夜と雨に包まれて・雨音とともに鳴いて

  あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ……。

  ーいつの頃からだろう。

  雨が降る夜になるとこんな風になるのは。

  あっ、あっ、あっ、あっ、あっ……。

  ―特に一人でいる時。部屋の中で過ごしている時。

  場合によっては外にいても……。

  あぁっ、あぁっ、あぁっ、あぁっ……。

  ―体の奥底がキュンっと鳴り、身体が火照りだす。

  あんっ、あんっ、あんっ、あんっ……。

  ―服の上から、いや、それこそその下に手を突っ込んで胸を掴む……余裕があればまだいい。

  あぁん、あぁん、あぁん、あぁん……。

  ー迷う事なく下の方、キュンキュンっと鳴り響くその奥に突き進む。

  あっ、あっ、あっ、あっ、あっ……。

  ー布地越し、いや、もう直接突き進ませる。

  あぅん、あぅん、あぅん、あぅん……。

  ーわたしの奥で思い切り指を震わせる。

  暗がりの中、雨音とわたしの声だけが響く。

  いい。気持ちいい。

  その気持ちよさのままひたすら体をよじらせながら高まっていく。

  そして……。

  あ、あ、あ、あっ、あっ、あっ……。

  「アッ♡」

  ―雨音が一段大きくなった中、わたしは達した余韻にしばし浸っていた。

  雨の夜になるとこうなってしまう。

  こうしてしまう。

  こうせずにいられない。

  雨音を聞きながら。

  雨の気配に浸りながら。

  夜の闇に潜みながら。

  ただひたすら自分を昂ぶらせる。

  そして高みを突き抜けた余韻に浸りながら再び……。

  その欲求をこらえつつもベッドから起き上がると窓に向かう。

  夜の帳に包まれ雨が降っている。

  さっきまでの大降りは一段落したものの、やっぱり雨脚は強い。

  普通ならなんの用もないのに外に出るなんておかしい。

  わざわざ夜中、しかも雨の降るこんな夜に出歩くなんて……。

  でもわたしは笑っていた。

  窓に映る裸のわたし―こんな夜はいつの間にかこうなっている―は笑っている。

  雨の降る夜中にまさか裸で出るなんて、部屋の中ならともかく外でなんて……ね?

  [newpage]

  ザァ……ザァ……ザァ……ザァ……。

  結局出てしまった。雨降る夜空にレインスーツだけの裸で。

  常夜灯はあるけどそれ以外は暗い夜道。

  人の気配は他にない。

  ただ雨音だけが響く中を一人歩いてる。

  ピチャ、ピチャ、ピチャ、ピチャ……。

  足に履いているベランダサンダルの足音が心地良い。

  雨に濡れた路面を歩く度程よく足に地面と雨の感覚を伝えてくれる。

  雨靴を履いて無邪気に水たまりを歩いている時とはまた違ったリズムが心地良い。

  しとしと……しとしと……しとしと……しとしと……。

  生地越しの肌に受け止められた雨粒がそのままわたしの身体を流れていく。

  頭を、顔を、首を、肩を。

  腕を、胸を、背中を、腰を。

  お尻を、足を、そして―。

  降り注ぐ雨がレインスーツの生地越しに肌を叩くたび雨粒が女の形に、わたしの形になって流れとどまり、そして落ちていく。

  そんな中を歩いているのー好き。

  ザザザザザザザザザザザ……。

  突然強くなった雨がより強く身体に打ち込んでくる。

  「あああ……」

  わたしは体を広げて雨を受け止める。

  その形は生まれたままのわたしの形。

  そして身につけているレインスーツもまたーぴっちりとわたしの形をしていた。

  それこそ頭から足先までぴっちりと!

  まるでレインスーツがそのまま裸のわたしの形になったみたいに!

  ザーザー、ザーザー、ザーザー、ザーザー……。

  雨に濡れたつるつるすべすべのスキンヘッドを軽くなで、そこから卵のようにツルンとした顔を撫でる。

  文字通り雨粒を顔に擦り付ける様に。

  目元以外はのっぺらぼうなわたしの顔。

  その中でわたしはとろける様な顔をしてる。

  何度も、何度もつるつるの頭と顔を撫でる。

  そしてそのまま首筋やうなじを通り鎖骨のあたりまで……。

  すべすべしたスーツの感触と雨粒が肌に気持ちいい。

  雨の中で頭までつるつるつやつやの生地で覆い尽くして頭撫で回してるわたし……ちょっといいかも。

  ホントはこの下もスリスリしたいけどちょっとだけガマン。

  まだまだ雨のお散歩したいしまだまだ―楽しみ足りないもの。

  わたしはそのまま歩き出す。

  雨降り注ぐ夜の中、気の向くまま気の済むまで……。

  [newpage]

  スススッ、スススッ、スススッ……。

  雨の中を歩く度肌とレインスーツの生地が程よく擦れる。

  一歩、また一歩。

  歩くたび、動くたびに足が擦れる。

  腕が擦れる。胸が擦れる―軽く揺れるのを押し込んでいたりする。

  キュッと引き締められたお尻が擦れる。

  そして―そこが擦れる。

  色々敏感になってる所がぴっちり包まれて引き締められて。

  さらに体中を包むこの雨がさらにわたしを刺激する。

  気持ちよくないわけ―ない。

  キュキュ、キュキュ、キュキュ、キュキュ……。

  雨降る夜に心と身体を昂らせるうちに部屋の中で雨音を聞いたり雨降る夜の風景を見ているだけでは足りなくなっていた。

  いっそあの雨の中に飛び出したい、でも真っ裸で雨の中に飛び出すにはちょっと迷いを吹ききれない。

  そんなある夜、思いを巡らせながら身をよじらせていたわたしは絶頂とある結論に「達した」。

  絶頂の熱い余韻とけだるさの残る身体をひっぱりつつわたしは行動した。

  そしてその結論を実現させる手段に「達した」。

  それがこのレインスーツ。今のわたしの姿で素肌なのだ。

  ホントは違うのだけどたまたまそう使える素材のスーツ。

  色々あった末に手に入った時―その日もやっぱり雨の夜だった―わたしは迷う事なく全てを脱ぎ捨ててスーツの、そして望んだ世界の「中」に飛び込んだ。

  キュルキュル、キュルキュル、キュルキュル、キュルキュル……。

  実際のサイズはともかく、スーツが身体にぴっちり来るのがたまらない。

  昂ぶってるわたしを引き締めてまとめ上げてくれてるのを感じるし。

  それに―裸じゃないから恥ずかしくもないし見られてもおかしくないものね♡

  もっともわざわざ見せるつもりはないけれど♪

  だからわたしはこの雨の中、この夜の中を気の済むまで歩ける。

  気の済むまで過ごせる。そして―気の済むまで、楽しめる。

  そう思うとますます歩が進んじゃう。

  ステップを踏むように軽く、忍び込む様に静かに。

  それでいて見せつけるように妖しく。

  常夜灯と雨粒の中で照り輝くレインスーツに包まれた両足を進める。

  ぴちゃぴちゃとベランダサンダル越しに雨を踏むたび。

  身体中に降り注ぐ雨粒が流れ落ちるたび。

  その刺激が足腰に伝わって来る。

  足を踏み出すたびにシュシュッと肌が擦れ、キュキュッと引き締まる。

  そのたびにわたしの足は前に踏み出されていく。

  それと重なる様に腕が動き、肩が動き、わたしの胸を優しくきつく揉むように引き締める。

  そう、この雨がわたしの体中を揉み上げてくれている。

  裸のまま部屋の中にいた時にはわからなかった感覚。

  夜の空気と雨の音、そして雨粒達がレインスーツと一つになりわたしを、わたしを……。

  シュルっ、シュルっ、シュルっ、シュルっ……。

  変な感じ。

  レインスーツを着てるから雨に濡れる事はないのに……濡れてる。

  やっぱり少しずつ染み込んでるのかな。

  歩き続けてるからちょっと汗かいちゃったかな。

  肌が火照ってるから少し蒸れてるのかな。

  それとも―感じすぎて―ヌ・レ・テ・イ・ル……のかな?

  キュンっ、キュンっ、キュンっ、キュンっ♡

  体の奥がキュンっと鳴るのを受け止めたレインスーツの生地もピクンと震える。

  わたしのあちこち、ちょっとビ・ン・カ・ンになってる♬

  目元以外顔までぴっちりと包まれた中で笑顔を浮かべながらより進みやすく、感じやすくなったような身体をぴっちりすりすりしながら雨降る夜の先へ、先へと進ませていく。

  もっと気持ちよくなりたい欲求をぎりぎりの理性でぴっちり抑えながら……。

  [newpage]

  はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ……。

  雨は降り続いてる。

  わたしは歩き続けてる。

  人知れず、ただ一人。

  時折雨に打たれる花を愛でたりしながら雨と戯れつつ歩いてる。

  そんな中やってきたのはある公園。

  いつもは何気なく通り、いろんな人達が過ごす公園だけど今はわたしだけ。

  こんな夜中に、こんな雨空に、こんな顔までぴっちりしたレインスーツを裸に着込んで来ているのはわたしだけ。

  そしてその状況を喜んでいるのは―わたしだけ。

  そう思うとまた身体が動き出す。

  はあ……はあ……はあ……はあ……はあ……。

  さすがにちょっと歩き疲れたのか屋根付きのベンチでちょっと休憩。

  軽く腰を下ろして背もたれに身体を預ける。

  雨に濡れたレインスーツ越しにお尻と背中に良い刺激が来ちゃう。

  思わず足を広げ、背中を大きくそらして自分を大きく開いて見せてしまうのは気持ちよくなりすぎてるせいかな。

  レインスーツいっぱいに突出された胸を生地がきゅっと押さえてる。

  さすがに生地が破れて中から……はないか。

  思わず軽く胸に手を当てもみ回して確かめてしまう。

  それに、思い切り広げてる両足の間、わたしの……。

  スーツにぴっちり包まれてる中で良い具合に花開いてる。

  いつの間にかすりすりと生地越しにお腹をさすっているうちに、レインスーツの中のわたしの身体がますます温かい。

  レインスーツ越しとは言えより間近に雨を感じている分ますます感じ出してる。

  休憩のつもりがこのままじゃ……。

  ちょっとクールダウン、ね。

  胸から片手を離し、そこに伸びていたもう一方の手をこらえつつわたしは再び雨の中に飛び出した。

  はっ、はっ、はっ、はっ、はっ、はっ……。

  滑り台のはしごを緩やかに登り、思い切り大胆にポーズを取ってそのまま滑り込む。

  ちょっとしたウオータースライダー気分を楽しんだら次はうんてい。

  足が地面に付かないように工夫しながら左右交互に手を伸ばして渡り切る。

  ジャングルジムはちょっとした冒険気分。

  外からじゃなくてあえてその中につるつるすべすべの身体をくぐらせていく。

  スタイルにはちょっと自身があるけどここだとちょっと苦しい……かな♪

  ついつい身体が引っかかちゃうけど猿の様に軽く、蛇の様に滑らかに登っていく。

  そして頂上に上り詰めると両手で枠を握って軽く吠えちゃう。

  この雨の中だもの、聞こえない―はず。

  はん登棒ではちょっとしたポールダンス、動物遊具では身体を思い切り弾ませてロデオ気分。

  雨の中で素肌とレインスーツを思い切りすりすりさせて遊具とたわむれる。

  こんなの、いつもの服を着て公園を散歩するわたしじゃこんな大胆な事は考えられない。

  そう、この夜が、この雨が、このレインスーツがわたしをここでこうさせてるの。

  そう思うとますます気持ちが高まってくる。

  ―雨がちょっと強くなってきた。

  雨に我が身をうたせつつ、静かに両手で胸をそっと包むとそのまま優しくもみ回しながら座っていた遊具から立ち上がる。

  はああ……はああ……はああ……はああ……。

  胸からくるすりすりと柔らかい感覚とときどき触れる感じるスイッチに浸りながらわたしは砂場に立つ。

  軽く足を振り、ラバーサンダルを振り払う様に脱ぎ捨てるとそのまましゃがみ込み、お尻からペタンと座り込む。

  ああ……雨が気持ちいい……。

  雨に打たれながらわたしはそっと仰向けになってゆく。

  そして……。

  [newpage]

  ザーザー、ザーザー、ザーザー、ザーザー……。

  スススッ、スススッ、スススッ……。

  あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ……。

  雨の中でひたすら胸をもみ回す。

  ザザザザザザザザザザザ……。

  スススッ、スススッ、スススッ……。

  あっ、あっ、あっ、あっ、あっ……。

  胸だけじゃない。今までさんざんお預けしていたそこにも遠慮なく。

  ザーザー、ザーザー、ザーザー、ザーザー……。

  キュキュ、キュキュ、キュキュ、キュキュ……。

  あぁっ、あぁっ、あぁっ、あぁっ……。

  レインスーツの中に潜む体の奥底がキュンっと鳴り、身体が火照りだす。

  ザーザー、ザーザー、ザーザー、ザーザー……。

  シュシュシュシュシュシュシュ……。

  あんっ、あんっ、あんっ、あんっ……。

  スーツの上から、いや、それこそ直接その辺りをすりすりとーどころじゃない。

  ザザザザザザザザザザザ……。

  シュルっ、シュルっ、シュルっ、シュルっ……。

  あぁん、あぁん、あぁん、あぁん……。

  迷う事なく下の方、パクパクと震え、キュンキュンっと鳴り響くその奥に突き進む。

  少しだけ入口の辺りをすりすりしたかったけどちょっと勢いづいちゃってる。

  ザーザー、ザーザー、ザーザー、ザーザー……。

  シュシュッ、シュシュッ、シュシュッ、シュシュッ……。

  あっ、あっ、あっ、あっ、あっ……。

  生地越し、いや、もう直接突き進ませても構わない。

  わたしの奥で思い切り指を震わせる。

  ザザザザザザザザザザザ……。

  シュシュシュシュシュシュシュ……。

  あぅん、あぅん、あぅん、あぅん……。

  スーツいっぱい、そしてわたしの肌中に雨を染み込ませるみたいにわたしはスーツの生地越しに揉みしだく。突き入れる。

  雨に覆われた暗がりの中でわたしの声が雨音と一つになる。

  いい。気持ちいい。

  その気持ちよさのままひたすら体をよじらせながら高まっていく。

  そして……。

  ザザァー、ザザァー、ザザァー、ザザァー……。

  キュンっ、キュンっ、キュンっ、キュンっ……♡

  あ、あ、あ、あっ、あっ、あっ……。

  「アァァッ♡」

  雨音が一段大きくなった瞬間、わたしは鳴いた。

  荒く、激しく、そして甘く。

  こんないい声で鳴けるのって……いい。

  達した余韻にけだるく火照る身体に雨がひんやりと心地良い。

  ちょうどいい具合に身体が引き締まる。

  引き締まると……また、来ちゃう♡

  今度はうつ伏せになるとそのまま肘と膝を付いて獣の形で身を起こす。

  頭の形をほどよく確かめてからうなじに、背中に、腰に、お尻に雨を受けながら顔から首すじ、鎖骨と撫でていく。

  より敏感になっている生地越しの肌触りが心地いい。

  胸の辺りを先端を軽くいじりつつちょっと念入りに左右交互に撫で回すとそのままおなか、そして……お尻をちょっと焦らすように撫でる。

  やっぱりこのすりすりはいい。いい。いい……。

  「ーっ!♡」

  [pixivimage:78322127]

  そのすぐあと、わたしは吠えた。

  雨の中で文字通り獣の様に。

  雨に濡れたレインスーツの顔の中でわたしは間違いなく悦んでいる。

  やっぱり雨の夜は……こうせずにはいられない。

  だからもう少し、もう少しだけこうして……♡

  [newpage]

  どれだけ雨に打たれたか。

  どれだけ雨を受け止めたか。

  どれだけ雨の中で「鳴いた」のか。

  その喜びの余韻と共にわたしは帰って来た。

  ホントはあそこからレインスーツを脱ぎ捨てて文字通りの素肌で雨と夜の空気を感じたかった。

  でも―それはまた時が来るのを待つ事にしておこう。

  とりあえず玄関を潜ると用意していたタオルでしずくを拭い終えたレインスーツ姿のままバスルームヘ。

  全身を顔までぴっちり覆い包まれた身体に改めて浸りながらもスーツを脱いでいく。

  マスクから髪が現れ、満ち足りた素顔が、いろいろな意味で「濡れて」火照った素肌があらわになっていく。

  レインスーツをそのまま抱きしめたい気持ちを抑えつつシャワータイムへ。

  外とはまた違う心地よい雨に打たれて適度に温まったら身体とレインスーツをあわあわと洗っていく。

  雨の中で一つとなって楽しんだ「素肌」、きちんときれいにしておかないと。

  でも、こうして裸のままでシャワー&ウォッシュしているととついつい雨の中を思い出して……。

  ーあっ♡

  身体を洗おうとしてるのに………。

  スーツを洗っておきたいのに……♪

  結局お風呂場で「楽しんだ」あとバスタオルを巻いたままの姿でベッドに倒れ込んでしまった。

  静けさと明るさの中で目を冷ましたのはどれだけ時間がたったあとか。

  緩やかに身体を起こし、窓に向かう。

  その先の空は明るく晴れている。

  雨が止んだあとのすっきりした青空の予感。

  大きく息をするうちに気持ちが夜から朝に、雨から晴れに切り替わっていく。

  そして大きく伸びをした時、身体に巻いていたバスタオルがはらりと落ち、遮るものなき素肌いっぱいに光のモーニングシャワーが降り注いだ……。

  了