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異世界に転生したからと言って勇者になれるとは限らない【FANBOX試し読み】
[chapter:サンプル]
本編フル(FANBOX)は[[jumpuri:こちら > https://www.fanbox.cc/@jinogrehead/posts/5034827]]
炎十郎が案内されたのは広い空間だった。ブランコや玉乗りのボールなど、ショーやその練習で使われるであろう道具がそこにはあった。
「ここは元々ショーのために使われる場所なのですが、一番思い入れが強い場所の方が強い力を発揮すると神に言われまして。多少散らかってはいますが、よろしくお願いします」
そしてその真ん中には手描きの紋様が描かれている。それはドリムが描いた魔法陣で、転生に使用するためのものだった。これも神に指示されて用意したものだ。
「この世界での貴方は、貴方の住む世界とは異なる姿になり、周りの認識もやや変化する事となります。例えば勇者ならば鎧や剣を携えた姿になり、魔術師ならば杖や法衣に身を包む事になりますね」
「そうなのか……」
ならば、自分が長年着ている道着も変わってしまう可能性があるのかと彼は抵抗を覚えた。
「しかし貴方は既に武闘家であるので、武闘家のまま転生するかも知れませんよ。異界に呼ばれた人間が全て勇者になるとは限らないらしいですし、もし武闘家として転生するならば、心強いことはありませんしね」
ドリムから若干のフォローがあったものの、自分が自分でないものになる可能性がある以上、やはりその足はなかなか動かなかった。
「このままでいると貴方の存在自体が消滅する可能性があります。どちらにしろ、このサーカスには貴方の存在にかかっていると思っています。
頼みます。このサーカスを救ってはいただけませんか?」
「俺からも頼む!」
「俺たち、まだ団長と旅したいんだ! みんなに夢を与えるのは、俺たちの夢なんだよ!」
「お願いします、勇者様!」
そんな炎十郎に対してドリムは頭を深々と下げ頼み込む。いつしか噂を聞きつけやって来ていたサーカスの団員達も同じく頭を下げ懇願する。
様々な人間達が頭を下げて自分を必要としている。そんな彼らを見て逃げ出す、という選択肢は炎十郎にはなかった。
「……わかった。俺がどんなになっても、俺はみんなを守ってみせる。師範と、鋭氷流の名にかけて」
魔法陣へとゆっくりと歩みを進める炎十郎。自分がどんな姿になるのか想像もつかない。師範との修行の日々が走馬灯のように浮かぶ。もう元の世界に戻ってくることはないかも知れないと、炎十郎は小さく道場の皆に別れを告げ、魔法陣へと足を踏み入れた。
「魔法陣が!」
「転生が始まったんだ!」
その瞬間、炎十郎の足下の魔法陣が強い光を放つ。彼の転生が開始された合図だった。まず変化が起きたのは彼の髪だった。短く剃り込んでいた髪が伸びて上に逆立つ。その色は黒から暗い紫へと変わっていく。
「っ!? 何だ、これは!?」
その変化に違和感を覚えた炎十郎はつい声を上げる。その時喉が強く締められるような感触に炎十郎は思わずえづいた。
「ごほっ、がはっ! 喉が……何だこの声は!? 俺の声なのか!?」
見た目相応に低かった炎十郎の声が、まるでヘリウムガスを吸った時のように甲高くおかしな声になる。その声を聞いた炎十郎は自分がどんな存在に転生するのか分からなくなり恐怖に打ち震える。しかし転生は始まってしまった。止まる事はない。
「んっ……なんか、下半身がっ……あんっ」
股座の、道着の下の逸物に妙な快感を覚えた炎十郎は不意に喘ぎ声をあげる。その高くなってしまった声もあってかなり滑稽に見えた。その彼の股座の逸物は、ひとりでに勃起をしていた。普段淫らな事は基本行わず自慰行為も二、三ヶ月に一度程度だった彼であったが故に、その快感も溜め込んでいた分強かった。
「あっ! 何だ、俺のっ……あっ! チンコが……んあぁっ!」
慌てて道着を脱ごうとしたが身動きが取れない。道着の下で逸物はさらに膨張を続ける。快感の中鈴口からは先走りが垂れ始めており、精巣の中では三ヶ月待たされていた彼の子種たちが解放の時を心待ちにして元気よく泳いでいる。それに呼応して炎十郎の逸物がさらに膨らんだ。
「こんな、こんな所でっ……やめっ、あああぁ、んんんっ!」
断末魔の叫びのような喘ぎとともに炎十郎は盛大に射精した。そこからだった。彼の変化が急激に進んだのは。
「あああ!? 俺のっ、俺の体がぁぁぁ!」
長年の修行で鍛えられていた彼の筋肉が萎びてすらっと細くなっていき、筋肉は最低限のものとなる。165とやや低めだった身長は骨が軋む音ともに170後半くらいの長身になった。
まるでアイデンティティを全て書き換えられたかのような変化に炎十郎は愕然となる。
しかしそんな彼に反して、逸物の勃起は射精した後にも関わらずさらに大きくなっている。いつの間にか子供の腕程度の大きさにまで膨れ上がっていた。いくら大きめだった彼の逸物といえど、このサイズは明らかに異常だった。
「やっ……ばぁ……まだっ、まだ……出る、のか…………やめえっ!!」
限界にまで勃起した逸物が道着に擦れると、再び大量に精液を解き放つ。その瞬間、道着が無数の糸に分解されると新たな衣服を紡ぎだす。
その完成した新たな服が、彼をどのような存在に転生させるのかを理解させてしまった。
「これは、まさか!?」
カラフルでヒラヒラの衣装に白い手袋。素足だった彼の足にいつの間にか履かされていた先の丸まった靴。これは明らかにピエロの衣装だった。
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