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柴犬ケモショタが狸のおじさん整体師さんにマッサージしてもらう話
◇◇◇
「ここ……だよね……?」
と住宅街の一画。普通の一軒家に見える建物を見上げて、柴犬獣人の少年は耳を不安げにペタリと寝かせていた。
小学生にも見える彼――柴山 麦太(しばやま むぎた)は、もう中学生になって半年も過ぎている。背が低い訳ではないが、その大人しそうな見た目で幼く見えてしまうのだろう。
学校からの帰りでワイシャツにスラックスという制服姿の麦太は、ポケットからスマホを取り出すとお母さんのチャット画面を表示させた。
この前体育の授業中に肩と腰を痛めてしまって、保健医の先生に整体に行く事を勧められ、お母さんが予約してくれた『ぽんぽこ整体院』の地図アプリのリンクがチャットに表示されている。地図をアプリを見ると、麦太の現在地を示す矢印の目の前に目的地が表示される。
「……ぽんぽこ整体院って看板はあるけど……普通の家みたい……」
麦太は、御用の方はインターホンを押してね。と書かれた玄関前の立て看板を自身なさげに見つめる。ほんとにここが整体院なんだろうか。
だって、普通の少し古めの一軒家にしか見えない。
道路に面していて、数段の石段のすぐ上が玄関の引き戸がある。上を見れば2階のベランダにタオルとかが干されているのが見えて、ますますただの家みたいだった。
「うう……」
と麦太はインターホンに伸ばした指を思わず引っ込める。
間違ってたらどうしよう、それに、合ってたとして何て言えば分かってもらえるのか。……帰ってお母さんについてきてもらおうかな、なんて事を考える麦太の脳裏に、朝のお母さんが言ったセリフが浮かんできた。
「お兄ちゃんも中学生なんだから一人で行けるわよね?」
「……い、行けるし……っ」
麦太は記憶の母にそう言い返すと、緊張を振り払うように引っ込めかけた指を押し出した。指先に触れた硬い感触が引っ込んでカチッと音を立てる。そして、家の中からピンポーンという電子音が響いてきた。
「……」
緊張の数秒。どきどきと嫌な汗をかく数秒間の後。インターホンのスピーカーからザザッというノイズが出たと思えば。
『はいはいー、ぽんぽこ整体院です』
「え、あ……っ、あの……!」
そんな優しそうなおじさんの声が聞こえた。
穏やかな口調に少し安心しながら、麦太は何から言えばいいのかと、焦りでどもってしまう。そんな挙動不審な麦太をインターホンのカメラ越しに見たのだろう、そのおじさんの声は「あー、予約の柴山くん、だね?」と向こうから麦太の名前を言ってくれた。
「あ、はい……予約、えとお母さんが予約してて……」
『うん、大丈夫だよー。ちょっと待っててね、お出迎えするから』
とインターホンが切れたと思えば、家の中から足音が聞こえた。そして、引き戸の擦りガラスの向こうに、太った大人の人のシルエットが浮かぶ。
「やあ、ごめんね。場所分かりづらかったでしょー」
「い、いえ……えっと、よろしくお願いします」
「わあ、礼儀正しいねえ。院長の太鼓です。こちらこそよろしく」
中から出てきたのは、メガネを掛けた狸獣人のおじさんだった。病院とかでよく見るケーシーを着ていて、歳は五十歳くらいだろうか。ずんぐりと太っていてお腹なんて風船みたいだと思ってしまう程。ぽんぽこ整体院っていう名前はきっとこの人から付けたんだろうな、と思わず納得してしまった。
麦太はにこにこと朗らかに迎えてくれた先生に連れられて、整体院に入っていった。
中はやっぱり普通の家の間取りだったけど、靴箱の上に保健室で見るようなお手軽なツボだったり、食事習慣のポスターなんかが貼ってあって、不思議な感じがした。
「はい、スリッパどうぞ」
「あ、ありがとうございます」
靴を脱いでスリッパに履き替える。玄関から上がると、左右に部屋があって、正面には2階に上がる階段と奥の部屋に続いている廊下があった。
「左の部屋が待合室なんだけど、今はお客さん一人だけだから、待たなくて大丈夫。右の扉は物置だから勝手に入っちゃダメだよ」
と案内してくれる。左の部屋はソファや椅子のあるリビングみたいな部屋だった。右の部屋は扉が閉まっていて中は見えない。太鼓先生は、そのまま奥の部屋に麦太を案内する。
「べつのお客さんがいるけど驚かないでね」
「あ、はい」
と前置きして、太鼓先生は「失礼しますねー」と言いながら奥の施術室に続く引き戸を開けた。
麦太も彼に続いて部屋に入って。
「え……っ?」
思わず小さく驚きの声を上げてしまった。
その部屋は、シンプルな部屋だった。壁に棚があるけど、他にも家具とかもなく、病院とかで見るような診察ベッドが2つ並んでいるだけ。
片方のベッドには、太鼓先生が言っていたお客なのだろう熊獣人のおじさんが一人ベッドに寝ていて、ケーシーの上からでも分かる筋肉隆々な二十代前半位の若い虎獣人の施術師さんが熊のおじさんの背中を手のひらで押している。
それは別におかしくない。ただ麦太が驚いたのは、そのお客の熊おじさんの姿だった。
おじさんは、何も服を着ずにベッドに寝ている。
全裸だった。
顔を向こう側に向けているから、大きなお尻と小さな尻尾が目に飛び込んでくる。タオルが一枚掛けられているけど、そんなの殆ど意味がなかった。
「院長お疲れ様です。予約の子っすか?」
「うん、縞原くん、お隣のベッド使うねー」
「はいっす」
先生が驚いていないという事は普通のことなんだろうか。整体やマッサージに来るのは初めてで、麦太はそういうものなんだな、と驚きながらも疑問を呑み込んだ。
案内されるまま、麦太はベッド横のバスケットに鞄を入れてベッドに腰掛ける。
自然と熊おじさんと虎の施術師さんに背を向けるように座った麦太は、それでもやっぱり気になって後ろの熊おじさんを肩越しに振り返った。
ベッドにうつ伏せになって枕に顔を埋めている熊のおじさんは、やっぱりパンツも何も履いていない。僕も服脱がなきゃいけないんだろうか。という事を考えながら、ベッドの間に仕切りもない事に気付いた。保健室だとベッドごとにカーテンが閉めれるけど、そういったものは何も見当たらない。
「月野和さんも大丈夫ですか?」
「……ん」
少し落ち着かない心地になっていると、麦太の前で丸椅子に座った太鼓先生が麦太のベッド越しに、向こうのお客に声を掛けた。
顔を伏せていた熊のおじさんが少しだけ顎を浮かせて、じっと麦太を睨みつける。鋭い目付きに、思わず目を逸らしてしまった麦太の視界の端で、おじさんがゆっくりと顔を下ろしていくのが見えた。
良いって事なんだろうか。
「それじゃ、問診始めるよ、簡単に質問していくからね」
と太鼓先生は麦太に向き合って、カルテにペンを走らせていった。どうやって痛くなったのか。普段どういうストレッチとかをしているのか。そういう事を聞かれて答えていく間、麦太は実は気が気じゃなくなっていた。
正直質問の内容は覚えていない。
と、いうのも――。
「っん……ッぐう……っ」
「ゆっくり息吐いてくださいね、あー、また骨格歪んじゃって、もう」
くぐもったおじさんの声。それに合わせるように虎お兄さんさんがおじさんの腕を取って肩を捻っていた。
太ってはいないけれど、痩せているというわけでもない。そんな中学生の麦太にとって虎お兄さんの筋肉が浮かび上がる腕は憧れるものだった。だが、麦太の意識が持っていかれていたのはそこではなかった。
「ふ、ん……ッぐ、ぅ……!」
虎のお兄さんが熊おじさんの肩に抱きつくように体重を掛けていったかと思えば、ゴキゴキッ! と派手な音が部屋中に響き渡る。その音がどこから聞こえているかなんて明白だ。
熊おじさんの太った体から響いてきている。
そんな音を聞かされたら、自分もあんな風に体中からバキバキと音を鳴らされてしまうんじゃないかと思ってしまう。しかも、熊のおじさんも結構痛そうな声を出しているのだ。怖そうな熊のおじさんがあんな声を出すなんて、どれだけ痛いんだろうか。
「ちゃんとお風呂上がりにストレッチしてますか? はい、反対側もやりますよ」
「ぁ、……ああ……んぐっ」
(ぼ、……僕も、されちゃうのかな……痛そう……)
とおじさんにプロレスの技を掛けるみたいに関節のマッサージを続ける虎のお兄さんは、そんなおじさんの苦しそうな声とは逆にどこか楽しそうに聞こえて、それが更に麦太の恐怖を加速させていた。
「ああー」
そんな麦太に太鼓先生はカラカラと朗らかに笑った。きっと麦太の顔がこわばっている原因が後ろから聞こえてくる音にあるんだろうと察したらしい。安心させるように声を掛けてくれる。
「麦太くんは大丈夫だよ。見た所、そんなに骨が歪んでるわけじゃないし、運動もちゃんとしてる。何より――若いからねえ」
「え、あ……よかったです」
「うん。それじゃあ……」
メガネをくい、と上に押し上げながら先生はカルテを近くの台の上に乗せて、
「服は全部脱いで、ベッドに横になってくれるかな。背中から始めるからうつ伏せでいいよ」
麦太にそう言った。
◇◇◇
「……あう」
ここで服を全部脱いで、と言われた麦太は思わず固まってしまった。隣のベッドからも丸見えで、当然先生から体を隠すことも出来ない。なんたってカーテンも無いんだから。
プールの授業での着替えでもタオルを体に巻いて着替える麦太にとっては、男の人しかいないと言っても裸になるのは恥ずかしくて抵抗があった。お風呂場で脱ぐのとは話が違う。
そんな麦太の葛藤に後押しするように、太鼓先生が麦太にタオルを渡してくれた。とはいってもバスタオルのような大きいものじゃなくて、熊のおじさんのお尻にかかっているようなハンドタオル大の薄いタオル。
「脱いだ服は、こっちのワゴンに入れてね」
「ぅ、……はい」
先生は淡々と準備を進めていた。急かされているわけではないけれどまるで待たせているような気になって、麦太はゆっくりと服を脱ぎ始める。まず上半身を脱いで中学生らしい、少し男らしくなり始めた肩やお腹を露わにする。それから靴下を脱いで、ベルトを緩めてスラックスを押し下げると、ボクサーパンツだけを残して麦太は裸になっていた。
この時点でもう結構恥ずかしかった。でも、パンツも脱がなきゃいけない。と麦太はタオルを腰に巻いて下から掬い上げるように手をいれてパンツのゴムを掴んだ。大きくもないタオルは若干心許なくて、少し動いたらお尻もちんちんも見えちゃうような大きさだったけど、もうここに来て「イヤです」なんていう胆力も麦太には無かった。
麦太は、勇気を出してパンツを足首まで下ろして、床に落ちたパンツを拾って先にワゴンに入れていた服の一番上に置く。白黒の制服の上に、青と赤のボクサーだけが浮いているけども、そんなこと麦太に気にする余裕はない。
最近ふっくらしてきた麦太のペニスがタオル地にうっすらと膨らみを作っているのを隠すように、麦太はベッドにうつ伏せに寝転んでいた。
「……ん、ぐぉ、お……ッ」
隣では、ぐっぐっ、と親指を押し込むようにおじさんの腰を指圧している。ゴキゴキという音はしなくなったけど、苦しそうなおじさんの声は聞こえてきていて、どんどん麦太の体が強張っていくのを感じていた。
その時。
「ひゃう……ッ!?」
突然、背中に太鼓先生の手が触れて、思わず変な声を上げてしまった。
温かい室内だけど、それでも裸の被毛に温かい人肌が触れて体がびっくりしてしまったらしい。
「ごめんね、びっくりさせちゃったか。聞いてから触る方がいいね、触っていいかな?」
「はい……、ぁ、あの……優しくしてください……」
「うん、痛くないようにするね」
変な声を出してしまって恥ずかしさで頭がふわふわしたまま、麦太はまるで初体験を委ねる女の子みたいなセリフを言ってしまうが、それにも気づかない。太鼓先生は少し吹き出しそうになりながら、そんな麦太の体を安定させてくれた。お尻はちゃんと見えてないけど、隠すものも何も無い麦太の下半身がひんやりとしたのは感じ取れた。
ゆっくりと麦太の背中を、先生の手が撫でていく。筋肉を探るように二、三回尻尾の上から肩甲骨の間を往復した後、二つの親指が麦太の首を挟むように押し込まれる。
「ん、……ぅ」
「痛い?」
「ううん、痛く、……ない……」
麦太はうつ伏せになったまま、首を振って答えた。
想像していたような痛みは無かった。けれど、まるでじんじんとした体の内側が痛気持ちいい初めての感覚に、麦太はビクビクと体を震わせながら声を漏らしてしまう。
その声も恥ずかしかったけれど、自然と出てしまうものを抑えられるものでもない。ゆっくりと背中から腰までを指圧されながら、じっくりと整体を受けていく内に、麦太も慣れてきたのか次第にリラックスできるようになっていった。
すると、それはそれで、困ったことが出てきてしまう。
(あ、う……まずいよ……)
自分の体で見えないようになっているけれど、体とベッドの間で麦太の若いペニスが膨らみ始めていたのだ。マッサージで結構が良くなったからか、体を刺激されて反応してしまったのか。ともかく、腰に巻いたタオルと一緒にベッドに挟まれているそれが固くなっていく。
(ぅ……、なんでこんな時に勃起するの、……っ、治まれ、治まれ……)
内心焦る麦太。
先生はそんな麦太に気づいていないようで、少し腰をもどかしげに揺すった麦太は「大丈夫?」と問いかけられて「だ、大丈夫……っ」と慌てて返事をする。
背中から、と言っていたから、きっと正面側もマッサージしてくれるのだと思う。施術自体は気持ちがいいんだけれど、今「仰向けになって」と言われてしまえば、タオルを押し上げているちんちんが丸見えになってしまう。
「はい、お疲れ様です」
悶々としている麦太の耳にそんな声が飛び込んできた。
少し荒い息で呼吸している熊のおじさんの整体をしていた虎のお兄さんだ。そっちのベッドでの施術は終わったらしく、ともかく自分の勃起を収めたい一心の麦太は、隣のベッドに視線を向けた。ともかく意識を逸らす何かが欲しかったのだ。
「どうしますか、今日も『ごほうび』したいですか?」
「……ん、ぁあ……」
だが、その目の前で行われたやり取りは、それ以上に衝撃的だった。
熊おじさんは少し躊躇うように麦太を一瞬見つめてから、ゆっくりと『ごほうび』と言った虎お兄さんに頷いた。そして、熊おじさんは、体を反転させて仰向けになった。
(……え?)
目を疑う光景だった。そのおじさんの腰には勃起したペニスが聳えていた。先端は剥け上がって、薄黒くてテカテカと皮が張り詰めきっている。膨らんだ亀頭の先端の割れ目からは、透明な雫が伝い垂れていた。ぷっくりとした雁首を通り過ぎた雫が、血管が浮き上がった太い茎の中頃まで落ちた所で。
「ん、ぅ……っ」
「ガチガチじゃないっすか」
「……うる、せ……」
虎お兄さんが、おじさんの肉茎をむんずと掴んでいた。
しかも、それをおじさんは恥ずかしがってはいるけれど嫌がってはいない。何が置きているのか分からず、太鼓先生のマッサージを受け、大きくなったちんちんがジンジンするのを感じながらも、目を離せないでいる。そんな麦太の目の前で、状況は更に変わっていく。
虎お兄さんの大きな手が、熊おじさんの大きくなっているペニスを扱き始めたのだ。
(お、オナニー……してる……? ん、でも……自分で、じゃないから、オナニーじゃない……? なに、これ……)
麦太や太鼓先生がいることなんてお構いなしに、虎お兄さんはぐちゅぐちゅと音を立てながらチンチンを擦り上げる。麦太も中学生だ。マスターベーションは知っているし、実際何回かしたこともある。それでも、大人の勃起したペニスを見るのは初めてで、しかも、それを同じ男の虎のお兄さんが扱き上げるだなんて。
「んっ、お……ぉッ……」
(熊のおじさん……気持ちよさそう……)
ちんちんを扱き上げられて、さみしげな声を上げるおじさん。オナニーの気持ちよさを知っている麦太もその光景に、どんどんとムズムズとした疼きが金玉の奥の方に溜まっていくのを感じていた。
僕も気持ちいい事したい。なんだか体が熱くなって、太鼓先生の指圧と被毛の撫で上げるその感覚も気持ちいいけれど、もっと強い刺激が欲しい。麦太は無意識に太ももをすり合わせながら、うつ伏せの体を小さく揺すっていた。
「っふ、お……ッ」
(僕も……僕もしたいよ……っ)
そんな麦太の様子には気づかず、虎お兄さんの施術はまだ続いていた。ぐちゅぐちゅと音を立てるペニスに肉球を被せるようにして包み込み上下に動かしながらも時折、亀頭だけをごしごしと擦る。
おじさんの腰が、ガクガクと震える。絶頂が近いのか、脚が浮いてピンと伸び始めていた。
もうそこまで来ると、麦太が見ていることも忘れているように、熊おじさんは気持ちよさそうな声を上げる。だが、自分の状況を忘れているのは彼だけではない。
「それじゃあ、麦太くん。仰向けになってくれるかい?」
「……え?」
「ほら、ひっくり返すよ」
「ま、まって……ッ、ぁ、あ……っ」
突然――というよりも自分が整体を受けているという事すら忘れかけていた麦太は、太鼓先生の声に我に返った。
背中側の施術が終わったからと仰向けになるよう言われた麦太は、しかし今仰向けになったら勃起している事がバレてしまう。
熊のおじさんのように堂々と勃起したちんちんを見せつける自信もない麦太は、その言葉に従うことに躊躇ってしまう。
だが、そんな麦太の体は、呆気なく太鼓先生によって反転させられてしまった。
「おや、ふふ……元気だねー」
「うぅ……ッ」
一気に顔が熱くなる。麦太は腰のタオルにピンと張ったテントを暴かれて、全身の毛が逆立つような羞恥に襲われていた。
恥ずかしい。今にも飛び出して帰ってしまいたい程だった。
でも太鼓先生に「じゃあ、あと少しだから続きするね」と言われてしまえばそれも出来ない。
「血行良くなると勃起しやすくなるからね、効いてる証拠だよ。ほら、手は体の横」
「うぅ……はい……」
頭の方から肩を押し込まれる。痛みのあった部分をゆっくり刺激するような動きに、少し気持ちいい感覚を感じながら麦太の視線は、隣のおじさんに釘付けになっていた。
麦太のまだまだ子供のちんちんではなく、立派な男のペニス。それが先走りを流しながらグチュグチュとエッチな音を上げながら虐められている。
「ぉお……ッん、ぁあ……気持ち、……ィい」
熊おじさんの声がどんどんと上ずっていく。
心臓のドキドキが恥ずかしいからなのか、熊おじさんと虎お兄さんの見ちゃいけない所を見てしまっているからなのか。分からなくなる。
虎お兄さんの手もどんどんと早くなっていって、おじさんの竿から溢れる透明な先走りで根元から先端まで滑る度に熊おじさんの腰がビクビク震えているのが分かった。
そして、整体を受ける麦太が目を離せないでいるままで、おじさんはついに限界を迎えようとしていた。
「はあ……ッ、ぐう……、兄ちゃん、俺……もぅ……!」
「良いっすよ、いつでもイっちゃって」
「あ、ぁあ……っイク、ぅ……うッ……!」
おじさんが根本まで手を下ろした虎お兄さんの手首をガッと掴んだ瞬間、火山が噴火するようにドロドロの白濁液がびゅくびゅくと溢れだしていた。ゼリー状の濃い精液は、亀頭から溢れ出すと太い側面を包むように滴り落ちて、ゆっくりと虎お兄さんの指にひっかかって水たまりを作り出す。
「……わ、ぁ」
麦太は、初めて見る大人の人の射精に目を奪われていた。
自分が出すようなサラサラの精液じゃなくて、あんなにドロドロの精液。それがいつか自分からも出るんだろうか。そんな事を考えている内に、虎お兄さんは慣れた手付きで熊おじさんの汚れたちんちんの周りをウェットティッシュできれいにしていった。
「いやあ、いつもより出たっすね。……やっぱり、中学生に見られてコーフンしたんすね?」
「……ッ、変なこと、言うな……っ」
虎お兄さんのからかいに、まだ息の荒い熊のおじさんがキッと睨み返す。麦太なら声も出せなくなってしまいそうな迫力に、お兄さんはカラカラと笑うだけで気にした様子もない。きっと熊おじさんをお客として信頼しているということもあるだろうけれど、暴れたとしても簡単に抑え込める筋肉があるからという理由もあるんだろう。
「じゃあ、月野和さんシャワー浴びちゃってください」
「ああ……」
と、虎お兄さんは熊おじさんを別の部屋に案内しながら施術室を出ていった。
熊おじさんの声もなくなった部屋で二人きりになった麦太は、肩を揉まれながらまだタオルの中で天井を向いたままの突っ張りを見下ろした。むずむずするそこは、時々ぴくぴく脈を打っていて簡単には収まりそうにはなかった。
「元気なままだね、大人の人の射精見てドキドキしちゃったかい?」
「……っ、いや、その……っ」
「はは、大丈夫だよ。それくらいは普通のことだからね、反応が可愛いから。ごめんね」
「あう……」
当然、太鼓先生にも丸見えでそんな風に誂われながら施術を終えた麦太に、先生は体を起こすように指示を出した。
「肩と腰の具合はどう? 筋肉が突っ張ってたから、緩めるように指圧したりしたんだけど、変に痛みとかないかな?」
「え、あ……はい、痛くないです……」
「そうか、よかった。一応、しばらく二週に一回くらいは施術して経過を見たいから、お母さんにもそう伝えておいてね」
さて、それじゃあ。
と言う太鼓先生にもう整体が終わりだと言われて、麦太は少し拍子抜けな心地になっていた。ちんちんはまだ勃起したままで恥ずかしいのに、このままで帰りたくないような。
ちんちんがむずむずする。
「っん、ぁ……っ」
その瞬間、腰に走った鋭い快感に麦太は思わず声を上げていた。
そんな麦太の幼い肉欲を見抜いた先生の狸らしい丸々とした指が、タオルのテントを摘み上げていた。そのまま、先端を可愛がるようにくりくりと擦られる度、麦太の体に電流が流されたように気持ちのいい感覚が走っていく。
「先、生……っ、ぁあ……」
「麦太くんも『ごほうび』していくかい?」
「……っ!」
『ごほうび』と聞いて、思い浮かぶのはさっきの熊おじさんと虎お兄さんの光景だ。
あんな風に気持ちよくしてもらえるのかも。
すごく恥ずかしい。でも少し興味があって、それでも少し怖くもあった。
「ここのお客さんはみんな『ごほうび』してるから、恥ずかしくないよ」
「……んぁ、……ぼ、僕……」
そんな躊躇する麦太に太鼓先生はメガネの奥で優しく微笑んで、麦太の耳のそばに口を寄せて、こっそりと囁いた。
みんなやっている。そんな免罪符を突き付けられた芽吹いたばかりの欲望。まだ中学生になったばかりの幼い麦太は、その手綱を上手く握る事もできるはずがなく。
小さな手で太鼓先生のケーシーの裾を掴んで、ゆっくりと頷いたのだった。
◇◇◇
「ん、ぁ……っ」
二人の施術室に麦太のまだあどけない嬌声が響いていた。
ベッドの縁に腰掛けた麦太を後ろから抱きしめるようにして太鼓先生は、麦太の腰のタオルの中に手を差し入れている。もぞもぞとタオル生地が蠢くと同時に、小さくくちゅくちゅとエッチな音が聞こえる。
それは、紛れもなく麦太のちんちんから発せられている音だった。
「……っ、んう、ぁ、……あう……んッ」
「どう、気持ちいいかい?」
「うん……、ぅん……ッ、ちんちん、気持ち、いい……っ」
麦太は自分が卑猥な言葉を発しているとも思わず、素直に言葉を吐き出していた。
自分でやる時とは全然違う気持ちよさだ。まだまだ小さい麦太のペニスは太鼓先生の指を全部使うまでもなく指二本でゆっくりと扱かれている。激しくもないその刺激は、それでも、麦太が自慰する時とは比べようもなく気持ちよかった。
本当ならもっと強く擦り上げて欲しい。けど、そうするとこの気持ちよさがあっと言う間に終わってしまうということは分かっていた。もどかしさを覚えながらも、我慢していた麦太は体をビクビクと震わせながら快感に酔いしれるように先生に体を預ける。
「いつもより気持ちいいでしょ? 血行も良くなってるから、敏感になってるんだよ」
「ん、ッ……ぁあ、ッ」
「ん、ここ好きなんだね、いつもここクリクリしてオナニーしてるんだね」
「ぁっ、や……ッ、んん……ッ!」
根本の玉袋と繋がっている所を指先で擽られるように刺激されて、甘い快感が脳を焼いていく。その通りだ、いつも自分でやる時はそこをよく触っているんだけれど、そこの感じやすさも全然違っていて、嘘を言ったり誤魔化したりする余裕も無い。
先生の手の動きはゆったりとしたものだが、それが余計に麦太の快感を強くしていく。
そのまま、射精しちゃいたい。でも、やっぱりまだイキたくない。もっと気持ちよくなりたいし、この気持ちよさをもっともっと味わっていたい。麦太の欲望は膨らんでいくばかりで、あと一押し何かあれば簡単に弾けてしまいそうだった。
そんな時、それは起こった。
「おっと、手が滑っちゃった」
「ぁ、え……ッ!?」
わざとらしい声を出した先生の指に引っかかって、麦太の腰を隠していたタオルが外れて床にひらりと落ちていってしまったのだ。
これまで隠れていた麦太のペニスが、部屋の明るい照明に照らされる。
先端まで薄い毛皮に包まれたお子様なちんちんは、それでも、天井に向かってぴんと硬く竿を立てている。その先端には先走りが溢れているけれど、熊おじさんのようにすぐに滴り落ちたりはしていない。被りきった包茎のカルデラ部分で水たまりになって、太鼓先生に扱かれる度くちゅくちゅと擦れて音を立てていた。
太鼓先生についに生まれたままの姿を見られてしまった。
「わあ、かわいいー。元気っすねえ」
「……ぇ」
そんな風に考えた麦太の耳に、ここにいないはずの声が飛び込んできた。
声のした方を見てみれば、さっき部屋を出ていったはずの虎のお兄さんが、熊のおじさんと一緒に扉を開けて戻ってくる所だった。
「はいはい、じっとしてようねー」
「ぇ、ぁ……ッ、や……ぁ、ッんん……!」
麦太が慌てて股間を隠そうとした手を簡単に押さえられる。そして、見られているという羞恥に苛まれる麦太のちんちんを扱く力が少し強められていく。いやらしい水音と口から漏れ出す抑えようとしても抑えきれない声。
全裸でちんちんを扱かれて気持ち良がっている。そんな所を今日会ったばかりの大人の人に見られてしまっているという恥ずかしさと、この少しの間で麦太の気持ちいい所を完全に掌握されてしまった先生の手淫の気持ちよさ。
今まで知らなかった感情がぐちゃぐちゃになって、それが全部、性的快感に変換されていくのを麦太は無意識に受け入れていた。
それでももう人押しだったにも関わらず、絶頂にまで至れないのは、太鼓先生が絶妙に我慢ができなくなりそうな寸前で力を緩めていくせいだった。
もどかしい。
射精しちゃいたい。
でも、見られていて、恥ずかしい。感情が加速していくと比例して、気持ちよさがどんどんと強くなっていく。
「やだ、……見ちゃ、ぁあ……ッ」
「月野和さん見てくださいよ。皮まだ剥けないちんちん硬くさせて、セーエキ出したいってビクビクしてんすよ」
「……分かってるよ、うるせえな……。俺は服取りに来ただけで……」
「んなこと言って、勃起してんじゃないっすか」
「……兄ちゃんもだろ、後ろ当たってんだよ」
「俺は月野和さんに勃ってるんすよ」
見ないで、という麦太の懇願を聞き流しながら、熊と虎はそれでも幼い性欲の漲りから目を離そうとしない。
それがゾクゾクした。
なんでか分からないけれど、目線がちんちんに突き刺さっているだけで、お腹の下辺りからきゅうって切なくなるような感じがする。それでもまだ射精の感覚が遠ざかっていく。
繰り返される寸止めの感覚に、麦太は懇願するように先生の腕にしがみついた。
「んっ……ぁあ……っ、僕、ぼく……変に、なっちゃう……!」
「良いよ。麦太くんはちゃんと頑張ったんだから、気持ちよくなっちゃって良いんだ」
「……っ、良いの……ッ? ぼく、も……っ」
「うん、だから、どうして欲しいか。ちゃんと言ってご覧」
優しく耳元で囁かれて、太鼓先生が僕の扱いていた手を離した。
「ぁ、う……っ、先生……僕、射精……したい……ッ」
どうすればいいのか。分かっていた。
麦太は自分の先走りに濡れた先生の手を握って、小さく呟いた。
「うん、どうされたい?」
「……ッ」
先を促される。
先生と、熊と虎。三人分の視線が突き刺さるのを感じながら、バクバクと今にも爆発しそうな音を鳴らす心臓に負けないように声を吐き出した。
「先生の手で、……ちんちん、ぐちゅぐちゅって……ッしてほしい……です……!」
「よく言えました」
「ん、ぁあ……ッ!!」
そう言うやいなや、先生の手が一気に麦太の漲りを扱き上げた。ぐちゅぐちゅと粘液が擦れる音が響いて耳まで犯されているような気持ちになる。そして、さっきまでずっと焦らされていたせいですぐに体が限界をむかえていくのを麦太は感じていた。
「ぁ……っ、ん、出ちゃう……僕、出ちゃ、ぁ……ああッ!!」
「そら、仕上げだ……ッ」
「……ッ、んぅ!?」
麦太がひときわ声を上げる。
その絶頂の瞬間、先生の腕が漲りから離れ麦太の胴体にぐっと腕が回された。そして、そのまま腋の下で支えるようにして麦太の胴体が仰け反って伸ばされる。
ゴキゴキッ!! と関節が鳴る。その瞬間、麦太は体の自由が何も効かなくなるような感覚に陥った。全身の骨と筋肉が痛気持ちいい。ペニスから駆け上がる精液に前立腺が躍動して、性的な快感と整体的な快感が一緒くたになって麦太の脳のキャパシティを超えた快楽が溢れ出したのだ。
「ああ、んぁ……ッあぁあッ!!」
まるで痙攣したかのように、仰け反らされた麦太の体が何度も震えて、そのペニスの先からはこれまでに一度も無いような勢いで精液が溢れ出した。
いや、溢れ出した、というよりは爆発した。と言ったほうが正しいかも知れない。
「はは、よく飛んだねえ。うん、元気な精液だ」
仰け反らされた麦太の体と顔を越えた精液は、先生の顔にベッタリと着弾していたのだから。
溢れ出した白濁液。顔にかかったそれを舌で舐め取った先生は、ぐったりと体にもたれかかってくる麦太を柔らかく抱き締めながら、その耳元をくすぐるように最後の問診を投げかけた。
「『ごほうび』どうだった?」
「……気持ち、……良かった……」
そう聞かれた麦太は、ひたすらに回らない頭の中に唯一残る巨大な感情を、無意識のように口に出していた。
◇◇◇
それから、どうやって帰ったのか。麦太は正直覚えていなかった。
ただ、二週間後の予約を取っていたらしく、夕方帰ってきたお母さんから「次の予約まで入れたのね、いつの間にかしっかりしてたのね。お兄ちゃん」と感心されたのだけは覚えている。
というのも、それを言われて初めて、予約を取っていた事を知ったのだから。
「……ぁ、う……」
そして、その次の予約の日。
麦太は、『ぽんぽこ整体院』の前に立っていた。そして、前の日のようにインターホンを鳴らす手を戸惑わせている。
(……どうしよう……)
だが、その戸惑いの理由は、前とは違っている。
場所がここだということは覚えていた。それでも、麦太がインターホンを鳴らすのを躊躇うその理由は。
(収まらない……)
インターホンを押そうとしたその時から、スラックスの中で膨らんでいる小さな欲望のせいだった。
それでも、ドキドキと高鳴る胸を押さえながら、麦太はインターホンを押した。
そして、少し待った後、ザザ、とノイズが入って来たと思えば、聞き覚えのある優しい声が機械越しに聞こえてくる。
『はいはいー、ぽんぽこ整体院です』
ゴクリと、唾を呑み込んでから、麦太はゆっくりと返事をした。
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