一緒に

  夏に入ろうとする時期である六月の終わり・・・

  

  「・・・この様な事から・・・刑事裁判による・・・」

  大学教授のつまらない話に欠伸が出る。大学って言うのは結構つまらない授業が多くて困る。

  

  僕は川崎 圭介(かわさき けいすけ)です。

  なんとか入れた第一希望の大学の授業を今受けているところです。心的な事で入院していたところ、先生が密かに通信制の教材を取り寄せてくれて、なんとか大学に入れたがこんなにもつまらないものなのかと少し残念に思う。

  「あれ?まだ終わってないの?」

  欠伸をしながら僕の隣でそう言う豹獣人の彼は、原 光一(はら こういち)だ。この人はアルバイトのやり過ぎで取れなかった睡眠を学校の授業で摂っている。なんのために授業受けてるのか分からないよ・・・

  本人曰く「授業は寝るためにある」だそうだ。ますます学校になにしに来てるのかわからない。

  「まだ終わってないよ。あともう少しで授業終わるからもう少し起きてれば?」

  「そりゃ無理だ・・・」

  そう答えるとまた眠りにつく。まったく・・・

  こんなやり取りはいつものこと。でも、それに慣れてしまっている自分が嫌だ。

  これで、テスト前になるとノートを貸してほしいなんて言われるんだからたまったもんじゃないよ。まぁそれなりの見返りはあるからまぁ良しとしよう。

  「ふぅ・・・」

  溜息をつくと自慢げに話す教授と黒板を睨み、残りの時間を過ごす。

  授業が終わるまであと15分。何気に長いな・・・

  

  退屈な授業が終わると僕と原くんは食堂に向かう。

  この大学の食堂は広く、ゆったりした環境で地域の中でも評判がいい。

  『量の割に値段は他と変わらないが味は絶品のカツカレー!』のポスター。このカツカレーはこの学校の名物だ。確かに味は最高だし、量も文句無し。さらには食堂も大きい。持ち帰り出来るってのも客のニーズをうまく捉えたシステムだ。おかげで、近くの会社の社員などの一般の人もよくやってくる。繁盛のためによくやるよこの学校も・・・

  「ふぃー・・・相変わらず人が多いなぁ」

  「しょうがないよ、それなりに人気なんだから」

  原くんの言葉にそう答えてやると二人で空いてる席を確保するためテーブルの間を練り歩く。

  暫くして空いてるテーブル席を見つけ、バッグを置くと昼御飯の準備を進める。

  長い行列を並んだ末にようやく昼食のカツカレーをゲットし、席に戻ると後ろから声を掛けられる。

  「今から昼飯?」

  そう尋ねるのは黒色の犬獣人・犬間 和則(いぬま かずのり)で、僕とは違う学科だけど、とある授業で席が隣だったのがきっかけで知り合った。そんな彼は今日、木曜日は午後からの授業。

  「もう昼飯食べたのか?」

  原くんが尋ねると犬間くんは首を縦に振る。いいなぁ午後からの授業は・・・

  「そうそう、少し話があったんだ」

  席に着き、僕がカツカレーを一口食べるとそう犬間くんが言う。

  「?」

  「合コンする気はないか?メンバーが足りなくて、女が六人もいるのに男がまだ四人しか集まってないんだ。しかも他の学校の奴だ。

  他の学校の奴と知り合えるチャンス!どう?やらない?」

  う~ん・・・今日は予定らしい予定がないから出ようと思えば出れるんだけど・・・

  「のったのった!!俺出るよ!!!」

  「ふっ、やっぱりな。原は乗ってくれると思ったんだよ!」

  原くんの答えに満足そうに頷く犬間くん。そして、二人はガッチリ握手を交わす。なんだそれ・・・

  「さぁ川崎!残るはお前だけだ。どうする?」

  「いや、僕はいい・・・」

  僕が断ろうとすると、原くんはそれを遮る様に僕に顔を寄せる。

  「来るよな!『行きたくない』なんて言わせない!!」

  そう言うと僕の肩を両手で掴み、さらに顔を寄せる原くん。ちょっ近いよ!!

  「お前は・・・一人で寂しくないのか?」

  「は?」

  僕が間抜けた声を出すと、二人はやれやれ的な顔をする。そして、真面目な顔をしてさらに二人は僕に詰め寄る。

  「一人で過ごす日々は寂しくないか?」

  友達がいるからそんなに一人じゃないよ。家にはお父さんも居るし・・・

  「お前はカップルが街中を歩いているのを見て何も思わないのか?悔しくないのか?」

  いや、悔しくはならない。

  「バレンタインデーの時に圧倒的な敗北感を味わったことはないのか?」

  小学校の時も中学も色恋沙汰には無反応だったし、高校は行ってないから感じた事はない。

  「自分より劣っている奴に彼女が居るのが許せるか?」

  恋愛は人それぞれだと思うよ。

  「負け組だとか思わないのか?」

  負け組の意味がよくわからないからどうしようもない。

  「諦めていいと思うのか?」

  そ、それはダメかも・・・

  「人肌が恋しくないか?」

  好きな人のなら・・・

  「これからの経験に役立つかもしれないぞ」

  そうなのかなぁ

  「合コンって言うのは、男にも女にもいろんな意味でチャンスなんだぞ!」

  チャンス・・・

  「そう、チャンスだ!!今こそ、そのチャンスを掴む時なんだ!お前には今、チャンスの神様がチャンスを与えてくれているのだよ!

  そのチャンスをお前は敢えて逃そうとしている。何とも勿体無いとは思わんかね?」

  「で、でも・・・」

  僕が答えようとすると、また遮る様に話し出す。

  「わかっている。お前さんも好きな人間がこの大学に居るのだろ?だから、合コンにも出る気になれない・・・わかるぞ。

  だがしかし!!さっきも言ったようにいろんな意味でもチャンスなのだ。相手が喜ぶこともそれとなく学ぶのだ!コツを掴むんだ。そして、相手の心を鷲掴みにする方法を身につけるんだ!!」

  学ぶ・・・

  そう言われてみたら僕はほとんど何も知らない。特に色恋沙汰になると全くの素人だ。

  「「さぁどうする?」」

  二人が同時に僕に問いかける。

  うーん・・・

  「・・・僕、行くよ!」

  「よしきた!それでこそ男だ!」

  うん、なんか頑張れる気がしてきた!

  バンバン僕の背中を原くんが叩くのを気にしながらそう考える。

  そうして、圭介は担がれていることとはつゆ知らず、合コンのメンバーに入ってしまった。

  

  

  「「はじめましてー」」

  そして本番がやってきてしまった。二人の男子がまだ欠けているがどうしたのだろうか?

  「こっちの男二人は少し遅れるから先に自己紹介始めましょう」

  そう仕切る犬間くん。

  げぇ~自己紹介やるのかよ。そりゃ当り前か・・・少し緊張するなぁ

  女性陣から自己紹介が始まり、僕の順番は一番最後だ。

  「僕は川崎 圭介です。よろしく・・・」

  緊張して最後が尻すぼみしてしまったが、ここではあまり目立たない方がいいだろう。もとより目立ちたくないし・・・

  「欠けてる奴がいるが取り敢えずカンパーイ!!」

  そうして合コンが始まる。

  

  「それぇじゃぁ・・・」

  始まって一時間。未成年にも関わらず酒を飲み、僕を除いたみんなはヒートアップする。そんな中、いきなり弾けた声が響く。

  「すまん、遅れた!」

  そう言って席に座る獅子の人と見覚えのある白虎・・・気のせいだろうか?

  「俺は桜田 満(さくらだ みつる)です。よろしく」

  と、見覚えのある白虎はそう言う。やっぱり満だ。

  僕の大好きな人・・・

  「満!!」

  嬉しさのあまり、僕はつい大きな声を出してしまう。

  「え!?」

  白虎はこっちを見て驚く。その顔があまりにも滑稽でつい笑ってしまう。

  「圭介?」

  「久しぶりだね!」

  周りを見ると僕らを除いたみんなは楽しく飲み合っている。もう暫く話していても大丈夫そうだ。

  満は僕が病院に居た頃、すごくお世話になった。

  慰めてくれたり、時にはカツアゲから体を張って守ってくれた。

  この時の僕はただ単に『かっこいい』としか感じていなかった。しかし時が経つにつれ、憧れと言ったのとは違う感情が湧くのを感じ始めた。

  それが恋とわかったのは満が病院を去ってからだ。

  最初はただ会いたいだけなのかと思ったが、そうじゃないとわかってから満に対する気持ちは膨れ上がっていった。

  変だとは思ったが、その気持ちは誤魔化せず正直に認めざるを得なかった。

  これから先に会えるかどうかもわからない相手に、そんな感情を抱くのは馬鹿げていたが、どうしようもなかった。

  退院時に会いに来てくれた満に「これでお別れかな」って、言われた時は悲しみのどん底に突き落とされたように悲しかった。

  もう会えない・・・

  そう思った。でも、ここにきてのまさかの再会に僕は狂喜していた。この合コンはまさしくチャンスになったんだ!

  狂喜乱舞してる心を見せない様に、動揺しないように努めながらいつも通りに振る舞う。

  「まさかここでまた会うとは思わなかったよ」

  「それはこっちもだ。どうだ、元気にしてたか?」

  「うん。そっちはどう?」

  何とも味気のない質問は僕らだけの空間を作り上げていた。なんとも心地の良い時間だろうか・・・

  「よぉ~だのしぐやってるかー!!」

  「うわ!」

  僕の背にいきなり原くんが僕にのしかかってくる。片手に酒の入ったコップを持っている。どうやら酔っぱらったみたいだ。原くんは僕の耳元で大声を上げ、酒臭い息を振りまきながら僕の頭を撫でる。今の僕は、耳元で大声は出してもらいたくないし、今のこの雰囲気の邪魔をしないでもらいたい。かつ、頭を撫でてもらいたくない!

  「寄り掛かるな、酔っ払い!」

  「なんで~」

  そう言うと、拗ねてさらに酒を煽り、僕の元を去る。やけ酒は良くないんだよ?

  僕は当然、お酒なんて飲んでない。コップの中身はお茶が入っている。

  未成年なのになんて不埒な・・・

  そう思っていると、満が新しいコップを差し出す。

  「まぁそう悪態付くなよ。お前も飲め!楽しまないと損だぞ」

  「でも・・・」

  「今日ぐらい気楽にいこうぜ!こんな日ぐらい固い事はなしにしようよ」

  そう言って笑ってみせる満に僕も笑い返す。

  そうだよね、少しぐらい羽目をはずしてみてもいいよね。

  テーブルの大きなジョッキから新しいコップに酒を注ぐ。そしてビールを一口・・・

  初めて飲むお酒は何とも言えない味だった。胸と口の中が熱くなり思考が鈍くなるのがわかる。それに比例して気分もいい感じになっていく。フワフワとした浮遊感を感じながらまたお酒を一口・・・

  そうして、圭介は初めて飲むお酒に飲まれていった。

  

  

  

  「ほぅ~・・・ミツル~」

  「ほら、しっかりしろ」

  そう言って、俺が肩を貸す熊人に言う。酔っているためちゃんと真っ直ぐに歩けない。

  圭介がこんなにも酒が弱いとは知らなかった。自分が勧めたから少しバツが悪い。しかも、こいつの体重の重さは半端じゃない。俺が支えようにも、圭介の方が大きいため俺の肩に圭介の体重が集中するため足がふらつく。自分も酔っているからなかなか力が入らない。もう少し軽くなってくれよ!

  胸の中で少し愚痴をこぼすと、ふと思いつく。

  そう言えばこいつの家知らない・・・

  「圭介、お前の家はどこだ?」

  「わかってるよ~それくらい!それは・・・この近辺だよ!!ガハハ~」

  ダメだこりゃ・・・しょうがない俺の家に連れていくか。

  俺が住んでいるのは二階建てのアパートで、最寄り駅は今の合コン会場から二駅先にあり、そこからさらに徒歩十分の合計二十分足らずの所にある。

  しかし、こいつが重すぎて歩く速度が遅い。家に着くのは相当後になるだろう。まぁ騒がないだけいいか。話し掛けると大声で返してくるから取り敢えず無言を貫きとおさなきゃならないな・・・

  「これから電車乗るから静かにしてろよ」

  「え~!うるさいのは満でしょ♪」

  「頼むから!」

  「えへへ、頼まれちゃった~」

  圭介はあろうことか通りすがりの女性に話しかける。俺はごめんなさい。と言って、圭介を引っ張って券売機まで行く。こいつに酒は厳禁だな。

  そして、満は自分の財布から電車賃を出し、圭介片手に苦労しながらホームへと向かうのだった。

  

  

  家に着いたのは十二時を回り辺りは夜中独特の静けさで包まれていた。

  「ふぅ・・・」

  溜息をつくと玄関で少し休憩をする。あそこからここまでの道のりはとにかく大変だった。

  こいつを引きずりながら改札は通れないから駅員さんに言って、荷物を搬入するための入り口を開けてもらった。電車の中では騒ぎたて、流れゆく景色を見ては変な声を上げながら喜び俺に話しかけた。それに対応する俺は周りからの冷たく憐みの籠った視線を向けられる。そして、最寄り駅についても駅員さんに手伝ってもらった。

  家までは、途中の道行く人々の視線を受け流すのが大変だった。道端で吐くことは無かったからまだ良かったが、夜道で目に入る物なんでも話しかけるのはやめてもらいたい。

  力を振り絞り、引きずる様に圭介をベッドに連れていき寝かせる。ベッドが汚れないようにするため、圭介にはパンツ一枚になってもらった。その頃には抵抗は無く、本人は呻いているだけだったから服を脱がせるのは簡単だった。

  俺は圭介持ち物の中から携帯を探し当て、こいつの家に電話する。こいつは父親と暮らしているのを俺は聞いたので、今日こいつを家に泊める旨を伝えなければならない。人の携帯を許可なく開くのは気が引けたが、圭介の父親とは面識があるだけに心配をかけさせるような事は出来なかった。

  『家』の項目を見つけて非常識な時間に電話をかけ、圭介を泊める旨を伝える。

  「まさかまた話が出来るとはね・・・圭介の事頼んだよ」

  「いえいえ、なんてことないです。こちらこそこんな時間に電話してしまって・・・」

  どうやら向こうも驚いたようだ。

  今数えてみると圭介と別れて二年近く。長かったような長くなかったような・・・

  「いやいや、こっちこそ迷惑をかけてしまったね。これからもよろしく頼むよ」

  そう言われ電話を切る。

  ベッドを見ると、圭介はかわいらしい寝顔をして寝ていた。ついさっきまで酔っていた姿がウソのようだ。

  「おやすみ、圭介」

  そう言うと俺は掛け布団を掛けてやり、シャワーを浴びてからベッドの横に押入れから出した布団をひき、眠りにつく。

  酒と疲労からか、すぐに眠りについた。

  

  暫く寝ていると足に激痛が走り一気に覚醒する。

  目を足に向けると、圭介が暗闇に立っていた。どうやら足を踏まれたみたいだ。

  「圭介?起きたところ悪いけど足どけてくれよ」

  「・・・」

  俺がそういうと足を退ける。しかし、どうしたことかずっと立ってこっちを見る。

  「なぁ・・・どうした?」

  そう言いながら上半身を起こすと、圭介は俺の肩を掴み押し倒す。その目はどこか遠くを見ている。

  「お、おい圭介!」

  「みつる・・・」

  漸く反応を示し安心したのも束の間、今度は俺にキスをしてくる。無理矢理舌をねじ込む荒いキス。

  ピチャピチャ・・・

  「ん・・・」

  「あむ、はうう」

  暫くすると口が離れる。

  「むは・・・圭介・・・」

  「みつる・・・僕、満の事大好きだ・・・」

  キスでボーッとした頭で圭介の言葉を聞く。

  「な、なに!?」

  こいつ酔った勢いでなんて事を!しかしさっきと違い、俺を見つめる目は理性を帯びた目をしていた。

  

  

  

  「満の事大好きだ・・・」

  とうとう・・・とうとう言ってしまった!

  起きて・・・暫くして満の声がすると僕は満を押し倒し、挙句に勝手にキスまでしてしまった。

  自分でしておいてなんだが、どうしようか正直困っている。

  なんだか夢見心地でなんでもできる感じになってて、無性にキスがしたくなって・・・そして、気が付けばそれが現実で自分が押し倒しキスをしていた。

  酔った勢い。とでも言うか・・・でも、突然キスはダメだろうな。

  取り敢えず、混乱している頭を落ち着かせるために謝っておく。

  「あの・・・ごめんなさい」

  「・・・」

  僕は押し倒した格好で謝る。でも、満は何も言わない。目は僕の顔に向けられている。

  「・・・」

  嫌われたかな・・・

  そう思って退こうすると、今度は満が僕を押し倒した。吐息が僕の頬を撫でる程の距離から見つめてくる。視線が絡み合うのに少し興奮しながら次を待つ。

  「・・・後悔、しないな?」

  「え?」

  なんだって!?

  「付き合うの、後悔しないな?」

  「え!?あ、うん!もちろん!!」

  思いがけないシチュエーションに戸惑いながらも、僕は嬉しくて何も考えずに首を縦に振る。

  今度は満の方からキスをしてきた。僕は一生懸命それに応えるため満の背中に手を廻し、舌を啜りあう。

  「ぅふ・・・」

  お互いの唾液を、口の端から涎が垂れても気にせず啜りあう。

  そして、ゆっくりキスを止める。お互いの息がかかる。満は状態を起こして僕を見下ろして下を見やると、僕のパンツを一気に下ろすとお腹に乗る。そして自分のシャツと下着を脱ぎ出す。

  僕のお腹に乗りながら服を脱ぐ満の姿はなんともエロい!

  僕とは違い、腹が割れ、逞しいボディ。それに見とれていると、自分の股間のものが最大限に大きく固くなるのを感じる。

  「いくぞ」

  パジャマを脱ぎ捨てた満は僕から降りると、お預けをくらっていた犬の如く僕の小振りな肉棒にしゃぶり付く。

  「あぁっ!ダメだよ!!」

  「ん、やめていいのか?」

  つい声を上げてしまった僕に、顔を上げて僕の耳にそう囁く満。

  「いや、なんて言うか・・・はぅ!」

  「こんな状態でもやめるのか?」

  僕の肉棒を握りながら意地悪そうに満が言う。

  「あぁ・・・なんて言うか、はぅっ!!」

  「どうした?」

  僕のをニギニギしながら満は僕に尋ねる。僕の反応を楽しむように満は僕の肉棒の亀頭を中心に捏ね繰り回す。僕はその刺激に耐えながらもなんとか答えようとする。

  「くっ・・・はぁあああ!」

  「やめてほしいのか?やめてほしくないのか?」

  息絶え絶えで頭が白くなっていく中、ボンヤリと満の甘い声が囁く。

  「・・・やめてほしくない・・・です・・・」

  「続ける?」

  「うん」

  回らない頭で頷くとまた僕のにしゃぶり付く。

  「うあはぁぁ!・・・ぁぁ・・・」

  初めての感覚にすぐにイキたくなるのをなんとか堪えようとするが、満のネコ科特有のザラついた舌が雁を撫でると僕はイッてしまった。

  「んく・・・たくさん出たな」

  「ふぅふぅ・・・くふぅ、あああ・・・」

  僕のを全部飲んだのかそう言いながら右手ではまだ僕の肉棒を擦る。初めての特殊な快感に、息絶え絶えの僕に満はまだ刺激を送り続ける。

  暫くして少し息が整うと、満は僕の顔に股間が来るように跨る。

  「今度は俺のを舐めてくれよ」

  そう言って、僕の目の前に満は自分の肉棒をもってくる。

  満のは僕より大きく、その下にある袋も大きい。僕はまだ与えられる刺激に耐えながら満の肉棒を口に含み、先走りに濡れたソレを舐める。

  自分がオナニーする時に夢想していたのとは違う。好きな人の汁はもっと甘くおいしい・・・

  「ん・・・もっと・・・」

  僕の肉棒に感じていた刺激が止まるのを感じると、満がそう言った。僕はそれに応えて激しくしゃぶり出す。そして、体勢を変えると僕の頭を押さえ満自ら腰を振る。始めは息が詰まりそうだったが、段々そのペースにも慣れる。

  しゃぶればしゃぶる程溢れてくる先走りに僕は満足できず、もっと濃いのが欲しい。と、強く吸ってアピールする。すると

  「あぐぅ・・・」

  僕の頭を抱え込んで唸る。もう一息・・・

  じゅるるーー

  僕は勢いよく吸い上げる。

  「ぐああっ!」

  そう叫ぶと、勢い良く濃く苦い雄の香りとドロドロしたものが口いっぱいに広がる。

  僕は口の中で舌を転がして味を堪能する。その味を感じると自分のモノがまた立つのを感じる。

  少しの休憩を挿むと満は僕のお尻の穴に指を当て、こっちを見る。

  入れてもいいか?・・・

  そう言っているようなので、僕は小さく頷く。それでわかったのか、お尻に顔を埋めて舐め出す。

  「あうぅ・・・」

  僕は情けない声を出しながらも、「もっともっと」と喘ぎ続ける。そして、不意に刺激が止み満の方を見る。満は僕と正面になる様に覆いかぶさり、耳元で囁く。

  「力抜けよ」

  そう言って、自分の中に熱と圧迫感を感じ、満は喉元をグルグルと震わせていた。ちゃんと解してくれたからか初めてにしてはそこまで痛くなかった。

  最後まで入ると、満は僕にキスをする。解してくれたとはいえ、尻にはズキズキと鈍い痛みが走る。

  「みつるぅ~」

  僕の情けない声に、満は僕の耳を甘噛みして応える。耳に直接ピチャピチャと舐める音と息がかかり、僕は悶えながら体を震わせる。

  それも終え、満は僕の頬を手でなぞりながら聞く。

  「けいすけ・・・動くぞ?」

  「うん」

  僕の返事に満の肉棒が僕の中をかき回す。雁が中のいろんなところを刺激する度に僕に快感の波が来る。

  ぐちゃ・・・くちゅ・・・

  二人の結合部分から湿った音が鳴り、二人の間の温度が高まる。

  「あ、はぁ・・・はぁ、みつる~」

  快感に溺れながらも愛する人の名前を呼ぶ。すると、僕の手を握ってさらにキスをする。

  「圭介!俺・・・愛し、てるぞ!」

  満はそう言うと動きを激しくする。

  「ぼ、ボクも・・・あ、愛してる~」

  僕も満の手を握り返す。

  「く、もうダメだ!イクっ!

  ぐあああああ!!」

  「僕も!ああああぁぁ!!」

  二人で声を上げると、お互い射精する。一回出したにも関わらず量は変わらなかったみたいで、自分の腹は僕の精液でたっぷりと濡れていた。お腹の中は温かい液で満たされ、中に入っている肉棒がピクピクと律動している。

  射精の快感に暫く浸ると満は僕の上にうつ伏せに倒れる。目が合うと僕と満はどちらともなくキスをする。

  さっきの相手を落とす様なものとは違う、労う様な優しいキス・・・

  「今日はもう寝よう」

  「うん・・・」

  僕たちは精根使い果たし、満の提案に頷くとすぐ眠りについてしまった。

  お互い抱き合いながら・・・

  

  

  

  「う、うん・・・」

  僕が起きると二日酔いで鈍く頭が疼く。そして、自分の状態に意識が向く。

  あぁ昨日・・・

  そこまで思い出すと顔が熱くなる。お腹の精液は拭き取られていた。どうやら満が拭き取ってくれたらしい。

  僕は顔を赤くしながら近くに落ちていたパンツを穿いてドアを出る。眠い目を擦りながら部屋の外の廊下に出るといい匂いが別の所から漂い、僕はそれに導かれるように匂いの元へと足を向ける。

  「お!もう起きたのか?」

  ドアを開けると、ドア横のカウンターキッチンにトランクス姿で調理をする満が声をかけてきた。なにもそんな恰好で料理しなくても・・・

  「なに顔赤くしてるんだ?」

  「・・・その恰好・・・」

  「あ?」

  僕が恥ずかしそうに答えると、満は自分の恰好を見て少し考えて「はは~ん」と納得する。

  「なんだ、別に恥ずかしがるなよ。昨日セックスした仲じゃないか・・・」

  「あぁ!そこまで言わなくていいよ!わかってるからぁ・・・」

  僕の顔がもっと熱くなる。僕は気付かれないように顔を逸らすと満が僕に抱きついてくる。

  「!!」

  「圭介、こっちを向け」

  満は静かにそう言う。満の方に顔を向けると静かにキスされる。口を合わせるだけの静かで落ち着くキスを済ませるとお互い見つめ合う。

  「これからもよろしくな」

  「うん。あの・・・」

  「なんだ?」

  「もう一回、キスしてもいい?」

  僕の要望に満は無言で答えてくれる。キスしながら恐る恐る満の腰に手をやると自分の方に寄せる。そして僕は口を離す。

  「僕は満が好き・・・だからあの、付き合ってください」

  すると満は笑いだす。

  圭介にとっては一生懸命に言った言葉なのに、満に笑われて圭介はムッとした顔をする。それに気付いたのか満は弁解をする。

  「いや、面白くて笑ったんじゃなくて、おかしくて・・・いや、同じ意味か。

  取り敢えず言いたい事は、キスもセックスもしたんだ、今更告白って順序が違うじゃないか」

  「そ、そうだけど。言わないわけにはいかないじゃん!」

  どんどん顔が熱くなる。それを見たのかまた笑いながら言う。

  「お前って体の割には、妙に礼儀正しい。中身は昔のまんまだな」

  「失礼しちゃうよ。体格で人を決めるなんて偏見だよ!」

  「悪かった悪かった。さぁ朝飯食おうぜ!」

  そう言うものの顔はニヤけたままで、全く反省の色が見られない。

  「ちょっと、聞いてる?」

  「ほら、飯が冷めるぞ」

  「もう」

  そう言いながら近くのテーブルに着き、朝ごはんを食べる。簡単で質素にも見えるご飯はすごくおいしかった。

  ご飯を食べ終わった後、両方とも大学の講義がたまたま無いことをいいことに、いちゃつきながら時間を過ごす。

  

  

  一時は離ればなれになったが、二人の絆は変わらないものだった。

  再会して一日も経たずに恋人になった二人は、周りから見れば随分と速い展開だろう。しかし、二人にはそれ相応の時間がかかった。

  二人の気持ちは離ればなれになったことですれ違がった。でも、また会って二人の気持ちは通じあった。

  二人の未来に幸あれ。

  

  

  完