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星のヒーロー スター仮面参上!【FANBOX試し読み】
[chapter:サンプル]
不良少年の星空満(ほしぞら みつる)は友人で同じく不良の洲藤照輝(すどう てるき)と夜の街を歩いていた。今日は夏休みなので学校もなく、普段五月蝿い親や先生にも縛られることもなく、二人は気ままな日々を過ごしていた。
「今日どこ行く?」
「そーだなー、そうだ、今日近所で花火祭りやるから屋台やってんだよ。そこ行かね?」
「おっ、いいねぇ。あそこなら人も多そうだしな」
二人はニヤニヤ笑いながらそう言い合う。ちなみにこの二人、財布こそ持ってはいるものの、中には金など一銭たりとも入っていなかった。それなのにどうして屋台に行こうとしているのか。
彼らは授業のサボタージュや他校生徒との喧嘩など数々の問題行動を起こしていたのだが、その中でも悪質だったのは、万引きやスリなどの窃盗行為だった。
その度に何度も注意を受けていたのだが、彼らは反省の色など一向に見せず、今日も屋台の人だかりを利用して財布をスろうとしていたのだった。しかもこういう場では二人にとっては格好のカモであった。
「それにしても……」
祭り会場の屋台に向かう途中、花火でも上がらないかと空を見上げた照輝は見た。空に浮かぶ満天の星を。
ここは都会で普段は星などそうそう見えないのだが、今日は黒いカーペットに宝石が散りばめられているかの如く星が空じゅうに瞬いていた。まるでここに降って落ちてきそうなほどに。
「今日は星が綺麗だなぁ」
「いつもはこんなん見れねぇのにな」
そんな会話をしながら空を見上げていると――キラリと空に一つの流星が降ったのを二人は見た。
「おっ、流れ星」
そんな事を呟きながら空を見上げ続ける満。その流れ星は――そのまま空から落ちてきて――ほのまま近づいてくるように見える。まるで満目掛けて落ちてきているかのように。
「ん?」
段々と視界に近づいていき大きくなっていく星の光を満は見つめ続けていた。いや、それに目が離せなくなっていたのだ。
体を動かそうとしても動かない。ヘンだ、そんな違和感を覚えた満の視界が暗転した。
「うわっ!」
声を上げたのは隣にいる照輝だった。上を向いた満の顔に何かが張り付いたからだ。
「何だこれ……お面?」
それは屋台のお面のような何か。テレビの中のヒーローを模したようなお面――いや、仮面。それは作り物にしてはやたらとメタリックで金属特有の光沢を放っている、リアルなものだった。白と金で構成された覆面タイプの仮面。ロボットのような赤い二つの瞳は見る者を威圧しているようだ。
そんな仮面が被せられたのにいち早く照輝が気付き、次に少しの時間が経って当人である満も気が付いた。
「んっ!? なんだよこれ! 外れねぇ!」
くぐもった声が満からする。慌てて仮面を引き剥がそうとする満だったが、引っ張っても顔に張り付いて剥がれなくなっている様子だった。ヒーロー物の仮面を剥がそうと躍起になっている満の姿は滑稽に映った。次の瞬間――
「……うっ。おごぉっ!?」
仮面が形を維持したままゲルのような粘性を持ち始め、そのまま満の頭部を侵食し始めたのだ! 苦しみからか満は声をあげて必死に仮面を剥がそうとする。しかしやはりそれは外れず、それどころか満の頭全体を覆っていき、そのまま満の頭は仮面に侵食されていく……
「な、なんだよこれ……」
その一部始終を見ていた照輝はただ呆然と立ち尽くしている。あまりの事態に満を助けに行く勇気も起きないでいた。
あっという間にゲル化した仮面は硬質化し、金の装飾がなされた白色のヘルメットとなって満の頭に装着された。まるで首から上は本当に変身ヒーローのようだった。
『何? 俺、どうなったん?』
エコーのかかった声で満は話しかける。どうやら今の状況がわかっていないようだ。しかしその満の困惑もさらなる変化に吹き飛ばされることになる。
『スター仮面の装着を確認しました。ヒーロー変身モードに移行します。
んっ、何だ今の声!』
無機質な声が満のヘルメットから発せられた。それは感情のない機械的な声だったが、まさしく満の声だった。その声を発した後、満はヘルメットを抱えて困惑する。それもそのはずだろう。自分から自分でない自分の声がしたのだから。
『変身・開始!
うあっ!』
「満、服が!」
満が高らかに宣言したその瞬間、布が裂ける音とともに彼の着ていた服が散り散りに破け一糸纏わぬ姿になる。
「どうしよう、代わりの服とかないのか」
『エナジータンクに不要な遺伝子確認。全排出してスターエナジーに切り換えます。
んん? どういうことだっ、んおぅ!?』
困惑する満をよそにヘルメットは新たなプロセスを開始する。満が素っ頓狂な声をあげると彼の陰茎は突然固くなって天高く聳え立ちはじめた。付け根の睾丸も空気を入れたボールのように膨らむ。
『チ、チンポが……どうなってんだ……』
異常な状況にただ混乱するしかない満。そんな満は急に顔を茹で蛸のように赤らめ、小さく喘ぎ出す。全身と脳に快感が迸りだす頃には満の脳内はこの状況をどうするかではなく、早くこの体の火照りを鎮めなくてはという事でいっぱいだった。そして満の脳に指令が送られる。『人間の精液を吐き出して新たなエネルギーに場を明け渡せ』と。
『ああぁあぁ! ダメだ! 我慢できねぇ! イキてぇイキてぇイキてぇ! ザーメン! 俺のザーメン全部出さなきゃ!』
その右手で一心不乱に勃起した逸物を扱き出す。人目も憚らずただ性欲を発散するためだけに全裸にヘルメット姿まま手のひらを強引に上下させる。そうすると全身に快感が流れ射精の準備を促す。
『うおぉ! イクイクイクイクイクゥゥゥゥッ!!』
ブシュッ! ブシュシュッ!
水鉄砲のように鈴口から勢いよく精液が発射される。それは一度出ただけでは治まらず、何発も何発もマシンガンのようにたて続けに発射される。いつしか目の前のコンクリートの床が満のザーメンで水たまりになるほど発射されると、ようやく長い射精は終わりを迎えた。膨らんだ満の睾丸は元のサイズに戻っていた。
『はぁ……はぁ……きっ、きもち……
遺伝子の全排除を完了。続いてタンクにスターエナジーの充填を完了。スタースーツの装着を開始します』
そういうと再び満は逸物を扱きはじめた。先程あれだけ出したにも関わらず、ストロークを開始させると逸物は再び首をもたげはじめる。
『あっ……あっ……きもちいいっ……』
満はオナニーの快感に酔いしれただうわ言を発するだけだった。そして、絶頂の時が訪れる。
『スターエナジー発射。
イクッ!!
エナジーをスーツに変換し全身に装着』
叫び声とともに大量のザーメン(正確にはスターエナジーだが)が発射される。しかしその純白の液体は地面に落ちず吸い付くように満の全身を覆いはじめる。
「いったい何が起きてんだ……」
そのザーメンだったものは星の光に照らされ発光する。いつしか満の全身を光りながら完全に覆っていた。
『スーツの装着を完了』
光が収束すると満の体は白に金のラインが引かれた全身タイツのようなスーツで覆われていた。その出で立ちはまるで本物のヒーローのようだった。
しかし、まだ満の“変身”は完了してはいない。
『精神データに不要な領域を確認。消去プロセスを開始します』
満が無機質な声でそう言うと、ヘルメットのこめかみ辺りにあるボタンを押した。
『消去するデータを選択。素体であるニンゲン『ホシゾラミツル』の精神データを消去します。
なんだこりゃ! おかしい、俺がっ! 俺が“消えていく”! 俺の中に入ってくるな!』
頭を抱えて抵抗する満。満の脳内では自分の考えていることや保持していた記憶が何者かによって消されていく感覚をおぼえていた。大声をあげて抵抗するがそれも虚しく記憶は少しずつ消えていっている。
『消去したデータはエナジータンクに一時保存された後、即時排出されます。素体の抵抗が見られるが素体の抵抗するエネルギーを精神データとして消去することで対処します。
おおぅ……やめろっ、気持ちいい! あぁ! 俺が“なくなる”! うぅん! これ、ピチピチして気持ちいい……じゃねぇ! 俺をもっていくなって……ああん!
進行度70%。抵抗がまだ見られるがデータはほぼ削除したためプロセスはスムーズに進行される。80%完了。
やめろ、おれ、だれだ、そうだ、みつる。ちがう! やめてくれ! おれは、おれは……キンタマチンポ財布照輝夏休み変わる仮面ザーメンイク気持ちいい、俺、ヒーロー。スター仮面。俺、ザーメン。ザーメンになって出るのが最後の仕事。
95%完了。ホシゾラミツルの精神データは残滓程度にまで消去。プロセスはまもなく完了します』
満の『声』から自我が消えていくのに対し無機質な『声』はただその状況を冷静に実況する。そして再び満の逸物が手も使わずひとりでに勃起すると、そのまま勢いよく射精した。
『あぁぁ! イク! 俺消える!!
精神データの排出を完了。『スター仮面』としての精神データをインストールします』
射精を終えると満は直立し微動だにしなくなる。まるで電源が落ちてしまった機械のように。
「おい、満……」
照輝は満を揺すってみるもまるでそれが人形であるかのように動かない。
満が動かなくなって数分後、満の目が真っ赤に光ると、満は唐突にポーズを取った。
『スター・ジャスティ! 流星のヒーロー、スター仮面参上!』
そのまま高らかに宣言する。まるで自分が本物のヒーローであるかのように。
「おい、満! 一体どうしたんだよ!」
照輝が声をかけるも満は不思議そうに首を傾げる。
『満? 誰だねそれは。私はスター仮面! 夜空からこの世界を正義で照らすためにやってきたヒーローだ!』
大声でそう宣言する満。そこから発せられたのは確かに満の声だ。しかし口調も声色も普段の彼とは全く違う。自信と威厳に満ち溢れたヒーローらしいものだった。
「なんだよそれ……」
『ふむそうか。お前は私の相棒なのだな。では、それに相応しい姿にしてあげよう!』
満――いや、スター仮面はそう言うと照輝に向かって手を掲げる。手からは眩い光が発せられると、そのまま照輝の体を包み込んだ!
「うわっ! 何すんだ!」
『心配ない。お前は今仮の姿と心を与えられているだけだ。私には分かる。お前は私の相棒、ステラルだ』
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