程の快感に襲われるのも仕方がないだろう。

  体を弓なりに仰け反らせて、ズボンの中で膨らませたその若い漲りを誇張するように腰を浮かび上がらせる。

  「おい、変態。それだけでイクんじゃねえぞ」

  「っ、ん……っ、分かっ……てる……ッ」

  過剰にも思える反応に黒豹が呆れ顔を浮かべると、まわし越しに洗い息を吐く獅子が頷いていた。そして、獅子は、顔に乗せられたまわしをそのままに己のズボンへと手をやると、そのジッパーを下げ、その中身を手ずから曝け出していた。

  「……相変わらず、いいチンポしてんじゃねえか」

  今度は黒豹がつばを呑む番だった。

  獅子のそれは、まだ幼さを残す顔立ちに反して、雄としての本能を如実に表すような見事なものだった。雁首はせり出し、ズル剥けの亀頭はぷっくりと膨らんでいる。そして、その太く逞しい肉幹を血管がびっちりと走るようにして覆っていた。

  すっかりそこは大人の顔をしている。

  それもそのはずだ。その屹立は既に童貞を失い、蜜肉を犯して孕ませる快感に慣れ親しんでいるのだから。そしてその相手は、他でもない。この黒豹だ。

  「……っ、俺、も……我慢できない……っ」

  「なんだよ、俺のまわしの匂いで、イっちまいそうだってか?」

  「う……ん……ッ」

  黒豹は、そんな獅子の若い勃起した肉棒をからかうように、ぴしゃりと分厚い尻肉を平手打ちした。相撲場に響く平手音。それに合わせるように、びくんと跳ねた獅子の肉棒から先走りの雫が溢れ出る。

  獅子の反応に満足気に笑いながら、黒豹はゆっくりと腰を下ろしていく。獅子の腰に聳える屹立の上に蹲踞するようにゆっくりと。

  「俺のケツに突っ込んで、ぐちゃぐちゃに犯してえんだろ?」

  「は……っ、ぁう……、うん……っ」

  「たく、俺みたいなドデブに興奮する変態クソホモ彼氏の相手も大変だぜ、なあ?」

  ともすれば笑い者にすらなりそうな巨体に跨がられながら、尚も屹立を最大限に膨らませる獅子をなじるように、黒豹はその屹立の先端を雄膣の口でキスするように触れ合わせた。

  びくびくと震えるのは、獅子の鬼頭か、黒豹の蜜肉か。

  「……ん、ぉ……ッ、来た、キタ……ッ!」

  ぬぶり、と。黒豹の菊座は、獅子の剛直を容易く咥え込んでいく。ミチミチと獅子の肉茎に密着しながらもその雄膣は抵抗無く黒豹の中へと呑み込んでいくのだ。

  黒豹が、堪らないといったように野太い喘ぎを上げた。

  それもそのはず。それだけ解される程に、黒豹は獅子からの連絡を待っている間、部室の中で自らの尻穴を玩具でほぐしていたのだから。

  「あ゛っ……、相変わらず、デケえな……ッ、んぉ゛ッ」

  「ぉあ……ッ、す、ご……っ、ぁ゛あっ……!!」

  念願の生ディルドだ。

  ぐぢゅり、と。湿った音を上げて黒豹のアナルへと獅子の肉棒が全て収まると、黒豹は息を一つして、今度はずぬり、と腰を上げていく。

  襞肉が獅子自身に絡みつき、引き抜かれるのを拒むように肉棒全体を擦り上げてくる。強烈な肉圧に獅子は快感のまま喉を晒し、声を上げる。

  だが、それは黒豹も同じだ。

  排泄器官から、性器へと変わり果てた雄膣を獅子の剛直で抉られて、腸壁が引っ掻かれる。そんな快感に喉を鳴らして、蕩けた表情を晒している。

  インターハイ準優勝の有望な高校生力士が、後輩のペニスに跨って淫猥に涎を垂らしているなどと誰が想像するだろうか。

  だが、事実、黒豹はオス同士のセックスに快楽を溢れさせている。獅子のペニスを使ったアナニーなどではない。それは確かにセックスだ。

  「ぁあ゛……、っ、マンコ奥……ッたまんねえ……っ」

  「ふっ……ゥう゛……! ぁ、ああっ、ぉ……ッ!」

  ぐちゅん、ぬちゅん! と淫らな音を土俵に弾けさせながら、激しく腰を振りながら黒豹と獅子は互いに指を絡ませあいながら手を繋いでいた。

  互いを鎖で繋ぐようにしながら、抽挿は勢いを増していく。どちゅん、と濡れた音と共に黒豹が一際深く腰を落す。

  「お゛ぉう……ッ!!」

  「ンぉおおっ!!」

  甲高い雄叫びを上げて、二人は同時に絶頂へと上り詰めた。びくんっ、と体を震わせて獅子の肉棒から迸る熱い精液が黒豹の中へと注がれていく。

  激しく肉がぶつかり合い、汗が弾け飛ぶ音が土俵に響き渡る中、ぶびゅうっ! と重く粘つく精液の塊が獅子の腹に飛び散った。

  量も相当だというのに、その濃厚さといえば特筆すべきものだった。濃厚なジェル状になった白濁は、制服のワイシャツの上に半ば染み込むことなく球体を保ってすらいる。

  「……ッ、すご……ん……っ」

  黒豹の精液の塊を眺めて声を漏らした獅子。黒豹は被せたまわしをかき分けるようにして、獅子のマズルと噛み合わせて深く口付けを交わす。

  びくりと、黒豹の背中が震えるのは、少し萎え始めていた黒豹の中の獅子が、その口吻に膨らみ始めたからか。

  学校で、土俵で。そんな許されない環境で体を重ねているという背徳感もブーストしてか、若い情欲はそれだけで終わるはずもなかった。

  ゆっくりと再開される雄交尾は、瞬く間に激しく、貪り合うような獰猛さを取り戻していく。淫らな音はまた何度も繰り返されていくのだった。

  ◇◇◇

  「……ぅっ、ぁ……ぁ!」

  体勢を変えて、正常位のまま獅子が黒豹の奥へと迸りを放つ。もう四度目にもなればその量は微々たるものではあるが、それでも黒豹は熱い子種を一滴まで搾り取るように膣を締めて、抜き去られていく剛直を名残惜しげに見送っていた。

  ぬぷん、と音を立てて亀頭まで引き抜かれた黒豹の窄み。そこからごぶりと溢れ出した精液を引き止めるように、黒豹は寸前まで剛直を咥えていた膣口をきゅうと引き絞ることで抑え込む。

  「はあ……っ、ぁあ……」

  「……っ、四回も、出しちゃった……」

  「たく、出し過ぎだっての。まあ、俺のほうがイッてたけどよ……」

  散々ザーメンを注ぎ込まれた雄マンコの熱さに息を切らしながら、黒豹は汚れた周囲の掃除を始めようかと立ち上がろうとした、その時。

  「誰かいんのか?」

  「……!!」

  ガラリと、鍵を閉めていたはずの相撲場の引き戸が開かれた。

  まさか、誰かが入ってくるとは思っていなかった黒豹と獅子は座っていたまま飛び跳ねるほどに驚き、そして、焦燥が駆け巡った。

  なにせ、下半身を露にし、精液で汚れた状態。黒豹に至っては、何も身に着けていない。何をしていたかなど一目瞭然、誤魔化しようなんて物は存在しない。

  入ってきたのが、相撲部顧問の豪田だということは、声を聞いた瞬間から分かった。校内で性交に望んでいるなんて事を知られてしまえば、自粛か、もしくは退部なんて事もありえる。

  いや、その前にどれだけ激怒させることになるだろうか。

  獅子との熱い交合への満足感など、またたく間に冷え切って、汗ばんだ体に、更に脂汗が一気に溢れ出る。余りの焦りに体を隠すことも出来ず、黒豹と獅子は相撲場の電灯を付けた豪田の出方を伺おうと、息を呑む。

  「んだ、お前らか……」

  だが、豪田の反応は、二人が予想したより遥かに淡白だった。

  「え、えと……豪田ちゃん、これは……えっと……だな?」

  「あ? ああ、良い、良い。誤魔化そうとかしなくて」

  「……え?」

  「何度か使ってるだろ、気付いてないと思ってたか?」

  豪田の言葉に、黒豹はただ呆気にとられるばかりだった。まさか、これまでもバレていた、とは。豪田が言うには、「臭いも残ってるしな……、というか、お前以外もたまにあるぞ。鉢合わせしたことはなかったのか?」ということだった。

  後輩の豚と虎がそういう事をしているとは思わなかったが、そういえば、二人で稽古すると居残りしていた事が何度かあった。まさか、あれはただの稽古ではなく逢引も兼ねてだったのか。

  「あ、あの……」

  「ん? 別にお咎めもねえよ。ホテルとかで問題起こされる方がマズイしな。孕むこともねえし」

  お前のおかげでうちのチームも強くなったし、程々にな。と言う豪田。教師としてはどうなのか、と思わなくもなかったが、突っ込んだ所で自分達に罰が下るだけなので、その言葉は胸にしまっておいた。

  そういえば、騒ぎにはなっていないが、まわしが紛失した件で盗難かも知れないと可能性に上がっていた。それで警戒していたのだろう。不審者ではない事を確かめたかっただけらしい豪田は、そのまま土俵をあとにしながら、ふと振り返って二人に指を突き付けた。

  「ただ、掃除は痕一つ残すなよ。バレる相手によっちゃ、一発部活動停止だからな」

  と言い残し、豪田は去っていった。そんな教師の背中を見送った黒豹と獅子は、互いに視線を合わせて。

  「……掃除すっか」

  と頷きあったのだった。

  ◇◇◇

  「よろしくお願いします、部長!」

  それから秋と冬を越え、新しい春がやってきた。

  「おし、来い!」

  黒豹は吠えながら、腹をバシンと大きく張った。一時期、筋力強化のために縮んでいた体は、十分な筋力がついてからは、失った分を取り戻すように更に巨躯を作り出していた。

  もうすぐで180kgにすら届くような体重は、もはや高校相撲に限らず、大相撲ですら即戦力になるだろう出来上がりを見せている。

  昨年、夏を過ぎても暫く練習に付き合っていた先輩の熊も、秋を最後に引退していた。まあ、お前以外いないだろうと部長を黒豹に任せた事に反対する部員は誰一人いなかった。なにせ、黒豹の活躍で相撲部に入部したという新入生が去年の倍程もいるのだ。

  「む、……んっ!!」

  黒豹は相手に目を合わせつつ腰を落とし、上体を下げる。相手は、今春入学したばかりの一年生だが、既に100kgを超えそうな程にウェイトのある経験者。中学までは、全国大会常連だったという狼獣人は、爛々と勝ち気を滾らせながら、同じように仕切りを合わせ、片手を突いた。

  肉厚な筋肉質な体を震わせ、いつでも行けると言わんばかり。互いに呼吸を合わせ、そして、両手を地面につけたその瞬間。狼は一気に黒豹へと飛び出していった。

  小型トラックが突っ込んでくるような衝撃。

  「……っ!?」

  黒豹はそれを敢えて真正面から受け止めていた。

  組み合い、狼のまわしを掴む。がっぷり四つに組み合って、汗ばんだ被毛同士が絡まり合うような瞬間。ズバンッ、と衝撃とともに汗が弾け飛ぶ。

  だが、受け手に回った黒豹は、その突進をまともに受けながら、全く体幹を崩さない。

  驚きの声は、狼のものだった。

  体を合わせ、その巨体と密着して互いの肉を押し付け合うようにしながら、まわしを取って体幹を乱そうとする。だが、崩れない。脂肪の奥に確かにある強固な筋肉。それが黒豹の重厚な体を支えている。

  ただ、それだけじゃない。自分の力で押し流しに来るのではなく、狼の動きに合わせて力の加減を調整しているのが分かる。湿った肌感、毛に突いた砂粒、息遣い。その全てが間近で分かるからこそ、確信する。このまま組み合っていれば負ける。

  とはいえ、このまままわしから手を離せば、軽々と投げられて終わりだ。取れる手といえば、後の先。黒豹の動きに追従して返し技で逆転する。

  「ぁ……?」

  それしかない。と狼が動こうとした、その瞬間、黒豹が半歩程足を前へ踏み出した。ただそれだけだった。それだけで、狼は自分の体が後ろへと倒れていくのを感じていた。

  寄り倒し。そのまま土を背に付けた狼は、呆然と黒豹を見上げていた。まさか方針転換の一瞬の隙に付け入られるとは。

  「いや、つええな。一年とは思えねえわ」

  「あ、あざす」

  黒豹は、笑いながら狼を引き起こす。そんな言葉に、狼は思わず苦笑を返していた。中学の頃から、黒豹の試合は見ていた。その時指導を受けていた相撲部屋の親方が言うには、実戦経験が明らかに不足している、という弱点を上げていたが、こうして対面してみるととてもそうは思えなかった。

  実際、去年まではそうだったのだろう。だが、練習試合も多く積んだ今の黒豹にはその弱点も克服したものといっていいだろう。狼からの視線に憧れの色が濃くなる。そうなれば、部活外での獅子の煩悶が加速するのだが、そんな事もつゆ知らず、黒豹は己の評価をそう改める。

  次の相手は、新入部員の中で小柄な未経験者。細いわけでは無いが、それでも、その頼りなさは入学したての自分を思い出すようで。

  「おし、全力でぶつかってこい!」

  黒豹は、その全力を受け止めてやろうと、四股を踏んで己を昂らせるのだった。

  ◇◇◇

  そして、冬が来る。

  最後の大会で180kg越えの巨体と、衰えぬ足捌きで更に安定性を増した黒豹は、まさに盤石の構えでもってインターハイ優勝を果たしていた。

  高校横綱として名を連ねた黒豹は、猫達と臨んだ団体戦でもベスト4入りという快挙を果たし、引退に盛大な花を添えることになった。黒豹だけでなく、後輩の豚や虎も今や立派な力士として、十分な闘いを繰り広げていた。

  「どすこい稽古は廃止にするっす」

  と次期部長の虎が断固として主張するのには、つい豚との関係を大ぴらにしてやろうかと邪心が湧きもしたが、芋づる式に獅子との事もばれそうなので止めておいたが、ともかく来年も問題ないだろう。

  そして、推薦での大学入学が決定し、大学相撲へ向けての稽古や準備に勤しむ間に、秋も過ぎて、季節はすっかりと冬になっていた。

  「……なんだよ」

  制服姿の黒豹の胸に顔を埋めているのは、獅子だった。

  今日は卒業式だ。もうすぐ式が始まるというのに、黒豹と獅子は相撲場で抱き合っていた。とはいえ、性欲を満たすようなことではない。

  始めは純愛とは言い難い関係性だったが、気付けば、互いに深く慈しみあうような関係へと仲を深めている。だからこそ。

  「ぅ……う」

  黒豹は胸の中でぐずり上げる獅子に、嬉しくもあり面倒でもあり、という擽ったさを覚えていた。

  来春から都内の大学へと進学する黒豹は、この地元を離れる事になる。そうなれば、獅子とも中々会えなくなってしまうのだ。

  「月1で帰ってきてやるから、泣くなって~」

  「……っ、ホントだな? 同じ大学行くから、う……浮気とかすんなよ……!」

  「しねえって、たく。教室戻らねえと」

  と背中をぽんぽんと叩いてやると、獅子は泣き腫らした目で見上げてきながら、時計を見て慌てて教室へと戻っていった。そんな背中を見つめながら、すれ違うようにやってきた顧問教師に軽く手を振る。

  「まーた出歯亀かよ、豪田ちゃん」

  「お前らがここ使わねえから、今日が最後だよ……ありがとうな」

  豪田は黒豹を相撲場から追い出すように背中を押しながら、しみじみとそう言った。

  「お前のお陰で廃部寸前だった相撲部が立ち直れた――どころかこの盛況具合だ。正直、無理言ってただろ?」

  「へへ、まあ。そうだけどさ……俺も感謝してる。俺に相撲教えてくれて、ありがとうございました。豪田先生」

  「……」

  確かに初めは嫌々だったけれども、相撲をやっていなかった高校生活なんてものは、もう考えられない。金銭的にも補助金で助かったし、推薦にも多大に影響した。だが、それ以上に、本当に、相撲を始めていなかったらと考えても何も想像が出来ないのだ。

  なるべくしてなった。というような。

  だが、それは確かに、始めに豪田が誘ってくれて、そして、鍛えてくれたからこその今なのだ。

  それを正直に伝えると、豪田からの反応が無くなっていた。

  「泣いてんの?」

  「馬鹿言ってねえで、教室戻れ!」

  「いッ……てえッ!」

  振り返ろうとした黒豹に、豪田の平手が背中を直撃する。痺れるような衝撃に、豪田をにらみつけるが、彼は背を向けてしっしと手を振っていた。

  「へいへい」

  その肩が震えていた。この高校でまわしを締めるのは、あと一回。その時、豪田に部室を開けてもらうのだから、その時からかってやろうと決めて、黒豹は教室へと戻っていった。

  ◇◇◇

  黒豹は、全校生徒の前に立っていた。

  四股踏みを披露するという送別式の余興として、まわしを締めた黒豹は、ステージの上で、その体を無数の目の前に晒していた。

  むちむちとはちきれんばかりの体、脂肪と筋肉で強固に纏った鈍重そうな体は、巨デブなどと馬鹿にされる事もあるような巨体を誇っている。

  脂めいた艶を見せる黒豹の毛並み。風船じみた膨らみを見せる全身に力を入れながら、黒豹はゆっくりと足を上げ、ずんと重い音を轟かせながら四股を踏む。

  全校生徒が、そんな黒豹を見つめている。いや、それだけじゃない。高校横綱の卒業余興ということで、テレビ局のカメラも地域ニュース用に撮影をしている。

  (ああ、堪んね、……ヤバ、いけど……)

  黒豹の股間は、ステージに立ったその時から固く巻いたまわしの上に浮かび上がるんじゃないかと思うほど硬く勃ち上がっていた。

  無数の目が己の、膨らみきったこの体を見つめている。そんな中で四股を踏まされているのだ。そんな状況で開花した変態としての黒豹が喜ばぬはずがない。

  「……っ、んぉ」

  四股を踏む衝撃が、他ならぬ快感となって全身を突き抜ける。喘ぎ声が漏れる。だが、誰も気付かないだろう。まさか、高校横綱が四股踏みで興奮して、淫猥な情欲を漲らせているなどと思うはずもない。

  「どす……こい……ッ」

  魔が差して小さく声に出した。足を上げる。平手で腿を打つ。足を落とす。ステージが震えるような重く静かな振動が包み込む。

  どすこい、などと言いながら四股を踏む様子がカメラに撮影されている、全校生徒に見られている。まさか、そんな中で射精までして良いはずがない。

  四股踏み射精なんて。

  (ぁ……っ、く、ダメだ……出る……イク、イク……ッ)

  ダメだと分かっていながら、いや、分かっているからこそ、その興奮は最高潮に達していた。両足を強く踏みしめ、びくびくと震える体を抑え込むように、両膝に手を当てて頭を下げる。

  卒業の感激に涙を抑えているように見えるのか、カメラのシャッター音が聞こえる。びくびくとまわしの中に濃い精液を吐き出す。前袋の裾から少しはみ出す感触、一筋精液が黒い毛が覆う太ももを伝って落ちていく。

  もしかしたら汗でないと気づかれるかも知れない。そんな事を思いながら黒豹は、四股踏みを終えて、一礼の後舞台袖に下がっていった。

  「……相撲、やってきてよかったな」

  これから始まる大学での生活。これまでの思い出を振り返りながら、始まる新生活に胸を踊らせる黒豹は、精液に濡れたまわしの中で色情も昂らせていたのだった。

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