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不思議な獣面【FANBOX試し読み】

  [chapter:サンプル]

  「行ってきます」

  「今日寒いからコート羽織って行きなさい」

  「あぁ、うん。分かったよ」

  母から渡された薄手のコートを羽織りながらいつものように家を出る。今日も代わり映えのしない日常が始まる。

  俺は田又貴(たまた たかし)。去年高校生になったばかりの普通の人間だ。特に特技があるわけでもなくて得意な事もあまりない、普遍的な人間だと自負している。

  他の高校生の違いがあるとすれば、幼い頃に父親を亡くして母と一人暮らしである事くらいだろう。ガキの頃は父がいなくて寂しい思いをした事もあったが、母さんが俺の事を大切にしてくれているので今は気にならなくなった。

  「よう、貴」

  「おはよう」

  それに、俺と仲良くしてくれている親友の存在もあるしな。やや消極的な俺とは違い活発で気のいい奴だ。

  「来週テストだろ? 貴は勉強してんのか?」

  「あぁ、まあ……少しは」

  「俺はどうしてもやる気起きなくてさー。貴、のんかいい方法ねぇ?」

  「うーん……どうだろ」

  俺の親友、美甘良介(みかも りょうすけ)は、勉強はそこそこだがスポーツ万能で、体育祭やスポーツ大会では毎年好成績を残している。中学の頃はクラスのヒーローとして目立っていた記憶がある。それでもそんな自分に驕らずこんな俺とも平等に接してくれているいい奴だ。

  小学生の頃に友達が作れず孤立していた俺に声をかけてくれたのも良介だったな……ほんと良介には感謝してもしきれない。

  「良介、今日学校終わったら暇?」

  「あ、うん。暇だよ」

  「なら俺の家来ねぇ? いいモン買ったんだ。お前にも見せたくて」

  良介がそんな事を提案してくる。そういや、良介とは中学くらいまではよく一緒に遊んでたけど、勉強や部活が忙しくなってきた最近は一緒に遊ぶ事も少なくなってたな……そんな事をふと思った。

  「うん、じゃあ行こっかな」

  俺は良介の提案に甘える事にした。最近は退屈な日が続いてたし、久々に親友と他愛のない会話をし合うのも悪くはないと思ったからだ。何より、今でも俺の事を友達として想ってくれている事が何よりも嬉しかった。

  いつまでも、良介とこうやってくだらない話をしながら、ずっと一緒にいられたらいいのに……心からそう願う。

  でも、高校を卒業したら大学に入って、就職して……いくら学生の時に仲が良い友達だとしても、そうやっていつか疎遠になってしまうのだろうと覚悟もしていた。だからこそ、この短い月日での親友との時間を大切にしたいと思っていた。

  この時、良介も俺と同じ事を考えていたのだろうか? 俺が願った事は願ってはいけない贅沢な願いだったのだろうか? 後の事を考えると、俺はつくづくそう感じてしまうのだった――

  ◆

  「ま、ゆっくりしてけよ」

  「お邪魔します」

  学校が終わり、俺は久しぶりに良介の家へ行く事になった。数年ぶりに入った良介の部屋はゲームやプラモが置いてあった頃に比べ大分すっきりしており、教科書やスポーツグッズが整理されて置かれている部屋になっていた。時が流れ大人びていく親友の姿に俺は少し寂しくなった。

  「とりあえずお茶でも持ってくるからゆっくりしてけよ」

  そう言いながら良介は台所へと向かい、俺は良介の部屋に一人になった。明るい良介の声がなくなると、綺麗に掃除された部屋内はしん、となった。

  「それにしても、良介変わったな。昔はもっと元気だったのに。なんか、前と比べて大人になったっていうか」

  そんな言葉を俺は呟く。まあ、もう高校生になったのだから心身共に成長していくのは当たり前で、あの良介にも俺の知らない経験や物語があり、それが彼を変えていったのだと割り切ってはいたけど、やっぱり少ししんみりとした。

  そんな時、俺はふと良介の勉強机に目をやる。そこには筆記用具やノートと一緒にぽつりと変なモノが置かれていた。

  「ん?」

  それはお面だった。動物を模した絵柄が描かれており、額や頬などありとあらゆる箇所に不思議な紋様が描かれている面だ。それは何らかの儀式に使うような、異様で物々しいデザインで、その面を見つめていた俺は何か変な気分になる。

  「なんだこれ、良介こんなの買ったのか? なんか、奇妙なデザインだな……」

  でも……どうしてだろう。このお面を見ていると、それを自然と自分の顔に被せたくなってしまう……

  こうやって……俺の……自分の顔を覆い隠すように――

  面が俺の顔に着こうとした瞬間。

  「おい、何やってんだ?」

  「わっ!」

  後ろから良介の声がして俺の体は飛び跳ねた。心臓もドクドクと鳴っている。俺は不自然にはにかみながら気まずそうに後ろを向く。そこにはお菓子とジュースを持った良介が立っていた。

  「ごっ、ごめんっ! 勝手に触っちゃって!」

  「別にいいよ。俺とお前の仲だしな。それよりもこれ、お前も気になるよな?」

  「これ……って?」

  良介が指差したのは俺が手にまだ持っていたお面。確かに、これを見た瞬間、俺は変な気分になった。どうしても今すぐにこの面を着けなければいけないと思ってしまった。明らかにおかしい。でも俺はそれをおかしいとは思っていても嫌だとまでは思えなかった。

  「そのお面だよ。去年海外旅行に行った時に露店で売ってたんだけど、なんか惹かれるものがあったから買ったんだよな〜イカすだろそのデザイン?」

  「あぁ……うん、まぁね」

  良介は俺からお面を受け取ると天にかざして俺に全体図を見せてくれる。

  道理で変わったデザインなわけだ。口の部分は犬や猫のような動物の口吻になっていて、本当にまるで動物の顔面を引き剥がしたかのような感じだ。被るだけで動物の力が得られそうなパワーすら感じられるようだ。

  「へへ……ちょっと被ってみようかな」

  笑いながら良介は自然な流れで手に持ったお面を近づけていく。俺にはその様子がスローモーションに見えているようだった、背中がゾワゾワとして、何だかよく分からないけれど、このままだと取り返しのつかない事になる――そんな気がした。俺は「待って!」と叫ぼうとした。だけど声は出ず、手を伸ばす。でもその手すらも届かなかった。

  「あっ」

  俺は手を伸ばしたままお面を被った良介をただじっと見ている事しかできなかった。一瞬、良介の部屋の中の空気が止まって、時間すらも虚空に消し飛んでしまったように、その空間には完全な静寂が訪れる。

  「どうよ? 似合って……ぐっ!?」

  突如、良介が苦悶の声をあげた。その瞬間、止まっていた時間が一気に動き出す。良介の両手は顔を押さえ背筋は後ろに海老反りに仰け反った。

  「あっ! ガッ!? んっ、ぅおおぉおぉ!?」

  目の前の良介は、その体を暴れさせ、人目も憚らず大声をあげて悶えていた。被ったままの面が、まるで顔に張り付いた化け物のように見えてくる。

  「良介……? 良介っ!」

  「あっ! んあああアアアああアあああアアアアアアアアああ!」

  良介は面を剥がそうとしているのか頭を押さえて手前に必死に動かしている。そんな良介を助けたかったがその異様な光景に俺はただ叫ぶ事しかできなかった。

  「アアアァアアアァァァアアァアアアアァァァ!!」

  風を切り裂いてしまうかのような鋭い雄叫びとともに面の口吻の部分がガバリと開いて鋭い牙を覗かせる。このお面にそんなギミックがあるなんて知らなかった。いや、これはギミックとかそんな生優しいものじゃない。この面はこの世の常識では当てはめられない存在だ。俺は目の前の光景を見てそう思わざるを得なかった。

  「りょう……すけ……」

  だって、良介が良介ではなくなっていくのを目の前で見ているのだから。良介の体が明らかに大きくなって、面を押さえている指には鋭い爪が生えて、破けた服の下から銀色の毛が生えていくのをこの目で見たら、どんな常識も嘘に思えてきてしまう。

  「ウア! ゴ、アッ……ングァアアアァァアァァァ!!」

  服の破片を撒き散らしながら良介の身体は上に横に膨れていく。露出していた血色の良い肌はふさふさと際限なく生えてくる銀色の獣毛に隠れて消えてしまう。良介の面影が獣に上書きされてしまう。脚の関節だって変わっていっているし、両手には肉球なんかもできてしまっている。腰には束のような尻尾が垂れ下がっている。

  良介がニンゲンじゃなくなっていく。良介がケモノになっていく。動物を模した面に沿うかのように良介自身も動物になっていく。

  「アァ……オッ……ウォゥ……!」

  そしてとうとう良介の首から下は完全に二足歩行の狼になってしまっていた。一瞬にして俺の親友が化け物に変わった。その事実を俺は受け入れられなかった。良介は苦しそうに頭を抱えて呻いている。その声は人間の苦悶の声などではなく狼の鳴き声のように聞こえている。

  顔に被っていたはずの面が馴染んでいくのが分かる。派手な装飾が施された作り物の顔面ではなく、銀色の毛に覆われた狼の顔。良介の面影が否応にも感じられてしまう獣の顔。

  やだ……いやだ。良介が、俺の親友が、化け物になってしまうなんて。

  「りょ……りょうす」

  「アオオオオオォォォォォンッ!!」

  部屋中に響いた声。それはどう聞いても狼の遠吠えと形容せざるを得なかった。エコーのように遠吠えが反響して俺の耳をつく。しかしその独唱はこれから始まる事態の序曲でしかなかった。

  ポンッ! ボンッッ! そんな音が木霊するようだった。良介の身体が風船のように勢いよく膨れ上がったのだ。

  スポーツで鍛えられてスラっとした体型だった良介の体に脂肪がついていく。柔らかなクッションは腕にも首にも胸にも脚にもついて良介のボディラインを一気に変えていった。腹筋が割れた腹部も脂肪によって膨らみ太鼓腹になった。

  「あぁ……っ、イッ……」

  一気に巨漢デブになってしまった良介は口から涎を垂らしながら低い声で呻く。目をギラつかせながらこちらを――俺を見ている。今の俺は獲物なのだろうか。それとも――それは良介にしか分からなかった。

  ふと下を見ると、良介の下腹部が体毛を押し上げてもっこりと膨らんでいるように見えた。そしてそれは間違いではなかったようだ。膨らみから真っ赤な棒がズルリと皮を割って飛び出したからだ。

  根元がコブのように膨らんだ赤くてツルツルとした肉棒は、良介のチンポだ。ココも狼のモノになったのだろう。そしてその先端から尿でも精子でもない透明な汁がダラダラと垂れて部屋のカーペットを汚す。

  「イッ、クゥゥゥゥゥウウウ!!」

  良介は叫びながら盛大に射精した。透明な汁が際限なく溢れ出したかと思うと、次に白の精子、それがしばらく出た後グラデーションのように黄ばんだ精子がまた出続けていた。

  ダラダラと精子を垂れ流す親友の姿を俺はただ見ている事しかできない。目を逸らしたいほどの痴態なはずなのに目を離せない。

  射精が終わると余韻に浸っているのか肩を垂らしてハァハァと息をする良介。本当にひとつの体から出たのかと思うほど大量の臭い液体が床に撒き散らかされている。

  「良介……っ!」

  良介の名前を呼びかけた瞬間、良介は俺に対してギラついた瞳を向けてきた。間違いない……これは俺を獲物として見ている目だ。俺はつい後ずさった。もしこの大きな体の獣が俺を襲ってきたら……きっと俺はひとたまりもないだろう。俺は、自分の親友が俺を襲う獣になるなんて思いもしなかった。もし俺があの時あの面を取っていなければ……俺は後悔した。しかしそんな事を思ってももう後の祭りだった。

  「……っ、あぁっ!」

  良介は俺めがけて走ってくる。その大きな図体からは想像もつかないスピードで、俺は逃げる事もできなかった。このまま俺はこの獣と化した親友に命を奪われるのか。そんな事を思いながら死を覚悟した。しかし、俺を襲ったのは鋭い爪でも牙でもなくて、柔らかな毛と肉の感触だった。

  「タカシ! ボクかっこよくなったでしょっ♡」

  良介はそんな甘ったるい声を出しながら俺に抱きついてきたのだ。俺は困惑した。その表情は狼というよりかは犬のようで、しかもそれはまるで主人に甘えている飼い犬のようだったから。

  「おい、一体どうしたんだ……何が起きたんだ!」

  「ボクね、ボクねずっとタカシといっしょに遊びたかったんだー! だからホントウの姿になれてボクとってもうれしいんだぁ! ねっ、ねっ、タカシ、きょうはボクと夜まで遊ぼっ!」

  毛だらけの頬を擦り付けながら俺に全力で甘えてくる良介。柔らかな肉や体毛の感触が気持ち良くて、俺もつい良介に抱きつきたくなってしまう。それよりも驚いたのは良介の変わり様だ。こんな丸々と太った狼男になった上に、ちぎれんばかりに尻尾を振りながら俺に甘えてきている。しかも……

  「ちょっ……当たってる、当たってる!」

  「ふふ、わざと当ててるんだもーん」

  俺の股間にその未だに高く反り立ったチンコを擦り付けてくるのだ。息を荒くして今にもキスをしそうな距離まで顔を近づけている良介。俺はどうにかして離れようとしたががっちりとホールドされて身動きが取れない。

  「ふふっ、可愛いねタカシ。タカシは今日は一日中ボクと遊ばなきゃダメなんだよ? ボクはもうガマンなんてしなくていいんだ。ずっと、ずーっとタカシと一緒にこうして抱き合ってたい!」

  俺の眼前でそう言った良介は満面の笑みを浮かべていた。爛々としたその瞳の中は微かに潤んでいた。俺を抱き締める腕の力が強くなっていく。

  良介は……子供のように俺を抱きながら甘える俺の親友は、小学生の時と同じように見えた。

  「もう……もうガマンできない!」

  「何をす……うわっ!」

  俺は不意をつかれる。急に声を荒げた良介は、そのまま俺の服を一気にはだけさせた。服は勢い良く脱げて俺の裸体が晒される。

  「やめっ……良介、やめろ!」

  「だって……だって、ダメなんだもん。チンチンがピクピクして、今すぐ、タカシの中にボクの挿れたいんだもん!」

  そう言うとズルリと俺のズボンをパンツごと脱がした。縮こまったチンコが露わになり、俺は恥ずかしさのあまり蹲ってしまう。しかしそんな俺を良介はそのまま抱きかかえた。

  「タカシぃ、ごめんよぉ……でもボク、もう限界……タカシのナカにズボズボしたい、タカシをボクのニオイでいっぱいにしたい!」

  身も心もけだものと化した俺の親友は、俺の目の前で真っ赤で太くなったコブつきチンポをグチュグチュと扱いている。透明な汁が先っぽからどんどん溢れて部屋のカーペットを汚す。

  「んっ、んんっ……」

  その汁を自分の指に絡ませたと思うと、すかさず俺のケツの穴の中にその指を挿れてきた!

  「ぐあっ」

  俺はその感覚につい呻いた。中に侵入してくるキツイ感覚……俺の腹の中がグッとなって妙な感覚に陥る。このよく分からない奇妙な感じ……このままだとまずい事になる。俺はそう思い良介から離れようともがくが、尻の穴に突っ込まれた指が引っかかってろくに動く事ができない。

  「りょ、良介、やめ……ぐあっ、あっ!」

  グチュグチュと俺の中からいやらしい水音が聞こえてくる。指を上下に出し入れするたびに入りがスムーズになってきている。俺は……俺は、嫌なはずのその行為が段々……気持ちよく感じてしまっている。

  「あっ、あっあっ……くっ……」

  「ふふっ、気持ちいいんだね。もっと気持ちよくしてあげる」

  そう言うと良介は二本目の指を俺の尻穴に挿れた。さっきよりも太いものが入っているのにつっかえることなく動きがスムーズになっている気がした。

  「んんっ、これっ、おかしっ……おあっ!」

  グチュグチュ、コリコリと良介の指が出し入れされるたびに俺は股座の奥から迸る熱を感じていた。それが過ぎるたび、キンタマはムズムズして、チンコは鎌首をもたげはじめている。

  やばい。俺の思考はもうそれだけだった。変わり果てた俺の親友をどうにかしたいという気持ちも、俺が良介に抱いていた感情も、もうどうでもよくなりかけていた。俺はこの目の前の狼に、イカされてしまう!

  「ぅあっ!! イッ……!」

  そう声をあげた瞬間、絶頂の寸前、良介の指が俺の穴から唐突に抜かれた。寸止めを食らった俺のチンコは勃起状態を維持したままビクビクと震える。

  「ふふ、まだイッちゃダメ。これからもっと気持ちよくなってほしいからね」

  そう意地悪そうに笑った良介はチンコをクチュクチュと扱き出す。するとその狼チンコはみるみるうちに大きく長くなっていき、最終的には子供腕ほどの大きさにまで膨れ上がった。

  「さぁ、これがボクの愛の大きさだよ。タカシ、ボクを受け入れてくれるよね?」

  大きなチンコをぶらつかせた良介が俺にのしのしと近づいてくる。その表情は無垢そのもので、悪意など微塵も感じられない。だからこそ俺は恐怖をおぼえた。がっちりとその大きな図体で、太い腕で、俺をぎゅっと抱き締めた良介は……そのまま無防備な俺の尻穴へと、チンコを突っ込んだ……

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