ポケモンと人間が共生する世界のとある森。
その森では夜な夜な野生のポケモン達が集まってはその力と技を競い合っている。
人間達には知られる事のないはずのこの戦いをごくまれに目の当たりにする者がいる。
それはある意味「選ばれた」訳でもあるが、そこから「さらに選ばれた」者がいる事はなおさらまれである事さえ知られてはいない……。
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彼女がこの森を訪れたのもまた奇妙な偶然であった。
真っ暗な森の中を恐る恐る進んでいく中、不意に月明かりが森を照らす。
「ん……」
その光に軽いまぶしさを感じながらも彼女は導かれるように歩いてゆく。
その月明かりに導かれながら彼女はさらに進んでいった。
しばらく歩いていると、にぎやかな声が響いてくる。
その声に導かれる様に歩いて行った先、そこには何かが集まっている様な光景があった。
こんな所に人だかりが……そんな疑問を抱きつつも彼女は歩いていく。
歩いていくうちに聞こえてくるのが人の声と言うよりポケモンの声……しかもたくさんの野生ポケモン達の声だと言う事がわかってきた。
うかつに近づくのは危険―そう言う理屈が無いわけではなかったが、一体どうして集まっているのか。
そんな疑問と好奇心にかられ、彼女は少しづつ近づいていく。
そのうちに集まっている野生ポケモン達はただ集まっているだけではなく何か賑わいの中にいると言う事がわかってきた。
何かがあって野生ポケモン達は熱狂している。
それが何なのか……それを確かめたいと思うあまり彼女は進んでいく。
ようやくその賑わいにたどり着いた彼女は賑わいの隙間を縫うように入り込む。
野生ポケモン達は彼女—人間であり文字通りの乱入者である―に気付く事なくその視線の先に熱狂していた。
そして、彼女もまた賑わいの向こうに目を向ける。
そこで行われていたのはポケモン達がぶつかり合っている光景だった。
野生ポケモン達、そして彼女の目の前でポケモン達が力の限り、技の限りを尽くしてぶつかりあう光景。
物理技や特殊技を駆使しての激しい戦いの中にいるポケモンが雄たけびを上げる。
その戦いを見守る野生のポケモン達も高らかに歓声を上げる。
幾度とないぶつかり合いの中でポケモン達の肉体にはいくつもの擦り傷がついているが、これもまた全力を出してぶつかり合った証であり言うならば「勲章」であった。
互いに技を、傷を、そしてその魂をも刻み合うかの様にその肉体と技を熱い攻防を繰り返した戦いのはてに果てにひとまずの決着がつき、そして勝者が選ばれる。
勝者となったポケモンは万雷の歓声と自身の内側から来る興奮に全身を震わせ、勝利の雄たけびを上げる。
そして、ようやく起き上がろうとしていた対戦相手のポケモンに手をかけ、そっと起き上がる手伝いをする。
そして二体のポケモンは健闘をたたえ合うように並び立ち、さらなる歓声が二体を包む。
トレーナーの指示を受けてのポケモンバトルとも、いわゆる生存戦争的な争いとも違うポケモン達がその持てる力を使いぶつかりあう戦い。
それはポケモン達がそれぞれの力と技、そして生命と誇りをぶつけ合い、高め合い、認め合う為の儀式の様でもあった。
「―っ!」
その光景に彼女は思わず息をのんだ。
こんな森の中で、こんな時間に、こんな形でポケモン達の「戦い」、いや「通じ合い」が見られると言う事に。
不思議な感動に浸っていた彼女の前でまた別のポケモン達が舞台に集う。
また新たな戦いが始まるのだ。
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先ほどの戦いに負けず劣らずの勝負を繰り広げるポケモン達。
真正面からのぶつかり合いを見せるかと思えば様々な特殊技を使っての駆け引きを繰り広げる戦いは全てにおいて観客である野生ポケモン達、そして彼女の目を引き付けずにはいられない。
そんな戦いを見ているうちに彼女の中に熱くたぎるものが満ちていく。
そうこうしているうちについに決着がつき、勝者となったポケモンが雄たけびを上げる。
周りの野生ポケモン達も歓声でそれをたたえる中、
「おーっ!おーっ!」
彼女もまた声の限り歓声、いや雄たけびに近い声を上げていた。
激しい戦い、そして「通じ合い」がもたらす熱狂と興奮が彼女を少しづつ昂らせていく。
そしてまた次の戦い。
それを見ているうちに彼女は思わず着ていた服越しに胸をギュッと鷲掴みにする。
「はぁ、はぁ、はあ、はぁっ」
心臓の鼓動は激しく、呼吸も荒くなっている。
ただ戦いを見ているだけなのにこんなにも気持ちが高まっていると言う事実が彼女をとまどわせ、そしてさらに昂らせていく。
「はぁ……はぁ……はあ……はぁっ……」
彼女はいつしかポケモン達が舞台で動き回り、ぶつかり合うのに合わせる様に胸をつかみ、そしてもみ回す。
その度にますます身体が震え、呼吸が高まっていくのを感じる。
観客であるポケモン達の波にも合わせる様に彼女は両胸をたくみに操っていく。
「おぉぉぉぉぉーっ!」
勝負がついた時、彼女は両胸をさらに強く鷲掴みにしながら全身を震わせて雄たけびを上げた。
身体が熱い。燃えるように熱い。
身体の底が、体の芯が燃えるように熱く感じる。
その事実に彼女はほんのりと笑みを浮かべていた。
そしてさらに次の戦い。
「はぁ……はぁ……んっ……あっ……んんっ……」
彼女の手は胸だけでなくその深奥―その秘めたる領域にも伸びていた。
最初は下着越しに、まもなく直接その領域に触れ、激しく昂らせていく。
その行為の中でますます高まっていく心と身体に感じながらも彼女の目は戦っているポケモン達から離れない、いや放すまいとする。
ポケモン達が激しくぶつかり合うたびに胸をつかみ、秘所をまさぐる。
そうする事で彼女もまたポケモン達と戦い、ぶつかり合おうとするかの様に。
「あぁっ!」
勝者が決まった瞬間、彼女もまた達した。
「ああっ、はぁっ、はぁっ……」
軽く膝をかがめながら乱れ気味の息を吐く。
いつの間にか日常でもめったにしない行為をこんな場所でしてしまった自分に対する後悔や羞恥の念。
そしてそれ以上に日常では絶対できないような行為の果てに絶対達せないような境地に達した事への充実感が彼女を満たし、さらに熱くさせていく。
戦いはさらに続く。
「あぁっ……あぁっ……ああぁっ……あぁんっ……あぁぁっ……」
彼女はいつの間にか全てを脱ぎ捨てていた。
もはや服を着ていてはこれ以上の熱さと昂りに耐える事は出来なかったのだ。
戦いを見守るポケモン達と同様生まれたままの姿で、生まれたままの感情で戦いを見守る。
ぶつかり合うポケモン達と同様生まれたままの姿で、生まれたままの感情をぶつける。
「あっ、あっあっ、あああっ」
ポケモン達がぶつかり合う度に鷲掴みにした胸をかき回す。
「あんっ、んんっ、はぁんっ、はぁっ」
ポケモン達が技を放つ度に熱量に満ちた秘所をいじり回す。
「あぁぁっ!―はぁ……はぁ……あっ……あんっ……あぁん……」
決着がつき、雄叫びや歓声が上がる中で熱い声と共に達し、その余韻の中で火照った素肌を撫で回す。
そして、再び勝負が始まればまた自らを熱く昂らせていく。
それを蹴り返すうちに彼女はいつの間にかそう言う行為さえ忘れ声援を送っていた。
「おおぉぉぉっ!おおぉぉぉぉっ!おおぉぉぉおっ!」
もはや自らを昂らせる儀式は必要ない。
舞台でぶつかり合い、観客席で歓声を上げるポケモン達と同じ様に昂りながら吠える。叫ぶ。
恥も理性もない。ただ周囲の熱気にその裸身を委ね、自分の中に満ちた荒ぶる衝動のままに叫ぶ。
「はぁぁぁ!あぁぁぁ!おぉぉぉ!おぉぉぉぉ!」
素足を踏みしめ、裸の腕を空に掲げ、その裸身を思い切り震わせて叫ぶ。
彼女は今、身も心もこの場にいる全てのポケモン達と一つになっていた。
そして、また勝負が決する。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉーっ!」
全身の熱量がはじける様な快感と共に彼女は吠えた。
獣となって吠えた。
喜びの声を、誇りに満ちた声をあげて吠えた。
「……」
そして、そんな彼女の目からなぜか涙がこぼれる。
それは喜びの涙なのか。
「……はぁぁぁぁ……」
彼女は全身で大きく息をつく。
戦いを見始めてようやく訪れた安定と冷却の時間の中で彼女は自分がとんでもない事をしていた事に気付いた。
興奮のあまり火照った自身を愛撫し、さらには生まれたままの姿となって野生の本能のまま吠えていた自分。
ここに来るまでの自分なら恥ずかしくて、恐ろしくてできなかったであろう行為と衝動。
でも―悪くない。
こんなに気持ちよく高まる事、歓ぶ事ができたのは生まれて初めてなのだ。
熱くなった全身が歓んでいる。震えている。
ただちょっと今は落ち着きを取り戻しただけ。
ほんのりと火照った顔で笑みを浮かべながら彼女は脱ぎ捨ててあった服をまとめると、いったん野生ポケモン達の賑わいから離れる。
野生ポケモン達はそれに―きっと終始彼女の存在にさえ―全く気づく事なくまた新たな戦いに歓声を上げていた。
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「あぁ、あぁぁっ、あぁぁっ、あぁぁぁっ……」
戦いの場から離れた木陰に身を預け、彼女は自らを鎮めていた。
先ほどまで目と耳、素肌で感じていた野生ポケモン達のぶつかり合い。
その熱量と興奮が今もなお彼女の身体から抜け切れていないのだ。
軽いクールダウンのつもりで始めた行為だったが胸を揉む度、秘所をまさぐる度により強くそれらが蘇る。
そしてそれは一回達したくらいでは抜け切る事はなかった。
「はぁ……あぁ……」
軽く達した余韻に浸りながらも自分がさらに「求めている」事を痛感する。
夜はまだ長い。まだまだたくさんの戦い、ぶつかり合い、そして「通じ合い」が行われるだろう。
でも、その全てを見届けてもなお足りない気がする。
もっと、もっと感じたい。
もっと、もっとぶつかり合いたい。
もっと、もっと、もっと「通じ合いたい」……。
そんな思いを胸に抱きつつ彼女は衣服をそこに置いたままで再び熱狂の渦に戻っていく。
高鳴る胸を、熱く満ちる秘所を確かめる事もなく。
そして再びその裸身を熱狂の渦に投じた時、ふと自分の横にいる気配を感じた。
「―誰?」
それはつまらない質問だった事に彼女は苦笑した。
ここには自分を除けばポケモンしかいないのだから。
全ての野生ポケモン達が戦いを見守る中、そのポケモンだけは彼女をじっと見つめるとそっと腕を伸ばした。
「えっ?これって……?」
それは装飾品の様なものだった。
それはよく見るとポケモンの身体の一部のようにも見える。
正確に言えばポケモンの体の一部を模した装飾品と言う所だろうか。
「これを……わたしに?」
そう尋ねる彼女に対しポケモンはうなずいた。
奇妙な話である。
ポケモン達が激しくぶつかり合っている場所にまぎれこんだ人間である自分にあるポケモンが気付き、さらには妙な装飾品を渡そうとしている。
冷静に考えればうさんくささ、そして危うさを感じずにはいられない装飾品。
しかし、今の彼女はそう感じる事はできなかった。
身も心も裸になり、ポケモン達に混じってぶつかり合いの中にいる自分。
その装飾品があればさらに「通じ合う」事ができる。
そう、わたしはもう「観客」じゃなくなるのだ―!
「ありがとう」
彼女はそう答えるとその装飾品を受け取るや迷う事なくその裸身に身に着けた。
生まれたままの人間の姿に唯一身につけられたポケモンの身体の一部を模した装飾品。
それはどこか違和感を感じるものであったが―。
―その姿で彼女は笑みを浮かべていた―
「ーッ!」
突然観客であった野生ポケモン達の間から昂る咆哮が上がった。
新たな挑戦者の登場を告げる声に観客の野生ポケモン達、そして舞台に立つポケモンが吠える。
それは彼女の「日常」に新たに加わる一時の始まりを告げる合図でもあった―。
了