广告广告
  
奉公人の熊おっちゃんと人間の坊ちゃんのお話

  ワシの名前は、山下 熊蔵。代々続く問屋である近衛屋に、六つの時に丁稚奉公に出されてから、ずっと奉公人として勤めてきた。

  先代の大旦那さまが、亡くなられてしまわれてからは、新たに代を継いだ旦那さまの元で、引き続き尽力して勤めてきた。

  近衛家の人達は、ほんまにええ方達で、ワシのような奉公人にも、家族のように温かく接して下さりはった。

  坊ちゃんのケン坊も、ワシによう懐いてくれはって、「クマゾウ!クマゾウ!」いうて、いつも後ろにくっついて来とった。

  そないなケン坊が、ワシも目に入れても痛くないぐらい可愛くて仕方なくて、しょっちゅう面倒を見とった。

  せやけど、ケン坊が16歳の誕生日を迎えて間もなく、旦那さまと奥さまが乗った列車が事故に遭うてしもうて……お二人はそのまま帰らぬ人となってしもうた。

  お若くて、まだまだこれからやったというのに……本当に残念でならんかった。

  その上、不幸はそれだけでは終わらんかった。

  店の者総出で葬儀や法要、商いのやり繰りに奔走しとる間に、近衛家の親戚の者らが、ケン坊がまだ子供なのをええ事に、旦那さまの遺産を勝手に売り払いよったんや。

  ようやく気づいた頃には、大旦那さまたちが大切に守ってきた家も店も……なんもかも奪われてしもうとった。

  ケン坊は両親をいっぺんに亡くした上に、親戚らに騙されて、思い出がぎょうさんある家までをも失ってしもうて……すっかり元気をなくして、塞ぎ込むようになってしもうた。

  店がなくなってしまうと、今まで勤めていた者らは、自分の生活を守るために、一人またひとりと、それぞれ近衛屋を去っていった。

  ワシも自分の身の振り方を考えたものの、なんもかも失くしてしもうたケン坊を一人ぼっちになんてさせたくなくて……ぎょうさん悩んだ末に、ケン坊を引き取って面倒をみることに決めた。

  それから住む所を探してあちこち駆け回ってみたら、ワシの故郷の身内に、今は使うてへん空き家を借してもらえる事になった。

  そうして雨風凌げる家は見つかったものの、これからの事を考えると、不安でいっぱいやった。

  一度も所帯を持った事のないワシみたいなもんが、ケン坊の父親代わりとして、ほんまにやっていけるんやろうか……

  ***

  ついに近衛家を出た日、ワシとケン坊は、これから住むウチの戸口に立っていた。

  築50年の木造平屋建ての建物は、トタン屋根も禿げてしもうとって見た目はボロボロやけど、風呂も台所もちゃんついとるし、男二人で暮らすには十分過ぎる、ええ住まいやった。

  葬儀を行った時は、うだるような暑さやったけど、今はもうすっかり木枯らしの吹く季節になって、だいぶ肌寒くなってきた。

  とはいうても、ワシは肥え太ってる上に、体毛も多いもんやから、夏と変わらず、今も半袖の甚平に身を包んでおった。

  ケン坊はというと、長袖のワイシャツに長ズボンを履いて、きちんと秋の格好をしとる。

  ワシがデカすぎるせいもあるんやけど、それでもワシの半分ぐらいの背丈しかない小さな体は、胸も腹もぺったんこで、風が吹いたら飛ばされてまうんやないかと心配になってまう。

  元々少食の子やったけど、旦那さま方が亡くなってからは、さらに輪をかけたように飯を食わんくなってしもうた。

  「どや、ケン坊。気に入ったか?」

  「うん……」

  声を掛けると、ケン坊は顔を上げる事もせんで、がっくりと項垂れたまま頷いた。

  無理もあらへん……家族の思い出が、ぎょうさん詰まった家から出て来たばかりなんや。

  ケン坊の傷ましい様子に、ワシも俯いてしまいそうになったけど、自分が落ち込んでしもうたらあかんと踏ん張って、グッと顔を上げた。

  「おっと、いつまでもこんな所に突っ立っておったら、風邪引いてまうさかい。ケン坊、中に入ろか!」

  「う、うん」

  なるたけ明るい声を掛けながら、背中にそっと掌を当てると、ワシらのウチに入っていった。

  ***

  ギシギシと滑りの悪い引き戸を壊さんように気を付けて開けると、中に閉じ込められとった古い畳と木の匂いが、フワァっと鼻に届いてきた。

  石造りの小さな玄関を上がると、右手には台所、左手には便所と風呂。正面には茶の間と、その先に部屋が一つっちゅう造りになっておる。

  靴を脱いで、ウチに上がると、ケン坊がキョロキョロと物珍しそうに家の中を見回し始めた。

  「どや?外からだとオンボロやったけど、中はキレイやろう?」

  「う、うん……中もボロボロだったら、どうしようって心配だったから、良かった」

  少しだけ顔を綻ばしたケン坊の様子に、ホッと胸を撫で下ろした。

  ちょっと前に一人で来た時は、蜘蛛の巣はあるわ、埃は凄いわで、えらい汚れとったんやけど、ケン坊の為にせっせっと掃除しといて、ほんまに良かった。

  「そかそか。よっしゃ!今日は引越し祝いに、ワシがご馳走を作ったるさかい。楽しみにしててな!」

  「えっ!?で、でも……僕も熊蔵も、全然お金ないのに……大丈夫?」

  「だんない!子供がそんな心配せんでええ」

  「そ、そう……」

  ほんまは、そんな贅沢をする余裕は全然あらへんかったけど、今日は特別や。

  ケン坊が少しでも元気をつけてくれるんやったら、安いもんやさかい。

  「下ごしらえやらで時間がかかるさかい、ケン坊は部屋で休んどきぃ」

  「あっ、熊蔵が……じゃなくて、えっと……熊蔵さんが良かったら、僕も手伝って良い?」

  「そら手伝ってくれるんやったら助かるけど……なんや、急に熊蔵さんなんて呼びよって……」

  「だって、もうお店もないし……それに、僕の事を引き取ってくれた熊蔵さんの事を、呼び捨てになんて、もう出来ないよ……」

  「そないな事気にせんで、これまで通りでも構へんのに……おっ、それやったら、ワシの事は『おっちゃん』って呼びぃ!」

  「お、おっちゃん!?」

  「そや!ケン坊に『熊蔵さん』やなんて呼ばれるなんて、他人行儀で嫌やさかい。親しみを込めて、おっちゃんって呼んで貰えると嬉しいで!」

  「わ、わかった……お、おっちゃん!」

  「ふふっ……ええ子や。それじゃあ一緒に美味いもん作るで!」

  「うん!」

  それからワシらは一緒に、夕飯を作った。

  ただでさえ狭い台所に男二人、しかもワシがえらいデカいもんやから、窮屈でしゃあなかった。

  せやけど、一緒に料理をするケン坊は楽しそうにしておって、久しぶりに明るい顔が見れたさかい、ほんまに嬉しかった。

  ***

  「ふぅ……食った、食った。ご馳走さん!」

  「ご馳走様でした……お、美味しかった!」

  「そかそか!そら良かったわ」

  ケン坊の好きなもんばかりを作ったお陰もあってか、久方ぶりにぎょうさん食うてくれたんで良かった。

  たらふく食うて満足したのか、げっそりとやつれてしもうとった顔も、幾許か血色が良くなったように見える。

  「あっ……僕、お皿洗うね」

  「洗いもんなんてワシがやるさかい、ケン坊は休んどき。引っ越してきたばかりで疲れとるやろ?」

  「そ、そんな事ないよ。僕も手伝えるよ」

  「そうか……あっ、それやったら、風呂沸かしてきてもろうてええか?うっかりして、忘れてしもうとった」

  「わ、わかった。それじゃあ、お風呂沸かしてくるね」

  「おおきに!よろしく頼むな」

  風呂の支度をケン坊に任せて、ワシは台所で洗い物を始めた。

  カタコト……バシャバシャ……ゴシゴシ……

  「……ふんふん〜♪……ふふん〜♪」

  ………

  ………………

  …………………………

  『熊蔵、そんな所で泣いてどうした?……そうか、小便漏らしちまったのか……ほらほら、このまんまじゃ風邪引いちまう。風呂行くぞ!」

  『熊蔵の料理は本当に美味いなぁ。俺の嫁に貰いてぇくらいだ!』

  『どうだ、可愛いだろう?目元なんか俺にそっくりだ。こりゃあ、とびっきりのいい男になるぞ!』

  『わはは!健一は本当に熊蔵に懐いてるなぁ』

  『んっ……なんでもない。ちょっと疲れちまってるだけだ……』

  『すまねぇなぁ……お前に下の世話までさせちまって……』

  『熊蔵、みんなの事を頼む……お前が支えて、守ってやってくれ』

  ………

  ………………

  …………………………

  「おっちゃん、お風呂が沸いたよ!」

  「へっ?」

  ふいにケン坊に声を掛けられて、ハッと我に返った。

  洗い物をしとるうちに、いつの間にか物思いに耽ってしまっとったようや。

  「そ、そか。ご苦労さん!」

  「……大丈夫?なんだか、凄く寂しそうな顔をしてたよ」

  「へっ!?……そ、そないな事ないで。そうや、今日は久しぶりに、一緒に風呂に入ろか!」

  「えぇっ!?い、いいよ……僕、1人で入るから」

  「そないな事言わんで!ほらほら、ワシが背中流したるからな」

  「う、うん……」

  ワシはケン坊の体をクルッと振り向かせると、気付かれん様に、急いで目元を拭った。

  ***

  脱衣所に入っていくと、早速、甚平の紐の結び目に指を掛けて、スルスルと脱ぎ始めた。

  すぐに褌一丁になると、今度は褌の前垂れを引き上げて、結び目に指を掛けて解いていく。

  褌も脱いで、すっぽんぽんになると、脱衣所の姿見の鏡に大写しになっとる自分の体が、ふいに目に入ってきた。

  むぅ……また一段と肥えたやろうか。

  店の荷運びやらで、よう力仕事しとったさかい、体は動かしとった方やと思うんやけど……熊獣人は太りやすいっちゅうし、しゃあないか。

  そういや、ケン坊がちっこい頃は、この太鼓腹をポコポコ叩いて喜んでおったなぁ。

  隣を見てみると、ケン坊がシャツを脱いで、パンツ一枚になった所やった。

  大旦那さまもそうやったけど、ケン坊もキレイな体をしとる。

  ワシみたいな獣人と違うて、体毛もほとんど生えとらんし、絹のような白い肌をしとって上品や。

  「お、おっちゃん……見られてると、恥ずかしいよ」

  「へっ?」

  声を掛けられて、ハッとすると、ケン坊が恥ずかしそうに顔を赤らめているのが、目に入ってきた。

  しかも、パンツの上から股座を隠す様に両手で覆って、固まってしもうとる。

  あかん……年頃の子に対して、デリカシーがなかったわ。

  「すまんすまん!先に入っとるな」

  「う、うん」

  曇りガラスの引き戸を開いて、湯気がほんのりと立ち込める風呂場に入って行った。

  足を踏み入れると、洗い場のタイル床がひんやりと冷たくて、思わずブルッと軽く身震いしてもうた。

  このまんまやと、ケン坊にも冷たい思いをさせてまうな……

  そう思うて、風呂桶で湯を掬うと、ザバァっと満遍なく床に流していった。

  ちょっと過保護すぎる気もするけど、こんぐらいはまぁええやろう。

  ガララッ……

  引き戸の音が聞こえて振り返ると、ケン坊が風呂場に入ってきた。

  ワシの視線に気付くと、サッと顔を伏せて、顔を赤らめた。

  恥ずかしそうに両手で股座を必死に覆い隠しとるその姿は、初々しくてえらい可愛らしい。

  そないな姿に、ついつい口元が緩んで、ニヤついてしもうた。

  「ふふっ……どら、ワシが体を洗ったるさかい、床に座りぃ」

  「えっ!?……い、いいよ。自分で洗えるから……」

  「そないな釣れん事言わんでっ。ほらほら、座った座った!!」

  「う、うん」

  肩をポンポンと叩いて促してやると、ケン坊はそそくさと背中を向けて、床の上に腰を下ろした。

  ワシも腰を下ろすと、あぐらをかいて座る。石鹸を取って掌で丹念に泡立てると、ケン坊の背中に掌をあてて、ゴシゴシと洗い始めた。

  ワシのゴツゴツした掌で、まだまだ弱い肌を傷つけてしまわんように気を付けながら、撫でさするように石鹸の泡を広げていく。

  「どや、気持ちええか?」

  「う、うん。気持ちいい……」

  「そかそか!……こうやってケン坊と風呂に入るのも、久しぶりやなぁ」

  「そ、そうだね」

  「まだケン坊が赤ん坊やった頃から、いつも一緒に風呂に入っとったのに……中学生になって、すぐやったか、急に『今日から、一人で風呂に入る』言うて、入ってくれへんくなったから……そん時は、ほんまに寂しかったなぁ」

  「そうだったんだ……ごめんね」

  「ガッハッハ!謝る事なんか、なんもあらへん。そんだけケン坊が大きくなったって事やさかい、寂しい反面、嬉しくも思うとったでなぁ……どら、今度は前を洗ってやるさかい、こっち向きぃ」

  「えっ!?ま、前は自分でするから……」

  「そないな事言わんで!久しぶりに、こうしてケン坊と一緒に風呂に入れて、ワシ、ほんまに嬉しいさかい、洗わせてや!」

  「う、うん………わかった」

  ケン坊は少し躊躇いながらも、こっちを向いてくれたんやけど、なんやか顔が赤らんで見える。

  相変わらず、両手で股座を覆い隠したまんまやし、えらい恥ずかしそうや。

  男同士なんやから、お互い同じもんがついとるんやさかい、そないに恥ずかしがらんでもええのになぁ。

  「なんや、そないにおちんちん隠しよって……もしかしてケン坊、まだ毛が生えとらんのか?」

  「そ、そんな事ないよっ!……ちゃ、ちゃんと生えてるもん!!」

  ワシの言葉に、ケン坊はただでさえ赤くなっとった顔を、もっと赤くして、珍しくムキになって言い返してきよった。

  ふふっ……やっぱしまだまだ子供やなぁ。

  おぼこくて初心な姿が、ほんまに可愛いらしいもんやから、ついつい、もっとからかってやりたなってしもうた。

  「ガッハッハ!どらっ、ケン坊のおちんちんが、どんだけ大人になったか、見てやろ!」

  ワシは腕を伸ばすと、股座を必死に隠しとるケン坊の両手を、やんわりと引き剥がした。

  「わっ!?みっ、見ちゃダメ!!」

  顔を真っ赤にして慌てふためくケン坊を尻目に、ワシは身を乗り出して股座を覗き込んだ。

  すると、なんでかケン坊は、ちんぽこを大きくしてよった。

  ワシの小指の先っぽぐらいしかあらへん、えらい可愛いらしいちんぽが、すっぽりと皮を被りながらも、ピンピンに上向いて勃っておる。

  不思議に思うたものの、こうしてちんぽこを大きく出来るぐらいに、ケン坊が一丁前の男として成長しとった事が素直に嬉しかった。

  「ガッハッハ!元気がええなぁ」

  「ご、ごめんなさい……」

  「なんも謝る事なんかあらへん。ケン坊の歳やったら、ちょっとした事で、すぐに大きくなってしまうもんやさかい。なんも恥ずかしい事やないで!」

  「そ、そうなの?」

  「おう!……うんうん、ちゃんと生えとるな」

  改めてケン坊のちんぽこを見てみると、毛もちゃんと生え揃ってきとるし、金玉も小ぶりやけど、昔に比べて大きくなっとった。

  せやけど……ちんぽは被っとる上に、先っぽの皮が窄まってしもうとって、勃っとるというのに亀頭が全く見えへんかった。

  それがどうしても気掛かりで、デリカシーがないとは思うたけど、聞いてみる事にした。

  「ケン坊、おちんちんの皮なんやけど……ちゃんと剥けるか?」

  「えっ!?……あっ、その……えっと……」

  ワシの言葉に、ケン坊はえらい動揺して、目を泳がし始めた

  その様子に、自分の不安が的中してしもうとる事を、半ば確信した。

  「ケン坊、ちょっとごめんな」

  「えっ?……んぅっ!!」

  ケン坊の股座へ腕を伸ばして、ちんぽを指先でそっと摘むと、ゆっくりと皮を下ろしてみた。

  すると、途端にケン坊の体が、ビクンっと大きく跳ね上がった。

  「す、すまんっ!痛かったか?」

  「う、ううん……大丈夫。ちょっとびっくりしちゃっただけ……」

  「それやったら良かった……ちょっと我慢してな」

  改めて慎重に皮を下ろしてみると、やっぱし最後まで剥けへんかった。

  先っちょの方は顔を出すんやけど、入り口が狭くて、途中から剥けんくなってまう。

  「おっちゃん……僕のちんちん、やっぱりおかしいの?」

  「へっ?」

  「お風呂で見たお父さんとお祖父ちゃんのちんちんは、いつも中がちゃんと見えてた。それなのに、僕は手を使ってもダメで……ずっとこのままだったら、どうしようって、すごく恐い……」

  ケン坊は思い詰めた顔でそう言うと、瞳を潤ませて、泣きべそをかきはじめた。

  「だ、だんない!なんも心配あらへん……実はな、ワシもケン坊くらいの頃は、剥けへんかったんよ」

  「えっ!?おっちゃんのちんちんも、そうだったの?」

  ケン坊は身を乗り出すと、ワシのちんぽこをまじまじと見つめ始めた。

  あんまし熱心に見てきよるもんやから、気になって、太鼓腹を手で引っ込めて、自分でも股座を覗き込んでみた。

  ワシのちんぽは、太いんやけど、あんまし長くなくて、そのせいで普段は亀頭が先っぽしか顔を出せておらんで、大部分が厚い皮に覆われてしもうておる。

  逆に玉袋の方は、鶏の卵みたいな金玉が入っとってデカいんやけど、そのせいか余計にちんぽが小さく見えてしまう。

  こないな風にちんぽこをじっくり見られる事なんて、ほとんどなかったさかい、さっきまでは全然平気やったのに、なんやか急にえらい恥ずかしくなってきてしもうた。

  「おっちゃんは、どうやって剥けるようになったの?」

  「へっ!?……そのな、ケン坊やから言うんやけど……実は大旦那さまに、剥けるようにして貰うたんよ」

  「えっ!?お、お祖父ちゃんに?」

  「う、うん……奉公人の先輩に、皮被りをからかわれてな。それで思い切って大旦那さまに相談したら『心配せんでええ。俺が剥けるようにしてやる』って言うてくだはったんや」

  話をしとる内に、そん時の記憶が、ありありと思い出されていって……年甲斐もなく顔が真っ赤になってしもうた。

  「そうだったんだ……そ、それじゃあ……おっちゃんに、お祖父ちゃんと同じようにして貰えたら……僕も剥けるようになれる?」

  「そ、そうかもしれへん……せやけど、もう何十年も前の話やから……」

  「おっちゃん、お願い!……僕、ちゃんと剥けるようになりたいよ」

  ケン坊は身を乗り出すと、切ない声で懇願するように頼み込んできた。

  その様子からは、本気で皮被りをなおしたいっちゅう気持ちが、ひしひしと痛いほど伝わってきた。

  ワシも、あん時はこないな風に思い悩んでおったなぁ……

  あんまし自信はないけど、ワシで出来る事なら、ケン坊の力になってやりたい。

  ワシは、ケン坊の両目をしっかりと見据えると、躊躇いを吹っ切るように膝を力強く叩いて、口火を切った。

  「わかった!ワシがケン坊のちんぽこを剥けるようにしたる!」

  「ほ、本当!?」

  「おう!男に二言はあらへん。こっち来て、ワシの膝の上に座りぃ」

  「う、うん!」

  ケン坊は立ち上がると、胡座をかいとるワシの膝の上に、おずおずと腰を下ろした。

  すると、毎日のようにケン坊を抱っこしてやっておった頃の記憶が、まるで昨日の事の様に思い起こされていった。

  あの頃は、あないに軽こかったっちゅうに……ほんまに大きくなったなぁ。

  心の中がケン坊への愛おしい気持ちで一杯になってしもうて……堪らずに、まるで小さな子供にするみたいに、背中からギュウッと抱き締めてしもうた。

  「お、おっちゃん……」

  「すまん……ワシにこないな風にされるんは、もう嫌よな」

  「そ、そんな事ないよ!ちょっと恥ずかしいけど……全然嫌じゃない」

  「そうか……やっぱしケン坊は優しい子やなぁ」

  体を抱きしめながら、頭を優しく撫でてやる。

  すると、強張っておったケン坊の体から段々と力が抜けていって、もたれかかるように体を預けてきた。

  「ワシが責任を持って、剥けるようにしたるからな。安心して任しときぃ!」

  「うん!」

  「よしよし、それじゃあ始めるで」

  風呂桶に湯を入れると、そこに掌を入れて、体毛にたっぷりと湯を含ませる。

  次に石鹸を手に取ると、しっかりと泡立てて、掌に泡を纏わせていった。

  そうして準備を済ませると、ケン坊の股座に腕を伸ばして、ピンピンに勃ったまんまの元気なちんぽを、そっと摘んだ。

  「これから皮を伸ばしていくさかい、もし痛かったらすぐ言うんやで!」

  「う、うん」

  まずは掌で、ちんぽを包み込むように握る。それから、全体にしっかりとお湯と泡を馴染ませて、按摩をするように撫で摩りながら優しく揉んでやる。

  こうする事で、皮が柔らかくなって、伸びやすくなるらしい。

  それから、赤ん坊にするように、優しくゆっくりと掌を上下させていく。

  無理に引き下ろすと痛いさかい、ほんまに優しくや。

  「んぅっ……あっ……あぁっ……んっ……」

  掌を動かす度に、ケン坊の体が、まな板の上の鯉みたいにビクンビクンと跳ね上がる。

  切ない声を上げながら、薄べったい胸や腹をふいごのように膨らませて、息を荒げとる。

  ほんまに気持ちよさそうで、そないなケン坊の姿に、嬉しい気持ちで一杯になる。

  「気持ちええか……ケン坊」

  「あっ……ご、ごめんなさい。僕……僕……」

  「なんも謝る事なんかあらへん。男なら、ちんぽこを触られたら、誰でも気持ちようなってしまうもんやさかい。なんも悪い事やないで……我慢せんで、出しとうなったら出しぃ」

  「う、うん……」

  ケン坊が安心できるように、体を抱いてやっとる方の掌で、腹をポンポンとあやすように叩いてやる。

  そうしながらも、もう一方の掌で、ちんぽの皮を伸ばすように、休む事なくゆっくりと上下させていく。

  「お、おっちゃん……僕、もう出ちゃうっ……!!」

  「そかそか。よしよし……ぎょうさん出しぃ」

  切羽詰まった声を上げて、限界を知らせてきたケン坊の言葉を聞いて、ワシはケン坊が気持ちよう出せるように、掌の動きを早めていった。

  「おっちゃん……おっちゃんっ………んうっ!!」

  一際大きな声が上がると同時に、ケン坊の小さな体が痙攣するように跳ねると、まるで打ち上げられた魚のように、掌の中でちんぽが、ビクンビクンと暴れるようにしゃくり上がった。

  最後まで気持ち良う出せるように、そのまま緩やかに手を動かし続けていくと、皮の中の溜まりかねた子種が、窄まった包皮口からドロっと溢れ出して、熱くて粘っこい感触が掌に広がっていく。

  二、三度しゃくり上げると、子種を出し尽くしてしまったのか、ちんぽはすぐに大人しくなって、段々と柔らかさを取り戻していった。

  「ぎょうさん出したなぁ……偉いで、ケン坊!」

  「う、うんっ……」

  ケン坊は、ゼェゼェと肩で息をして、疲れ切ったようにしとったけど、その声はどことなく晴れやかで、嬉しそうやった。

  そっと指先で、ケン坊のちんぽの先っぽの皮を広げると、風呂桶から少しずつお湯を注ぎ込んで、汚れが残らんように丹念に流してやった。

  「あんましやりすぎても良くないさかい、今日はこんぐらいにしとこか!」

  「えっ?も、もしかして……明日もしてくれるの?」

  「もちろんや!剥けるようになるまで、毎日したるさかい。安心しぃ」

  「良かった……おっちゃん、ありがとう!」

  「うんうん……なんも焦らんでええ。ワシが力になるさかい、一緒に頑張ろうな!」

  「うんっ!」

  その後、ワシとケン坊は、しっかりと体の泡を流すと、一緒に風呂に入った。

  近衛家の風呂と違うて、ここの風呂はえらい狭いさかい、ギュウギュウ詰めで足を広げる事も出来へんかった。

  せやけど、こうして二人で肩を並べて湯船に浸かっとると、まるでほんまもんの親子みたいで……ほんまに嬉しかった。

  ***

  「ふぅ〜、ええ湯やったわぁ」

  ケン坊は、のぼせそうやって言うて、早々と風呂から上がったんやけど、風呂好きのワシは、そのまんま悠々と長湯を楽しんでから、上機嫌で居間に戻ってきた。

  すると、ちゃぶ台の前で、半纏をニ枚も羽織って縮こまっとるケン坊の姿が、目に入ってきた。

  「ケン坊、そないに着込んで……だんないか?」

  「あっ、おっちゃん。大丈夫、ちょっと寒いだけだから」

  「そうか……ごめんな。まだ10月やさかい、暖房要らんと思うて……」

  「う、ううん。半纏着てれば暖かいから、全然平気だよ!」

  「それやったらええけど……ほんまに寒い時は言うてな!すぐに灯油買ってくるさかい」

  「うん。ありがとう!」

  「そうや。今日は一緒の布団で寝よか?くっついて寝ればあったかいで!」

  「ええっ!?で、でも……」

  「でももヘチマもないで!すぐに布団敷いてくるさかい、待っとってな!」

  「わ、わかった」

  居間の奥の襖を開けると、薄暗い部屋からヒヤリと冷たい空気が流れてきた。

  手探りで壁際の電気のスイッチを探し当てて、パチンと灯りをつけると、早速押し入れから布団を取り出した。

  この布団は、奉公人の中でも、とりわけ体がデカかったワシのために、大旦那さまがわざわざ仕立てて下さった大切な布団や。

  ワシが寝ても手足がはみ出さんくらい広いし、何より品がええさかい、何年も使うてるけど、全然へたっとらん。

  布団を丁寧に敷いた後、すぐにケン坊に声を掛けた。

  「ケン坊、布団敷けたで!」

  「う、うん」

  ケン坊は立ち上がると、おずおずと歩いてきて、布団の傍にちょこんと正座した。

  ワシが電気のスイッチを押して、こだまにして戻ってきても、まだ座ったままでおって、なにやらモジモジしながら、チラチラとワシの事を見とる。

  ふふっ……照れくさいんやなぁ。

  そないなおぼこい姿が可愛らしくて、つい頬が緩んでニヤついてしまう。

  ここはワシが助け舟を出したろうと思うて、先に布団に横になると、掛け布団の端を持ち上げた。

  「ほら、ケン坊おいで!」

  「う、うん」

  ケン坊は躊躇いがちにやけど、おずおずと布団の中に入ってきた。

  やけど、やっぱし照れくさいんか、ワシから離れるように、布団の端っこのトコに横になっとる。

  しゃあないなぁ……

  そないな様子を見かねて、ワシは腕を伸ばして、照れ屋の小僧の体にまわすと、グイッと懐に抱き寄せてやった。

  「お、おっちゃん……」

  「そないなトコにおったら、寒くて風邪をひいてまうで。大人しく抱かれときぃ」

  「う、うん……」

  「ふふっ……昔はよくこうやって、一緒に寝とったなぁ」

  「うん……ちっちゃい頃、悪戯して叱られちゃったりすると、すぐにおっちゃんの部屋に逃げ込んで……そのまま泣き疲れて、眠っちゃってたね」

  「そうやったなぁ……それでワシも、旦那さまと奥さまから『熊蔵はケン坊に甘すぎる』って、ようお叱りを受けとったわ」

  「うん……懐かしいね」

  「そうやなぁ……今日は、引越しやら色々あったさかい。ケン坊、えらい疲れたやろ……そろそろ寝よか」

  「うん……おっちゃん、おやすみなさい」

  「おやすみ……ケン坊」

  昔のように、ケン坊の背中をポンポンと叩いて、幼子のようにあやしてやる。

  すると、ケン坊も、自分から甘えるように体を預けてきた。

  そうやって抱きながら、あやしてやっとると、じきにスゥスゥと穏やかな寝息を立て始めた。

  それを聞いてホッとした途端、えらい眠気が込み上げてきよって、そのまま寝息に誘われるように、ワシも眠りについていった。

  ………

  ………………

  …………………………

  『こうやって温めながら、皮を伸ばして広げていくんだ……熊蔵、痛くねぇか?』

  『は、はい。痛くありまへん……んぅっ!!』

  『わはは!筆下ろしも済ませてねぇ小僧が、一丁前に色っぽい声だしやがって』

  『す、すんまへん!旦那さまの前で、こないな聞き苦しい声を聞かせてしもうて……』

  『なんも謝る事なんかねぇよ……お前は、俺の息子みてぇなもんだ。聞き苦しい訳なんかあるか!』

  『……旦那さまっ………グスッ………』

  『こらっ、男が簡単に泣くんじゃない!仕方ねぇなぁ……そらっ』

  『んぁっ………だ、旦那さまぁ……そないにされてしもうたら……ひぅっ……で、出てしまいますっ……』

  『いいぞ!我慢しねぇで、このまま出しちまえ!』

  『あ、あきまへん……このまんまやと、旦那さまの手を汚してしまいます!』

  『息子の子種が汚ねぇ訳あるか!大丈夫だから、安心して出せ』

  『あっ……んっ……旦那さま……旦那さまぁっ………んぅっ!!』

  『……よしよし、いっぱい出したな。偉いぞ……熊蔵』

  ………

  ………………

  ………………………

  「んっ……だんな……さま……」

  目を覚ますと、見慣れない天井が目に入ってきた。

  随分早く目が覚めてしもうたみたいで、部屋の中が薄暗い。

  なんやか……えらい懐かしい夢を見とった気がする。

  「スゥ……スゥ……」

  胸元から穏やかな寝息が聞こえてきて、視線を下ろすと、ケン坊の穏やかな寝顔が見えた。

  ワシにベッタリと体を寄せて、安心し切った顔で眠っとる。

  そないなケン坊の姿に、頬を緩ませながら、頭を撫でようとした時、体に妙な違和感を感じた。

  なんやか、股座が濡れとるような……

  まさか……寝小便でもしてしもうたんやろうか。

  そこに考えが行き着くと、頭の血の気が一気に引いていった。

  ケン坊の前で寝小便なんてしてしもうたら、面目丸潰れどころの話やない。

  恐る恐る、褌の中に掌を差し込んでみると……なんと、ほんまに濡れておった。

  やってもうた……!!

  ワシも、もうええ歳やから、あり得ん事ではないけど……まさか今日に限ってやってまうやなんて……

  青ざめながらも、モゾモゾと掌を動かしてみると、濡れてはおるんやけど、なんやか妙にヌメヌメしとる。

  寝小便をしたにしては、尻も布団も濡れとらんし、それに……この嗅ぎなれた匂い。

  なんにしても……ケン坊が起きる前に、後始末せなあかん。

  ケン坊を起こさん様に気を付けながら、そっと布団を抜け出すと、替えの褌を手に、急いで風呂場に向かった。

  脱衣所で、大急ぎで寝巻きを脱ぎ捨てると、ガラス戸を引いて、風呂場に入っていった。

  朝の風呂場はえらい冷えとって、思わずブルッと身震いしてしもうたけど、今はそれどころやない。

  戸がしっかりと閉まっとるのを確認すると、焦る気持ちを抑えながら、スルスルと褌を外した。

  すると……やっぱし褌には、子種がベッタリとついておった。

  まさか、こないな歳になって、夢精してまうやなんて……

  寝小便よりは、ずっとマシやったけど、それでも恥ずかしくて堪らんかった。

  夢精なんて、あの時以来や……

  ………

  …………………

  ……………………………

  『グスッ……ヒック……』

  『そこにいるのは誰だ?……なんだ、熊蔵か』

  『だ、旦那さまっ!?お願いです……来んでくだはい』

  『どうしたんだ、そんなに慌てて……んっ?この匂いは……』

  『すんまへん……旦那さまに買うてもろうた褌やのに、ボク……ボク……』

  『……そんな事は、気にしなくていい。どれ、みんなが起きちまう前に、お前の褌を洗ってやるから、一緒に風呂場に行くぞ!』

  『そっ、そないな事、旦那さまにさせられまへん!』

  『なぁに、褌一枚洗う事ぐらいどうって事ないんだから、気にすんな!その間に、お前は体をしっかり洗うんだぞ。今のまんまじゃあ、また他の奉公人たちに、からかわれちまうからな』

  『は、はい……旦那さま、ありがとうございます」

  ………

  ……………………

  ………………………………

  「おっちゃん?」

  「へっ!?」

  物思いに耽っとると、突然、ガラス戸越しにケン坊から声を掛けられて、心臓が飛び上がりそうになった。

  「こんな朝早くにどうしたの?……大丈夫?」

  「な、なんでもあらへん!えっと……ちょ、ちょっと洗い物をしとっただけや」

  「そうなんだ。僕も手伝うよ!」

  そのままケン坊が、ガラス戸に手を掛けようとしてきたんで、大慌てで止めた。

  「だ、だんない!もう終わる所や。この後、すぐに朝飯を作るさかい、ちょっと待っとってな!」

  「う、うん」

  合点のいかへん声をしとったものの、ケン坊はそのまま脱衣所を出ていってくれた。

  なんとか誤魔化せた事に、心の底からホッとして、胸を撫で下したのも束の間、ワシは大急ぎで褌を洗うと、そっと洗濯物の中に紛れ込まして、なんとか事なきを得る事が出来た。

  ***

  それから、ワシらの新しい生活が始まった。

  朝起きて、一緒に朝飯を食うと、ケン坊と家を出て、それぞれ学校と仕事に向かう。

  幸いな事に、ワシはこっちで、すぐに土方の仕事を見つける事が出来た。

  給金は安いし、きつい肉体労働で大変やけど、おかげで食いっぱぐれる心配がなくなったさかい、ほんまに良かった。

  仕事を終わらして、家に帰ってきたら、ケン坊と風呂に入って、皮を伸ばすための按摩をしてやる。

  ワシが按摩をしてやると、ケン坊はすぐにちんぽこをカチカチに勃たして、いつも堪えられんで、ぎょうさん子種を出しよる。

  毎日出しとるっちゅうのに、全然枯れへんさかい……やっぱし若いなぁ。

  寝る時は、布団を二つ並べて敷いて寝とるんやけど、毎日のように隣の布団から、ケン坊がモゾモゾと、ワシの布団に入ってきて、幼子のように甘えてくる。

  そないなケン坊をギュッと抱き締めてやると、体の内側から、まるでお日様に当たっとるみたいに、ポカポカと温かくなって、心が嬉しい気持ちでいっぱいになる。

  仕事がしんどかったり、家計のやり繰りが上手く出来へんで、俯いてしまいそうになる時もあるけど……ケン坊の事を考えると、挫けたらあかんって勇気が湧いてくる。

  いつまでこうして一緒に居れるかは分からんけど……ケン坊が一人前になって、幸せになれるように、ワシは頑張るで!

  ***

  ワシらのウチに住むようになってから、一ヶ月くらいが経ったやろうか。

  暦も11月へと変わって、前にも増して風呂場が冷えるようになってきてしもうた。

  いつものようにワシが風呂場の床に胡座をかいて座ると、すぐにケン坊が、ちょこんと膝の上に座った。

  ワシと違うて、毛が全然生えとらん頼りない背中は、心なしか震えとるように見える。

  寒そうな様子に、急いでケン坊の腹に腕をまわすと、覆い包むように後ろから抱きしめた。

  「ケン坊……寒そうやけど、だんないか?」

  「大丈夫だよ!……おっちゃんのおかげで、すごくあったかい」

  「そうか……あんまし体が冷えるようやったら、すぐに言うんやで!」

  「わかった!」

  「よしっ。それじゃあ、今日も始めよか!」

  「うん!」

  風呂桶に溜めた湯で、しっかりと毛にお湯を含ませると、石鹸を擦って、しっかりと馴染ませていく。

  そうして準備を整えると、ケン坊の股座に腕を伸ばして、もうピンピンに勃ち上がっとるちんぽを、包み込むように握った。

  掌全体で撫で摩りながら、やわやわと揉んで、温めながら皮を伸ばしていく。

  ケン坊のちんぽは、この一ヶ月で見違える様に皮が伸びていった。

  最初は先っぽまでしか剥けんかったのが、今では雁の寸前まで剥けるようになって、亀頭がほとんど顔を出せるようになった。

  もしかしたら、今日にも最後まで剥けるようになるかもしれん。

  いくらワシが抱いてやっとるというても、この寒い季節に風呂場で裸でおるのは、人間のケン坊には堪えるさかい……なんとか今日で、剥けるようになって欲しい。

  掌での按摩を一旦止めて、指先でちんぽの先っぽをそっと摘むと、祈るような気持ちで、ゆっくりと皮を下ろしてみた。

  すると……

  ツルンッ……

  「あっ!!」

  「おおっ!!剥けた剥けた!!」

  その瞬間、なんとケン坊の皮を、ついに最後まで剥く事が出来た。

  ようやく顔を出した雁の部分は、少し汚れが溜まってしもうとったけど、綺麗で健康な薄桃色をしとった。

  「おっちゃん!!僕、剥ける様になったよっ!!」

  ケン坊は、慌ただしく振り返ると、誇らしそうに、剥けたちんぽを見せてくれた。

  「うんうん……ケン坊、ほんまによう頑張ったなぁ。えらいで……!!」

  ほんまに嬉しそうなケン坊の姿を見とったら、年甲斐もなく感極まってしもうて……思わず目頭が熱くなってしもうた。

  「お、おっちゃん……どうして泣いてるの?」

  「な、なんでもあらへんっ!……ちょっと目に、ゴミが入ってしもうただけやさかい」

  「……おっちゃん」

  「そうや!ケン坊が一丁前になったんやさかい、ちゃんとお祝いをせなあかんな!」

  「えっ!?い、いいよ……お祝いなんてしなくても」

  「そないな釣れん事言わんで!そうやなぁ。なんか欲しいもんとか、食いたいもんはあらへんか?ワシがケン坊のお願いを、なんでも聞いたるで!」

  「えっ?……ほ、本当に……なんでも聞いてくれるの?」

  「おう!男に二言はあらへんで」

  「そ、それじゃあ……その……えっと……」

  願い事を聞かれたケン坊は、モジモジしながら、目をあちこちに泳がせ始めた、

  えらい言い出しにくそうにしとってて、なんやか恥ずかしそうに顔を赤らめておる。

  ははぁ……こりゃあ、助平な本が欲しい……とかやな?

  ふふっ、大人しい子やけど、やっぱし男の子やなぁ。

  そないな事を考えとると、ケン坊が意を決したように顔を上げて、口を開いた。

  「お、おっちゃん……ぼ、僕……その……」

  「ふふっ……なんや?恥ずかしがらんで、言うてみぃ」

  「僕、おっちゃんと………キ、キスがしたいっ……!!」

  「そかそか!それやったらワシが………って、へっ!?」

  てっきり助平な本を買うて来て欲しいって、言われると思い込んどったワシは、ケン坊の言葉に、これ以上ないぐらい面食らわされてしもうた。

  「い、いきなり何を言い出すんやっ!?……ワシとキスしたいやなんて、そないな事……」

  「……ごめんなさい………気持ち悪い……よね……」

  「そ、そないな事は……あらへんけど……」

  「僕、おっちゃんの事が……子供の頃から大好きだった。だけど……中学生になった頃ぐらいから、おっちゃんの事を……いやらしい気持ちで見るようになっちゃって……だけど、そんなの良くないから……この気持ちをどうにかして、無くさなくちゃって……」

  「ケン坊……」

  「だけど……僕、やっぱりおっちゃんの事が、そういう気持ちで好き。大きくて強くて……あったかくて優しいおっちゃんが……大好き。だから……もう絶対にこんな事を言って、おっちゃんを困らせたりしないから……一度だけ、僕と……キスを、して下さい……」

  ケン坊は瞳を潤ませて、か細い声を掠れさせながらも、最後まで言葉を続けた。

  すぐにでもベソをかいてしまいそうな顔をしとるのに、それでも逃げへんで、顔を上げて、しっかりとワシの目を見据えておる。

  そないな風に見つめられておると……なんでか、どこか懐かしいような気持ちを感じた。

  なんやろう。ケン坊の目……誰かに似ておる気がする。

  あっ……そうか。この目、大旦那さまとそっくりなんや。

  そう思い至った途端、急に胸の鼓動が、動悸の様に激しくなっていった。

  心なしか、顔もほんのりと熱うなってきとるような気がする。

  なんや……ワシ、えらいドキドキしてしもうとる。

  相手はケン坊やというんに、どないしたんやろう。

  自分の心の移ろいに戸惑っておると、それまでワシの目を一心に見つめておったケン坊の瞳が大きく揺らいで、そのまま顔を俯かせてしもうた。

  恐くて堪らんって様子で、ちっこくて華奢な体を小刻みに震わせとる。

  そないな姿を見とると、すぐにでも力一杯抱きしめてやりたくなる。

  あのちっこい体を、思いっきりギュウッと抱いてやって……そんで……

  「えっ……お、おっちゃん……!!」

  「うん?」

  急に声を上げたケン坊は、えらい驚いた顔をしとった。

  ワシの股座をジッと見とってて……なんやろうと思うて、その視線の先を辿ってみた。

  すると……なんと股座の茂みの中から、ちんぽこが勃ち上がってしもうとった。

  しかも、半分ぐらい顔を出した亀頭の先っちょから、ぷくっと大粒の先走りまで出してしもうておる。

  「ぬわっ!?……す、すまんっ!!」

  自分のちんぽこの有様に、大慌てで股座を両手で覆い隠した。

  ケン坊の前やというのに、ちんぽこを大きくして……しかも、それを見られてしまうやなんて……

  不甲斐なさと情けない気持ちでいっぱいで、頭のてっぺんからつま先まで、茹で蛸みたいに真っ赤っかになってしもうた。

  「お、おっちゃん……!!」

  突然、ケン坊が立ち上がって、ワシの頬に両手を当ててきたと思うたら、ゆっくりと顔を寄せてきた。

  そうしたら、何かに口を塞がれてしもうて、息をする事が出来んくなってしもうた。

  何が起こったのか分からんくて、股座を両手で覆い隠したまま、固まってしもうとったんやけど……唇に柔らかくて温かい感触がじんわりと広がって……ケン坊にキスをされたんやと、ようやく気付いた。

  気持ちええ……蕩けてしまいそうや。

  ただ唇をくっつけ合っとるだけやというのに、キスがこないに気持ちがええもんやったなんて、知らんかった。

  堪らんくなって、それまで股座を覆い隠しとった両腕を動かして、ケン坊の背中にまわすと、ギュウッと抱きしめながら、自分からも唇を強く重ね合わせた。

  一瞬、ケン坊の体がビクンっと跳ねたけど、すぐに身を委ねる様に力を抜いて、ワシからの口づけを受け入れてくれた。

  そのまま長い事、キスをしとったワシらやったけど、段々と息が苦しくなってきて、どちらからともなく、ゆっくりと顔を離していった。

  ケン坊は恍惚とした表情を浮かべておって、ぼんやりして夢心地といった様子やった。

  せやけど、ワシと目が合うと、ほんまに嬉しそうな顔をして、ニッコリと笑ってくれた。

  「おっちゃん、ありがとう……僕、すごく嬉しい……!!」

  「そうか……!!」

  とびきりの笑顔を見してくれるケン坊が、ほんまに可愛らしいもんやさかい、堪らずに顔を寄せると、その柔こい唇にチュッとキスをした。

  さっきと違うて、ほんまに短いキスやったんやけど、みるみるうちに、ケン坊の顔が真っ赤になっていって、アワアワしだしたかと思うたら、逃げる様に、ワシの胸元に顔を埋めてきよった。

  「ふふっ……かわええなぁ、ケン坊」

  そないな照れ屋な坊の体を、ギュウッと抱きしめると、スリスリと頭に頬擦りをしてやった。

  そん時、なにやらヌメッとした固いもんが、ワシのちんぽこにぶつかった。

  どうやらケン坊のちんぽが、ワシのもんに当たったようや。

  ちっこいながらも、若いだけあって、岩みたいにカチカチに勃たしとる。

  すると、ワシに抱きついたまま、ケン坊がゆっくりと体を動かし始めた。

  体を揺すったり、腰を動かすたびに、お互いのちんぽがぶつかり合う。

  「んっ……ふぅっ……んんっ……」

  その動きは段々、激しくなっていって、ケン坊は悩ましげな声を上げながら、必死に腰を振って、ワシのもんに、自分のちんぽを擦り合わせようとしとった。

  せやけど……いかんせん、ケン坊のちんぽは短いさかい。

  どないに必死に腰を振っても、ツンツンと突っつく事しか出来んくて、上手く擦り合わせる事が出来へんようやった。

  「んぅっ……うぅっ……おっちゃん……おっちゃんっ……」

  思う様に出来へんもどかしさからか、ケン坊はいまにも泣き出してしまいそうやった。

  そないなケン坊の姿を見かねて、助け舟を出してやる事にした。

  「しゃあないなぁ……どらっ!」

  ケン坊の体を抱え直して、お互いの股座同士をくっつけ合わせると、腰を突き入れて、ワシのもんを、ケン坊のちんぽに擦り付けてやった。

  「んぅっ!!」

  汗と先走りで濡れたちんぽ同士が、ズリュッと擦れ合わさると、途端にケン坊の体がビクンッと跳ね上がって、一際大きな善がり声が上がった。

  「ケン坊、気持ちええか?」

  「う、うんっ……凄く気持ちいい」

  「そかそか!よしっ、もっと気持ち良うしたるさかいな!」

  しっかりとケン坊の体を抱きかかえると、勢いよく腰を突き入れて、休む事なく、お互いのちんぽを何度も擦り合わせた。

  「あっ……んぅっ、あっ……んぁっ……あぁっ……」

  ちんぽをズリュズリュと擦り上げてやる度に、ケン坊はガクガクと体を震わせながら、甲高い善がり声を上げた。

  その声が、あんまりにも艶っぽいもんやさかい、もっともっとええ声で泣かしてやりたくて、全身を使って体を揺すりながら、激しくちんぽを突き合わせた。

  んっ……こりゃあ……えらい気持ちええわぁ。

  ケン坊のちんぽが、ワシのもんの裏筋に擦れる度に、痺れる様な甘い疼きが湧き上がってくる。

  それは普段やっとるせんずりとは、比べもんにならんほど気持ちが良くて、癖になってしまいそうなほどやった。

  いつしかワシは、ケン坊の事そっちのけで、ただひたすらに快感を貪るように、夢中になって腰を振ってしもうておった。

  「おっちゃんっ……僕、もうっ……出ちゃう!!」

  「そ、そかっ……ワシも、出すさかいっ……一緒に出すでっ……!!」

  「うんっ……あっ……あぁっ……んぅっ!!!!」

  「ぐぅっ……んんっ……んぐぅっ!!!!」

  ケン坊が熱いもんをピュッピュッと出すのと、ほぼ同時に、ワシも子種を思いっきり噴き上げた。

  もうとっくに枯れてしもうたもんやと思うとったのに、ワシのちんぽは、激しくしゃくり上げながら、ビュウビュウとぎょうさんの子種を出し続けた。

  そうやって出し終わる頃には、腹も股座も、まるで餅でも浴びたかの様に、粘っこい子種まみれになってしもうた。

  「お、おっちゃん?」

  全身からぎょうさんと汗をかきながら、ゼェゼェと荒い息を整えとると、ケン坊の声が聞こえてきた。

  「へっ!?……ど、どないした?」

  恥ずかしい姿を、ぎょうさん見られてしもうた後なせいか、えらい動揺して、ついドギマギした返事をしてしもうた。

  「えっと……その……」

  「うん?」

  「だっ、大好きっ……!!」

  「ふふっ……ワシも大好きやで、ケン坊!」

  ***

  2年後……

  「ケン坊、ちゃんとハンカチ持ったか?」

  「うん。何も忘れ物はないよ!」

  「そうか……ほんまにごめんな。ケン坊の晴れの日やっちゅうんに、卒業式を見に行ってやれんで……」

  「そんな……謝らないで。仕事なんだから、仕方ないよ!……あっ、そろそろ行かなくちゃ」

  「おっ、もうそないな時間か……ケン坊、気を付けて行ってくるんやで!」

  「うん。行ってくるね……お父ちゃん!」

广告广告