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脱出ゲームの罠【FANBOX試し読み】

  [chapter:サンプル]

  「脱出ゲーム……っすか?」

  名門校のラグビー部に所属している高校生、剣崎秀真(けんざき しゅうま)に声をかけたのは同じ部の一つ先輩の王田忠(おうた ただし)だった。彼の右手には一枚の紙切れが握られている。それはどうやらチケットのようだった。

  そのチケットには『ハロウィン脱出ゲーム招待券』と紫やオレンジが使われたポップなイラストで書かれていた。

  「そういえばそろそろハロウィンっすね」

  「ああ。丁度ハロウィンに近い期間にやるらしいけど、俺はその時期は忙しくてな。お前が大丈夫ならと思ってこのチケットを譲りたいんだが……」

  「へえ、楽しそうですね」

  小さい頃からスポーツ一筋でそういった娯楽には殆どといって手を出していなかった秀真だったが、最近都内で流行しているそのゲームに秀真は興味があった。何故かは分からないが、何か惹きつけられるものがあったのだ。

  「……そうですね。行ってみます」

  「そうか、楽しんでこいよ」

  忠は微笑みながらぎゅっとチケットを秀真の手に握らせた。秀真は忠のその笑いが含みのあるように思えたが、入部時から自分のことをよく思ってくれる彼のことは信頼していた。だからこそ秀真は脱出ゲームへ行く選択をしたのだった。

  しかしその選択は、彼の人生を変質させてしまう最悪の選択ということに彼は気付かなかった。

  ◆

  「秀真も忠に招待されてたんだな」

  「葉月さんも先輩にチケットを?」

  秀真は忠に予め『脱出ゲームにはもう一人同じ部活のやつ呼んだから待ち合わせてくれ』と言われており、その相手と合流していた。同じラグビー部の三年生、葉月翔人(はづき しょうと)は、忠と一番仲が良く、部長、忠と並ぶ部のエースであり、秀真の憧れの人物の一人であった(一番の憧れは当然王田忠である)。

  「困ったことがあれば俺を頼っていいからな」

  「わかりましたっ、よろしくお願いします!」

  秀真は内心憧れの先輩と二人で遊ぶことに緊張していた。ただでさえ部活の中で、しかも話すら殆どしていなかった彼だったので、翔人と二人っきりでいること自体がとても緊張するものだった。

  「いらっしゃいませ。『ハロウィンワールドの脱出』へ……」

  「うおっ」

  翔人は無意識に声を上げていた。内装は黒と紫で構成された物々しい雰囲気で、怪しい置物があちらこちらに置かれている。しかもライトは紫色と赤色で、他の灯りはロウソクくらいなのだ。まさにそこは異世界のような出で立ちであった。受付であろう店員も魔法使いのコスプレをしているのか、黒いローブに身を包み顔は白い仮面で隠されていて表情すら見えない。

  どこもかしこも不気味な雰囲気で、先に進むのはさすがの二人でも二の足を踏むこととなった。

  「どうする? 秀真」

  「どうするもなにも……先輩が誘ってくれたんだから、帰ったら失礼でしょう……」

  「だよなぁ……行くか」

  覚悟を決めて、といった面持ちで歩みを進める翔人。秀真も翔人に続く形で受付の前へ向かう。

  「この脱出ゲームに参加する人間はチケットを入手した選ばれた者のみとなります……あなた方は、その資格をお持ちですか?」

  黒手袋に包まれた骨張った手を差し出す受付。その一挙動がさらにその男を不気味にさせているようだ。言い回しもやたら意味深で、秀真は心の中で、徹底してるなぁ。と思っていた。

  「チケットね……はいこれ」

  「俺も……」

  「確かに受け取りました。では、楽しいハロウィンの世界にご招待……お二方、無事に脱出できると良いですね……」

  受付が手を紫の壁に向けるとぎいとその壁が開く。その壁はどうやら隠し扉であったようだ。凝ってるなと心の中で感心し秀真は翔人と共に館の中に入っていった……

  ◆

  「うぅむ……なかなか凝ってるな……」

  「そうですね。結構金かかってんだなぁ」

  やはり紫で覆われた長い一本道を歩く二人。今のところ脱出要素はなさそうなのだが……いつミッションやアトラクションが出てくるのだろうか、そう考えながらひたすら通路を歩く。

  「ん?」

  歩いた先で、二人は行き止まりにぶち当たった。明らかに先に進む扉もなく、後ろを向いても先程歩いてきた長い通路があるだけだった。

  「行き止まり?」

  「道を間違えたか?」

  「引き返しますか?」

  「そうだな」

  他の場所に別のルートがあるのだろうか? そう思い踵を返して通路を引き返そうとするが、それは叶わなかった。鉄格子のような檻がガラガラと下りると、二人を行き止まりのある空間に閉じ込めたのだった。

  「うわっ! 嘘だろ!」

  「マジか……ってことは、逆に言えばここで合ってたってことかもな」

  「ギミックが出てきたから……ってことですか?」

  「ここがハズレのルートならわざわざこんな仕掛けを作動させないだろうしな……ってことは、この行き止まりだと思われる空間に抜け道があるってことじゃないか?」

  そう言って近くの壁をトントンと叩く翔人。じっくりと何か違和感がないかと辺りを見渡すと、壁の一角に小さい穴がふたつ空いていることに気がついた。

  「ん? ここにだけ穴が空いてるな……」

  「あの葉月さん。部屋の隅に取っ手みたいなものが……」

  秀真が手に持っていたのは引き出しの取っ手だけが取れたような小さなパーツだった。

  「秀真、ちょっとそれ貸してくれないか」

  「分かりました」

  「俺の推理なら多分……」

  翔人は取っ手の先を二つの穴に差し込むと一気に手前に引いた。すると引き出しのように壁が開く。しかしそれは出入り口のような大きなものではなく、物がいくつか収納できそうな程度のスペースくらいだった。

  「やっぱりそうか」

  「へえ、凝ってるっすね」

  「ドアかと思ったんだが引き出しのようなものだったみたいだな……何か中に入ってる」

  「何ですかこれ? ……えっ?」

  そこには二人の目を疑うものが入っていた。それは二枚の黒くてツヤツヤした布。それと一枚の紙切れだった。秀真は布を取り広げてみると、それは一着の全身タイツになった。同じように翔人が広げたのも秀真と同じような全身タイツだった。

  「んだこりゃ!? 何でこんなモンが……」

  「葉月さん、見てくださいっす。これ……」

  中に入った紙には『この着衣は解放の鍵。黒の布を纏い白の光を捧げた時、新たなる世界がお主に開かれるであろう』と書かれていた。

  「まさかこれを着ろって言ってんのか!?」

  「親はイヤっすよ、こんなタイツ……」

  「でも着ないとここから出られないってことだよな……着るしかないだろ。どうせ俺らしかいないんだしな……」

  「うーん……」

  秀真と翔人はいそいそと服を全て脱ぎ、全身タイツを身に纏った。ラグビーで鍛えられた見事な筋肉がタイツ越しに強調される。その姿を見てお互いに顔を赤らめさせる二人。すると間もなくどこからか大きな音がして、壁がせり上がり新たな入口が開かれた。

  「ふぅ、これで進めるな」

  「そうっすね。じゃあ服を……ってあれ!?」

  脱いだ服を着直そうと下を見た秀真は驚いた。脱ぎ捨てたはずの服がどこを見渡しても見当たらなかったからだ。翔人の服も同様にどこかへ消えてしまっている。

  「ない! どこにもないっす!」

  「ウソだろ……こんな姿のまま先に進むのかよ……!」

  筋肉どころか男性器のラインまでしっかり確認できてしまっているほどピッチリと張り詰めた黒の全身タイツ――それを着たままの状態で進まざるを得なくなった二人――仕方なく二人は新たに開かれた深い穴の奥へと潜っていくのだった――

  しかし、そこからこの脱出ゲームはあらぬ方向へとエスカレートしていくことになる。

  『いいぞ……早く俺の元へ来るんだ。翔人、秀真……!』

  ◆

  先に進むとまたしても行き止まり。次はテーブルがぽつんと一台置いてあるだけの空間だった。

  「テーブルに何か置いてあるな」

  ふとテーブルを見るとその上には何やら液体が入った小さな小瓶が二個置いてあった。その液体は真っ黒で一見コーラかコーヒーのようにも見えた。

  「次はこれを飲むのか? 随分凝ったことしやがって」

  「ジュースか何かっすかね? 喉渇いたらここで潤せって?」

  「どうする? 飲んでみるか?」

  「……そうしましょう。多分飲まないと出られないんっすから」

  そう言うと二人は一気に瓶の中の液体を飲み干す。味は甘さと苦さが入り混じった不可思議な味がした。風邪用のシロップをさらに発酵させたような味、と言った方が近いだろうか。

  それを飲み終えた瞬間、先と同じように次への入口が現れる。

  「今のところ指示に従うだけで謎解き要素はあまりないな……」

  「それにしても、これすごいっすね。なんか体がポカポカしてくるっていうか……」

  「そうだな。っていうか、何か……んっ」

  元気そうに先を急ぐ秀真に対して、翔人は股間に何やら違和感を感じていた。自慰行為を我慢して数ヶ月経過した時のようなムラつきに似た感覚。それを翔人は感じていた。

  「んっ!」

  さらに、全身タイツに覆われた素足を絨毯に着けた瞬間、足裏が性感帯になってしまったかのような、性的絶頂を味わった。後輩にこんな声は聞かせられないと無意識に口を噤んだが、タイツの中の逸物は正直だった。血管が一瞬にして巻きついて、大蛇のように天高く聳え立ったのだから。

  「葉月さん、早く行きましょう!」

  「待ってくれ秀真……何かヘンっ、だっ、おおっ!」

  一歩ずつ歩くたびに足裏から流れる電流のような快感に堪えながら通路を歩いていた翔人は、突然射精に似た放出感と共にカウパーを勢いよく発射した。無色透明のカウパーが絨毯を汚す。そのせいでタイツの中もヌルヌルと滑りが良くなり、翔人の快感をさらに増幅させてしまう。

  そして、とうとう翔人の欲望は限界を迎えた。

  「ぐおっ! もうダメだ!」

  突然立ち止まると、両手を勃起した巨根に添え、一気に扱き出した。グチュグチュグチュといやらしい音が館の中に響き渡る。翔人の睾丸はグツグツと煮えたぎり新たな精をたくさん精製する。鈴口からは大量のカウパーがタイツ越しに飛び出てきた。

  「うおおぉ! イグイグイグイグイグゥゥ!!」

  強引に上下にリズミカルにストロークを続けていた翔人は、とうとう絨毯の上に大量に射精した。タイツを貫通していつもより数倍の量の精子が吐き出される。

  「はぁ……はぁ……そうだ。俺は『ゲームを続け』なきゃ……」

  たくさん吐き出してすっきりしたのか翔人は紅潮させていた顔を元に戻し、何事もなかったかのように秀真の後を追った。

  「なんだこれ?」

  次の部屋に到着した秀真が持っていたのは男性器を模したシリコン製の道具――ディルドであった。そしてもうひとつ、ぽつりとその部屋の棚に置かれていたのはディルドと同じ紫色をしたオナホール。

  当然ながら秀真にそういった知識はなく、これをどう使うか分からないでいた。そんな彼の前に遅れて現れた翔人が入ってくる。

  「秀真、なにやってんだ?」

  「あ、葉月さん。さっきから何をしてたんすか?」

  「べつに……なんでもいいだろ」

  「そうですか。それより、葉月さん、何かさっきより小さくないですか?」

  「どういう意味だ」

  「俺より背が高かったはずなのに、何か同じくらいの目線に見える気がするんですが」

  「きのせいだろ」

  気のせい――ではなかった。秀真の身長が171センチなのに対し、翔人の身長は177センチ……しかし今の二人の身長は明らかに差がない。どころか、翔人の方が微妙に小さくなっているからだ。

  この不可思議な現象が何を意味するかはこの時二人はまだ知らない。しかしそれもこの“最後の部屋”によりどうでもよくなってしまうのだが。

  「それより、これ何ですか葉月さん」

  「これは……ディルドだな」

  「でぃるど?」

  未知の物体を見るかのようにそれをまじまじと見つめる秀真。それを強引にぶん取ったのは翔人。翔人はそれを手に取るや否や……自分のアナルに躊躇いなく押し入れた!

  「んっ!」

  「ちょっ……何やってんすか葉月さん!」

  「どうもこうも……アァン、これはっ、ウッ、こうつかうんだ、よっ、あギィ!」

  ディルドを床に置いたまま一心不乱に腰を振り出す翔人。憧れの先輩の突然の痴態に秀真はただただ混乱するばかりだった。翔人の口からは時折子供じみた甲高い喘ぎ声が混ざるようになっていた。大きく開かれた口からは小さな牙が覗いている。

  「おおんっ、イイ! アナルいいっ♡

  きんたまグツグツにえるッ!」

  秀真の目も憚らず大声で喘ぐ翔人。もはや先輩の威厳などありはしなかった。しかも、その痴態に当てられたのか、飲んだ液体がこちらも効いてきたのか――秀真のペニスも少しずつ屹立をはじめていた……

  「葉月さん、これ、どうやって使うんすか」

  ふとテーブルのオナホを持ちながらオナニー中の翔人に問いかける。翔人はカウパーを辺りに撒き散らしながら「チンコにつっこむんだよォ! アァ、イグ! イクッ♡」と喘ぎ混じりに叫ぶ。秀真も先輩の言葉に従うかのように勃起したペニスをオナホに突っ込んだ。すると、ペニス――どころか体の芯を揉まれるような強烈な感覚が全身を走る。

  「オ゛ッ! なんだこれっ! すっげえきもちいいっ♡」

  その時、一瞬にして秀真は果ててしまった。どぼどぼと濃密度の精液がオナホに注がれる。するとそのオナホは妖しく光り輝き、その光は秀真の体の中に全て染み込んでいった。その瞬間、秀真の快感は限界にまで増幅された!

  「おおおおおおっ!」

  その時から秀真は本能のまま快楽を貪りはじめる獣となった。オナホをただただ一心不乱に上下して勃起の治らないペニスを扱きあげる。その度に静液が作られ間髪入れずにそれは体外に排出される。

  同じく翔人も涙と鼻水と涎に塗れた情けない顔をしてアナルを責め続け、その度に静液を作っては吐き出した。

  「「んあっ!?」」

  オナニーを楽しんでいた二人の足元が突然光り出した。光が収まると、二人の下には二つの魔法陣が展開されていた。しかし二人は快感によりそれに気づいていない。吐き出した精液は魔法陣に全て吸い込まれ一層光り輝く。

  「はぁっ♡俺の体♡」

  体をくねらせ妙なポーズを取りながら、裏声のような不自然に高い声をあげて翔人は叫び出す。その時から翔人の成長を逆戻しするかのように彼の体は縮み始めた。鍛えられた筋肉や自慢の巨根はそのままに体だけが中学生並みに小さくなっていく。それは秀真も同様で、肉体を形作るエネルギーが全てオナホの中に吸われてしまったかのように体が縮んでいく。

  130センチ程度にまで縮んだ二人の体はまるで子供のよう――いや、そのものだった。体の変化が終わると次は身に付けていたタイツが紫色に光り出す。

  「オッ、ホォッ!?」

  突然、二人の背中から音ともに一対の翼が生えた。コウモリのような形をしたそれはまるで体の一部であるかのように背中に鎮座する。同時に細くて長い尻尾も翼と同じように尾骶骨辺りから生えてきた。

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