「どんな怪物や魔物より人間の心の闇こそが恐ろしい」
そう言える者達は幸せである。
なぜならその者達は人の心の闇とはまた違う深く暗い闇の存在、そしてその彼岸で起きている戦いを知らずに生きているのだから。
あたしがそんな「彼岸」に足を踏み入れる事になったのはつい昨日とも遠い昔とも感じられる。
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真夜中と言うにはまだ少し早いころ。
あたしは一人夜道を歩いていた。
何か落ち着かない。何か納まらない。
幸い公にはこの時間を歩くだけではとがめられない歳ではあるけど本来ならそうそう歩く場所でも時間でも無い。
だけど―歩かずにはいられない。
苛立っているとかじゃない。
暴れたいと言う訳でもない。
まして「求めてる」―違う違う。
どれでもないし―どれでもあるかも知れない。
ただ一つ言えるのはこの夜の闇の中にあたしが求める―あるいはあたしを求める「モノ」がいると言う事。
だからあたしは歩いている。この夜道を。
人の闇とはまた違う闇が紛れる夜道を。
暗い。とにかく暗い。
自分でもこんな道をよく歩いている。
あたし自身こんな道を歩くなんて思いもよらなかった。
あたしがあの時「あれ」―と出会わなければ。
「あれ」は今こうしている間にもあたしのそばにいる。
あたしが、あたしを求めていると言うのは本当は 「あれ」が、「それ」を求めていると言うべきかも知れない。ただ―。
来た。
人の目では捕らえづらい、うかつに光を当てたら見えない闇の中。
来ている。
ここから先はあんたらの来る場所じゃない。
暴れたければそこで暴れていればいい。
そうでないなら……。
「あれ」の声が聞こえる。
どうやらあいつらはやる気らしい。
なら―あたしも妙に昂ぶるものを感じている。
この闇の中で思い切り「やれる」事に。
いいよ、そっちがその気なら……。
あたしは闇の中で何もかもを脱ぎ捨てる。
いや……この闇の中に入る時点であたしは何も身に着けていない。
そう、あたしは今までまっ裸のまま歩いていた。
人目につけばあたしは相当危ない目で見られるのはわかる。
まして人の領分じゃない闇の中で。
まともに考えたらバカとしか言えないのはわかってる。
でもここは、そして今のあたしは―。
「まともじゃない―ね」
そうつぶやきながら震えを感じている。
闇の中から来るものに、そしてあたしの内にいる「あれ」に。
「あ……ああ……あん…あう……」
足が、腰が震えてる。
怖いんじゃない、感じてるんだ。
「あれ」が出てくる。
あの闇の中にいる奴らを求めて出て来ようとしてる。
傍目にはちょっとみっともない仕草だけどあたしは構わず足を、腰を震わせる。
―キモチイイ―
あたしは頭の中でつぶやいた。
あたしの中で「あれ」が動く。
あたしの中を通って「あれ」が出てくる。
気持ちよくないわけ……ない。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ……」
気持ちいいのが腰から足に、お腹から胸に、頭に来る。
腰だけじゃなくて胸も震えてる。
こんな状況じゃなけりゃ思いきり胸をつかみたい。
そしてむちゃくちゃにしたい。
それくらい感じてる。
でも……それ以上にあたしの中が……熱い。
「あれ」が……出てくる。
怖いとかの気持ちはきっと麻痺してる。
それ位熱くて―キモチイイ。
来る。くる。クル……キタ。
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「ああああっ!」
あたしは声を上げて仰け反る。
同時にあたしの中から「あれ」が唸りを上げて飛び出した。
むくりと姿を現した「あれ」。
その姿は適度に細く長く、その先端は少し大きく丸く……あたしが「直接は」感じる事の無いはずのものに似ている。
さすがにここまで長くうねりはしないだろうけど。
かなり不気味な形をしている「あれ」にあたしは恐れ以上に妙に心地よさを感じている。
そして、つぶやいてしまう。
「ああ……来て……」
瞳が潤んでいる。顔が悦んでいる。
裸の女がそこから長いものを出して堂々と晒している。
完全にどうかしてる。どうかしてるけど……。
それがはっきり感じられるもつかの間、「あれ」は動いた。
突然あたしの足の間をくぐり抜けると、そのままお尻から腰骨、背骨をなぞる様に貼り付いていく。
「あっ」
その感触につい声が上がる。
そして「あれ」の先端、大きく丸いその物体が大きく鎌首を上げると……。
一瞬であたしの頭を飲み込んだ!
ちょっと短めの髪も、少しきついと言われがちだけどそれなりに悪くはないと思ってる顔も。
全てが一瞬で飲み込まれた。
あたしの中から出てきてあたしの背中からあたしの顔を飲み込んだ「あれ」はそのままその体を波打たせる。
(うっ、ううっ)
あたしの中、その奥で「あれ」が波打つ度その刺激があたしの頭を覆う「あれ」越しにあたしの頭に伝わって来る。
文字通り顔、そして頭中を揉まれてる。
(ううっ、ううっ)
キモチいい……頭の中、あたしの中……。
もっとキモチよく、もっとタカブりたい……。
そんなあたしに反応したのか「あれ」は更に変化していく。
あたしの背中、肋骨の辺りから「あれ」が左右に枝分かれしてあたしの胸の下をなぞる。
(うぅ……うん……)
あたしの胸を半周した「あれ」の先端が開き、あたしの胸を鷲掴みにする。
(ううんっ)
あたしはまたのけぞる。
頭、中、そして胸。
「あれ」はあたしをさらに気持ちよくさせる。
背中に伸びている「あれ」はさらにあたしの身体に伸びていく。
胸に伸びてたのがまた分かれて腕のあた
りでぐるりと回ったあと手のひらに伸びる。
(う……)
掌、指の一本一本に優しく手を添えられながら覆われていく。
「あれ」の根本からも分かれていき、内股から膝をぐるりと回るとふくらはぎから足に伸びる。
(うう……)
かかとから足の裏を通り、つま先まで覆われていく。
足を覆い尽くした「あれ」はそのまま膝まで伸びてあたしの脚を覆う。
手の方もいつの間にか肘の辺りまで覆われている。
その動きの全てが―あたしの中と頭に響いていた。
あたしの中で「あれ」が動き、あたしの頭が「あれ」の中で動く。
両腕と両脚、胸を縛られる様に覆われたあたしが激しく震えるのを「あれ」が御するように引き締める。
それはあたしがさらに「変わる」合図でもある。
(ううっ……うう……)
あたしの中が熱くなってきた。
火照るなんてものじゃない。
本気で熱い。
「あれ」があたしを熱くさせているんだ。
その熱さは全身を覆う「あれ」越しに、そしてあたしの内側からあたしの体中に広がっていく。
(ううう……ううう……)
熱さが体に満ちていくうちにあたしの体が膨らんでいく。
腕が、脚が、胸が……。
腕も脚もまるで丸太の様に太くなる。
一応揉めはできるけどそんなに大きくはない胸がスイカの様に膨らんでいく。
そして「あれ」の根元―あたしの中も熱く張り詰めてる。
下手すれば「あれ」を押し出してしまいそうに。
そんなあたしを「あれ」は巧みに操ってる。
あたしは今、完全に怪物になってる。
あたしの中から生えた「あれ」を体中に身に着けて身体を膨らませて浮かれもだえてる怪物。
今目の前の闇の中にいる奴ら、目の前に迫っている奴らと同じ。
違うのはあたしがもとは人間だって事。
もっとも、今はどうでもいい。
「あれ」の制するままあたしは人間の形を持つ「何か」に変わってきてる。
怖くない。ううん―キモチイイ。
あたし―カワリタイ。
あたし―アゲル。
ゼンブーアゲル。
その時、あたしの中で「あれ」が最後の一押しをした。
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(うううううう……アアアアアアーッ!)
あたしの中で熱いものが吹き出す。
それはあたしが達した証。
「あれ」は根元でそれをすべてすすりとる。
さらに胸から、腕から、足から、そして頭からあたしのはちきれそうだった熱さを吸い尽くしてゆく。
あたしの体が細くなっていく。
太い手足が、大きく膨らみすぎた胸が―「あれ」に吸い取られていく。
余分な精気が「あれ」に食われてる。
あたしの精気を食いながら「あれ」は変わる。
手足は何でも引き裂きそうな鋭い爪が伸び、お尻のあたりには尻尾と言うには小さな塊が盛り上がる。
そして少しだけ自由になった顔を覆う塊は何か獣の頭のような形になる。
(アアア……アアア……)
頭の中で色々なものが湧き上がる。
アバレタイ、タタカイタイ、カリタイ。
ソシテ……キモチイイ。
女としての、変化して行く末の。
「あれ」が引き起こした色々な絶頂と興奮に流されあたしは「あれ」に受けとめられ一つになり―
「アタシ」になった。
「グルゥ……ウウウ……」
体中から吹き出す獣の気―みたいなものがアタシをより昂ぶらせてくれる。
アタシが「アタシ」だと言う事を喜ばせてくれる。
そしてアタシは目を見開き、口を震わせて闇の中を見回す。
アタシが「アタシ」になるまで数える程もなかった。
だから―。
「ギャオッ!」
闇から飛びかかってきた一匹をそのまま引き裂いた。
これが今夜の最初の獲物。
引き裂く衝撃がアタシの脳を軽く酔わせる。
その中で「あたし」が甘い声を上げた気がするが今のアタシには関係ない。
アタシは獣のように身をかがめる。
いい具合に胸が張り、中が押し込まれる分アタシは高まっていく。
「ウガッ!」
アタシは一声吠えると別の一匹に飛びかかった。
さっきのアタシみたいに返す隙なんて与えない。
両腕を突き立て抑え込むとアタシはそのままそいつを引裂く。
返り血は出ないけどいい具合にうめきながらそいつは消えていく。
「ギャオオーッ!」
アタシは更に雄叫びを上げる。
気持ちいい。
襲いかかるたび、切り裂くたび、引き裂くたびに身体が熱くなる。
不意に背中に悪寒を感じる。
「ガッ!」
襲いかかる気配に背骨を滑らせる様に大きくのけぞりながら飛び上がる。
背中を大きく反らしたせいで胸がギュっと掴まれながら引っぱられる。
胸の先が……キツイくらいにつままれる!
アタシの「中」でいっぱいになっているものが急に「中」を絞り込む!
根元を覆っていたものが内側からアタシのそこを引っ張る様に掴む!
「ギィィィッ!」
イタイ―デモ……キモチイイ―
アタシの口から悲鳴に近い雄たけびが漏れる。
―モット、モット―
その欲求のもとアタシの尻、その上のあたりから何かが伸びる。
それを背中越しに悪寒の先に伸ばし―巻きつける!
「ガァッ!」
クルリと身を回し、両手足を地につける。
まるで獣みたいだけど今のアタシには似合ってる。
両手足に力を入れて腰から伸びたそれを引っ張る。
グイッとそれが腰の中に引き込まれ、巻き付かれていた悪寒が引き倒される。
そのまま切り倒されても良かったがかなりしぶとい。
でもーその分思い切り襲えるからイイッ!
アタシは「後足」に力を入れて思い切り引き絞り、「前足」はいつでも地面をかき出せる様に構える。そして……。
「ガァッ!」
そのままそいつに飛びかかった。
前足を突き立て、後足で踏み付け、腰から伸びた「尾」で締め付け切り裂く。
さらにアタシの「顔」―「口」が大きく開きそいつに食らいつく!
それがトドメとなったか、そいつは力尽きるように消えていった。
「ウウ……グルゥ……」
イイ。スゴクイイ。
アタシの胸、アタシのそこ、アタシの顔。
アタシの全部がキモチヨク震えてる。
手足がうずく。
もっと動きたい。
もっと叩き込みたい。
胸が震える。膨らんでる。
もっと高鳴りたい。
そこが熱くなっている。
もっと感じたい。
もっと―イキたい。
頭が高ぶる。
もっと―狩りたい。
そんなアタシの頭が一瞬引き締まる。
アタシの耳が、肌がまだそいつらが去っていない事を教えている。
いいよ。付き合ってあげる。
その代わり―アタシを「楽しませてよ」。
その瞬間、アタシの全身が更に熱く震えた。
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どれだけ暴れただろう。
一晩中かもしれないし、ほんのひと時かもしれない。
それくらいの勢いでアタシは狩っていた。
貫き、切り裂き、引き裂く。
蹴り込み、踏みつけ、絡め倒す。
そうするたびそいつらは消えていく。
そうするたびアタシは気持ちよくなる。
肌は震えながら引き締まっていき、胸はその先まで掴むように揉まれていく。
アタシの根元、そしてその奥も何度ももまれ、つままれ、引き締められた事か。
「ウウ……グルゥ……ガウ……」
アタシは何度もイキ果てながら狩っていた。
あるいは……狩りながらイキ果ててた。
ビンビンに太く、ガッチリと逞しくなった様なむき出しの肌が何度もバクバク震えてミシミシしなってる。
腕も脚も丸太みたいに太く感じるし胸も何倍にも膨らんでる気がする。
熱い。熱い。とにかく熱い。
あたしのそこも思い切り燃えるように熱く、ギンギンに引き絞られながら何かが盛り上がってきそうな感じもする。
狩っているといつの間にかこうなってる。
「アタシ」になる時のそれとはまた違う感覚、そして姿。
ただ同じなのはそれが異形―そう言える事。
あいつらを狩るたびにアタシも同じ様なモノに変わって……イク……。
ワルクナイ。
アツク、キモチヨクイタイ。
アイツラトオナジモノニナッテイイ。
アタシ……アゲル……ゼンブ……。
ダカラ……アタシ……カエテ……。
「ギャウッ!」
アタシがアタシの全部を差し出そうとした瞬間アタシは痛さと気持ちよさにのけぞった。
「ガァッ、グァッ、グギャッ!」
アタシの中から熱いのが吸い出されていく。
さっきまでの熱いのが、荒いのが、激しいのがどんどん干上がって行く。
腕から、足から、胸から、頭から。
アタシを覆う場所から色々なものが吸い取られていく。
みなぎる熱さが、高ぶる衝動が引いていく。
そして―アタシの中に集まっていく。
「グゥ!ガァ!ガガァ!」
それを止めたいのか、それとももっと搾りたいのか。
アタシは覆われた胸を鷲掴みにしてひたすら揉みしだく。
もちろんそれだけじゃ止まらない。
全てが注ぎ込まれている場所―根元を掴むようにつまむとひたすらしごく。
「ガッ!ウガッ!ギャァッ!」
アタシは両足で地面を踏み締めながら胸をつかみ、そこをしごく。
もっと、もっと絞り出すように。
アタシの熱いのを、キモチイイのを。
アタシの腕から、足から、胸から、頭から。
熱いものが吸い出され、背中を通ってそこに、中に吸い取られていく。
「ガアッ、ウガァ、ガウっ、ウぅっ、ううっ!」
アタシの頭の中から「アタシ」が吸い出されていく。
その中からむき出しになった「あたし」が声を上げる。
久しぶりに聞いたあたしの声は高く澄み、そして激しかった。
「あたし」に戻った事であたしの体はより敏感になる。
「あたし」の理性や常識、「アタシ」の闘争本能から解放された本当に「裸のあたし」。
腕や脚、胸、そして顔こそ姿こそ異形に覆われているけどあたしは今―裸だった。
裸のままでひたすら自分を高ぶらせアタシ―あたしの中にいる「あれ」に捧げる。
「ううっ、うううっ、うっ、うっ!」
異形の顔の中であたしはあえぐ。
自分をより高ぶらせながら。
さっきまでのあたしの様に、今のあたしのままで。
体が余計熱くなる。「あれ」が吸い取り切れているのかどうかもわからないくらいに。
只確実にわかるのは……。
来る、来る!来ちゃう!
今のあたしだからこそより強く感じるこの狂おしい程の感覚。
キモチイイ。気持ちいい……きもち―いい。
そして―わたしは―。
「うぅぅぅぅあぁぁぁぁぁぁっっっ!」
はじけ飛んだ。
あたしの頭の中。
あたしの体。
全てが吹き飛んだような感じ。
そして体が一気に解き放たれる感じ。
異形だったあたしを象っていた胸、腕、足、そして顔。
その全てが一気にはじけ、むきだしのあたしが露わになった。
「あっ」
そのひんやりとした心地よさにあたしはつい声を上げる。
しかし……。
そんな穏やかな心地よさも一瞬で吸い込まれていく。
あたしの「中」に全てが吸い込まれていく。
激しく強く、荒々しい勢いで何もかもが。
「ああああああああぁぁぁぁぁぁっ!」
異形のあたし―あたしの外に出ていた「あれ」が一気にあたしの「中」に吸い込まれる。
正確にはあたしの「中」に戻っていく。
まるであたしの「中」そのものが全てを吸い込んでいくかのように「あれ」はあたしの「中」に消えていく。
その激しすぎる快感にあたしは只のけぞりながら声を上げるだけだった。
それこそバケモノの様に。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ…………あぅあっ!」
最後のひとかけらがあたしの「中」をくぐり、その奥にある「あれ」と一つになったのを感じながらあたしは一瞬体をびくりとのけぞらせて倒れ込んだ。
こんな体験―もう何度目なのか。
「あははぁ……ああ……あはぁ……」
あたしはしばらくの間顔を引きつらせ、肌という肌をひくつかせたあられもない様で裸のまま地面に転がっていた。
その後あたしは自然と落ち着くのを待ってたのか、それとも話に聞く迎え酒ならぬ迎え……と、とにかくあたし自身を鎮めてたのかは覚えてない。
火照っているのか落ち着いたのかまだピンとこないのを感じながらあたしは裸のまま起き上がる。
流石にこのままじゃもしあいつらが来たら……その時はまた「あれ」の出番か。
あたしの中で今は休んでいる「あれ」の気配を感じつつあたしはそのまま闇に消える。
この「彼岸」の世界からとりあえず今夜もあたしの生きてる世界に帰るため……。
[newpage]
「始芽、あなた今日も妙に艶のある顔してるけどどんなケアしてるの?」
翌朝、知り合いからそう聞かれる。
「別に?大した事してないよ」
そっけなく答えてみる。
「富荘さん……まさか、男漁りしてるとか?」
別の知り合いがかなりとんちんかんな事を言う。
軽く苦笑いしながら、
「そう言う相手がいたら紹介してよ。それなりに選ぶけど」
と返す。
まあ、どちらも間違いではない……一応。
「あれ」と散々絡み合い、その度に身体が色々満ちたりはしてる。
でもさすがに「あたしの中にいる”モノ”が取り憑いてバケモノになってる」
―だなんて言えるものじゃない。
さすがにこれだけはあたしだけの秘密だ。
とりあえず今日もあたしはこっちにいる。
そしてまた夜になれば……そいつは「あれ」次第か。
あたしの「彼岸」の綱渡りはまだまだ終わりそうにないようだ……。
了