ファイル1アフター 散った者達への鎮魂歌

  ※ストーンオーシャンネタバレと残酷表現ありです。

  [newpage]

  どれほど経ったのだろうか?一人の教誨者は傷つき血が滴り落ちる、しかししばらくすれば怪我はなくなり回復する。

  「ぐうぅあ!?」

  しかし新たな攻撃で再び傷つく。

  「何故…だ…おぉ~神よ…!どうか私をお救いください!」

  神に縋る(すがる)ように祈る、だがどんなに祈ろうと彼には祈りは届かない、届くのは。

  「ぐおっ!?」

  痛みでしかない、何かに連続で殴られ脇をつく。

  「この攻撃は!?」

  彼はこの攻撃を知っている。彼が因縁のある親子の攻撃、スタンドという能力が出せずそれを受けてしまう。倒したはずの親子の攻撃をエンリコ・プッチは受けているのだから。

  「ぐっ!私は…!」

  どんなに嘆こうがどんなに祈ろうが。

  「ぐうぅあ!?」

  彼のやった罪は痛みへと跳ね返ってくる。時間加速による大勢の命を犠牲に…そして一人の少年以外の者達をも手にかけ犠牲にして。傷つけても傷つけても…そのたびに傷は癒される。

  「こんなはずでは…!」

  想定外…そして、彼は痛みを受ける覚悟はなく…勝手に決めた人の人生のレールを時間加速で勝手に変える。それを決められたので覚悟と認識する。

  だがこれは覚悟でもない…勝手に決められた運命をこの男は天国に行くという間違った認識で人々の人生を終わらせる。

  人生というのは一度きり、その一度きりの人生をこの男は自分勝手にスタンドで操作して決めてしまう。

  自分の死を覚悟できず、ましてや一匹の竜人による制裁により…地獄へと落とされ痛みを受ける。

  永遠という終わりのない犠牲にした者達への[[rb:鎮魂歌 > レクイエム]]を味わっているのだから。

  「どう…して…終わらない…のだ…」

  終わりが見えない攻撃にプッチは片脇をつく、教誨者として本来は受刑者への罪を聞き導く者…だが今の彼は教誨者というただの肩書きで利用してるにすぎない、何人もの受刑者にスタンドを覚醒させてきた、彼は結局やってることは悪だ。

  彼はやりすぎた…因果応報、その分がこうして終わりのない罰へとなり神には届かない自分の罪を認めず覚悟を勘違いし覚悟もないただ犠牲を増やしてまで目的を達成した彼への罰。

  「神…よ…」

  倒れても傷は回復しまた攻撃で傷つく……終わりのない終わりによって彼は逃れられない末路へと……。さらに追い打ちをかけるように。

  [b:『卑怯者!』

  『神父様!助けてくれないなんて…!』

  『嘘つき!』

  『信じていたのに!!』

  『神父の風上にもおけない!』

  『責任取れ!』

  『お前のせいだ!!』]

  どこからかプッチに対する叫びや怒り、憎しみ、裏切りと声が響く。

  「や…やめてくれ!!」

  叫ぼうが声は止まる事なくさらに教誨者を傷つけ傷は治る…痛みと響きの無限地獄へと…教誨者は…覚悟なき懺悔もなき魂達の叫びを聞かなければならない……自分のスタンドによって時の加速が大勢の命を奪い再生して人生の大半を失った者達の嘆きと怒りと憎しみしか聞こえない……終わりのない終わりへと彼は繰り返される。届かない神への祈りは無駄に終わる……彼らへの報いとなって。

  [newpage]

  どこかの海に二人の竜人がいた。一人は制裁の執行龍である黒い竜人…もう一人は赤い体色の両翼の竜人、その赤い竜人は花束を持っていた。二人は海の上にいて空を飛んでいる。

  「まったく、まさかこんなことに…」

  赤い竜人は眼鏡をかけていてその目からは一粒の水が流れる。

  「あの男はもう二度と戻ることはない、彼女達には申し訳ないが…あの少年だけでも生きていただけでも救いだな」

  「そう…だね」

  そう言い赤い竜人は花束を海に落とす、花束は海に落ちて数分後には沈んだ。

  「彼女達が再びこの世に新たな命を生まれたなら…今度はもっといい人生でありますよに…ごめんね……ごめん…ね……」

  赤い竜人は嗚咽が止まらずそのまま飛んで消えていった。

  「彼女達に幸あらんことを…」

  制裁の執行龍はそう言い飛んでいった……次の冤罪者を裁きに。

  これは……一人の悪に立ち向かった彼女達への鎮魂歌。