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[chapter:サンプル]
「今年こそ、渡したいなあ……」
普通の女子中学生、奥川雅(おくがわ みやび)は恋をしていた。
それは、思春期の少年少女によくあるほのかな恋心。相手は、同じクラスの古町雄仁(ふるまち たけひと)だ。少し気の弱いところはあるがそれ以外は特に目立った印象もない普通の男子生徒である。
最初は些細な感情だったのだろう。しかし、年月を重ねるにつれ、雅の恋心は少しずつ膨れ上がっていった。
今この教室で本を読みながら休み時間を過ごしている彼とは、小学三年の時に知り合い、なんとなくたまに話をする程度の仲で、彼にとってもおそらくは気の知れたクラスメイト程度の関係なのだろう。と、雅は幼いながらに感じていて、なおさらその感情を恋だとは確信できずにいた。
だからこそ、明日、二月十四日、バレンタインデーのこの日に自分の想いを伝えたいと雅は思っていた。しかしそれは三年前の同じ日からずっと想いのまま心にしまっており、このまま今年も同じように二月十四日がただの平凡な一日のまま終わってしまうのではないかと不安な気持ちにかられる。
でも、いつまでもこの気持ちを自分の中でなかったことにするのは嫌だ! と雅は自分の心を奮い立たせる。たとえこの想いが片思いで終わってもいい。きっと、踏み出さずにまごまごとしているままのほうが、きっともっと後悔すると思うから。そう思いながら、まずは雄仁に渡すためのチョコレートを買いに行くことにした。
◆
「うーん……どれにしたらいいかわかんないよ……」
雅は、様々なコンビニやスーパー、そしてチョコの専門店なども寄ってみたのだが、なかなか良いものが見つからずにいた。中には、値段が二千円を超える高級チョコレートなどもあったが、当然ながら中学生の雅の小遣いでは到底手が出ない代物であった。
今は地方の巨大ショッピングモールのバレンタインフェアコーナーに彼女はいた。しかしそこに置いてあるチョコレート群は雅がいつも家で食べているチョコとはまるで違うオシャレで高そうなものばかりだ。それはまさに雲泥の差、月とスッポン。友達に渡すチョコとしては重過ぎる、と本能的に悟った雅は、すごすごとその場を去るのだった。
「はぁ……どれにすればいいんだろ……」
そんなことを呟きながら、とぼとぼと歩く雅。そんな彼女の瞳にはあるものが映った。
「あっ、チョコレートだ」
それは一見何の変哲もないチョコレート。ハートの形をした甘くて茶色い塊。おそらくバレンタイン用に作られたのだと思われるそれに、雅はなぜか興味を覚えた。そのチョコレートを売っていたのは、華やかな商店街の雰囲気とはかけ離れたみすぼらしい露店。店主は露店の雰囲気には合っているものの、明らかに胡散臭く場違いな壮年の男。普段ならば間違いなく近づかないであろうその怪しげな露店に、雅は興味を持っていた。理由は分からないが、とにかく一度見てみようと、雅は店主に話しかける。
「あの、これってチョコレートですよね? バレンタイン用のですか?」
雅はチョコレートに視線をやりながら店主に尋ねる。店主は静かに「ええ、これは確かにチョコレートですよ。ばれんたいん用……かどうかは、あなた次第だと思いますがね」と、見た目通りの低い声で言った。その奇妙な言い回しに引っかかるところはあったものの、特に目ぼしいチョコレートがなかったことと、このチョコレートが何故かやけに気になったこともあってか、雅は雄仁に渡すためのチョコレートをこれにすることに決めたのだった。
「これ、買います。いくらですか?」
「1020円になりますが……」
この値段を聞いて雅は一瞬このチョコレートを購入することを躊躇う。明らかに普通の場所で売っていそうなチョコレートの割にはやけに高いと思ったからだ。
「うーん……ちょっと高くないですか?」
そう言った雅に、店主は思いがけない一言を呟く。
「『値段』とは、それ相応の設定がされてあるものなのですよ。何故ならこれは、『願いを叶えるチョコレート』なのですから」
「えっ」
その一言に雅の思考は一瞬停止する。願いを叶えるという、一見非現実的な単語が出てきたからだ。それは単なるおまじないという意味でつかわれた言葉なのだろうとも思ったが、どうやらこの店主はこれを本当の、そのままの意味で使っているように思えた。根拠は一切なかったが、雅はなぜかそう思っていた。
「『願いを叶えるチョコレート』……ですか?」
「はい。これは人の願いを叶える力があると言われています。ただし、いくつか複雑な条件がありまして、まず願いが本当にかなえたいという強い想いを持っていないと叶わない、叶えたい願いによって食する人間が変わってくる、などですね。
さらに正しい手順で行わないと願いが歪んだ形で叶えられますのでお気をつけいただきたいのです」
物々しい雰囲気でチョコレートの説明をする店主だったが、その姿は露天商の店主というよりも、まるで魔法使いのようにも見えてくる。その怪しげな姿に雅は一瞬たじろぐ。しかし、逆に雅に『これは本当に魔法のチョコレートなのでは?』と思わせることにもなった。
ふと雅は財布の中を覗く。なけなしの貯金から引っ張り出してきた三千円が中には入っていた。十分に買える金額ではある。しかし、明らかに怪しいこの店のチョコレートにしていいものか、と雅は一瞬思案する。ましてや、一世一代の告白のためのものに。
「……まあ、単なる“まじない”ですよ。お気に召されなければ、買わなければいいだけのこと。またのご利用をお待ちしておりますよ」
そう呟くと店主は妖しく笑う。散々迷いに迷った結果、雅が出した答えは――
「これ、買います!」
「まいどあり」
雅は二千円を渡し、そのチョコレートを買った。店主は、律義にもチョコレートの箱をチョコレートと同じ色の包装紙に包む。真っ赤なリボンで縛って、何やら一枚の紙きれを挟むと、それを雅に手渡す。こうして『願いが叶うチョコレート』は正式に雅の所有物となった。
◆
雅は買い物を終えて家に帰ると、すぐさま自分の部屋の化粧棚の中にきっちりと包装されたチョコレートを隠すように保管する。そして何やら一緒に添付された紙を読む。
それはそのチョコレートの説明書のようで、様々な取り扱い方法が書かれていた。
『自分の願いを叶えるには叶えたい願いを心の中で思いながら貯古齢糖を食べる』
『所有者が本当に叶えたい願いでないと効力は発揮されない』
『他の人間の願いを叶えたい場合は、対象の人間に説明書とともに貯古齢糖の説明をした上で譲渡する必要がある』
『使い方を間違えると願いが歪んだ形で叶えられてしまうことがある』
――等、様々な説明が書かれていた。
そして、雅が最も目を通した箇所は、当然ながら『恋愛が成就する願いについて』の項目だった。説明書にはこう書かれていた。
『恋愛成就や、気になった人間と親密になりたい時:対象の人間にその貯古齢糖を食べてもらうこと。この時、このチョコレートが『願いが叶う貯古齢糖』だと知られてはいけない。願いをかけた後にこの貯古齢糖を自分で食べてはならない』。
「そういえば、このちょ、こ……れいとう? って漢字、やっぱチョコレートのことなのかな……? 漢字にするとこう書く……ってこと?」
雅はそんなことを疑問に思ったが、問題はそこではなかった。
つまりは、相手にこれを普通のチョコレートとして食べてもらう必要があるのだ。雅はこれを本当に雄仁に渡せるのか、そして食べてもらえるのか不安になった。
バレンタインはちょうど明日。つまりチャンスも明日しかないということだ。そう雅は思った。願いを叶えるだけならば、バレンタイン以外でも良いはずだが、雅はこの日しかないと思っていた。そのくらいの覚悟がなければ一生かかっても告白など無理だと思ったから。
「本当に、叶うのかな……いや、せっかく買ったんだから絶対雄仁くんに渡さなくちゃ」
そう呟くと雅はもう一度そのチョコレートを見る。雅の心の中は不安とドキドキでいっぱいだった。
――そしてバレンタイン当日。
「っ……」
雅はチョコレートの入った鞄にちらりと目をやる。教室には憧れのクラスメイトがすぐ目の前にいる。しかし、雅は未だに渡せないでいた。学校に入り、雄仁と挨拶を交わしてから、雅には渡すチャンスが何度もあった。しかしどのチャンスもふいにしまっていた。雅は自分の意気地なさを呪う。そして授業が終わり、とうとう放課後となった。
「あ、奥川さん。また明日ね」
「あ、あっ、雄仁君……」
雄仁に話しかけようとした雅は、雄仁から声をかけられた。それは、雄仁が雅に“さようなら”を言うための何気ない一言だったが、雅にとってはこれが最後のチャンスだった。これを逃したらチャンスはまた来年になるかもしれない。そしてこのために買ったチョコレートも無駄になってしまうだろう。
(勇気を出さなくちゃ……今度こそ、渡すんだ。雄仁くんに……!)
雅は口をぱくぱくと開き雄仁に勇気の一言をかける。『受け取って』の一言を口にするのが、雅にとってはとても長い時間のように思えた。教室の中の時間が一瞬止まったような気がするくらいに。
「あ……!」
「? 何?」
「なっ……何でも、ないの。ごめんね、またね、雄仁君……」
「そう。じゃあ、また明日」
――結果は、今年も失敗に終わった。必死に考えながらチョコを選んでも、結局は自分の勇気の無さにより、何の進展もなく失敗に終わる。雅はそんな自分の意気地のなさを呪った。教室が夕日の赤に染まってゆく。バレンタインデーももうすでに終わりを迎えようとしていた。
◆
「何やってんだろ……あたしのバカ」
雅は自分の部屋の机に虚しく置かれたチョコレートの箱の前で突っ伏していた。何度も何度も教室でのことをリフレインしながら時間が巻き戻ったらいいのに、と思う。しかし時間は不可逆で有限なもの。いくら後悔しても願ったとしても戻ったりはしない。
「このチョコどうしよう……」
雅はふと雄仁に渡すために買ったチョコレートを見る。かわいらしい包装紙にくるまれたそのチョコレートは、店主によれば『願いを叶えるチョコレート』らしいが、今の雅にとってはただのチョコレートでしかなかった。そのチョコレートを見るたびにふつふつとわいてくるのは怒り。それは店主やチョコレートに対してではない。願いを叶えるための勇気も出なかった自分に対してだった。
あと少しの勇気があれば、恋が叶ったかもしれないのに、想いを伝えられたかもしれないのにと雅の胸からは悔しさと悲しみが込み上げる。瞳に涙が潤んだが、雅はぐっとそれを堪える。
「ああもう……こんなものずっと見ててもしょうがないか。捨てるのももったいないし、このチョコ食べちゃお……」
雅は静かに真っ赤な包装紙を開けると二個のハート形のチョコレートを取り出す。見た目はごく普通なチョコレートに見えるが、やけに艶やかで美味しそうに見える。
「あ、結構美味しそう……さすが1000円のチョコ……」
雅はチョコレートをそっと口に運ぶ。チョコレートはスッと口の中で溶けてしまい、その瞬間口の中に芳醇な甘さが広がる。雅は今まで食べたチョコレートの中でも一番美味しいと思った。落ち込んでいる気分を少しでも癒してくれる気がして、雅は少しこのチョコレートに感謝をした。
「さて、明日に備えて勉強しよ……んっ?」
その時、雅は何やらおかしな感覚にとらわれた。体の内側からぽかぽかとした熱さがしてくる。それはまるで、寒い日に温かいものを食べた時の感覚にも似ている。しかしそれとは似ているようで異なるものだった。特に、下半身に妙な感覚がして、そこがやけにむずむずとして落ち着かない。
「ん……なにこれ、ちょっと……痒い、アタシのアソコ……」
生え始めの柔らかな叢の下のヴァギナと、小さな豆が腫れたようにむず痒く熱い。股を擦り合わせながらなんとか堪えようとするも、股間の疼きと熱は冷めることはなく雅の精神を徐々に苛んでいく。結局、雅はその疼きに堪えることはできなかった。いつしか指をスカートとパンツ越しに秘所に突っ込み小刻みに動かし、小さく声を上げていた。
「あっ、あ、なにこれっ、やばい、マタが、あついよぉっ」
雅がヴァギナを弄くりだしてから数分、雅のソコから熱い汁がジュッ、と飛び出る。快感のあまり嬌声をあげる雅だったが、妙な虚脱感とともに更なる快感が雅を襲う。ヴァギナの快感に即発されたのか、お次はクリトリスがかっと熱を帯び始め、『次は私を弄って』と言わんばかりに疼きだす。
「やっ、やばっ、クリ、いじりたいっ、もうガマンできないっ……!」
雅はクリトリスの要求通りに先っぽをギュッと摘まんで弄りだす。その瞬間、脳に甘い電撃が走り、雅の思考をゼロへと変換してしまう。その快楽は先程食べたあのチョコレートよりもずっと甘かった。
「あっ、あっ、あっ、あんっ!!」
濁流の如く襲いくる快楽に喘ぎ続ける雅。その右手は相も変わらずクリトリスを掴み続けている。そのクリトリスが心なしかさっきより大きくなっているようにも見えた。ヴァギナから二度目の汁を噴き出させた時、雅の身体にさらなる異変が起きた。
「んっ、ふうっ!?」
クリを摘まんでいた雅の手が膨らみ始めたのだ。いや、それは手だけではない。それを支える腕までも、雅の増幅する“欲望”を表すかのように大きく膨らむ。それは思春期の少女らしからぬ変化。そして、彼女を人間からも少女からも卒業させる異様なる変貌だった。
「おがっ!? ごっ、あああっ!!?」
手だけでなく、次は足までも大きく膨らみ始める。腕から、足から、体中から、雅の全身のありとあらゆる箇所に剛健な筋肉が発達して、雅を作り変えていく。履いていたソックスは身体の膨張に耐え切れず破け飛んでしまう。当然ながら、雅はその変化には気づいていたし心の中では驚愕もしていた。しかしその手は相変わらずクリを弄り続けており、その動きは止まることを知らない。雅の脳に極上の快楽物質が迸ると、同じように子供の小指くらいにまで大きくなったクリの“先端”から、透明な汁を迸らせた。
「はあっ、なっ、なにこれっ、うあっ、あたしのカラダ……どうなって、ぐあっ!!」
筋肉の発達はとうとう上半身や胴体にまで及びはじめる。雅がクリからの快感で絶頂するたび、雅の発達途中の慎ましやかな乳房がプルプルと揺れ、その双丘を平らな地にしてゆく。くびれていたスレンダーなウエストはひとつづつボコン、ボコン、と立派な腹筋ができていき立派なシックスパックとなる。筋肉は胸にも否応なしに付いていき、これまた立派な胸筋となって雅の新たな肉体を完成させていく。
ヴァギナからは夥しいほどの愛液が吹き出、それと同じくらいにクリの先からも透明の汁を吐き出す。その度に雅の全身の筋肉は整えられ、バランスが良くなって肉体が完成されていく。その代償に着ていた服は全て千切れ飛び、声も女性とは思えないほど低くおぞましくなっていった。
「うああっ、やばいっ、出るっ、なんかが出るっ!」
愛液を吐き続けていたヴァギナが閉じはじめ、代わりにクリが長く太く、さらに下の陰唇部にも、何やらおできのような小さな瘤のようなものが出来はじめる。クリは大きめのキノコのような形状に変わると、雅の手は本能的にそれを摘まむ動作から握る動作へと変化し、それを享受しはじめる。上から下へ、下から上へ掌のストロークを続けるたびに、雅の脳に未知の快感があふれる。いつしか、雅の股座の瘤は、たわわに実った果実の如く立派な袋となって、新たに作られた陰嚢の中で、彼女にとってはありえないはずの雄の欲望の塊が急ピッチで作られていた。それを吐き出すことは彼女にとって最大の幸福でもあったが、同時にそれよりも大切なモノを失うことでもあった。しかし彼女は――
「ダメ! 出る! イッ……イクゥゥゥゥゥゥゥッ!!!」
ピュッ……ビュゥッ、ドシュゥゥゥーーーーーーッ、ビュッ、ビュルルルルルルルルゥーーーーーーーッ!!
雅が低い声で叫んだ瞬間、クリだったモノから勢いよく真っ白な精液がホースの水の如く噴射される。それは、雅が新たな存在として生まれ変わったことを祝福する、白いシャワーのようにも見えた。
その射精を皮切りに、雅の身体はさらなる変化をする。頭からは二本の角がズルリと勢いよく生えてくる。爪は鋭く伸び、口からは何本もの鋭い牙が生える。毎日大切に手入れをしていた自慢の黒髪は鬘を剝ぐようにずるりと全て抜け落ちて禿頭になってしまった。
全身には黒々とした体毛がありとあらゆる箇所に生い茂っており、男らしさを通り越して汚らしさすら覚えるほどだ。一歩足を踏みしめるたびにズシリズシリと音が鳴る。身長は二メートルをゆうに超え、体重もおそらくはそれ相応の重さとなっているであろう。
「はあ……はあ……なっ、ナニコレ……あたし、いったいどうなって……」
興奮から醒めた雅は我に返っていた。しかし、視界に映る自分の腕は筋肉でパンパンに膨らんで、しかも真っ赤で爪は鋭く尖っている。明らかに今までの自分とは異なるその身体に雅は狼狽する。慌ててドスドスと重たくなった体を動かし姿見のある風呂場へと向かう。その度に股間の逸物や玉袋がブルンブルンと揺れて雅の正気を奪っていく。
「いやあああああああああああああっ!!?」
その変わり果てた姿を見て雅は恐怖のあまり叫びだす。しかしその声は見た目にふさわしい低く野太い声で、乙女の悲痛な叫びとはあまりにもミスマッチだった。
雅のその姿は、御伽噺に出てくる鬼そのものだった。巨大な体躯に頭から生える角、顎が張った雄臭い相貌にニュッと伸びる二本の牙。おまけに全身筋肉ダルマ。自分とは正反対のその醜い姿に自分がなってしまったことに、雅は恐怖と絶望感に襲われた。今にもさめざめと泣き出してしまいそうなこの状況に追い打ちをかけるかのように、雅の逸物がグッと鎌首をもたげ始めていた。
「な……なにこれ? おちんちん? あたしに、おちんちんが……」
雅は、性別も完全に男性になっていた。ブラブラと揺れる金玉袋も、今この状況で血管を張り巡らせながらバキバキに勃起している逸物も、完全に自分のものだとその感覚と快感をもって自覚させられる。そして脳内の“雄”としての本能がこう囁くのだ。
『肉棒を擦れ』、『種汁を吐き出せ』。
『――欲望に忠実になれ』と。
「ああ……なんで……? あたしっ、うあっ、こんなことっ、あっ、したくないっ、のにっ、うっ、やばっ、おちんちん気持ちいい……んはっ! やばい、全部出ちゃう! 全部出したい!」
野太い喘ぎ声をあげながら一心不乱に位置持ちを擦り上げる雅。口では拒否しているのに本能と身体がそれを許してくれない。雅のなけなしの理性は鬼の余りある快感に押し流されて陰嚢の中の精に溶けていってしまう……
「あっ! ダメ! イク! 出ちゃう! あたし、イッちまうううううううううううぅ!!!」
二倍にも巨大化した雅の逸物から熱くてドロドロした液体が勢いよく噴射された。しかしそれはただの精液ではなかった。それは艶やかな茶色をしていて、しかも甘い匂いが漂ってくる。そう、それは液体化したチョコレートであった。
「あうぅ……スゲ……スッゲ……」
そのチョコレートは雨のように雅の全身に降りかかり、鬼をチョコレート色にコーティングしていく。その匂いは甘く青臭い、まるで精液とチョコレートが入り混じったかのような匂いだった。いつしか雅の全身は、チョコレートのような真っ茶に染まっていた。今の彼女――いや、彼はまさに『チョコ鬼』と形容するにふさわしい姿だった。
「なっ……なんじゃ、これが、ワシなのか?」
雅は先程とはうってかわって狼狽する素振りは見せず、むしろ純粋に驚いているようであった。口調もいつもの雅のものとは違い見た目通りの厳つい口調となっていた。雅自身はそれに気づいておらず、あたかもそれが自然であったかのように振る舞っている。まるで射精の時に雅の大切なものまで抜けていってしまったかのようだった。
「なぁるほどなァ……こりゃあいい! かぐわしい香り、この惚れ惚れするような筋肉……ワシってやっぱエロイのう……これなら雄仁くんも喜んでくれるわい。ン? 何故ワシは人間の小僧なんぞにこんなにも胸が高鳴っとるのか? ワシは偉大な鬼なのに……」
雅の意識と鬼の意識が混濁しているのか、支離滅裂なことを言い出す鬼。とりあえず、こんがらがった精神を落ち着けるために雅は部屋へと戻る。精液が撒き散らされた雅の部屋では知られざる変化が起きていた。雅の精液に塗れた彼の服だったモノの破片が集まっていき形を変え、彼のための新たな着衣へと変化していく。それは一着の白い褌だった。彼の褐色の肉体に相応しい穢れなき下着だ。
「おっ、いいモンあんじゃねぇか」
雅は早速その褌を見つけると、まるで何度も着けているかのような手慣れた手つきで褌を締めていく。大量の精液を何べんも射した魔羅が褌の前袋にすっぽりと収まる。まだ射し足りないのか、雅の鬼魔羅は褌の中でヒクヒクと震えている。
「グハハハハハッ、これで完璧ッ、やはり鍛えられた体には褌が映えるのう!」
割れた腹筋を掌でバシバシと叩きながら高笑いをあげる雅。最早今の彼には中学生の少女だった頃の面影は微塵もなかった。そんな彼だったが、ふいに褌の中の魔羅が再び激しく疼きだしたのに気が付いた。どうやらまだ出し足りないようだが……
「ウーム……雄仁くんの所へ行く前に、一度抜いといたほうがいいんかいのぅ……?」
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