「っひ……うぅ"……」
「……よし、よし……お仕置き、良く頑張ったね。
偉い偉い」
千秋さんの優しく甘い声と、一定のリズムで背中を叩く振動に、ゆっくりと眠くなってくる。
それでも眠りたくなくて、必死に服にしがみつく。
「…笑笑
どこにも行かないよ。
そばにいる。大丈夫だよ、貴和。」
痛いくらいにきつく握った手の平を上から包まれるように握られる。
アフターケアでSub Spaceに入ってからも、ふわふわ気持ちいいものの不安が拭えず、ずっと千秋さんの腕の中でグズっていた。
「ふ、えぇっ……グズ……」
「よしよし……」
千秋さんは俺に、泣くなと言わない。
どんな時でも。
たとえ俺が悪くて、千秋さんに叱られて、怖くて泣いたんだとしても、千秋さんは泣かない、とは絶対に言わない。
以前その理由を聞いたことがあった。
『強制してやめさせるとか、そういうこと嫌いなんだ。
強制するくらいなら許してあげていたい。
だから私は、逃げたりしなきゃ叱らないよ。
泣いちゃうのは仕方ない。
まぁどうせ、その後泣くし?笑』
恐らく千秋さんは子供の頃、色んな事を強制されて来たんだろうなと思った。
抑え込んだ感情が胸の中で暴れる時、苦しいともがきながら、大切な人にはこんな思いをさせたくない、させないと誓ったのだろう。
…俺にはできるか分からないそれを、サラッとやってのけた千秋さんは凄いと思う。
「っぅ………」
「……眠くなってきた?」
千秋さんの声が所々聞き取りづらくなる。
やがて視界が閉じていく中で、千秋さんの優しさを感じた気がした。
「……おやすみ、貴和。」
END