暗躍編 第一話 起点都市テガス

  003-001

  王都を立って二時間後、ティアスの駆るザガルバは無事にテガスへと辿り着いていた、密着空間に昂ってしまったティアスは途中でダインに交尾をおねだりして、ダインもそれに応えるという人間では考えられない事も行われたいたが、長い尻尾の尾マンコを持つ遊魔にとっては容易い事で有った。

  そして、近付くザガルバを最初に発見したのは夜の散歩を楽しんでいたニアで有った、魔力の発光で昼よりも目立つザガルバに警戒したニアでは有ったが、それが近付く事で感じられる魔力がダインのモノだと解ると一目散に駆け出して、発着場でもある闘技場へと向かう。

  ティアスはダインの帰還を知らしめる様にテガス上空を何回か旋回してから闘技場に降りると其処にはテガスに居る遊魔の殆どが集結していた。

  誰が盗み見ているか解らないので念の為に昇降機を使って降りたダインとティアスの前に、フェカトが進み出て出迎える。

  フェカト 「無事のご帰還嬉しく思います、王都での活躍振りをお聞きすればまた引き止められると思いましたが、ティアス様が気を使ってくれたのですね」

  ダイン 「夜分の出迎え感謝します、寝ていた者も居たんじゃ無いですか」

  ダインはラフな服装の真夏とファービを見て感想を口にすると、話題にされた真夏が嬉しそうに応える。

  真夏 「ダイン様が返って来たのに寝ている訳には行きませんから、昨日一日ダイン様の会えなかった事がどれ程辛かったか」

  ファービ 「その鬱憤を私でファナで晴らしたじゃ無いですか、あんなに激しく尻尾を絡ませて」

  ファービは俗に言うツンを演出している、元々真夏大好きで有ったが遊魔と成った以上ダインの事を真夏以上に大切に思っている、だが、媚びる事だけがダインを喜ばせる方法で無い事を理解している為に元々のスタイルを踏襲しているのである。

  ダイン 「むぅ、一人称が私から変わりましたね」

  真夏 「アーキアとリエルを見て変えてみる事にしたんです、真夏がマナでファービがファナ、七実はナナって言ってます」

  ダイン 「それは面白いですね、遊魔は一人称私が多いですから」

  七実 「そうなんですよ、やっぱりキャラ付けって重要じゃ無いですか、そこで思い付いたのが一人称の変更なんですよ」

  ニア 「ニャアは元々ニャアにゃ」

  愛耶 「ニアは日本語不自由設定ですからね、初めから変なキャラ設定されてるのって有利ですよ」

  七実 「愛耶も大概ですけどね、森で熊ですし」

  愛耶 「それは熊造に言って下さい熊好きなんですよ、ところでそちらのティアス王女って遊魔ですよね、なのに何故マギガントで飛べたんですか?」

  フェカト 「そうですよ、フェカトは飛べなくなって苦労してるのに」

  ダイン 「それは王都で私達とは別種の魔族に会って彼女を研究したからですよ、その魔族は乳魔と言って処女でも魔の力を持っていたんです、そこで私は上手い事やって堕液で堕として仲間にしたわけです、ティアスにはその研究成果を用いて処女の遊魔として魔改造を施したわけですよ」

  七実 「ダイン様の性格を考えると、いきなり王女に魔改造なんてしませんよね、つまり他にも遊魔を増やしてますね」

  愛耶 「七実、浮気を疑う嫁の様な事言いますね、ダイン様が誰を遊魔にしようがご自由でしょうに」

  七実 「怒ってるんじゃ無くて、どんな娘が増えたのかが気になるんですよ、なんと言っても異世界ですから、異種族とかも有りそうですよね」

  真夏 「でも、実験してるから人間だよね、他の種族だと勝手が違うだろうから」

  七実 「確かにそうか、面白い娘を期待してたんだけど」

  ダイン 「そう悲観する事は有りませんよ、もう一人は日本に存在して、存在しない職業の娘なんですよ、七実も本物を見た事無いはずですよ」

  七実 「日本に本物が居なくて、アーグルには本物が居るって事だよね、コスプレとかされてるって事かな」

  ダイン 「まぁテガスにも居ますが、プルルは可憐ですよ」

  七実 「うわぁ、ダイン様が好きそうな名前じゃ無いですか、名前で選んだんですか?」

  ダイン 「いえ、このティアスが私用に用意してくれたんですよ、本人も合意してましたので遊魔に加えました、その内テガスに来る筈ですよ」

  ティアス 「はい、一度帰って明日にでも連れて来ます、プルルも王都に置いておくと命を狙われる可能性が有りますから」

  フェカト 「ダイン様の寵愛を受けたのなら有り得ますね、幾ら人類法で抑止されていても殺人は起こりますし、捕まらないと罪に問えません」

  七実 「王都って怖いところですね、ダイン様が無事で本当に良かったです」

  ダイン 「かなりこき使われましたけど、三戦もマギガントで戦って、生身で一戦やりましたよ」

  ティアス 「ですが、それで時期国王はティアスでほぼ決まりです、遊魔の時代の到来ですね」

  フェカト 「ダイン様のお力を借りればあっという間でしたね、あんなにも苦労してたのに一気に風向きが変わりました」

  ダイン 「そういえばアーキアが居ませんね、リエルを見張っているんですか?」

  七実 「はい、必要無いかも知れませんが念の為に、やっぱりダイン様の予測は当たっていてリエルは異形だった様です、肉体的にはアーキアでも解らないぐらいの変化で小さな角が生えていました、この世界に来る前に突然今の髪型に変えたとアーキアが言ってましたので恐らくその辺りに異形化したんでしょうね」

  ダイン 「異形の存在はファービの世界を起点としていると言ってましたが、イレイサーの組織はアーキアの世界の存在は知らなかったんですよね?」

  ファービ 「はい、でも所詮は抵抗組織だったので支配層の完全な情報までは掴んでいませんでした、ダイン様の世界に避難したのがバレて隠していたんでしょうか」

  ダイン 「アーキアの世界には魔術が存在するという話でしたから、別の祖を持つモノなのかも知れません、遊魔と乳魔は似てますが起点は別ですし三百年前の魔王ザキトスはアーキアの世界から来たらしいですから、魔族に関する情報の整理は行った方がいいですね」

  真夏 「マナ興味あるからやってみたいです、ファナも良いですよね」

  ファービ 「先輩と一緒の作業を拒むわけが有りません」

  ダイン 「まだ人が足りませんよね、フェカトとポーカは忙しいでしょうからプルルにお願いしましょうか、ですが魔術には詳しく無さそうですし・・・あと、アーキアにもお願いしましょうか各世界から一人は必要ですね」

  七実 「アーキアで大丈夫でしょうか、今ならリエルという選択も考えられますよね」

  ダイン 「確かに実際異形化したリエルの話は重要度が高そうですね、今から見に行きましょうか」

  フェカト 「ならティアスをお借りしてもいいですか、色々と話せる事も増えましたので」

  ダイン 「構いませんが長居はさせないで下さい、あと帰る時に私の許可は要りませんからティアスが望む時に帰って下さい」

  ティアス 「なら、帰らない選択もいいんですか?」

  ダイン 「駄目ですね、プルルを加えて全員で話合いを行いますので、皆の意見を聞いて今後どうするか考えます」

  七実 「王都での実りが多かった様で良かったです、成果無しじゃ我慢したナナ達が報われませんから」

  ダイン 「皆には苦労掛けましたね」

  フェカト 「ダイン様有っての遊魔だという事を再認識しました、特に出身世界の違いは根本の常識まで変わりますから」

  真夏 「そうなんですよね、こちらの女性優位の社会は日本とは全く別物ですよ」

  フェカト 「別に女性優位じゃ無くて、女性の方が魔力が高いだけですよ」

  ダイン 「まぁ、魔力のお陰で私もモテてましたからね」

  ティアス 「面会を求めて来る貴族を断るの大変だったんですよ」

  フェカト 「ティアスが急に連れ出したからですよ」

  ダイン 「ところでポーカの姿も有りませんが、アーキアと二人でリエルの監視ですか」

  フェカト 「学長の仕事で留守にしてます、ウウル・ジー壊れてるから言い訳出来ますけど、そろそろ限界かもしれません、飛べる事も選ばれた理由の一つですから」

  ダイン 「その辺りも含めて、明日会議をしましょう、まぁ突破口になりそうな技術は有りますので、何とかなると思います」

  七実 「なんか有りましたかね、全然思い浮かびません」

  ダイン 「なら、明日までの宿題ですね」

  七実 「嫌な言葉ですね、もう宿題に悩む事なんて無いと思ってました」

  ダイン 「出来なくても罰は有りませんが、優秀な解答には御褒美が有りますよ」

  ニア 「それって、ニャアも貰えるのにゃ?」

  ダイン 「もちろん全員が対象です、ティアスはプルルに伝えて置いて下さい、二人で一緒に考えてもいいですよ、ですがティアスは他の者より有利ですからね」

  ティアス 「それって王都での出来事にヒントが有るって事ですよね?」

  ダイン 「そういう事です、うん、不満が出ない様に魔鋼の種類という事も伝えておきましょう」

  七実 「重いとか柔らかいとか有りましたよね、どっちも日本語的にはジュウマコウでしたけど」

  ダイン 「そうですよ、七実がアレが出来るとか言ってたヤツです、私も王都に両方を使った分銅が有りましたので使ってみてある事に気付いたんですよ」

  真夏 「それって殆ど答え言っちゃってるんじゃ」

  ダイン 「いいんですよ、出し惜しみする様な褒美じゃ有りませんから」

  真夏 「確か重魔鋼って磁石みたいに斥力と引力が働くんですよね」

  ティアス 「あの、セキリョクとインリョクって何ですか?」

  ティアスの問い掛けは真夏以外一同が感じている事だった、科学が発達した日本人でも引力という言葉は知っていても斥力は知らないものである。

  真夏 「弾く力と引き寄せる力ですね、重魔鋼は流す魔力の質によって引っ付いたり離れたりします」

  ティアス 「なるほど引っ付く力を応用して、ダイン様の分銅はおかしな動きをしたんですか、ロベリエのウウル・ジーを追い掛ける様に弾かれてましたから」

  ダイン 「ロベリエの小剣が重魔鋼で出来ていたので追い掛けたんですよ、アレは私にも幸運でした」

  真夏 「なるほど、引力じゃ無くて斥力を使う事でマギガントを浮かすわけですね、浮いてしまえば開発中の魔導ジェットも使い易くなりますね」

  ダイン 「その通りです、垂直離着陸さえ出来れば闘技場ぐらいの広さでもアレが運用可能ですから、真夏が答えを出しましたので今晩は真夏からですね」

  七実 「仕方ないですね、ですが学校のお勉強が役に立つ事も有るんですね」

  愛耶 「アイヤもさっぱりでした、一応大卒なんですけど」

  ダイン 「文系と理系じゃ全然習う事が違いますから、私の好きな生物なんかは理系では冷遇されてますから、一番楽しいと思うんですけど」

  七実 「ダイン様も色々と役立てているみたいですよね」

  ダイン 「好きで調べた事の方が役に立ってますよ、あと、調べただけと経験するとでは全然違うんですよ、私がマギガント工房を改善したのは仕事で獲た経験の産物ですね」

  真夏 「確かに理系のマナでも知らない事でした」

  ダイン 「同じ形状のモノを作るなら足し算より引き算なんですよ、工員達の腕は確かですがアレだと時間が掛かり過ぎます」

  フェカト 「あの、そろそろティアスと話を詰めたいんですが、ティアスって王都に帰るんですよね」

  ダイン 「そうでした、私もアーキアに会いに行きましょう、余りまたせると搾り取られてしまいます」

  七実 「淫魔って底無しにエッチですからね、ワザと大きな尾チンポ挿れられても喜んじゃってますから、でも、羨ましくも思うんですよねダイン様の全力を受け止められるって」

  ダイン 「自分の牝を淫に開花させるのは実に心躍る事ですからね、それに誰をどういう淫魔に仕上げるか考えるのも楽しいんですよ、遊魔は思い付きで魔改造してますからね、むぅ、これはいけません今フェカトに怒られたところなのに、場所は屋敷の地下でいいんですよね」

  フェカト 「はい、フェカト達も屋敷まで御一緒します、一応資料を用意してますから」

  ダイン 「なら急ぎましょうか、アーキアは貪欲ですからね」

  ダインの本当とも冗談とも取れない言葉に遊魔達は嫉妬を感じていた、特に実際に淫魔の性交を知る者達はダインを満足させられる身体に強い憧れを抱いているのだ。

  そして真夏は密かにダインの御褒美が淫魔形態の付与だと推測して楽しみにしていた。

  おまけ

  テガスの街 ポロルグ王国時代にマギガント生産目的として整備された都市、元は古城でもありその城壁はそのままマギガント工房の秘密を守る為に利用されている。

  ククジア併合後に別のマギガント製造拠点がポロルグ内に整備されかつての活気は失われているが、ポナリア・ジーカの生産はテガスで主に行われている、実は上級機のポナリア・ジーカよりも決闘機のジーカの方が製造に関する機密情報が多く、比較的機密の少ないポナリア・ジーカの製造が継続されている。

  そして、今のテガスの最大の特徴がマギガント騎士訓練施設である、また、工房では新人工員の訓練も同時に行われており、ククジア内外から多くの人員を集めている。

  マギガント関連施設は殆どが城内に置かれ、城下町といった感じで周りに街が築かれておりその規模はポロルグの第三都市の地位の有る、マギガントの関連都市として整備された為に運河が張り巡らされており水運がとても盛んでもある。

  訓練生を多く抱える学院がある為に賭け協定戦がかなりの頻度で開催されており、一時期より衰えたとはいえかなりの規模の経済活動が行われている。