暗躍編 第二話 奔放な淫魔生態

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  一行はしばらく歩いて国賓屋敷に辿り着くと二手に別れる、フェカトとティアスは二階に上がって、残る面子は屋敷の奥まった所に有る地下への入り口に向かうのだ。

  ダイン 「しかしここは国賓を招く施設ですよね、そこに地下施設は変な作りですよね」

  七実 「戦乱期の古城だった様ですよ、西洋のお城って拷問用の地下が有るじゃ無いですか?」

  真夏 「そう言われればそうだよね、ゲームにも殆ど有るしね」

  ダイン 「むしろゲームでそのイメージが付いてしまったんでしょうね、普通王と罪人は同じ城には居ないと思いますよ」

  ファービ 「そうですよね、ファナの世界は日本で言うファンタジーな世界でしたけど、罪人は監獄に送る物で城で捕らえたりはしませんでした、ファナも何度か監獄を襲いましたし」

  ダイン 「まだ若いのにハードな人生を送っていたんですね」

  ファービ 「でも、それで評価されてイレイサーに選ばれたんですよ、戦闘力が重要な役目ですから、でも日本の生活には驚きましたね」

  真夏 「確かに会った頃のファナは変な娘でした飢えた狼みたいでしたね、でも飢えてたから直ぐに餌付け出来ました」

  ファービ 「日本に来て初めて食べ物の選択が出来ましたからね、ルヴァルテの食事って殆ど硬いパンとスープでしたから」

  ダイン 「まぁあちらの世界でも日本は特別だとは思いますけどね、ですが文化レベルが高いところで暮らしていると低いと辛いんですよね」

  七実 「はい、ナナも日本のアニメが心残りです、続きが気になって仕方有りません」

  ダイン 「ルゥに会った時に戻る手段が無いか聞いてみましょう、ファービの世界は相互に連絡を取っていたんですよね」

  ファービ 「もう、ファナって呼んで下さい呼んでくれないと拗ねちゃいます」

  ダイン 「で、どうなんですか、ファナ」

  ファービ 「連絡は取れていました、ですが、地球の魔力が満ちる満月の夜だけでしたね」

  七実 「満月の夜に魔力が満ちていたんですか、なるほど狼男とかも異形だったのかも知れませんね」

  ダイン 「どうでしょう月明かりで夜でもある程度視界が確保出来るので、何かを見間違えただけじゃ無いですか、異形の可能性もゼロでは無いですが」

  七実 「ダイン様って、オカルトに対して否定的ですよね、自分はオカルトな存在なのに」

  ダイン 「本物だからこそ偽物に対しては否定的なんですよ、魔法世界であるこのアーグルでも結局幽霊とか確認されてませんし」

  七実 「でもアーグル人って魂の存在は疑ってませんよね、人類法典にも記されてるって言ってましたよ」

  ダイン 「ですが、フェカト、ポーカ、ティアス、プルルのアーグル人は脳味噌に堕液を注入すると堕ちちゃうんですよね、アーキアもそうですからやはり魂は無いと思いますよ」

  真夏 「マナもそれ考えてみましたが、人間を軽視しない為に魂を定義してるんじゃ無いでしょうか、ダイン様の真理は正しいとは思いますけど、それを信じると人間を軽視しちゃいますから、超越者たる遊魔が軽視するのは解りますけど、人間同士で人間を軽視しちゃうと社会が歪になると思います、だからこそ魂を定義して人を特別にしてるんじゃ無いでしょうか」

  七実 「マナって遊魔になってから益々真面目で賢くなりましたね、日々楽しいを追求するナナとは大違いです」

  真夏 「ナナがそういうキャラだからマナがそうなったんですよ、ダイン様は頭脳派ですけど、頭脳役は複数いた方が良いですから」

  愛耶 「歳上のアイヤとしては恥ずかしいです、マナがそこまで考えて行動していたとは」

  真夏 「アイヤは美味しい食事を探求する役目が有りますから、マナなんて堅い事が取り柄ですから」

  ダイン 「常識的判断が出来る人材は必要ですよ、居ないと変なカルト教団みたいになりそうですからね、ああいうのは常識離れした事を信じてますから」

  七実 「魂を否定してるダイン様から言えば、生まれ変わりなんて有り得ませんからね」

  ダイン 「偉人の威を借りる事は誰にでも出来ますが普通は一蹴されるモノです、ですが嘘もつき続ければ真実だと思うお人好しもいるんですよね」

  真夏 「それを考えるとやはりダイン様の真理こそ正しいと思います、人間の歴史は権力層に都合良く作られてますからね、戦国時代の解釈が進むに従って救世主教はメッキが剥がれていますからね」

  ダイン 「日本人を奴隷として調達したのがバレて禁教にされるのは当たり前ですからね、その上体制の転覆まで画策していたのなら尚更です」

  真夏 「人間とは愚かなモノですよ」

  ダイン 「だからこそ私を絶対だとは思わないで下さい、私の判断がおかしいと感じた時は遠慮無く言って下さい」

  七実 「なら言っちゃいますけど、正妻のナナの扱いがぞんざいだと思います、もっと敬って下さい」

  真夏 「時期に関係無く遊魔は対等ですよ、今以上を望むならば頑張って成果を上げて下さい」

  七実 「マナは本当にお堅くなったよね、優等生ではあったけど」

  真夏 「皆んないい加減だからです、引き締め役が必要だと思います」

  ニア 「それでマナは楽しいのにゃ」

  真夏 「それ程楽しくは有りませんね、ですがダイン様はそういう役割を担う者を評価してくれる筈です」

  ダイン 「その通りですね、損な風気委員を買って出てくれる真夏には感謝です、御褒美に期待していて下さい、ちゃんとしたキャラ付けが有る方がイメージも湧きますから」

  真夏はこの時自身の願望が成就する事を確信する事が出来た、だが、風気委員と淫魔がどう結び付くのかは大いに疑問が有り、そこはダインの想像力を期待するしか無かった。

  そして一行は地下室へと辿り着き、七実が先人を切ってその扉を開いたのだが、アーキアの出迎えは無く、それどころか甘い声が響いている。

  七実 「ダイン様が訪れる事を知っている筈なのに愉しんでるって、凄い神経してますよね」

  部屋に入った一行は衝立の裏に回ると尻尾カプセルの前で自らを慰めているアーキアの姿があった、そしてアーキアはダインの来訪に気付いても止める気配が無い。

  アーキア 「ダイン様が遅いからアキ自分で満たすしか無いよね、それにリィの前だと変に興奮しちゃうんだよ」

  真夏 「淫魔がこういう物だという知識は有りますけど、色々とぶっ飛んでますよね」

  ダイン 「そうでしょうか、薄暗い部屋はエッチな気分になりますから、その上、裸のリエルもいますからね」

  七実 「ダイン様は男ですから、ナナなんてリエルの身体には腹が立ちますよ、ダイン様が手を加えてないのに胸大きいくてウェストも細いんですよ」

  アーキア 「そうそう、リィの胸って大きいから吸いたくなるんだよ、何が詰まってるか興味あるから」

  ダイン 「その気持ちは解ります、これは出るんじゃ無いですか?」

  七実 「まさか、処女な事はちゃんと確認してますよ」

  ダイン 「異形に人の常識は通じないですから、ニアならよく解るでしょう?」

  ニア 「そうにゃ、異形の身体は本人の願望に関係するにゃ」

  真夏 「ダイン様は進化を望んだ感じですが、ニアは猫になりたかったんですか?」

  ニア 「そうにゃ、でも猫怪人じゃ無くて只の猫を望んでいたにゃ」

  ダイン 「願いとは願望通りに行かない事が多いですからね、ナナと私はそれを良く知ってますね」

  七実 「でも、初めからナナの願いが叶っていたら、今の遊魔の形は無かったと思います」

  ダイン 「遊魔自体が無かったかも知れません、私の能力の発現にはナナが大きく関わっているでしょうから」

  七実 「それって、ダイン様はナナの魔改造に想いを馳せてたって事ですか」

  ダイン 「そういう事です、ナナは私に強く牝を感じさせてくれましたからね、何せ私にとって理想的な異性でしたからね」

  七実 「その言葉の割には大切にされて無いと思います」

  ダイン 「まぁ私達は狩られる立場でしたから、それに一人を手に入れると次を手に入れたくなるんですよね」

  真夏 「でもそれは遊魔に成れた人間にとって幸福の連鎖ですから、ナナだけを幸福にするよりも価値の有る事だと思います」

  愛耶 「そうですよ、独り占めはいけませんね」

  アーキア 「そうダイン様に淫魔にされて無かったら、この快楽を一生知る事は無かったから、ナナには感謝だよ、だから今度存分に愉しませてあげるね」

  七実 「アキの願望の方が強いですよね、感謝ならアキのダイン様との時間を譲って下さい」

  アーキア 「それは欲張り過ぎだよ、アキとナナで気持ち良くなれたら二人共幸せじゃん」

  ダイン 「まぁ、ナナにも何か考えておきましょう、これから頼る事が増えそうですから」

  七実 「ダイン様に頼られる事なんて思い付きませんけど」

  ダイン 「ナナは絵が上手ですからそれで働いて貰います、私のイメージを明確に伝える方法も考えましたので」

  真夏 「いい考えだと思います、イメージ画が有るのと無いのとでは全然違いますからね」

  七実 「マナ余り期待しないでね、それ程上手いわけじゃ無いから」

  真夏 「絵が描けるだけで凄いですよ、ファナの絵なんか何描いてるか解りませんから」

  ファービ 「ファナは絵なんて習った事無いですから、この世界でも普通の人は絵なんか描かないですよ」

  ダイン 「見取図を作る工員は専門職ですからね、見取図職人は魔力を必要とせずに高給なので人気と聞きましたが、そもそも紙が高いので平民は砂で練習するとか」

  七実 「砂ですか、子供の遊びみたいですね、せめて黒板でも有れば」

  真夏 「確かにそういう道具は必要かも知れませんね、アレは書く面にペンキを塗ってるんでしょうか?」

  ダイン 「どうでしょう、塗料なら吹き付けないと凹凸が出来そうですね、まぁこの世界には吹付塗装する道具なんて有りませんけどね、紙の大量生産の方が文化の発展にも貢献するでしょうから製紙工房を考えてみましょうか、幸い魔力を使えば動力と火力は容易に使えますから」

  愛耶 「テガスの周辺には大きな森も有りますから、日本と違って植生が豊かみたいで多くの森の幸が市場に溢れてますよ」

  ダイン 「日本の山林は杉の植林だらけですからね、あれは国民性の現れですよ」

  真夏 「そうなんですか、マナは花粉症でしたから植えた人に腹が立ちます」

  ダイン 「私もそうですよ、アレの嫌な所はアレルギー体質じゃ無いと何とも無い事ですよ、悲惨な状況が続くのに体験して無いから解って貰えないんですよ」

  愛耶 「熱の無い風邪の様なモノなんですか?」

  ダイン 「全く違いますよ、空気自体が敵になる様な感じです」

  真夏 「その例え解ります、空気清浄機使っている所以外は行きたく有りませんから、学校もリモートになれば良いのに」

  ダイン 「そう考えられるだけ技術が進んだのは凄い事ですよね、私の時はひたすら我慢ですよ」

  七実 「なる程、それと同じ様にナナ達がこの世界を住み良くしていくんですね、漫画文化とかは紙が有れば芽生えさせる事が出来るかも知れませんよね」

  ダイン 「ナナが先駆者として描いても良いんですよ、コマ割りとかこの世界では斬新過ぎるでしょうから、絵巻物ぐらいから行きましょうか?」

  真夏 「技能の有るのは羨ましいですよ、マナも描いてみようかな」

  ダイン 「才能なんてやってみないと解らないですからね、その上、最初は駄目でも一線を越えると格段に上達出来たりもするんですよ、要はやってみないと自分でも解らないんですよ」

  ファービ 「ファナでも上手く描けるんでしょうか?」

  ダイン 「その為の練習で、練習するには安い紙が普及した方がいいですよね」

  ダインの異世界生活向上化計画は始まったばかりだ、そしてその中心がこのテガスになる事は間違い無く。

  テガスをダインの領地とする為のティアスやフェカトの裏工作も本格的始まって行くだろう、そう、ダインの王都で挙げた功績は既に領地を持つ貴族称号を得ても不思議では無い程の物であるのだ。

  おまけ

  淫魔型遊魔 強靭なダイン性交に耐える為に模索された形態では有ったがその奔放さが表面化しつつある。

  アーキアはダインを蔑ろにして自慰を続けた様に従来の遊魔では見られなかった行動もとっており、規律を重んじる真夏を悩ませている。

  だが、本人には至って悪気など無く、ただ単に欲望に従っただけなのだ、そしてダインもその事についてとやかく言うつもりも無く、失敗だとはみなしていない、むしろダインの性格を考えると過度な忠誠の提示よりはアーキアの行いぐらいの方が安心出来たりもしている、つまり、重過ぎる愛を好んでいないのだ。

  その点で言うなら、アーキアのダインへの態度はダインに取って好ましい物で有り、今後、全ての遊魔に淫魔形態を付与する事がより明確に決定された事象でも有った。