魔法戦士マジカル☆アキ トカゲ怪人のお嫁さんになっちゃった!?

  「アキ。そっちにいったニャ!」

  足元をピョンピョンと跳ねる、オレンジ色の猫の顔をしたボールに、猫の耳と尻尾が付いた、バスケットボールくらいの大きさの謎生物が口を開く。

  「はいはい、ミーク。もう10年近くもやってるんだから。大丈夫だって……。はぁッ!」

  軽口をたたきながら、こちらに向かってくる全身タイツの人型に、動物の顔の奇妙な生物、敵対組織の戦闘員、獣兵の顔面に回し蹴りを叩き込む。

  その際に背中から広がるマントが非常に邪魔だ。短パンのようなピチピチのズボンに、タイツみたいなのは100歩譲ったとしても、腰から広がるフリルみたいなのも正直恥ずかしい。

  奇声と共に吹き飛んだ獣兵はドロドロと何も存在していなかったと言わんばかりに溶けて消える。

  どうしてこんな事をしているのかと言うと、ことの発端は10年前。あれは僕が8歳のころだった。小学二年生の夏、それは突然現れた謎生物、ミークによって告げられたことから始まる。

  「この世界を征服しようとしている異世界から来る悪い奴らがいるのニャ!そこで魔法の才能がある君、六道 アキ!君にこの世界を守る魔法の戦士になってほしいのニャ!」

  なんて、子供心に刺さりそうなことを言われて、年頃の子供がOKしない、なんてことがあるだろうか。ホイホイと了承してしまったあの頃を、今になって恨めしそうに思う。

  まぁ、そんなこともあって、今、僕は世界征服をたくらむ異世界からやってきたという組織と戦いを繰り広げている。毎度毎度、こちらの事情を考えずに襲ってくる戦闘員に辟易しつつ、ショッピングモールに現れた奴らとこうして戦っているってわけ。

  とはいえ昔は平気だったけれど、いまだに変身するとフリフリのカッコになるのは嫌になる。でもミークがいうには、これが一番、魔法を使う力、魔力の効率がいいのだとか。

  「ゲッヘッヘ、なかなかやるじゃあねぇか。マジカルアキ!」

  下卑た声と共にショッピングモールの吹き抜けから飛び降りて現れたのは、今年から別の世界から新しくやってきた敵の組織、ダークビーストの幹部、トカゲ男のリゼルグ。その2mを越える筋骨隆々な緑色の肉体は威圧的で、彼我の体格差を考えると、勝てるわけがなさそうに思える。でも今まで何度も撃退に成功している、だから。

  「でたなリゼルグ!今日という今日は、お前にとどめを刺してやる!」

  両手のヒラヒラした手袋、その手のひらの魔法陣から魔力を放つ。自分の身体から、エネルギーを放出するイメージ。すると手のひらから冷気が巻き起こり、蜥蜴男に向かって飛んでいく。

  寒さが苦手なリゼルグは大体これを食らうと逃げ出すのだが、今回は逃がさない。四方八方から同時に冷気の塊を飛ばし、逃げ道をなくす。

  「グァアアアアア!やめろ!寒いのは苦手だって何度もいってるだろ!」

  「うるさい!いい加減、世界征服なんてあきらめて元の世界に帰れ!」

  「そりゃあ無理ってもんだ!畜生!今回も逃げさせてもらうぜ!じゃあな!かわい子ちゃん!」

  いつものように軽口をたたくけれど、逃がすつもりなんてない。冷気を強めるつもりで魔力を放つイメージをするけれど、空間に穴が開いたかと思うと、その穴の中へと蜥蜴男は消えてしまった。

  「そんなのずるい!」

  思わず不平が口にでるが、どうしようもない。また逃げられてしまったという徒労感。ひとまず残敵を掃討し、僕は家路についた。

  「お疲れ様ニャ、アキ。また倒せなかったけど、アキのおかげで被害はおさえられたニャ。」

  いつものようにミークに励まされるけれど、この戦いはいつになったら終わるのだろう。昔、ミークに一回聞いたこともあるが、その時は。

  「大丈夫!アキが大人になる前には終わるニャ!」

  と曖昧なことしか教えてもらえなかったし。家に帰りつきベッドの上で思う。あ~あ、早く終わらないかな、こんなこと。敵の本拠地とかがわかれば、そこを攻め落として終わりなんだけれど、いまだにダークビーストについてはわからないことばかり。こんなペースで本当に終わるのだろうか。そう思いながらも、僕の意識は眠りの世界へと誘われていくのだった。

  [newpage]

  気が付くと、僕は鉄の枷でベッドに手足を拘束されていた。身動きが取れない。ぬっと目の前に現れたのは戦闘用のアーマーを脱ぎ、裸になったリゼルグ。鋭い爪のついた指が、僕の服を裂いた。

  「ひっ……。」

  息が漏れる。軽い悲鳴が漏れる。

  「なぁ、いい声で啼くじゃねぇか。アキよぉ。」

  蜥蜴の舌が胸を這う。べとべと、ねとねと。気味が悪くて身をよじる。

  「あ゛~、やわらけぇなぁ。グヘヘ、今日こそお前を俺のものにしてやるぜ、アキ。お前は今日から俺の雌、ダークビーストの蜥蜴怪人リゼルグ様のお嫁さんになるんだからよ。」

  股座のスリットから二本のグロテスクなものが伸びていく。よだれを垂らしながら迫る蜥蜴男に、僕は悲鳴を上げて、そして。

  目が覚めた。

  「アキ、大丈夫かニャ?また悪い夢でも見たニャ?すっごいうなされてたニャ!」

  ミークの声がする。息が荒い。ああ、なんて夢だ。最近、何度も見る明晰夢。それはダークビーストにとらわれ、その怪人の内の誰かに慰み者にされるという悪夢だった。

  昔は夢なんかほとんど見なかったのに、18歳になってからというもの、何度も夢を見る。おかげで僕は最近寝不足だ。この前も授業中に居眠りしてしまい、先生に受験生なのにたるんどる!なんて怒られてしまった。理不尽だ、一応この世界を守ろうとしているっていうのに。

  説明していなかったが、僕が魔法戦士で世界を悪の組織から守っているというのは表沙汰にはなっていない。顔を隠しているというわけではなく、単に、魔法の力や悪の組織は、適性のないものからすると認識の阻害を受けるらしいのだ。

  そのため、悪の組織が起こした破壊活動や銀行強盗は普通の、テロや事件として報道される。僕が倒した悪の組織の奴らも証拠も残らないから、本当に陰ながら世界を守っているって感じ。

  例えば彼らが銀行強盗して、僕が解決に向かった場合、犯人は突然の消失!みたいな感じに報道されていた。僕が変身した姿もカメラには靄のようなものしか映っていない。

  魔法戦士は僕だけじゃないから、僕以外に任せればいいのかもしれないけれど、魔法戦士のほとんどは年下の女の子。それは流石に男が廃る。そう思って僕は何とか絶望せずに思いとどまっている。

  時計を見ると朝の6時、ああ、早く出ないと早朝の0限目の授業に間に合わない。手早く制服に着替えて、学校に向かわないと。

  僕の通っている高校は進学校だ。だから授業が0限から6限まで、さらに生徒が望めば8限まで追加の授業が受けれるという勉強漬けっぷり。そのおかげか、悪の組織のせいでさぼりがちな僕でさえ大学受験の模試の判定がまぁまぁ良い判定をもらえているのはありがたい。ただ、さぼりがちなせいで先生からの評価は最悪で、推薦なんて夢のまた夢なのは残念だ。魔法戦士の仕事は大人になるまでってミークが言ってたし、大学生活くらいは僕だって楽しみたい。

  「アキ、大変ニャ!ダークビーストの奴らニャ!」

  ああ、今日もサボりか!仕方なく変身する構えを取る。毎度毎度、服装が恥ずかしくて顔が熱い。

  「ミーク!場所は!?」

  ミークに聞いた場所は、この前にも行った場所。僕は再びショッピングモールへ向かい、その地下フロアへと降りたのだった。

  [newpage]

  「オラオラ!獣兵ども!急げ急げ、あいつらが来る前に早く掘り出すんだよ!」

  リゼルグの声が地下の地面の奥深くに響く。掘り出すっていったい何をしているんだろうか。獣兵たちはスコップやドリルなどを持って地面を掘り進んでいく。

  「そこまでだ、ダークビースト!」

  「来たな!ってアキじゃねぇか!そんなに俺様に会いたかったかぁ?ゲヘヘ……。」

  来たのが僕だってわかったとたん、ムスッとした怒り顔から笑顔になるリゼルグに調子が鈍る。今朝見た夢の事もあるし、なんだか妙な感じ。

  「お前ら!手ぇ出すなよ!こいつは俺様の獲物だッ!俺が闘ってる間にちゃあんと掘り出しておけよ!」

  「ガウ!」

  獣兵に手出しをしないように言うリゼルグと、大きく返事をする獣兵たち。一対一のつもりなら話は早い。早々に決着をつけてやる。

  完全に氷漬けにするつもりでイメージをしつつ、手のひらに魔力を込める。大気中の分子運動を完全に停止させ、空気ごと凍り付かせてやる。手のひらから放たれたのは、先日より強い冷気。というよりは凍りつくという現象、そのもの。凍てついた大気が線を描き、リゼルグに向かって一瞬で伸びていく。

  「ハッ!イライラしすぎてんのか、攻撃が前より単調になってるぜ!アキ!」

  跳躍するリゼルグ。それを待ってたんだ。空中なら軌道を変えられまい、倒せるなら今だ、とそう思っていた。僕は勝利を確信して、油断していたんだ。

  僕の手は、素早く跳躍したリゼルグに照準を合わせたはずだった。でも空中で宙返りしたリゼルグはとっさに天井を蹴る。いたはずの場所が凍り付いた瞬間、僕は背中から思いっきりリゼルグの巨体に押し倒されてしまった。

  「ぐっ……!」

  「ああっ!アキッ!ま、待ってるニャ、ニャーが助けを呼びに行ってくるニャ!」

  ……逃げたな、ミークの奴。まぁ確かにこの状況、詰みか。鋭い爪がツツツと僕の首を滑る。こんなことになるなら、魔法戦士になるなんて頼み、引き受けなきゃよかった。恐怖のあまり目をつぶってしまう。

  「よしッ、これで俺様の欲しいものは手に入った。じゃあ獣兵ども、あとは任せたぜ!俺様は戦利品を先に持って帰るからな!」

  戦利品……って。などと深く考える暇もなく、僕はリゼルグに担がれると、彼が開けた空間の裂け目の中を一緒に通された。周囲の空間が目まぐるしく変化し、到着したのは周囲を金属の壁で囲まれた大きな部屋。金属の管と様々な色の発光体が目立ち、いかにも悪の組織の本拠地と言った様相だ。

  「ゲへへ、ようこそ、アキ。ダークビーストの本拠地へ。っと、抵抗はするなよ。俺はお前を殺したくはねぇからな。」

  「いわれなくても抵抗しないよ……。僕も……まだ……死にたくない……。」

  死にたくない。まだ死にたくない。そう考えると、体が震え、足がすくむ。とはいえ、助けは期待できない。僕が彼らと戦ってきたこの数か月、この本拠地は発見できていないのだ。絶望に満ちた表情の僕を抱えたまま、彼はノッシノッシと基地の奥へと進んでいった。

  [newpage]

  僕は、優しく金属製の台の上に降ろされた。手早くリゼルグは僕に、台に付いていた枷を両手、両足にはめていく。これから、拷問でもされるのだろうか。冷や汗が背中から止まらない。

  魔法戦士は、そう簡単には死なない。即死しなければ、心が折れない限り、魔力がその生命力を補い、死ぬことを許さない。でも、痛みはあるのだ。そんな、命が失われるほどの痛みを、我慢することができるだろうか。我慢し続けることができるだろうか。……できるわけが、ない。

  「た……助けて……。」

  喉をひきつらせながら、嘆願する。懇願する。哀願する。今まで僕が彼らにしてきたことを考えれば、聞いてもらえるはずもないけれど、そんな言葉が自然に口から漏れた。だけど、彼はそんな僕の言葉を聞いているのか、いないのか。鼻歌交じりに何かを準備するリゼルグ。鈍い光沢を放つ金属の注射器。中に見えるのは毒々しい緑色の液体。

  毒。毒で苦しんで死ぬのが、僕の末路か。

  ビリビリと、服の腕の部分を裂かれ、注射器が迫る。柔らかい肌を貫いて、中身の液体が体内に吸い込まれていく。

  熱い。熱い。

  液体が通ったところに熱が。熱が全身に巡っていく。

  「あ……あ……あ゛ぁ……。」

  身体の中が溶けている気がする。僕の身体が、魂ごとどろどろに溶けて、身体ごと変わっていくのを感じる。ふと腕の方に目をやると、彼とお揃いの緑色の鱗が生えてきていた。

  「ヒッ……!」

  軽い悲鳴。毒じゃない。毒じゃないけど、これは。僕の身体はどうなって……。僕のひきつった顔を見て、彼が笑った。

  「こ、れ、は~。俺様がアキの為に改良した怪人化薬で~す!人間を怪人に変えてしまう薬。さぁ、アキも怪人になって、俺と一緒に世界征服、しようぜぇ~?」

  全身に広がっていく鱗肌。心なしか全身が少し膨らんでいる気がする。繊維の裂ける音と共に服が千切れ飛んだ。手の爪が伸びて鋭い鉤爪を形成していく。骨が軋み、骨格までもが変化する。お尻の違和感が強くなったかと思うと、圧迫感と共に何かが伸びていく。長い、長い蜥蜴の尻尾。性器は体内に収納されていき、脚の間にはスリットが。口の中からボロボロと人間の歯が抜け落ち、伸びていくのは鋭い牙。頭部の形も徐々に変化していき視界が歪む。鼻先が伸び、視線の先には緑色のマズル。

  「や……だ……。なんで……こんな……。」

  「ゲヘヘ、か~わい~いぜ~、アキ。いや、もう、お前はアキじゃねぇ。だから新しい名前をつけてやらなきゃな?俺の可愛いお嫁さん♡」

  そう言って笑う彼の手には、まるでVRゴーグルのような何かが握られている。そっと僕の変化した頭部にそれをかぶせられると、視界が真っ暗に染まった。

  「よし、決めた。お前の名前はリザーナだ!洗脳開始!スイッチオン!」

  彼のその言葉と共に頭の中に別の思考が生まれる。

  僕はリザーナ。 リゼルグのツガイ。

  僕はダークビーストの一員。

  この世界を支配する、すべてはダークビースト総統、竜帝ドラグ様のために。

  僕はリゼルグのお嫁さん。

  だからリゼルグに奉仕するのは当たり前……。

  頭の中の大事な何かが零れ落ちていく。僕が何者なのかというアイデンティティーが、すり替わっていくのに、それがおかしいことだと認識できない。

  僕はリゼルグの事が大好き。リゼルグのことを愛してる。

  偽りの愛情を植え付けられているはずなのに、胸が熱い。彼の事を考えると胸がときめいて、苦しくなっていく。リゼルグの逞しい肉体が、彼の牙を剥いた笑顔が。彼の凶暴そうな所作が。彼のすべてが。僕にとって愛らしいものであると頭の中を作り替えられていく。

  魔法戦士は敵。みんな食い殺してやりたい。ああ、リゼルグと一緒に奴らを皆殺しにできたら、どれだけ幸せなんだろう。

  ああ、ついにそんなことまで考えてしまうようになってしまった。僕は……誰?僕は……何?

  僕は……。

  すっと頭の装置と枷を取り外されて、視界が現実へと戻る。目の前には愛しの彼が心配そうに見つめていた。

  「お前は誰だ?いってみな?」

  そう、彼に言われて、僕はゆっくりと口にする。

  「僕はリザーナ。あなたの……あなたのツガイです……♡」

  [newpage]

  「じゃあ、さっそくだがリザーナよぉ。最初の仕事だ。俺にご奉仕、できるよな?」

  リゼルグがそう、言った。彼はいつの間にやらボディアーマーを脱ぎ、裸になっている。パンパンに膨れ上がった全身の緑色の筋肉が、僕にはとても魅力的。ああ、あの逞しい体に、蹂躙されたい。そう思いつつ、彼の股座を見やる。大きくてグロテスクな二本の肉の棒がぬらぬらと光に照らされて、スリットから伸びていた。

  「すごい……大きい……♡」

  台から降りて、彼の足元にひざまずいて、その股座に手を伸ばす。優しく、傷をつけないように握って、ゆっくりと手を動かす。快感の伴った、くぐもった声が彼から聞こえ、硬度を増していく。緩急をつけて、握力にも変化を持たせて、もっと、もっと気持ちよくなるようにとさすってあげると、ビクンビクンと脈動し、最初の上澄みを僕に放出した。右手と顔を白濁が汚す。

  もったいないなぁ。そう思いつつ、手に付いた液体をなめとり、顔に付いた液体もぬぐって同様に処理した。最後に彼自身に付いたものを、舌を使って念入りになめとると、嬉しそうに彼は笑う。

  「リザーナ。かわいいぜ……次は手じゃなくて口でしてもらおうか?」

  「うん、リゼルグが望むなら……いいよ♡」

  大きく裂けた口で、彼のまだまだ硬いモノを咥える。長い舌を絡めて、舌と顎、両方で彼自身を刺激してあげる。たまにもごもごと口の中を動かして、不規則に。もっと彼が気持ちよくなれるように。

  「うおっ……上手いぜ、リザーナ。お前の口の中だけで果てちまいそうだ……♡」

  がっしりと彼に頭をつかまれる。されるがまま、なすがままにされるのに飽きたのだろう。リゼルグは思いっきり僕の喉奥に突き入れた。ガンガンと頭を揺らされて、まるで彼の物のように扱われる。でも、それがとても気持ちいい。だって僕は彼のもの。彼のツガイだから。だから、なんでもしてあげたくなる。

  どんどん彼の動きが速くなり、僕の口の中で大きく硬くなっていく。そして、再びの爆発。口の中ではじけるように流し込まれる精液。ゴクリゴクリと喉を鳴らし、彼がぶちまけた欲望を飲み干していく。しょっぱくて、ドロドロとしていて、それがおいしくて。雄の匂いで、僕を彼のモノだと体内ごとマーキングしていく。

  息継ぎをするように口を離すとブルンと、彼のモノが跳ねた。まだまだ元気だと、そう言っているように見える。身体がゾクゾクして、疼いちゃう。早く、早く。挿れてほしい。

  「はぁ……、はぁ……。ねぇ、リゼルグ、もっと僕を無茶苦茶にして……♡」

  言っちゃった。言ってしまった。その言葉に彼の口が大きく裂けた。舌なめずりをして僕を床に押し倒す。荒い息。彼の唾液が僕の身体を濡らす。鋭い虹彩のケダモノの瞳、その目に映る好色そうなトカゲの姿。これが僕。これが……僕?

  ふと浮かんだ疑問は、すぐに彼に与えられた衝撃でかき消された。二本の太い複根がすんなりと、エッチな液体の音と共に、僕の体内に吸い込まれていく。

  「あっ……♡あっ♡あ゛あぁっ♡んっ♡」

  肉と肉が触れ合い弾けるような音が響く。身体の中を擦り合う二本の肉棒。部屋に響く二匹の嬌声。僕の頭の中は快感で一杯。リゼルグへの愛情で一杯。リゼルグがケダモノの咆哮をあげると同時に、彼が中で弾ける。ドクドクと中で脈動する彼が、白濁を勢いよく流し込み、僕は与えられた快感のあまりの大きさに、小さく喘ぎ声を出すことしかできなかった。

  「あ゛ぁ゛~……♡」

  「ありゃ……。こりゃあ、ちっと刺激が強すぎたか?ま、これからよろしくな、リザーナ♡」

  彼の嬉しそうな言葉を最後に、僕の意識は遠のいていく。これが、ダークビーストの怪人リザーナが生まれた時の一幕だった。

  [newpage]

  夜の埠頭で、僕は今、光沢のあるボンデージファッションのようなレオタードに身を包み、彼、リゼルグの隣に立っている。目の前には二人の魔法戦士の女の子、マジカルセレナとマジカルソレイユって言ってたっけ、確か。

  「気を付けるニャ!セレナ!ソレイユ!未確認の怪人ニャ!何をしてくるかわからないから、気を付けるのニャ!」

  「うん!ありがとうミーク!でも私たちは負けない!ね!ソレイユ!」

  「ええ!セレナ!」

  小さい風船もどきと子供二人が何か言ってるけれど、そんなことは気にしない。だって今日がこの二人の命日なのだから。

  「じゃあリザーナ、殺っちまおうぜ。」

  「うん、前は任せるよ、リゼルグ。」

  リゼルグが彼女らに飛び掛かり、力任せに爪を振り下ろすと、まるでコンクリートの床が豆腐のようにはじけ飛ぶ。まぁそんな見え見えの攻撃に当たってくれるほど彼女たちはヤワではない。ただいつも通りならそれでよけられていたから、と油断していたに違いない。飛び跳ねた瞬間空中に磔にされる二人。運動エネルギーを0にされ身動きが取れないみたい。

  「なっ!?」「どうして怪人がこんな力を!?」

  ピーチクパーチク、小鳥のようにうるさい。リゼルグが前に出ている間に僕が魔法を使っただけに決まっているじゃないか。

  「これは魔法!魔法ニャ!二人とも気を付けるニャ!」

  「気を付けても、もう、どうにもならないけどね……えいっ。」

  二人にかかる重力を思いっきり増やしてあげると、不安定な姿勢のままコンクリートにめり込んだ。思いっきり血を口から噴き出すのが見えて、思わず嗜虐的な笑みが漏れる。

  「っああ……」「い……痛い。」

  痛みのあまり悶える二人の前に、僕とリゼルグは立っている。ダラダラとよだれが彼の口から落ちた。本当に食いしん坊なんだから。彼と一緒に大きく口を開け、彼女たちの頭をかみ砕く。彼女たちのおびえた瞳が最期に見た暗闇を考えると、ゾクゾクしちゃう。口に広がる血肉の味をかみしめると、頭の中が少しざわついた。……でもそれは一瞬のこと。すぐにそのざわめきは彼の言葉にかき消される。

  「ゲッヘッヘ、さっすが俺の嫁!リザーナのおかげでこんなにあっさり魔法戦士を二体も倒せちまったぜ。」

  リゼルグに褒められるとうれしくて顔が熱くなってしまう。それに返り血を浴びた彼の姿が、なんだかとても素敵に見えた。

  「いや、リゼルグが前に出てないと、あんなに難しい魔法は簡単には使えないから、リゼルグと僕の二人の力だよ。ねっ。」

  そう言って僕は笑顔を作る。ああ、ドキドキが止まらない。体が疼いて止まらない。早く基地に帰って、彼を誘いたい。僕のそんな様子を見て悟ったのか、リゼルグは好色そうに笑って言った。

  「へへっ、今夜は寝かさねぇぞ?」

  「うん……!」

  こうして、この後、リゼルグとリザーナという二人の怪人の手によって、この世界の魔法戦士は次々と倒され、この世界はダークビーストの手に落ちてしまうのだった。

  第二話 に 続く。